悪役令嬢だけど、私としては推しが見れたら十分なんですが?

榎夜

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18話 スカーレットside

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はぁー...やっぱり下町は良いわ。

貴族もいないから好き勝手出来るし。

何しているのか?って......そりゃあ、もちろん逆ナンに決まってんじゃん!

下町の男って、芋くさいんだけど、磨けば光るような男が多いのよ。

それを、私好みに磨いて、満足したらポイッてすれば良いだけだし~。

もちろん、私は平民の女だってことになってるから、我が家に抗議しにくることはないから安心!

まぁ、平民が我が家に近付くことも出来ないだろうけどね~。

なんてことを思いながら歩いていると、いつも通っている道とは違うところを通ったみたいで迷ってしまった。

建物の影になっているから日当たりが悪いのか、薄暗くてなんだか気味の悪い雰囲気をしている。

......しかも少し肌寒いし...っ!

あー、もう!早く元の場所に戻らないと......っ!

そう思って振り返ると、さっきまで無かったはずの建物が見えた。

多分店なんだろうけど...

なに?あの店......見た目も最悪だし、気味悪いし、普段の私が入るような所じゃないのに......なぜか目が離せない...。

そう思っていると、気づいた時には店のドアノブに手をかけていた。

流石にこれは驚いた。

まるで、一瞬だけ誰かに操られたかのような感じだった。

しかもそのときの記憶が一切ないのよ。

あの店を気味悪いなって思っていたら意識がプツンっと切れたわ。

怖っ!何が起こったの!?

この店に絶対何かある。一体何があるのか......と気になってドアノブを捻った。

もちろん、恐怖心が全くない訳では無いわ。

ただ、私の中の好奇心の方が勝ってしまったって話なのよ!

店の中に入ると、思った通り小汚かった。

しかも、置いてあるものは見た事がないものばっかり!

なに?あのドクロ?センス悪ーい。

え、あれは蛇?キモっ!

中を一通り見て回ったけど、やっぱり私の目にかなうものなんて無かったわね。

なんでこんな店に入ったんだろう?

早く外に出よーっと!時間の無駄だったわ!

そう思っていると

「あらぁ?お客さんかしらぁ~?」

という何となく癪に障るような声が聞こえてきた。

なんか気持ち悪い声なのよ。あと、喋り方もね。

「何かお気に召したものがあったかしら~?」

そんな私の思いとは裏腹に、店員らしき女性が私に話しかけてきた。

「あー、特に買いたいものがなかったから失礼するわ」

と私は逃げるように店を出ようとすると、待って、と店員らしき女性に引き止められた。

一体なんだっていうのよ!?

「貴方、魅了とか興味ありそうねぇ?安くしておくわよ~」

と不気味に笑った女性の言葉に私は惹かれた。

だって、魅了でしょ?

そんなの使えたら殿下の攻略なんて一瞬じゃん!

「興味あるわ!どれが魅了の効果があるのよ!」

食いつくように女性に尋ねると奥からブレスレットを持ってきて私の前に置いた。

そして、

「これよ。まぁ、安くするって言っちゃったからぁ......100万ナルで良いわよ~」

100万ナル!?

私は女性に言われた金額に驚いた。

だって100万ナルなんて、この国の平民の稼ぎが月の平均で10万ナル......私のお小遣いでも20万ナルよ!?

毎月お小遣いは全部使い切っちゃう私には無理に決まってるじゃん...!

「も...もう少し安くならないの......?」

何とかギリギリまでら値下げして貰えるように聞くと

「あらぁ?払えないなら買わなくていいのよぉ~?」

と不敵に笑う女性を見てなんだかイラッときた。

どうせこれが無ければ殿下の攻略なんて出来ないんだ。

確か執務室に金庫があったわよね。

そこからこっそり盗んでくればバレないはず...!

「いいわよ!払うわ!明日持ってくるからここで待ってなさい!」

そう言って店を後にした。

私が店を出た後、女性が声を上げて笑っていた。

それに気付いていれば、あんなことにはならなかったのに.........。
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