【BL】正統派イケメンな幼馴染が僕だけに見せる顔が可愛いすぎる!

ひつじのめい

文字の大きさ
49 / 51
2章

翠くんと婚約

しおりを挟む
 僕と翠くんは無意識に繋いだ手をそのままにリビングへと向かった。
 
 一緒に住むって、どういうことなんだろう。

 リビングには緑兄も居るだろし……
 正直、今日の緑兄のあの目は怖い。

 遥もおばちゃんも居るから、収集できない程の大惨事になることはないと思っている。

「あら遅かったわね」

 おばちゃんの声は、いつもと同じくらい明るい。

「楓くん座ってもらえるかな?翠も座って。」

 おじさんの穏やかな声は、なんとなく翠くんと似ている。

 僕と翠くんは隣同士に座ると目の前には僕たちの両親が座った。

「翠、今どんな情況なのかは翠も気付いているかもしれないけれど、今回の事は誰が悪いとか、そういう事ではない、最後まで話を聞けるかな?」

 翠くんは、おじさんをまっすぐに見て頷いた。

「楓は?ちゃんと話を聞けるか?」

 いつもの、おちゃらけた感じが一欠片もない言い方に僕も頷くと、父さんは分かったとだけ言うと口を詰むんだ。

「家族全員がαという中で、翠はβながらも努力をし、生徒会だったりテストと成果を出してきたのを見ていて、お父さんは翠に頑張り過ぎないで欲しいと思っていたんだ翠がβである事で、しなくて良い苦労をさせていると。翠ごめんな……」

 そう笑う、おじさんの目が凄く悲しそうだった。

 翠くんは僕と繋いだ手を無意識に握りしめながら何かを言おうとして、諦めたように口を閉ざさした。

「ねぇ、おじさん翠くんは苦労なんてしてないと思うよ確かに努力はしていたけど、ただおじさん達に頑張ったなって言って誉めて貰いたかっただけ。」

 僕が口を出して良いのか分からないけれど、何かを言いたそうで口を閉じてしまった翠くんが家族に誤解されたくなかった。

 そうなのか?と驚いたおじさんに、翠くんは苦労なんて思った事はないよと笑顔で答えた。

 おじさんが下を向いて動かない姿は見ていて苦しい。

 正解は分からない、だからこそ僕は今、口を開かない方がいいと思う。

「翠、お母さんはね翠のバースが何であれ、あなたのことが可愛いくて大切な事には変わりなかったわ、翠が困った時にはお母さんが絶対に守ると思ってたんだけどね……翠に秘密にしていたけど、実はお母さんには絶対的な協力者が居たのよ。」

 おばちゃんは、そういうと僕にパチンとウインクを飛ばす。

「お母さん、何で楓に色目つかうの?」

 翠くん違う、おばちゃんは僕が『翠くん観察』していた時には色々と相談にのってくれていただけなんだ……
 そう心で言い訳をしつつ、翠くん達の会話を大人しく見守る。

「翠、なによりも楓くんが大切なんでしょ?あなたのバースが変わるくらいに……お母さんスイッチなんて都市伝説だと思ってたわ、それだけ2人は心からお互いを求めあっているのね……思い返すと、その気持ちは翠が幼稚園の頃からだから一途よね~」

 おばちゃんの言葉に翠くんは満面の笑みを僕に向けると、おばちゃんにまっすぐに向き合った。

「楓が俺の1番だから、もちろん楓の1番を誰かに譲る気もないよ、絶対に2人で幸せになるから。」

 翠くんの言葉に、僕は改めて自分がもっと沢山の勉強をして翠くんを守る力を付けたいと思った。

「おばちゃん僕、絶対に翠くんを悲しませることはしないよ、約束する。」

 ありがとうと答えた、おばちゃんの口元が歪んでいる様に見えた気がした。

「楓くん、翠と婚約をして貰えないだろうか?」

 おじさんの言葉に驚きのあまりに変な声が出た……

 えっ婚約?婚約って将来一緒になれるってこと?

