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#05 魔法でお米を育てましょ。その1
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「時間魔法は、対象の時間経過を早めたり遅めたり出来るカピ。農協にあった物だから、塩水選は終わっている筈カピ。次は種を消毒するカピ。60度の湯を用意するカピ」
サユリに指示され、茂造が立ち上がる。
「おお、ちょうど良い。壱よ、湯を沸かすついでに裏の案内をしよう。付いて来るんじゃ」
言われ、壱も席を立ち、茂造に続いた。まずはカウンタ。
「ここがカウンタじゃな。酒とかドリンクとかを作るんじゃ。湯はここで沸かそうかの」
茂造はカウンタの下に設えてある棚から銅製の薬缶を取り出し、水を入れるとコンロに掛ける。レンガ造りだ。五徳は鉄製の様である。
「さて、沸くまで裏の厨房を案内しようかの」
カウンタの奥の一部が開いていて、さらに奥に厨房に広がっていた。
「結構広いんだな」
「まぁのぅ。今はおらんが、調理担当が儂含めて3人おるからのう」
カウンタと同じ造りのコンロが6台、木製の調理台も広く、石造りのシンクも何台かあった。奥には壱も見知った様々な調理器具や根菜が置かれた棚と、銀色の大きな扉の、冷蔵庫に似ているもの。そしてレンガ造りの四角い池の様なものがあり、水が張られている。
「あの銀色の、冷蔵庫?」
「電気はあるからの、街で開発されてからすぐに仕入れてのう。村の集会所に共用の大型が1台と、この食堂に1台。最近の事じゃし、そんなんじゃから村人はあまり使わんでの、肉のほとんどは捌いた後にすぐに干したり燻製にしたりして保存するんじゃ。魚なんかは生きたまま運んでもらって、注文があってから捌いてカルパッチョなんかにして出したりしておる」
「ああ、奥の池みたいなあれは生け簀か」
「そうじゃ。基本はその日に食べるものだけを取ったりしておる。冷蔵庫を仕入れるまでの習慣が抜けんのじゃな。それまでは生のままじゃ保存が出来んかったからのう」
「コンロは? 薪とかそういうのじゃ無さそうだけど」
「地下資源にガスと似たものがあるんじゃ。儂はついガスと呼んでしまうが、本当はボンズと言うんじゃ」
「俺もガスって呼びそう」
「ほほ。さて、そろそろ湯が沸いたかの」
カウンタに戻ると、薬缶の蓋がコトコトと音を立てていた。
「おっと、沸かし過ぎたかの。どれ、水で埋めるとしよう」
茂造が蛇口を捻ると、綺麗な透明の水が流れ出て来る。
「じいちゃん、その水は生で飲めるのか?」
「飲めるぞ。地下水での、そもそもこの村周辺には工場とかも無いからの、汚染されんからのう。街から月1で役人が来て水質検査をしとるが、何か出た事は無いぞ。ちなみに工場なんかのある街には浄水施設があるんじゃ」
「地域によって違うって事か」
「そういう事じゃな」
茂造は薬缶に水を足し、サユリとも種もみが待つフロアに戻る。
「サユリさん、お待たせしたの。測ってはおらんが、だいたい60度じゃと思うぞ」
「ふむ、厳密でなくとも構わぬカピ。これに種を10分浸すカピ」
「じゃあボウルがいるのう。壱や、厨房の棚からボウルを取って来てくれんかのう」
「分かった」
壱は厨房に行く。棚までまっすぐに進み、ボウルを探す。
「ボウルボウル……これか」
素材こそ壱の馴染みのある材質では無かったが、形的にそれ以外考えられなかった。先ほどの薬缶と同じ銅製だと思われる。
念のためにふたつ取って、フロアに急いだ。戻るとサユリがテーブルの上に上がっていた。
「じいちゃん、これか?」
「そうじゃ。何じゃ、向こうじゃボウルはこれじゃ無いのか?」
「形は同じだけど素材がな、ガラスとかアルミとかステンレスだよ。多分一般家庭にはあんまり無い。プロ仕様かな。道具屋では見た事がある」
