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最終章 死と光
4. 最後の戦い
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「ノア、ラウルス、ジン――……一斉に魔法を仕掛けるぞ!」
ついに、サナトリオルムとの最後の戦いが始まる。
俺たちが負ければ、悪霊は世界に病をもたらす魔獣を召喚し、サナトスは厄災に見舞われるだろう。多くの人々の命が危険にさらされてしまう……
そんなことさせない、絶対に――
先に仕掛けたのはサナトリオルムだった。背筋がこおりつくような……ぞっとするような闇の魔法が俺たちに襲いかかる。それに対抗するのは兄上の魔法だった。灼熱の炎が魔術師の闇魔法を遮る盾となった。炎に守られながら、俺たちは各々が得意とする呪文を唱え、悪霊へとありったけの力を込めて攻撃魔法を繰り出していく。だが、敵も間髪入れずに連続して魔法をこちらへ放ってくる。
どうやって、こんな……!
こっちは四人なのに……押されてる!?
次々と繰り出される敵の魔法を、こちらも魔法で相殺するという応酬が続いたがついに追い付かなくなり、目前にとてつもなく強い、殺意のこもった魔力の塊が迫る――
「くっ……!」
なんとか魔法障壁を張ることはできたが――
防げるか!?
来る――その瞬間、目の前に誰かが飛び込んできた。
ウィルだ……!
「うおおおぉぉぉっ…!」
ウィルは魔法を盾で受け止め、軌道を逸らした。サナトリオルムの放った魔法は前方へと跳ね返され、壁に衝突した。
「ウィル……!助かった!ありがとう!」
「礼はいらない。これが俺の役目だから」
「……顔に傷が!」
先ほど受け止めた魔法の余波だろうか……ウィルの顔面から血が滴り落ちていた。
「ヒール!」
回復魔法がウィルを包んだ。
「ニケ!」
「みんな、怪我したら僕に言って!すぐに治すからね」
ニケの心強い言葉――頼もしい。
俺も、もっと頑張らないと……
それから、俺たちは力を振り絞って悪霊へと、持てる力の全てを叩き込んだ。
――瞬間、サナトリオルムの魔法が途切れ、エトワールの放った矢が、ぶつかり合ういくつもの攻撃魔法の合間を縫い、サナトリオルムの腕を捉えた。
「くっ……!」
「今だ!」
ありったけの力を込めて魔法を放った。
渾身の攻撃魔法が、サナトリオルムに次々と襲い掛かる。
サナトリオルムに魔法が命中しても、血が爆ぜ肉が弾けるといったことは起こらなかった。ただ、魔法が当たった個所からは禍々しい色の霧状の気体が噴き出し、悪霊のからだは徐々に崩れ落ちてゆく。
「うそだ――こんな、我が……こんなところで……」
我が……死ぬ……の、か……
魔術を極め、人の魂を喰らい、命を生き長らえさせてきた。
世界を手中に握る神にも等しい存在であったというのに……
虫けらの如き人間の手にかかり――
我の命が今日で終わる?
い――いやだいやだいやだ!!
我はまだ、死にたくはない。
なんのために生きる?
我のために――
己が心を満たすために――
凄まじい光の氾濫が、俺たちを包んだ。
ついに、サナトリオルムとの最後の戦いが始まる。
俺たちが負ければ、悪霊は世界に病をもたらす魔獣を召喚し、サナトスは厄災に見舞われるだろう。多くの人々の命が危険にさらされてしまう……
そんなことさせない、絶対に――
先に仕掛けたのはサナトリオルムだった。背筋がこおりつくような……ぞっとするような闇の魔法が俺たちに襲いかかる。それに対抗するのは兄上の魔法だった。灼熱の炎が魔術師の闇魔法を遮る盾となった。炎に守られながら、俺たちは各々が得意とする呪文を唱え、悪霊へとありったけの力を込めて攻撃魔法を繰り出していく。だが、敵も間髪入れずに連続して魔法をこちらへ放ってくる。
どうやって、こんな……!
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「くっ……!」
なんとか魔法障壁を張ることはできたが――
防げるか!?
来る――その瞬間、目の前に誰かが飛び込んできた。
ウィルだ……!
「うおおおぉぉぉっ…!」
ウィルは魔法を盾で受け止め、軌道を逸らした。サナトリオルムの放った魔法は前方へと跳ね返され、壁に衝突した。
「ウィル……!助かった!ありがとう!」
「礼はいらない。これが俺の役目だから」
「……顔に傷が!」
先ほど受け止めた魔法の余波だろうか……ウィルの顔面から血が滴り落ちていた。
「ヒール!」
回復魔法がウィルを包んだ。
「ニケ!」
「みんな、怪我したら僕に言って!すぐに治すからね」
ニケの心強い言葉――頼もしい。
俺も、もっと頑張らないと……
それから、俺たちは力を振り絞って悪霊へと、持てる力の全てを叩き込んだ。
――瞬間、サナトリオルムの魔法が途切れ、エトワールの放った矢が、ぶつかり合ういくつもの攻撃魔法の合間を縫い、サナトリオルムの腕を捉えた。
「くっ……!」
「今だ!」
ありったけの力を込めて魔法を放った。
渾身の攻撃魔法が、サナトリオルムに次々と襲い掛かる。
サナトリオルムに魔法が命中しても、血が爆ぜ肉が弾けるといったことは起こらなかった。ただ、魔法が当たった個所からは禍々しい色の霧状の気体が噴き出し、悪霊のからだは徐々に崩れ落ちてゆく。
「うそだ――こんな、我が……こんなところで……」
我が……死ぬ……の、か……
魔術を極め、人の魂を喰らい、命を生き長らえさせてきた。
世界を手中に握る神にも等しい存在であったというのに……
虫けらの如き人間の手にかかり――
我の命が今日で終わる?
い――いやだいやだいやだ!!
我はまだ、死にたくはない。
なんのために生きる?
我のために――
己が心を満たすために――
凄まじい光の氾濫が、俺たちを包んだ。
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