裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~

あかる

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海老と、牡蠣

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    キャンプ道具一式を、マジックバッグに詰め込む。
「やっぱりこの、新しいマジックバッグはいいな…こんなのスッポリ入っちゃうし、冷えたビールもそのまんま。欲を言えば、中身のリストが出たりするといいな。ほら、ラノベのインベントリみたく」
「いや、覚えておけよ」
    空間把握が出来れば、中身も全部分かるけどね。
    それはちょっと付与では無理だな…マシューさんの言うように、覚えてるしかないんだよね。

「ほら、欲しい物が手元に来るとかさ」
「上の方に入れておけば、そんなに混ざらないだろ?」
    そっか…収納庫だとそれは出来るんだよね。みんなが収納庫を使えるようになったら、マジックバッグなんて売れなくなるかもしれないな。

「ていうか、何で今更な事言ってるのさ?マジックバッグの作者に言うならともかく」

「何となく、だな。消費者の希望って奴?」
「だからそれを俺に言ってどうすんのさ?」

    まっちゃん、何か気がついているのかな。確かに付与魔法なんて、他の魔法使いには無理だし。作れるのは…

(美優ちゃん、平常心)
(うん…大根大根)
    感情を顔に出さないのは難しい。貴族か一流の役者でないと。間違いなく大根役者な私は、心の中でだけ役者になる…ん?大根役者だめじゃん?

「大根はだめだね。ちくわぶがいいな」
「は?何言ってるんだ?」
「あ、おでんの話」
「…唐突すぎ」
「私は断然卵ね」
「白猫さんは卵か…私ははんぺんが一番好き」
「いや、だから何でおでん?」
「…尊い」

    これが東日本一の冒険者パーティーの会話なのか…

    朝も早くからご苦労様だ。そんな中、こっそり逃げる男がいる。
    美優と目が合う…男は逃げていく。

「まっちゃん、ありがとうございます!」
「ん?夕食の話か?今日は海老フライと牡蠣フライだからな!楽しみにしててくれ!」

「タルタルソースの海老フライ?やった!」
「て事は、次が牡蠣とか?」
「お馬鹿だね。偶数階層は、食べられない魔物だよ」
「ダンジョンによっては、それが当てはまらない所もあるんだぜ?聞いた事あるだろ?1階層しかないダンジョン」

「あ…そっか!ですね!遠いから行けないですけど」
    いつか日本中のダンジョンを制覇してみたいな…東京防衛隊の皆さん位強くなったら!

    海老、海人君は鋏から潰していく。東京防衛隊の皆さんは、会話しながら、呼吸も止まらせずに倒している。
「凄い…」
「まあ、同じようにやれとは言わないけど、カイにとっては、スライムなら同じように倒せるんじゃないかな?」
「どうでしょう?ちょっと自信ないです」
    海人君の武器はちょっと重いし、力入るよね。

「急所を狙えば大概一撃だよ。それは普通の虫も動物も大体一緒」
    あ、それは分かる。入るダメージが違う気がする。

    白猫さんは、自身のスキルである罠を使っている。
    エビが列を作って、白猫さんの方に集まっていく。
「ミュウちゃん、倒していいわよ?」
    魔法で一網打尽にする所が見たいのだろう。…白猫さんのスキルの方が凄いと思う。何たって、魔力を一切使わない所がいいよね。

    それは白猫さんの怪しい魅力のせいなのか(こっちの漢字で合ってると思う)純粋にスキルの力なのか。

    因みにマシューさんは今、牡蠣を集めに行っている。

    カナタさんと喋っていたら、裏の林ダンジョンの話しになって、町名を教えたんだけど、聞いた事ない町名で、すぐには理解してもらえなかった。

    うちのダンジョンに冒険者が少ないのは、町名すら知られていないから?

「でも、公共交通機関だけで行こうとすると、1日がかりになるね」
「車がないと、実際生活すら厳しいですよ?」
   
    白猫さんが集めたエビに、冷気をかける。
    動きが鈍くなり、次々にエビの身か、魔石に変わる。
「やっぱり便利ね。てか、カナタと喋っていても関係なしにエビがいる範囲にだけ発動するのね」
「それは…あんまり難しくないですよ」
    前世から考えると充分チートだけど、スキルのお陰で今は苦労せずに出来る。

    回避は、苦労してスキル化したのに、実際にあんまり役に立っていない。
    それは、結界で防いでしまうせいもあるのだが、痛い思いをするよりはと思ってしまうのだ。

「カナタさん、魔力そのものをぶつける感じじゃなくて…魔力は、そっと、細いストローに息を通す感じで…そうです。弱い魔法に魔力を使い過ぎても勿体ないですからね」

「あ…本当だ。ミュウちゃんの魔法を見てると、本当に無駄なく綺麗に使ってるのが分かる…私も頑張ろう」

「え?カナタ、ミュウちゃんの魔力が見えているの?」
「最初はわからなかったけど、私も魔法に慣れてきたからかな?」
「へえ…何にせよ、メンバーの戦力が上がる事は嬉しいわ…色々と応用もききそう」

    そう。見えない床が見えるようになったりね。海人君も驚いていた。

    その日はフライパーティーになった。エビフライ、カキフライ、何の魚かわからないけど、そのフライも、美味しかった。
    タルタルソースが手作りで、それがまた絶品。
    明日からはまた、海人君と二人の冒険になるけど、この先に待ち構えている今日の美味しい魚やカキを楽しみに、攻略していきたいと思う。
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