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第七章:恋を知る夜、愛に包まれる朝
第120話・渇きを癒す甘美な口づけ
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「ルナ、どうぞ!」
フィンは胸を張り、ためらいなく自分の首筋を差し出した。
その無邪気さに、ルナフィエラの紅い瞳が大きく揺れる。
「……っ、でも……」
「遠慮しないで! 僕は全然平気だから!」
まっすぐな笑顔に押され、言葉が喉でほどける。
体の奥で渇きが疼き、喉が熱を帯びた。
必死に抑え込もうとしても、どうしても視線は彼の白い首筋に吸い寄せられてしまう。
「……フィン、ごめんね」
小さな声で謝りながら、ルナフィエラはそっと顔を寄せた。
次の瞬間――牙が柔らかい肌を貫き、甘美な温かさが口内に広がる。
「……っ」
思わず、喉が鳴った。
濃厚で、どこまでも甘い。
体に沁み渡るたび、乾いていた心まで潤されていく。
(……やっぱり……フィンの血…好き…)
無意識に強く抱きしめてしまい、フィンが小さく笑った。
「ふふっ……ルナ、すごく幸せそう」
その声音に、彼女の頬が真っ赤に染まる。
(……顔に出てる……? やだ、恥ずかしい……)
けれど、フィンの手が優しく髪を撫でてくれる。
「もっと飲んでいいよ。僕は平気だから」
促されるままに、ルナフィエラは彼の体温を受け入れ続けた。
渇きが癒えていく心地よさと、満たされる幸福感。
そのひととき、すべての不安は溶け、ただ甘美な温もりだけが胸を満たしていた。
やかてゆっくりと牙を離すと、ルナフィエラは小さく息を整えた。
体の奥に広がる甘美な温もりに、胸の渇きがすっと消えていく。
(……こんなに……満たされるんだ……)
旅に出てからずっと我慢していた反動なのか、全身が喜んでいるのが分かる。
頬が自然と熱くなり、胸の奥が甘く疼いた。
「……フィン、ありがとう」
震える声で礼を告げると、フィンはにかっと笑って彼女を抱き寄せる。
「どういたしまして。……ご褒美ね」
次の瞬間、無邪気な笑顔のまま、彼の唇が重なった。
驚きで頭が真っ白になる。
けれど拒むことはできず、甘く触れる感触に心臓が早鐘を打った。
唇が離れると同時に、ユリウスの指がそっと頬に触れる。
その穏やかな眼差しに見つめられ、胸の奥がまた熱を帯びた。
「顔色が戻ったね。……でも、次からは遠慮せずにきちんと言うんだよ?」
「……うん」
頷きながら、ルナは俯く。
(……分かってる……でも、みんなに頼ってばかりで……言えなかった……)
自分の弱さを認めるのが苦しくて、指先をぎゅっと握りしめる。
そのとき、不意に背後から強い温もりに包まれた。
「……昨夜、気づけずに申し訳ありません」
ヴィクトルの声。
彼の腕に抱かれた瞬間、胸の奥の罪悪感が溶かされていく。
「ううん。私も……言えなかったから」
彼の胸に背を預けながら、心の奥で(いつも一番に気づいてくれるけど……今回は黙ってしまって、ごめんね)と呟く。
すると、大きな手が頭に置かれ、ぽん、ぽん、と優しく撫でられた。
シグだ。
(……みんな……どうしてこんなに優しいんだろう……)
胸の奥に込み上げてくる熱に、涙が今にも零れそうになる。
けれど、泣いてしまえば余計に心配させてしまう。
だから――笑った。
「……ありがとう。本当に……みんな、ありがとう」
焚き火の赤い光よりも、みんなの眼差しの方がずっと温かい。
その瞬間、ルナフィエラは心の底からそう感じていた。
一晩を川辺で過ごした一行は、翌朝、早めに出発した。
森の奥はまだ薄暗く、冷たい風が木々の間を吹き抜ける。
けれど――昨日までの不安と違い、ルナフィエラの足取りは軽かった。
(……みんなのおかげで、ちゃんと歩ける……)
体の奥に力が戻り、紅い瞳も輝きを取り戻している。
フィンは彼女の手を握りながら、明るい声で言った。
「もうすぐ森を抜けるよ! 次は村だね! きっとおいしいものがあるはず!」
「……ふふっ。フィンって、本当に元気」
ルナフィエラが小さく笑えば、フィンは「でしょ?」と胸を張る。
前方ではシグが大斧を背負い、無言で道を切り開き続ける。
その頼もしさに、彼女はふと背中を見つめて胸を温かくした。
ヴィクトルはルナフィエラの隣を歩き、時折帽子の位置を直してくれる。
「日差しが強いと疲れますから」
そう囁く声音に、さりげない気遣いがにじんでいた。
後方からはユリウスが歩調を合わせ、周囲を静かに警戒している。
「……もうすぐ村の入口だ」
言葉の通り、木々の間から光が差し込み、視界が開ける。
視線の先には、小さな家々と煙の上がる煙突、そして穏やかに行き交う人々の姿。
「……着いた……」
ルナフィエラの瞳がぱっと輝く。
