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2章
翠くんの卒業
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「俺たちが知らないうちに色んな事が有ったんだな……」
そう話しながら、なぜか空くん泣きそうな顔をしている。
「言えなくてゴメン……」
空くんは僕を抱き締めると、俺……楓の親友なのに何もできなくてマジでゴメンと呟く。
――空くんはそんな風に思ってくれていたんだ……
僕がΩだと思われていた時から変わらずに一緒に居て支えてくれていた。
「空くんには色々と支えてもらってたよ。だから……これからもよろしくね。」
翠くんが卒業するまでは僕たちの関係は他言しないこと。
それが父さんとの約束だった。
Ωになった翠くんは、まだ不安定な事もあり大人のフォローは必要不可欠だったから、先生達には話が通されている。
そして、今日は翠くん達3年生が卒業する。
おめでたい日なのは分かっているのに、素直に喜べない。
翠くんと一緒に暮らしてはいるけれど、もう一緒の学校で過ごすことは今日で最後。
同じ学校で学生でいられるのは、あと数時間……
改めて自覚をすると胸が締め付けられるように苦しい。
そんな僕に、空くんが心配そうに声をかけてくれて今に至る。
「楓くん、僕はビッチングって都市伝説だと思ってた、それほどまでに2人の気持ちが強いのは、2人が運命の番だって事だったんだね。」
えっ?運命の番?
僕の反応に、光くんは驚きを隠せないのか、僕の顔をまじまじと見上げている。
「えっ?楓くんマジで分かってないの?」
冷やかな目をした光くん……
光くんはΩなのに、なんでこんなに怖いのか意味が分からない。
助けを求めるように空くんに目をむけると、空くんも信じられないといった表情を浮かべている。
背中がゾクゾクする。
光くんは、僕の胸ぐらを掴むと聞いたことがない声色で僕に話しかけた。
「さすがにそれは、翠先輩が可哀想だ……運命の番は僕らΩにとっては唯一の希望なんだよ、それなのに楓くんは何も分かっていないしΩの事を分かろうとしない……楓くん、そんなの怠慢だよ……」
なんで……
なんで光くんが泣いてるの……
光くんが怖くて泣きそうなのは僕だよ。
僕たちの、やり取りを見ていた空くんが僕を掴んでいる光くんの手を取りながら、楓はまだ勉強中だからと諭すように声をかける。
重々しい空気を変えたのは、全てを終えて僕を迎えにきてくれた翠くんと先輩達だった。
「光くんはなんで泣いてるの?」
翠くんの質問に、光くんは答えなかった。
「僕が卒業するのが、そんなに悲しいのかい?」
要先輩の自意識過剰な質問、それは重い空気を変えたかったのかもしれない。
そんなに事に気付いていない光くんは、ありえませんと即答すると、要せんぱいはそれは残念とケラケラと笑っていた。
「翠先輩は、こんな何も分かってないαの楓でいいんですか?」
翠くんはにこりと笑った。
「光くんも空くんも俺の事を聞いたんだね……。う~ん、そうだね俺は昔から楓の事が好きで……でもバースの事があったから自分に自信がなくて楓の事を諦めていたんだ。楓がΩと偽っていた時から俺の心には楓しか居なかった、別の誰かを作っても楓の変わりにはならなかった……あたりまえだよね、僕の心は既に楓だけのモノだったから。だからこそ今、俺は経験したことがないほどに心は満たされて穏やかな気分なんだよ、もちろんΩになったばかりで戸惑う事は沢山あるけどね。」
