異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様

文字の大きさ
161 / 200
第5章 ダンジョンに行こう

161 ダンジョンなんて犯罪の温床みたいな場所

しおりを挟む
どうしようか思案してると、勇者君が口を挟んできた。

「何でそんなに偉そうなの? 素直に頼んだら良いのに」

これには俺を含め全員が唖然とした。
転移(転生?)した日本人からすれば疑問に思う部分なんだろう。特に子供なら。
大人になると理解出来るんだけどな。
あぁ、ラノベの主人公は大人でも理解出来てないのが多い気もするけど。

「お前がどこの国から来たのか知らんが、貴族なんだから偉いに決まっている」

貴族の子が呆れながらも説明してる。
身分制度がある国だもん。当然だ。
民主主義でもないんだから。
国民に選ばれた国会議員が偉そうにするのは理解出来ないけど、王侯貴族が偉そうにしても問題無い。

「貴族だから偉い? 同じ人間なのに? 生まれが違うだけで差が出るっておかしいでしょ」

う~ん、典型的な日本の子供の考え方な気がする。
良く言えば平等、悪く言えば自分(自国)の価値観が正しいと思ってる。

「ふ~。そこまでバカなのか?
 この国の法律でそう決まっているのだ。それが嫌なら他国に行くんだな」
「じゃあ法律で強い人が偉いって決まったら、それに従うの?」
「当たり前だ」

何で強さ基準にしたのかは理解出来ないが……。
自分が強いから偉いとでも言いたいのかね?
強さ基準にしたら国が滅びそうだけどな。脳筋ばかりになるから。

それにしても不服そうだな。
きっと自分も日本のルールに従ってると思ってないのだろう。
中学までは義務教育だから学校に行かなきゃいけない、拾った物は交番に届ける、赤信号は止まれ。
当たり前に考えて従ってるけど、国が違えばそれも違う可能性があると思い至らないんだ。
学生ってまだ狭い世界で生きてるもんな。
某国のアイドルとかを可愛いとかカッコいいとか言って受け入れてるけど、大人になると某国の暴挙を知り受け入れにくくなるんだよ。
暴挙を知ってても別の話として無意識に切り離すよね。
それが自分の親の仕事に影響を与えてても知ろうとしない。
ま、これも俺も偏見だけど。全員がそうとは言えないだろう。

「……ダンジョンという危険な場所に、少しでも反抗的な者と行く事は出来ないな。
 お前達は要らない。入る日も同じにするな。あぁ、当然だがお前も要らんぞ」

貴族様に俺達は除外された。
そっちから言ってくれて助かります。

ついでに勇者君もクビになった。

確かに信用出来ない者と一緒に危険な所には行けないわ。
どれだけの能力を持ってても連れて行きたくない。
ぶっちゃけ、ダンジョンなんて犯罪の温床みたいな場所だもん。
殺人や強奪をしてもバレにくい。目撃者も少ないだろうし、魔物やモンスターや肉食動物でも出てくれば死体も隠せる。

「断られたら、俺、入れないじゃん! 一緒に行こうぜ!」
「断る。貴族を偉いと思ってないのなら、ダンジョン内でも私の指示に従うとは思えん」
「正しい指示するなら従うさ!」
「と言う事は、正しくないと思ったのなら従わないという事だ。
 その正しいかどうかの基準は、お前が決めるんだろう? 何を言っても従うとは思えないな。
 お前は、お前の価値観と、同じ価値観を持つ者を同行者にすべきだ」

正論を叩きつける貴族様。
仰る通りです。俺もこんな人とは一緒に行けないわ。
以前俺に絡んできた、あの冒険者なんか合うと思うよ。ハーレムだけど。

「貴族はやっぱり横暴だな!」

いや、どこに横暴な所があった?!

勇者はそう言った後、俺を見た。
顔や姿を隠してるから日本人とはバレてないと思うが。
名前でもしやと思われたか?

