おおぅ、神よ……ここからってマジですか?

夢限

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第01章 最低な始まり

11 復讐の連鎖

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 俺が実家にてうたた寝しているころの話だ。



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「ギブリ、お前、大丈夫か? それに、なんで、カリッサも、それに、ギックまで、一体何があったんだよ。ていうか、あいつなんだ。子供? だよな」
「うぐっ、あ、ああ、くそっ」

 ギブリは友人である幼馴染のバルクの問いには答えず、悔しそうに憎しみのこもった表情で地面を残った左手で殴りつけた。

「おいっ、ギブリ?」
「ああ、くそっ、あの野郎、どこまでも、どこまでも」
「おいって!」
「あ˝」

 何度も話しかけてくるバルクをにらみつけながらようやく反応した。

「お、おおう、一体、何があったんだよ。お前」
「あいつだ。あの野郎は、悪魔だ。そうだ、悪魔なんだ。だったら、滅ぼすべきなんだ」

 ギブリは、怒りのあまりスニルを悪魔とし、なら滅ぼしても誰も何も言わない。当然のことだという結論に至った。

「滅ぼすって、悪魔ってなんだよ。ていうか、あの子供のことか?」
「そうだ。あいつは、子どもなんかじゃない、悪魔なんだ。滅ぼしてやる。あいつのようにだ」

 ギブリの脳内には、自分のしでかしたことで死んだ男ヒュリックが浮かんでいた。
 実は、ギブリもオークの強さをほとんど知らなかった。そのため、ヒュリックにオークをゴブリンとうそをついたのは、精々が嫌がらせ程度で、痛い目を合わせようと考えての軽い気持ちだった。
 だが、実際にはヒュリックは死に、自分が幼いころからあこがれていたミリアにまで死なれてしまった。
 ギブリは勝手ながら、ミリアの死はヒュリックのせいだと思っている。
 そして、そんなヒュリックの息子であるスニルにその思いをぶつけていたのだった。

 そのスニルが、冒険者になった息子のブレンが奴隷として売ったはずのスニルが、なぜか今戻ってきた。
 それも、雰囲気も何もかもが別物となって、まるで悪魔の如く。
 そうだ、悪魔だ。ヒュリックはきっと悪魔でその息子であるスニルも悪魔なんだ。だから、滅ぼすべきなんだ。
 そんな身勝手な考えがギブリの頭に浮かんだのだった。

「滅ぼす? あいつ? 一体何を言ってるんだ?」

 バルクも意味が分からず混乱していた。

「お前ら、協力しろ、あいつを、滅ぼす」

 ここで、自分の殻に閉じこもっていたギブリが突如周囲に集まった友人たちにそう告げた。

「協力って、何をだよ。ていうか、あいつって、あの子供だよな」
「そうだ。あいつは、悪魔だ。子どもなんかじゃない」
「お、おう、そ、そうか、わかった。それで、何をするんだよ」

 バルクをはじめギブリの友人たちはあまり物事を考えず、協力することにした。
 それが、間違いだと知らずに……



△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△



 ふと目が覚めた。

「やべっ、つい寝ちまったか。んっ?」

 どうやら、机に突っ伏したまま居眠りしてしまったらしい。
 まぁ、いろいろあったから、俺も疲れていたんだろう。
 それにしても、村長宅は、思ったより楽しかったな。

 夕飯を呼ばれたために村長宅に行った俺だったが、まず最初にノニスにより体を洗われた。
 もちろん、前は死守したが、後ろは徹底的に洗われたのは言うまでもないだろう。
 というのも、俺は幼いころから虐待を受けていたために、当然体を洗うことなどできるはずがない。
 それは、奴隷だった時も同じで、要は、俺はこれまで体を洗ったことなど一度もない。
 ていうか、よく病気にならなかったよなぁ。
 改めてそう思う、まぁ、これは神様のおかげらしい。
 というのも、神様もさすがにせっかく異世界から転生させたのに、いきなり死なれては目覚めが悪いということでどうやら、俺の体を強化していてくれていたらしい。
 ちなみにこの情報は俺を鑑定した時に説明のところに書かれていた。
 んで、記憶が戻った時も、自分のあまりの臭さに辟易したが、どうしようもなく一応魔法で対処していた。
 ということで、俺はものすごく汚かったのだ。
 それを知ったノニスにより徹底的に洗われたというわけだ。
 それで、そのあとは普通の服に着替えさせられた。
 その服は、なんでもデリクが子供のころに来ていたものだそうだ。
 