その言葉を聞いた光くんは大きく深呼吸をすると翠にたずねた。
「翠先輩、いま幸せですか?」
翠くんは、僕を引き寄せると。
「凄く幸せだよ。」
そうキラキラと眩しすぎる表情で答えた。
「運命の番なのが明らかなのに全然わかっていない。そんな楓くんの態度が、あまりにもバースを理解していなくてΩとして生きてきた僕は凄く苦しくなってしまい、楓くんに対して凄く嫌な態度をとってゴメンね」
そう話す光くんが凄く大人に見えた。
光くんだけが悪い訳では無いそれこそ誰も悪くない……。
バース関係なく、空くんと光くんとは仲良くなった。
僕たちが高校を卒業したとしても僕たちの関係は切れることはないと確信を持っている。
僕はまだまだαとして未熟だ、きっと周りにも危なっかしく見られる事も有るとおもう。
それでも翠くんを好きなことは誰にも負けないし負ける気もしない。
卒業後に翠くんは教育学部のある大学に進学が決まっている。
幼稚園の先生を目指すと聞いた時は驚いたけれど、翠くんなら子供達に寄り添える優しい先生になれそうだ。
僕が大学を卒業して就職が決まるまでは入籍はできないけれど、それまでは父さんに色々な事を教えてもらいながら翠くんの婚約者として恥ずかしくない自分でいたい。
「楓」
翠くんに名前を呼ばれて、みんなと別れると一気に寂しさが襲ってくる。
これからは本当にもう学校で僕の名前を呼んで貰える事が無くなると思うと、抑えていたものが溢れ出そうで気づかれないように青く広がる空を見上げる。
「卒業しても俺たちの関係は変わらない……むしろ、もっと仲良くなれそうだよな、これからもよろしくな楓。」
そう言って、翠くんが自分のネクタイを外し僕の首へと巻いてくれた。
うちの学校の伝統、好きな人にネクタイを贈るまたは、ネクタイを貰うと2人はいつまでも幸せで居られる。
僕は翠くんの熱がまだ残るネクタイをギュッと握りしめながら、抑えようとしても溢れるものを止めることは僕には出来なかった。
声にらならないかもしれない。
それでも、翠くんに伝えたい……
「翠くん卒業おめでとう!」
「ありがとう!」
そう言って、翠くんが僕だけに見せる顔は可愛すぎる。
~Fine~
そう話しながら、なぜか空くん泣きそうな顔をしている。
「言えなくてゴメン……」
空くんは僕を抱き締めると、俺……楓の親友なのに何もできなくてマジでゴメンと呟く。
――空くんはそんな風に思ってくれていたんだ……
僕がΩだと思われていた時から変わらずに一緒に居て支えてくれていた。
「空くんには色々と支えてもらってたよ。だから……これからもよろしくね。」
翠くんが卒業するまでは僕たちの関係は他言しないこと。
それが父さんとの約束だった。
Ωになった翠くんは、まだ不安定な事もあり大人のフォローは必要不可欠だったから、先生達には話が通されている。
そして、今日は翠くん達3年生が卒業する。
おめでたい日なのは分かっているのに、素直に喜べない。
翠くんと一緒に暮らしてはいるけれど、もう一緒の学校で過ごすことは今日で最後。
同じ学校で学生でいられるのは、あと数時間……
改めて自覚をすると胸が締め付けられるように苦しい。
そんな僕に、空くんが心配そうに声をかけてくれて今に至る。
「楓くん、僕はビッチングって都市伝説だと思ってた、それほどまでに2人の気持ちが強いのは、2人が運命の番だって事だったんだね。」
えっ?運命の番?
