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生徒会勧誘編
後半戦④
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「高坂!」
大鳥先輩からパスを受けた。
まだ相手は戻り切れていない。
俺がゆっくり上げると思っているため、疲れていることも相まって急いでいないのだ。
ラストプレーだぜ?
そんな考えは吹き飛ばしてやるよ。
「前橋!」
俺は右にいる前橋にパスを出すと同時に駆け上がった。
「は、走れんのかよ!?」
山田も慌てて俺の後を追う。
1歩1歩踏みしめるたび、右膝にズキズキとした痛みを伴うがそんなことはお構いなしに走った。
「高坂!」
前橋からリターンのスルーパスが返ってき、トラップと同時にヒールリフトを行い、ボールは正面から寄せてきた堂大寺会長の頭を越えた。
「はああああ!? ぜ、全員で止めろぉ!!」
ゴールまであと半分。
右から織田が寄せてくるのが分かったので、少し左へ逸れながらドリブルを続ける。
山田が俺に追いつき、後ろから圧をかけてきた。
さらに織田、遅れてきた堂大寺会長も囲むようにしてボールを奪おうとする。
「くっそ! 何で取れねーんだこいつ!」
俺はフィジカルを上手く使いながら3人からボールを守るようにして、ゴールラインまでボールを運んだ。
ゴールラインからゴールまでの距離はおよそ6m。
多少無理してでもシュートを撃てば入る可能性がある距離だ。
しかし、最後を締めるのは俺じゃない。
そういう仕事をするのが誰かは昔から決まっている。
左足を使って後ろにL字型にパスを出した。
ボールは堂大寺会長の股を抜けて中央へコロコロと転がっていった。
丁度PKを蹴るような位置。
そこへ走り込んでいた神奈月先輩の足元ピッタリにボールが転がる。
俺からボールを受けるために、常にサボる事なく走り続けていたこの人なら必ずそこにいると分かっていた。
「頼みますよ、キャプテン」
「任された!」
ダイレクトシュート一閃。
キーパーは一歩も動けず、鋭いシュートがゴールネットへ突き刺さった。
相手のみならず味方までもがその驚きのプレーに声も出ず、ただ息を切らしていた。
「…………ぶい!!」
「……さすがです会長」
嬉しそうにピースサインをする神奈月先輩に、思わず笑みが溢れた。
トラップしてゆっくりシュートを撃つこともできたのに、この人は本当にとんでもない人だ。
「やった~! 勝った~!」
「凄すぎます未来さん!」
「さすが会長ー!!」
「高坂っちもナイスプレー!」
遅れて味方から歓声が上がった。
結果は7対6。
まさに点の取り合いで、終わってみれば実に接戦だったと言える。
「あ、ありえねー……。神奈月なんかに……!」
堂大寺会長は神奈月先輩に決められたことが相当応えていたのか、わなわなと震えていた。
「完全にしてやられたぜ。最後までアンタのことを止められなかったよ」
山田が悔しそうに、しかしスッキリしたように握手を求めてきた。
「いや、山田のせいでかなりやりにくかったよ。個人的にもフットサルの動きというものが参考になった。ありがとう」
応えるように俺は山田と握手を交わした。
試合終わればみな仲良し。
クラブチーム時代にはなかった概念だな。
「修斗!」
梨音がフットサルコートに入ってきた。
きっと俺の素晴らしいプレーに感動しているに違いない。
今ならハグすることも許可しよう────
「最後、無理したでしょ!」
あ…………あーそっちか。
あれだな、たぶん怒ってんなこれ。怒られんなこれ。
「いや? 全然痛みなんてないけど?」
「嘘つき」
ペシンと右膝を軽く叩かれた。
軽くなのに鋭い痛みが膝を突き刺した。
「……っっっ!!?!?!?」
あまりの痛みで悶絶しかけた。
やはり一瞬でも全力で走ると、その場ではアドレナリンのおかげで痛みは薄いが、今みたいに少し経つと激しい痛みが出てくるみたいだ。
「はぁ……ほらみなさい。ちょっと座って、湿布とテーピング巻いてあげるから」
「わ、悪い……」
「いいよもう。慣れたものだしね」
梨音はリュックの中から一式取り出すと、慣れた手つきで湿布とテーピングを巻き始めた。
「…………こ、高坂、どうしたの?」
「えっ! 足痛めたの!? 大丈夫!?」
前橋と桜川が気付いたのか、心配するように駆け寄ってきた。
「最後に張り切ったせいで少し痛めたみたい」
「…………ごめんなさい、私がスルーパスなんか出すから……」
「いやいや前橋のせいじゃねーよ。俺が走り出したのを見てからスルーパス出したんだから、むしろ希望通りのパスをくれて最高だったよ。俺の意図を汲んでくれてありがとう」
「そ、そう…………?」
「そうそう。きいが心配する必要なんてこれっぽっちもないんだから。修斗の自業自得」
「ヒドイ言い草だ」
「でも、一瞬だけでも高坂っちの本気が見れて良かったよ。それだけでもお釣りがくるぐらい」
「何のお釣りだよ」
…………でもまぁ、膝の痛みを差し引いても確かにフットサルは楽しかった。
それこそお釣りが返ってくるぐらいに。
そんな場を設けてくれた神奈月先輩には感謝しかないな。
そんな彼女に恩返しするとするなら、たぶん俺は一つしかないと思う。
「生徒会…………やるかぁ」
大鳥先輩からパスを受けた。
まだ相手は戻り切れていない。
俺がゆっくり上げると思っているため、疲れていることも相まって急いでいないのだ。
ラストプレーだぜ?