「お願いされなくても、翠くんの隣が似合うのは僕だけです、まだまだ子供だけど翠くんが毎日、たくさんの笑顔で過ごせるようにします。」

 自分でも、信じられない程に大きな声が出た。

 僕の隣では声を殺しながら翠くんが泣いてる。
 
 僕は繋いでいる翠くんの手に力を込めた。

「楓くん、ありがとう……そうは言ってもまだ結婚ができる年齢ではないから今はまだ婚約だけして、翠は週末に必要な物を持って楓くんの家で暮らすことになった、まだ不安定なΩにお父さん達はうまく対応できなくてごめんな……」

 おじさんの言葉に翠くんは涙を隠すように下を向いたまま言葉を発する。

「謝らないでよ……お父さん達が俺の家族で良かった……ありがとう……」

翠くんを今すぐに抱き締めたいけれど、父さんの目が怖くて躊躇する。

「楓はまだ自分のバースについても勉強不足だ、これから正しい知識を身につけ、そして翠くんの隣に居ても恥ずかしくないように、将来を見据えて自分で思う以上の努力して勉強をし、翠くんを守れる力をつけろ。」

 父さんの、まったくオブラートに包まない言い方を受けて、初めてαとして第一歩を踏み出せる気がした。

「ちゃんと就職して、初めて貰ったお給料で翠くんに似合う指輪を贈ることを約束します。」

 翠くんに見合う仕事に付くには、大学で学び父さんやじいちゃんからもαについても学ばなければならない。

 きっと簡単な選択肢ではないのが僕にも分かる。

 けれど、翠くんの為なら頑張れる。

「翠を泣かすことがあれば、今度こそ容赦しないからな。」

 緑兄の真剣な面持ちに、僕は大切にしますと頭を下げた。

 重い空気を壊したのは、おばちゃんだった。

「楓くん美人だし綺麗だし……翠も、どちらかと言えば可愛い顔をしてるから2人の子供は絶対に美しいくて可愛いはずよ。」

 おじさんが飲んでいた、お茶を吹き出すと何やってるんですかと笑っている姿を見て、僕も翠くんとこんな優しい関係になりたいと思った。

 遥が翠くんに話しかけていて、楓がゴメンねと言った事に翠くんは俺は楓のΩになれて幸せですと答えていた。

 その言葉が僕をどれほど救ってくれるかを翠くんは分かっているのかな?

この日、僕と翠くんの婚約が正式に決まった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

胎児の頃から執着されていたらしい

夜鳥すぱり
BL
好きでも嫌いでもない幼馴染みの鉄堅(てっけん)は、葉月(はづき)と結婚してツガイになりたいらしい。しかし、どうしても鉄堅のねばつくような想いを受け入れられない葉月は、しつこく求愛してくる鉄堅から逃げる事にした。オメガバース執着です。 ◆完結済みです。いつもながら読んで下さった皆様に感謝です。 ◆表紙絵を、花々緒さんが描いて下さいました(*^^*)。葉月を常に守りたい一途な鉄堅と、ひたすら逃げたい意地っぱりな葉月。

地味メガネだと思ってた同僚が、眼鏡を外したら国宝級でした~無愛想な美人と、チャラ営業のすれ違い恋愛

中岡 始
BL
誰にも気づかれたくない。 誰の心にも触れたくない。 無表情と無関心を盾に、オフィスの隅で静かに生きる天王寺悠(てんのうじ・ゆう)。 その存在に、誰も興味を持たなかった――彼を除いて。 明るく人懐こい営業マン・梅田隼人(うめだ・はやと)は、 偶然見た「眼鏡を外した天王寺」の姿に、衝撃を受ける。 無機質な顔の奥に隠れていたのは、 誰よりも美しく、誰よりも脆い、ひとりの青年だった。 気づいてしまったから、もう目を逸らせない。 知りたくなったから、もう引き返せない。 すれ違いと無関心、 優しさと孤独、 微かな笑顔と、隠された心。 これは、 触れれば壊れそうな彼に、 それでも手を伸ばしてしまった、 不器用な男たちの恋のはなし。

ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?

灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。 オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。 ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー 獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。 そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。 だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。 話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。 そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。 みたいな、大学篇と、その後の社会人編。 BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!! ※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました! ※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました! 旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」

【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。

きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。 自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。 食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。

のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした

こたま
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

【完結】異世界から来た鬼っ子を育てたら、ガッチリ男前に育って食べられた(性的に)

てんつぶ
BL
ある日、僕の住んでいるユノスの森に子供が一人で泣いていた。 言葉の通じないこのちいさな子と始まった共同生活。力の弱い僕を助けてくれる優しい子供はどんどん大きく育ち――― 大柄な鬼っ子(男前)×育ての親(平凡) 20201216 ランキング1位&応援ありがとうごございました!

処理中です...