昨日までの緊張と恐怖は遠くなり、胸に広がるのは安堵と期待。
こうして5人は森を抜け、小さな村へと足を踏み入れた。
フィンは胸を張り、ためらいなく自分の首筋を差し出した。
その無邪気さに、ルナフィエラの紅い瞳が大きく揺れる。
「……っ、でも……」
「遠慮しないで! 僕は全然平気だから!」
まっすぐな笑顔に押され、言葉が喉でほどける。
体の奥で渇きが疼き、喉が熱を帯びた。
必死に抑え込もうとしても、どうしても視線は彼の白い首筋に吸い寄せられてしまう。
「……フィン、ごめんね」
小さな声で謝りながら、ルナフィエラはそっと顔を寄せた。
次の瞬間――牙が柔らかい肌を貫き、甘美な温かさが口内に広がる。
「……っ」
思わず、喉が鳴った。
濃厚で、どこまでも甘い。
体に沁み渡るたび、乾いていた心まで潤されていく。
(……やっぱり……フィンの血…好き…)
無意識に強く抱きしめてしまい、フィンが小さく笑った。
「ふふっ……ルナ、すごく幸せそう」
その声音に、彼女の頬が真っ赤に染まる。
(……顔に出てる……? やだ、恥ずかしい……)
けれど、フィンの手が優しく髪を撫でてくれる。
「もっと飲んでいいよ。僕は平気だから」
促されるままに、ルナフィエラは彼の体温を受け入れ続けた。
渇きが癒えていく心地よさと、満たされる幸福感。
そのひととき、すべての不安は溶け、ただ甘美な温もりだけが胸を満たしていた。
やかてゆっくりと牙を離すと、ルナフィエラは小さく息を整えた。
体の奥に広がる甘美な温もりに、胸の渇きがすっと消えていく。
(……こんなに……満たされるんだ……)
旅に出てからずっと我慢していた反動なのか、全身が喜んでいるのが分かる。
頬が自然と熱くなり、胸の奥が甘く疼いた。
「……フィン、ありがとう」
震える声で礼を告げると、フィンはにかっと笑って彼女を抱き寄せる。
「どういたしまして。……ご褒美ね」
次の瞬間、無邪気な笑顔のまま、彼の唇が重なった。
驚きで頭が真っ白になる。
けれど拒むことはできず、甘く触れる感触に心臓が早鐘を打った。
唇が離れると同時に、ユリウスの指がそっと頬に触れる。
その穏やかな眼差しに見つめられ、胸の奥がまた熱を帯びた。
「顔色が戻ったね。……でも、次からは遠慮せずにきちんと言うんだよ?」
「……うん」
頷きながら、ルナは俯く。
(……分かってる……でも、みんなに頼ってばかりで……言えなかった……)
自分の弱さを認めるのが苦しくて、指先をぎゅっと握りしめる。
そのとき、不意に背後から強い温もりに包まれた。
「……昨夜、気づけずに申し訳ありません」
ヴィクトルの声。
彼の腕に抱かれた瞬間、胸の奥の罪悪感が溶かされていく。
「ううん。私も……言えなかったから」
彼の胸に背を預けながら、心の奥で(いつも一番に気づいてくれるけど……今回は黙ってしまって、ごめんね)と呟く。
すると、大きな手が頭に置かれ、ぽん、ぽん、と優しく撫でられた。
シグだ。
(……みんな……どうしてこんなに優しいんだろう……)
胸の奥に込み上げてくる熱に、涙が今にも零れそうになる。
けれど、泣いてしまえば余計に心配させてしまう。
だから――笑った。
「……ありがとう。本当に……みんな、ありがとう」
焚き火の赤い光よりも、みんなの眼差しの方がずっと温かい。
その瞬間、ルナフィエラは心の底からそう感じていた。
一晩を川辺で過ごした一行は、翌朝、早めに出発した。
森の奥はまだ薄暗く、冷たい風が木々の間を吹き抜ける。
けれど――昨日までの不安と違い、ルナフィエラの足取りは軽かった。
(……みんなのおかげで、ちゃんと歩ける……)
体の奥に力が戻り、紅い瞳も輝きを取り戻している。
フィンは彼女の手を握りながら、明るい声で言った。
「もうすぐ森を抜けるよ! 次は村だね! きっとおいしいものがあるはず!」
「……ふふっ。フィンって、本当に元気」
ルナフィエラが小さく笑えば、フィンは「でしょ?」と胸を張る。
前方ではシグが大斧を背負い、無言で道を切り開き続ける。
その頼もしさに、彼女はふと背中を見つめて胸を温かくした。
ヴィクトルはルナフィエラの隣を歩き、時折帽子の位置を直してくれる。
「日差しが強いと疲れますから」
そう囁く声音に、さりげない気遣いがにじんでいた。
後方からはユリウスが歩調を合わせ、周囲を静かに警戒している。
「……もうすぐ村の入口だ」
言葉の通り、木々の間から光が差し込み、視界が開ける。
視線の先には、小さな家々と煙の上がる煙突、そして穏やかに行き交う人々の姿。
「……着いた……」
ルナフィエラの瞳がぱっと輝く。
昨日までの緊張と恐怖は遠くなり、胸に広がるのは安堵と期待。
こうして5人は森を抜け、小さな村へと足を踏み入れた。
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