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第5章 砂漠の国の錬金術師
10. 因縁の敵
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「グオオオオォ!!」
低くうなり、俺たちを威嚇するスケアリーベア。
興奮しているせいかそれとも腹が減っているのか、口元からは涎が垂れている。
「みんな!悪いけど、このモンスターは俺一人でやらせてくれない?」
「どういうこと?」
「試したいんだ、自分の力を。あの日からどれくらい成長できたのかを……」
「じゃあ、僕たちは壁際で魔法障壁を貼って、ノアの闘いを見学させてもらうよ」
「ノア……がんばってくださいね。危なくなったらすぐに私たちを呼んでください」
俺は因縁の敵と対峙した。…と言っても冒険者試験のダンジョンで遭遇したものとは別の個体だが。
たしか――目が弱点だったはず。
呪文を詠唱しようとしたが、直感力に長けたモンスターは俺にそうはさせまいと、素早い攻撃を繰り出してくる。
「ノア、押されてる!?」
「落ち着いて、ノア!」
「みなさん、お静かに。今、ノアは回避に専念しているのです。彼の集中力を乱さぬように気を付けましょう」
連続で繰り出されるモンスターの速い攻撃……クッ――避けられない。俺は杖を突き出し、盾をイメージしつつ魔力を込める。
ガキィィィンッ――モンスターの爪が杖の先から展開された魔法障壁に弾かれ、鋭い音をたてた。
モンスターにとってそれは予想外の出来事だったようで、一瞬のスキが生まれた。
俺は足に魔力を込め、大きく後退しながら詠唱を始めた。
「アイシクルファング!」
モンスターの目を狙った氷の牙は、その頭部ごと貫き破壊した。スケアリーベアの巨体が地面に倒れる轟音が、洞窟内にこだました。
俺は思わず手を振りかざした。
「ノア!やったね!」
「さすがノア!」
「よかった!ケガはないですか?」
仲間たちが口々に勝利を喜びの声を上げながら、こちらへと駆け寄ってくる。
四か月前には手も足もでなかったモンスターを、一対一で倒すことができた。
もちろん、装備の違いも大きいけど……
俺、成長してるんだ――
「ウィルにも今の、見せたかったな……」
試験でスケアリーベアと対峙した時のことを思い出す。エトワールは俺をかばってひどいケガを負ってしまった。ウィルの助けがなければ確実にやられていた。
「ウィルにお話しするときのために、戦利品を持って帰ってはいかがでしょう。爪や牙はどうです?」
「スケアリーベアの内臓は薬の材料になるし、毛皮は高く売れるよ。僕の亜空間召喚魔法がけっこう空いてるし、まるごと持って帰って解体しよう」
全長三メートルはあろうかというモンスタ―の巨体を、なんとか魔法の空間の中に納めるニケを見て、エトワールが呟いた。
「クラフターを兼業する冒険者には、お金持ちが多いという噂……こういうところなのですね……」
「金策ってやつだな……俺たちもニケを見習おう」
ニケは冒険者として俺たちより、一歩も二歩も先を行っているようだった。
低くうなり、俺たちを威嚇するスケアリーベア。
興奮しているせいかそれとも腹が減っているのか、口元からは涎が垂れている。
「みんな!悪いけど、このモンスターは俺一人でやらせてくれない?」
「どういうこと?」
「試したいんだ、自分の力を。あの日からどれくらい成長できたのかを……」
「じゃあ、僕たちは壁際で魔法障壁を貼って、ノアの闘いを見学させてもらうよ」
「ノア……がんばってくださいね。危なくなったらすぐに私たちを呼んでください」
俺は因縁の敵と対峙した。…と言っても冒険者試験のダンジョンで遭遇したものとは別の個体だが。
たしか――目が弱点だったはず。
呪文を詠唱しようとしたが、直感力に長けたモンスターは俺にそうはさせまいと、素早い攻撃を繰り出してくる。
「ノア、押されてる!?」
「落ち着いて、ノア!」
「みなさん、お静かに。今、ノアは回避に専念しているのです。彼の集中力を乱さぬように気を付けましょう」
連続で繰り出されるモンスターの速い攻撃……クッ――避けられない。俺は杖を突き出し、盾をイメージしつつ魔力を込める。
ガキィィィンッ――モンスターの爪が杖の先から展開された魔法障壁に弾かれ、鋭い音をたてた。
モンスターにとってそれは予想外の出来事だったようで、一瞬のスキが生まれた。
俺は足に魔力を込め、大きく後退しながら詠唱を始めた。
「アイシクルファング!」
モンスターの目を狙った氷の牙は、その頭部ごと貫き破壊した。スケアリーベアの巨体が地面に倒れる轟音が、洞窟内にこだました。
俺は思わず手を振りかざした。
「ノア!やったね!」
「さすがノア!」
「よかった!ケガはないですか?」
仲間たちが口々に勝利を喜びの声を上げながら、こちらへと駆け寄ってくる。
四か月前には手も足もでなかったモンスターを、一対一で倒すことができた。
もちろん、装備の違いも大きいけど……
俺、成長してるんだ――
「ウィルにも今の、見せたかったな……」
試験でスケアリーベアと対峙した時のことを思い出す。エトワールは俺をかばってひどいケガを負ってしまった。ウィルの助けがなければ確実にやられていた。
「ウィルにお話しするときのために、戦利品を持って帰ってはいかがでしょう。爪や牙はどうです?」
「スケアリーベアの内臓は薬の材料になるし、毛皮は高く売れるよ。僕の亜空間召喚魔法がけっこう空いてるし、まるごと持って帰って解体しよう」
全長三メートルはあろうかというモンスタ―の巨体を、なんとか魔法の空間の中に納めるニケを見て、エトワールが呟いた。
「クラフターを兼業する冒険者には、お金持ちが多いという噂……こういうところなのですね……」
「金策ってやつだな……俺たちもニケを見習おう」
ニケは冒険者として俺たちより、一歩も二歩も先を行っているようだった。
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