 そうして、その後伸びきっていた髪の毛を整えられたことで、見るからに怪しい汚い浮浪児から、どこにでもいるようなちょっと小奇麗な村人に昇格した。
 その後、夕飯をごちそうになり帰ってきたというわけだ。
 尤も、村長一家から泊っていくようにと言われたが今回は遠慮させてもらった。
 今日ぐらいは家で休みたかったからな。
 と話したら、すぐに許してもらえた。
 もちろん、ノニスは泣きながらだったけど……。

 そんなこんなでデリクに送られて実家に帰ってきて、これまたデリクが幼いころに来ていたという寝間着に着替えて、のんびりと机に座っていたはずが、こうして居眠りしてしまったというわけだ。

「これ、誰か来たのか?」

 目が覚めたとき、俺の肩に毛布がかかっていた。
 もちろん俺が自分でかけたわけではない。
 となると誰かが来て、俺の肩に毛布を掛けたということだ。
 そんで、一体だれがとなるわけだが、おそらくはノニスだろう。
 とまぁ、それはいいとして、その誰かが来ても起きなかったことに驚きだよ。
 前世でも、常に警戒心が高く誰かが近くに来れば確実に起きていたはずだから、つまり、俺はそれほど疲れていたということだろう。

「まぁ、こんなところに寝てるわけにもいかないし、さっさとベットに向かうか」

 ということで、立ち上がり寝室へと向かって歩き出そうとした。
 まさにその時である。ふと窓の外を見たら、何やら光が見えた。

「なんだ、まさか、もう朝か? いや、そんなわけないよな」

 さすがに居眠りで朝までってことはないはずだ、じゃぁ、いったいあの光は?
 そう思ってよく見てみる。
 すると、光はちょっと揺らめいていた。

「ああ、松明か? だれか見回りかな」

 どうやら、光の正体は日の光ではなく火の光だった。
 こんな時間に見回りとはご苦労なことだな。まぁ、この世界は魔物が普通に歩いているから夜の見回りは重要なんだろうけどな。
 そんなことを思っていると松明が複数近づいてきたのが見えた。
 って、見えていた松明が全部来たな。一体なんだ。

 こっちに来たものだから気になって眺めていると、気が付いてしまった。
 松明集団の先頭に右腕と左足を失った男が、1人の男に肩を借りながら、ものすごい形相で向かってきていた。

「あれって、襲撃か?」

 どうやらあの野郎、性懲りもなく俺を殺しに来たらしい。
 さて、どうしたものか。
 少し考える。
 とりあえず、結界を張っておくか、後は様子見だな。
 そんなわけで、俺は結界を家全体を囲む形で展開、ちなみにその結界は物理結界とした。
 物理結界とはそのままで物体を退ける結界だ。例えば、松明を投げつけられたとしても、炎は物体ではないので結界を通り抜けるが、本体は物体の為結界を通り抜けるというわけだ。
 まぁ、この場合下に草が生えていたら大惨事となるが、幸いこの辺りは草が生えていないので問題ない。
 それから、奴らの様子を見ていると結界に阻まれ意味が分からず戸惑っているようだ。
 尤も、四肢が損失している男はいまだわめいており、その発言内容は、聞くに堪えない。というか、明確に俺に対しての殺意の言葉ばかりだ。
 なんか、悪魔とか言ってる気がするな。まぁ、何でもいいが、おっと、暴れてるな。それに、周囲のやつらも男に若干引きつつも引き続き結界の攻撃を入れている。
 ここまでくれば、もういいだろう、反撃しても誰も文句は言わない。
 というわけで、反撃開始だ。
 俺は家の中から魔法を行使。
 使う魔法は風魔法の”ウィンドカッター”つまり風の刃だが、これを全部で7つ作成し空中に待機させる。
 そして、狙いを定めて発動。

 ちゃんと当たれよ、と思いながら行く末を見ているとちゃんと狙った通りの場所に当たった。

「うゎぁぁぁぁぁぁああああ!」

 俺の反撃を受けたやつらはそれぞれ片腕を失う羽目となった。

「これで、だいじょうぶだろ、ふわぁ、寝るか」

 敵を排除したと認識した俺は、結界をそのままに寝室に向かってベッドにダイブした。
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