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#166 新たな問題勃発か
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「何か心配事などはありますか?」
そこで、壱は「心配事では無いんですが」と前置きして、受付に付いて聞いてみる事にする。
「ああ。どうしようかとも思ったのですが、現状では必要無いかと思いました。事務作業から診察から、私ひとりで充分事足りるでしょうから。今回の様な健康診断では無く、普通の診療では、待合室すら必要無いのではと思っているところで。ですが万が一患者さんが被ってしまったら、調子を崩された患者さんを外でお待たせする訳には行きませんからね」
「不便は無いカピか?」
サユリも聞く。
「ええ。大丈夫です。ご配慮頂きありがとうございます」
ノルドははっきりと言い、小さく頭を下げた。
「あ、ノルドさん、もうひとつ。初めてここに来た時、待合室の奥の3つのドア、どれがどのドアか判らなくて困っちゃったんです。プレートみたいなのを付けられたらどうかと思って」
するとノルドは「あっ!」と短く声を上げた。
「そうですね! それはうっかりしていました! 早速ロビンさんにご相談させていただこうと思います。ご迷惑をお掛けしました」
「いえいえそんな」
深く頭を下げるノルドに、壱は焦って手を振る。
「ノルド、我も聞きたい事があるカピ」
「あ、はい、何でしょうか」
サユリの問いに、ノルドが漸く顔を上げる。
「以前言っていたカピな。この村の噂、犯罪者が暮らす村があるという噂を聞いて、ここに来たカピと」
「ええ、私が勤めていた病院の患者さんが仰っていたのを小耳に挟みまして。その時は「そうなのか」程度にしか思わなかったのですが、私が巻き込まれた件の時に思い出したんです。ですがその時の立場故、その患者さんに詳細をお伺いする事も出来なくて。結果として辿り着く事が出来ましたから良かったんですが」
ノルドが穏やかな笑みを浮かべながら言うと、サユリは考え込む様に眼を閉じてしまった。
「サユリ? どうかした?」
「……何でも無いカピ」
冷静な声で応えられるが、この様子だと気になる事があるのだろう。しかしサユリはそれ以上口を開かない。
この場で聞いても無駄だと悟り、壱はまたノルドに向き直る。
「ええと、俺は特に気になる事は無いです。しんどいとかも無いですし」
「そうですか。それは何よりです。特にイチくんの隣にはサユリさんがおられますから、益々大丈夫かとは思いますが、万が一何かありましたら受診してくださいね。往診もいたしますから」
「はい。ありがとうございます」
ノルドの頼もしげな台詞に、壱は小さく頭を下げた。
「ああ、そろそろ時間でしょうか。次の方は来られているでしょうか。イチくん、サユリさん、お疲れさまでした」
「ありがとうございました」
壱は立ち上がり、診察室を出る。すると待合室のベンチでは、茂造の横にミルが座っていた。
壱の後に着いて出て来たノルドが笑みを浮かべる。
「次はミルさんですね。診察室へどうぞ。店長さん、イチくん、サユリさん、お疲れさまでした」
「はい。お願いします」
ノルドの台詞にミルは立ち上がり、壱たちと擦れ違いざまに丁寧に会釈をし、ノルドに促されて診察室に入って行った。
「さて、帰るとするかの。少しはゆっくりで出来るかの」
茂造が言いながら立ち上がると、サユリは小さく息を吐く。
「ゆっくりは出来るカピが、話もあるカピよ。あまり良い話では無いカピ」
それは先程のノルドとの会話が起因だろう。壱は小さく息を飲む。
「……ほいほい、解ったぞい」
サユリの様子を見て察したか、茂造の顔から笑顔が消えた。
そこで、壱は「心配事では無いんですが」と前置きして、受付に付いて聞いてみる事にする。
「ああ。どうしようかとも思ったのですが、現状では必要無いかと思いました。事務作業から診察から、私ひとりで充分事足りるでしょうから。今回の様な健康診断では無く、普通の診療では、待合室すら必要無いのではと思っているところで。ですが万が一患者さんが被ってしまったら、調子を崩された患者さんを外でお待たせする訳には行きませんからね」
「不便は無いカピか?」
サユリも聞く。
「ええ。大丈夫です。ご配慮頂きありがとうございます」
ノルドははっきりと言い、小さく頭を下げた。
「あ、ノルドさん、もうひとつ。初めてここに来た時、待合室の奥の3つのドア、どれがどのドアか判らなくて困っちゃったんです。プレートみたいなのを付けられたらどうかと思って」
するとノルドは「あっ!」と短く声を上げた。
「そうですね! それはうっかりしていました! 早速ロビンさんにご相談させていただこうと思います。ご迷惑をお掛けしました」
「いえいえそんな」
深く頭を下げるノルドに、壱は焦って手を振る。
「ノルド、我も聞きたい事があるカピ」
「あ、はい、何でしょうか」
サユリの問いに、ノルドが漸く顔を上げる。
「以前言っていたカピな。この村の噂、犯罪者が暮らす村があるという噂を聞いて、ここに来たカピと」
「ええ、私が勤めていた病院の患者さんが仰っていたのを小耳に挟みまして。その時は「そうなのか」程度にしか思わなかったのですが、私が巻き込まれた件の時に思い出したんです。ですがその時の立場故、その患者さんに詳細をお伺いする事も出来なくて。結果として辿り着く事が出来ましたから良かったんですが」
ノルドが穏やかな笑みを浮かべながら言うと、サユリは考え込む様に眼を閉じてしまった。
「サユリ? どうかした?」
「……何でも無いカピ」
冷静な声で応えられるが、この様子だと気になる事があるのだろう。しかしサユリはそれ以上口を開かない。
この場で聞いても無駄だと悟り、壱はまたノルドに向き直る。
「ええと、俺は特に気になる事は無いです。しんどいとかも無いですし」
「そうですか。それは何よりです。特にイチくんの隣にはサユリさんがおられますから、益々大丈夫かとは思いますが、万が一何かありましたら受診してくださいね。往診もいたしますから」
「はい。ありがとうございます」
ノルドの頼もしげな台詞に、壱は小さく頭を下げた。
「ああ、そろそろ時間でしょうか。次の方は来られているでしょうか。イチくん、サユリさん、お疲れさまでした」
「ありがとうございました」
壱は立ち上がり、診察室を出る。すると待合室のベンチでは、茂造の横にミルが座っていた。
壱の後に着いて出て来たノルドが笑みを浮かべる。
「次はミルさんですね。診察室へどうぞ。店長さん、イチくん、サユリさん、お疲れさまでした」
「はい。お願いします」
ノルドの台詞にミルは立ち上がり、壱たちと擦れ違いざまに丁寧に会釈をし、ノルドに促されて診察室に入って行った。
「さて、帰るとするかの。少しはゆっくりで出来るかの」
茂造が言いながら立ち上がると、サユリは小さく息を吐く。
「ゆっくりは出来るカピが、話もあるカピよ。あまり良い話では無いカピ」
それは先程のノルドとの会話が起因だろう。壱は小さく息を飲む。
「……ほいほい、解ったぞい」
サユリの様子を見て察したか、茂造の顔から笑顔が消えた。
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