僕の反応に、光くんは驚きを隠せないのか、僕の顔をまじまじと見上げている。
「えっ?楓くんマジで分かってないの?」
冷やかな目をした光くん……
光くんはΩなのに、なんでこんなに怖いのか意味が分からない。
助けを求めるように空くんに目をむけると、空くんも信じられないといった表情を浮かべている。
背中がゾクゾクする。
光くんは、僕の胸ぐらを掴むと聞いたことがない声色で僕に話しかけた。
「さすがにそれは、翠先輩が可哀想だ……運命の番は僕らΩにとっては唯一の希望なんだよ、それなのに楓くんは何も分かっていないしΩの事を分かろうとしない……楓くん、そんなの怠慢だよ……」
なんで……
なんで光くんが泣いてるの……
光くんが怖くて泣きそうなのは僕だよ。
僕たちの、やり取りを見ていた空くんが僕を掴んでいる光くんの手を取りながら、楓はまだ勉強中だからと諭すように声をかける。
重々しい空気を変えたのは、全てを終えて僕を迎えにきてくれた翠くんと先輩達だった。
「光くんはなんで泣いてるの?」
翠くんの質問に、光くんは答えなかった。
「僕が卒業するのが、そんなに悲しいのかい?」
要先輩の自意識過剰な質問、それは重い空気を変えたかったのかもしれない。
そんなに事に気付いていない光くんは、ありえませんと即答すると、要せんぱいはそれは残念とケラケラと笑っていた。
「翠先輩は、こんな何も分かってないαの楓でいいんですか?」
翠くんはにこりと笑った。
「光くんも空くんも俺の事を聞いたんだね……。う~ん、そうだね俺は昔から楓の事が好きで……でもバースの事があったから自分に自信がなくて楓の事を諦めていたんだ。楓がΩと偽っていた時から俺の心には楓しか居なかった、別の誰かを作っても楓の変わりにはならなかった……あたりまえだよね、僕の心は既に楓だけのモノだったから。だからこそ今、俺は経験したことがないほどに心は満たされて穏やかな気分なんだよ、もちろんΩになったばかりで戸惑う事は沢山あるけどね。」
その言葉を聞いた光くんは大きく深呼吸をすると翠にたずねた。
「翠先輩、いま幸せですか?」
翠くんは、僕を引き寄せると。
「凄く幸せだよ。」
そうキラキラと眩しすぎる表情で答えた。
「運命の番なのが明らかなのに全然わかっていない。そんな楓くんの態度が、あまりにもバースを理解していなくてΩとして生きてきた僕は凄く苦しくなってしまい、楓くんに対して凄く嫌な態度をとってゴメンね」
そう話す光くんが凄く大人に見えた。
光くんだけが悪い訳では無いそれこそ誰も悪くない……。
バース関係なく、空くんと光くんとは仲良くなった。
僕たちが高校を卒業したとしても僕たちの関係は切れることはないと確信を持っている。
僕はまだまだαとして未熟だ、きっと周りにも危なっかしく見られる事も有るとおもう。
それでも翠くんを好きなことは誰にも負けないし負ける気もしない。
卒業後に翠くんは教育学部のある大学に進学が決まっている。
幼稚園の先生を目指すと聞いた時は驚いたけれど、翠くんなら子供達に寄り添える優しい先生になれそうだ。
僕が大学を卒業して就職が決まるまでは入籍はできないけれど、それまでは父さんに色々な事を教えてもらいながら翠くんの婚約者として恥ずかしくない自分でいたい。
「楓」
翠くんに名前を呼ばれて、みんなと別れると一気に寂しさが襲ってくる。
これからは本当にもう学校で僕の名前を呼んで貰える事が無くなると思うと、抑えていたものが溢れ出そうで気づかれないように青く広がる空を見上げる。
「卒業しても俺たちの関係は変わらない……むしろ、もっと仲良くなれそうだよな、これからもよろしくな楓。」
そう言って、翠くんが自分のネクタイを外し僕の首へと巻いてくれた。
うちの学校の伝統、好きな人にネクタイを贈るまたは、ネクタイを貰うと2人はいつまでも幸せで居られる。
僕は翠くんの熱がまだ残るネクタイをギュッと握りしめながら、抑えようとしても溢れるものを止めることは僕には出来なかった。
声にらならないかもしれない。
それでも、翠くんに伝えたい……
「翠くん卒業おめでとう!」
「ありがとう!」
そう言って、翠くんが僕だけに見せる顔は可愛すぎる。
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