「じゃあ、確かキョウヤさんだったよね? 俺t……」
「あっ、断るよ。俺はこっちの2人と一緒に行くから」
「なんでだよっ! 同郷だろ!」
「いや、違うぞ。俺、帝都に自宅あるし。貴族も偉いと思ってるし。
 貴族様からの誘いを断ったのは、理由があるんだ」

適当な事を言っておく。

そしたら貴族様の方が食いついてきた。

「ほう、どんな理由だ? 聞かせてもらおうじゃないか」

……どうしよう?
うん、ウソを言っておこう。確認のしようがないウソを。

「公然に出来ない内容なので、ちょっとこっちで話します」

そう言って貴族様を皆から離して、部屋の隅に移動する。
そしてコソコソと話す。

「実はこの国の宰相様より特別な任務を受けてましてね」
「……お前、ウソでも言って悪い事があるぞ」
「何なら宰相様に確認しますか? 俺の名前を言えば会ってもらえますよ?
 でも疑って確認しに来ました、なんて伝えて心象を悪くしなければ良いですね。
 それよりもウソだとしても、問題無いんじゃありません? どうしても同行させたいという事は無いですよね?」
「…………なるほどな。
 まぁウソをつくにしても、宰相様の名前を出さないだろう。信じておいてやる」
「ありがとうございます」

納得してもらえた。
まぁ、実際に確認されても別に困らないけどね。
あの宰相さんなら話を合わせてくれると信じてる!
しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜

長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。 コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。 ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。 実際の所、そこは異世界だった。 勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。 奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。 特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。 実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。 主人公 高校2年     高遠 奏    呼び名 カナデっち。奏。 クラスメイトのギャル   水木 紗耶香  呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。  主人公の幼馴染      片桐 浩太   呼び名 コウタ コータ君 (なろうでも別名義で公開) タイトル微妙に変更しました。

クラスで異世界召喚する前にスキルの検証に30年貰ってもいいですか?

ばふぉりん
ファンタジー
 中学三年のある朝、突然教室が光だし、光が収まるとそこには女神様が!  「貴方達は異世界へと勇者召喚されましたが、そのままでは忍びないのでなんとか召喚に割り込みをかけあちらの世界にあった身体へ変換させると共にスキルを与えます。更に何か願いを叶えてあげましょう。これも召喚を止められなかった詫びとします」  「それでは女神様、どんなスキルかわからないまま行くのは不安なので検証期間を30年頂いてもよろしいですか?」  これはスキルを使いこなせないまま召喚された者と、使いこなし過ぎた者の異世界物語である。  <前作ラストで書いた(本当に描きたかったこと)をやってみようと思ったセルフスピンオフです!うまく行くかどうかはホント不安でしかありませんが、表現方法とか教えて頂けると幸いです> 注)本作品は横書きで書いており、顔文字も所々で顔を出してきますので、横読み?推奨です。 (読者様から縦書きだと顔文字が!という指摘を頂きましたので、注意書をと。ただ、表現たとして顔文字を出しているで、顔を出してた時には一通り読み終わった後で横書きで見て頂けると嬉しいです)

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~

海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。 地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。 俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。 だけど悔しくはない。 何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。 そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。 ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。 アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。 フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。 ※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています

完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。 自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。 いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して! この世界は無い物ばかり。 現代知識を使い生産チートを目指します。 ※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。

最強の赤ん坊! 異世界に来てしまったので帰ります!

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
 病弱な僕は病院で息を引き取った  お母さんに親孝行もできずに死んでしまった僕はそれが無念でたまらなかった  そんな僕は運がよかったのか、異世界に転生した  魔法の世界なら元の世界に戻ることが出来るはず、僕は絶対に地球に帰る

本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜

あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい! ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット” ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで? 異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。 チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。 「────さてと、今日は何を読もうかな」 これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。 ◆小説家になろう様でも、公開中◆ ◆恋愛要素は、ありません◆

処理中です...