「そうか。儂は向こうでは台所に立つなんて事無かったからのう」
年代的に珍しい事では無いのだろう。家事も子育ても全て妻に任せていた世代。今やそれが熟年離婚の原因になっていたりする事は黙っておこう。
サユリに指示され、茂造が立ち上がる。
「おお、ちょうど良い。壱よ、湯を沸かすついでに裏の案内をしよう。付いて来るんじゃ」
言われ、壱も席を立ち、茂造に続いた。まずはカウンタ。
「ここがカウンタじゃな。酒とかドリンクとかを作るんじゃ。湯はここで沸かそうかの」
茂造はカウンタの下に設えてある棚から銅製の薬缶を取り出し、水を入れるとコンロに掛ける。レンガ造りだ。五徳は鉄製の様である。
「さて、沸くまで裏の厨房を案内しようかの」
カウンタの奥の一部が開いていて、さらに奥に厨房に広がっていた。
「結構広いんだな」
「まぁのぅ。今はおらんが、調理担当が儂含めて3人おるからのう」
カウンタと同じ造りのコンロが6台、木製の調理台も広く、石造りのシンクも何台かあった。奥には壱も見知った様々な調理器具や根菜が置かれた棚と、銀色の大きな扉の、冷蔵庫に似ているもの。そしてレンガ造りの四角い池の様なものがあり、水が張られている。
「あの銀色の、冷蔵庫?」
「電気はあるからの、街で開発されてからすぐに仕入れてのう。村の集会所に共用の大型が1台と、この食堂に1台。最近の事じゃし、そんなんじゃから村人はあまり使わんでの、肉のほとんどは捌いた後にすぐに干したり燻製にしたりして保存するんじゃ。魚なんかは生きたまま運んでもらって、注文があってから捌いてカルパッチョなんかにして出したりしておる」
「ああ、奥の池みたいなあれは生け簀か」
「そうじゃ。基本はその日に食べるものだけを取ったりしておる。冷蔵庫を仕入れるまでの習慣が抜けんのじゃな。それまでは生のままじゃ保存が出来んかったからのう」
「コンロは? 薪とかそういうのじゃ無さそうだけど」
「地下資源にガスと似たものがあるんじゃ。儂はついガスと呼んでしまうが、本当はボンズと言うんじゃ」
「俺もガスって呼びそう」
「ほほ。さて、そろそろ湯が沸いたかの」
カウンタに戻ると、薬缶の蓋がコトコトと音を立てていた。
「おっと、沸かし過ぎたかの。どれ、水で埋めるとしよう」
茂造が蛇口を捻ると、綺麗な透明の水が流れ出て来る。
「じいちゃん、その水は生で飲めるのか?」
「飲めるぞ。地下水での、そもそもこの村周辺には工場とかも無いからの、汚染されんからのう。街から月1で役人が来て水質検査をしとるが、何か出た事は無いぞ。ちなみに工場なんかのある街には浄水施設があるんじゃ」
「地域によって違うって事か」
「そういう事じゃな」
茂造は薬缶に水を足し、サユリとも種もみが待つフロアに戻る。
「サユリさん、お待たせしたの。測ってはおらんが、だいたい60度じゃと思うぞ」
「ふむ、厳密でなくとも構わぬカピ。これに種を10分浸すカピ」
「じゃあボウルがいるのう。壱や、厨房の棚からボウルを取って来てくれんかのう」
「分かった」
壱は厨房に行く。棚までまっすぐに進み、ボウルを探す。
「ボウルボウル……これか」
素材こそ壱の馴染みのある材質では無かったが、形的にそれ以外考えられなかった。先ほどの薬缶と同じ銅製だと思われる。
念のためにふたつ取って、フロアに急いだ。戻るとサユリがテーブルの上に上がっていた。
「じいちゃん、これか?」
「そうじゃ。何じゃ、向こうじゃボウルはこれじゃ無いのか?」
「形は同じだけど素材がな、ガラスとかアルミとかステンレスだよ。多分一般家庭にはあんまり無い。プロ仕様かな。道具屋では見た事がある」
「そうか。儂は向こうでは台所に立つなんて事無かったからのう」
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