そんな考えは吹き飛ばしてやるよ。
「前橋!」
俺は右にいる前橋にパスを出すと同時に駆け上がった。
「は、走れんのかよ!?」
山田も慌てて俺の後を追う。
1歩1歩踏みしめるたび、右膝にズキズキとした痛みを伴うがそんなことはお構いなしに走った。
「高坂!」
前橋からリターンのスルーパスが返ってき、トラップと同時にヒールリフトを行い、ボールは正面から寄せてきた堂大寺会長の頭を越えた。
「はああああ!? ぜ、全員で止めろぉ!!」
ゴールまであと半分。
右から織田が寄せてくるのが分かったので、少し左へ逸れながらドリブルを続ける。
山田が俺に追いつき、後ろから圧をかけてきた。
さらに織田、遅れてきた堂大寺会長も囲むようにしてボールを奪おうとする。
「くっそ! 何で取れねーんだこいつ!」
俺はフィジカルを上手く使いながら3人からボールを守るようにして、ゴールラインまでボールを運んだ。
ゴールラインからゴールまでの距離はおよそ6m。
多少無理してでもシュートを撃てば入る可能性がある距離だ。
しかし、最後を締めるのは俺じゃない。
そういう仕事をするのが誰かは昔から決まっている。
左足を使って後ろにL字型にパスを出した。
ボールは堂大寺会長の股を抜けて中央へコロコロと転がっていった。
丁度PKを蹴るような位置。
そこへ走り込んでいた神奈月先輩の足元ピッタリにボールが転がる。
俺からボールを受けるために、常にサボる事なく走り続けていたこの人なら必ずそこにいると分かっていた。
「頼みますよ、キャプテン」
「任された!」
ダイレクトシュート一閃。
キーパーは一歩も動けず、鋭いシュートがゴールネットへ突き刺さった。
相手のみならず味方までもがその驚きのプレーに声も出ず、ただ息を切らしていた。
「…………ぶい!!」
「……さすがです会長」
嬉しそうにピースサインをする神奈月先輩に、思わず笑みが溢れた。
トラップしてゆっくりシュートを撃つこともできたのに、この人は本当にとんでもない人だ。
「やった~! 勝った~!」
「凄すぎます未来さん!」
「さすが会長ー!!」
「高坂っちもナイスプレー!」
遅れて味方から歓声が上がった。
結果は7対6。
まさに点の取り合いで、終わってみれば実に接戦だったと言える。
「あ、ありえねー……。神奈月なんかに……!」
堂大寺会長は神奈月先輩に決められたことが相当応えていたのか、わなわなと震えていた。
「完全にしてやられたぜ。最後までアンタのことを止められなかったよ」
山田が悔しそうに、しかしスッキリしたように握手を求めてきた。
「いや、山田のせいでかなりやりにくかったよ。個人的にもフットサルの動きというものが参考になった。ありがとう」
応えるように俺は山田と握手を交わした。
試合終わればみな仲良し。
クラブチーム時代にはなかった概念だな。
「修斗!」
梨音がフットサルコートに入ってきた。
きっと俺の素晴らしいプレーに感動しているに違いない。
今ならハグすることも許可しよう────
「最後、無理したでしょ!」
あ…………あーそっちか。
あれだな、たぶん怒ってんなこれ。怒られんなこれ。
「いや? 全然痛みなんてないけど?」
「嘘つき」
ペシンと右膝を軽く叩かれた。
軽くなのに鋭い痛みが膝を突き刺した。
「……っっっ!!?!?!?」
あまりの痛みで悶絶しかけた。
やはり一瞬でも全力で走ると、その場ではアドレナリンのおかげで痛みは薄いが、今みたいに少し経つと激しい痛みが出てくるみたいだ。
「はぁ……ほらみなさい。ちょっと座って、湿布とテーピング巻いてあげるから」
「わ、悪い……」
「いいよもう。慣れたものだしね」
梨音はリュックの中から一式取り出すと、慣れた手つきで湿布とテーピングを巻き始めた。
「…………こ、高坂、どうしたの?」
「えっ! 足痛めたの!? 大丈夫!?」
前橋と桜川が気付いたのか、心配するように駆け寄ってきた。
「最後に張り切ったせいで少し痛めたみたい」
「…………ごめんなさい、私がスルーパスなんか出すから……」
「いやいや前橋のせいじゃねーよ。俺が走り出したのを見てからスルーパス出したんだから、むしろ希望通りのパスをくれて最高だったよ。俺の意図を汲んでくれてありがとう」
「そ、そう…………?」
「そうそう。きいが心配する必要なんてこれっぽっちもないんだから。修斗の自業自得」
「ヒドイ言い草だ」
「でも、一瞬だけでも高坂っちの本気が見れて良かったよ。それだけでもお釣りがくるぐらい」
「何のお釣りだよ」
…………でもまぁ、膝の痛みを差し引いても確かにフットサルは楽しかった。
それこそお釣りが返ってくるぐらいに。
そんな場を設けてくれた神奈月先輩には感謝しかないな。
そんな彼女に恩返しするとするなら、たぶん俺は一つしかないと思う。
「生徒会…………やるかぁ」
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