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第2章 魔術師の試練
11. 強者の提案
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「使い…魔……」
「きみは俺をしもべにできるんだ。きみのお願い、なんでも叶えてあげちゃうよ♪」
「願いを叶える見返りに、ノアの血を飲ませろ――ということですか?」
「ギブアンドテイクさ。公平だろ?」
「ノア!ダメだ!こんなヤツの言うことなんて、聞くんじゃない!」
「ちょっと……」
「ん?」
「まだ、からだが痺れてるんだけど……っアンタのせいで……なんとかしてくれない?」
「ノアに何を――「ウィル、今は話を進めましょう」
「ごめんごめん。忘れてたよ」
魔族が何か呪文を呟くと、からだの痺れがふっ…と消えた。
「うおりゃっ!!」
俺は魔族のみぞおちを狙って、肘鉄を食らわせた。
「つ……っ!」
痛みに眉根を寄せ顔を顰める魔族。
やった!効いてる!
「よくも好き勝手やってくれたな!」
「おのれよくも………なーんてね♪もやしっ子魔法使いの攻撃なんて、効きませーん☆」
強がりなのか、本当に効いていないのか――どちらにしろ言い方が腹立つ。
「こんなことしちゃって~。せっかくのオファーを断るってこと?」
「誰がアンタみたいな変態魔族を、使い魔なんかにするか!」
「あ、そう……気の強い子は嫌いじゃないけど、もっと賢くなってもらいたいものだね。言っておくけど、きみたち三人が束になっても、俺を倒すには実力がてんで足りてない。まったく…駆け出し冒険者君たちは、身の程を知らなくて困るよ」
もう我慢の限界だ――
「アンタを使い魔にする気もないし、別に戦う気もない」
「え……」
「帰る!」
「ちょ……っ!ちょっと待ってよ!」
「俺たちは帰る!高名な魔術師なんてどこにもいないじゃないか!この偽物が!よくも騙したな!ていうか、筋トレの時点で気づけよ俺!ああ、俺、詐欺にあったんだ!ツライ!もうやだ!家に帰って寝る!!」
「ノア!これを……」
ひどい格好をしている俺を、エトワールは自分のマントを脱いで、それで俺をくるんでくれた。
「ありがとう!」
「出口まで走るぞ!」
扉に向かってダッシュする俺たちの前で、扉がひとりでにバタンッ――と、大きな音を立てて閉まった。
「帰さないよ。ていうか、逃すわけないでしょ」
「くそ……っ!扉が開かない!」
俺の何倍も腕力のあるウィルが押しても引いても蹴りつけても開かないとは――魔法の力に違いない。
「ふむ……エルフのエトワールに、人間のウィル……きみも普通の人より血が濃いね。貴族出身でしょ……いいねぇ」
品定めするようにふたりを舐め回すような目で見る魔族。コイツやばい……
「……管理が大変だからいつもはあんまりしないんだけど、きみたちならいいかな……三人まとめて、俺が飼ってあげるよ」
魔族が指をパチンッと鳴らすと、からだがまったく動かなくなった。
「これは……拘束呪文!?」
「くぅ……っ!」
「ノア……きみのせいだよ。きみが俺の提案を受けてくれていれば……こんな結末にはならなかったのにね」
「きみは俺をしもべにできるんだ。きみのお願い、なんでも叶えてあげちゃうよ♪」
「願いを叶える見返りに、ノアの血を飲ませろ――ということですか?」
「ギブアンドテイクさ。公平だろ?」
「ノア!ダメだ!こんなヤツの言うことなんて、聞くんじゃない!」
「ちょっと……」
「ん?」
「まだ、からだが痺れてるんだけど……っアンタのせいで……なんとかしてくれない?」
「ノアに何を――「ウィル、今は話を進めましょう」
「ごめんごめん。忘れてたよ」
魔族が何か呪文を呟くと、からだの痺れがふっ…と消えた。
「うおりゃっ!!」
俺は魔族のみぞおちを狙って、肘鉄を食らわせた。
「つ……っ!」
痛みに眉根を寄せ顔を顰める魔族。
やった!効いてる!
「よくも好き勝手やってくれたな!」
「おのれよくも………なーんてね♪もやしっ子魔法使いの攻撃なんて、効きませーん☆」
強がりなのか、本当に効いていないのか――どちらにしろ言い方が腹立つ。
「こんなことしちゃって~。せっかくのオファーを断るってこと?」
「誰がアンタみたいな変態魔族を、使い魔なんかにするか!」
「あ、そう……気の強い子は嫌いじゃないけど、もっと賢くなってもらいたいものだね。言っておくけど、きみたち三人が束になっても、俺を倒すには実力がてんで足りてない。まったく…駆け出し冒険者君たちは、身の程を知らなくて困るよ」
もう我慢の限界だ――
「アンタを使い魔にする気もないし、別に戦う気もない」
「え……」
「帰る!」
「ちょ……っ!ちょっと待ってよ!」
「俺たちは帰る!高名な魔術師なんてどこにもいないじゃないか!この偽物が!よくも騙したな!ていうか、筋トレの時点で気づけよ俺!ああ、俺、詐欺にあったんだ!ツライ!もうやだ!家に帰って寝る!!」
「ノア!これを……」
ひどい格好をしている俺を、エトワールは自分のマントを脱いで、それで俺をくるんでくれた。
「ありがとう!」
「出口まで走るぞ!」
扉に向かってダッシュする俺たちの前で、扉がひとりでにバタンッ――と、大きな音を立てて閉まった。
「帰さないよ。ていうか、逃すわけないでしょ」
「くそ……っ!扉が開かない!」
俺の何倍も腕力のあるウィルが押しても引いても蹴りつけても開かないとは――魔法の力に違いない。
「ふむ……エルフのエトワールに、人間のウィル……きみも普通の人より血が濃いね。貴族出身でしょ……いいねぇ」
品定めするようにふたりを舐め回すような目で見る魔族。コイツやばい……
「……管理が大変だからいつもはあんまりしないんだけど、きみたちならいいかな……三人まとめて、俺が飼ってあげるよ」
魔族が指をパチンッと鳴らすと、からだがまったく動かなくなった。
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「くぅ……っ!」
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