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第七章:恋を知る夜、愛に包まれる朝
第128話・ユリウスの証と偽りなき想い
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翌朝。
まだ柔らかな朝日が差し込む部屋で、ユリウスがふとルナフィエラに提案を持ちかけた。
「ルナ、今日は図書館に行かないか?」
「……図書館?」
小首を傾げる彼女に、ユリウスは穏やかに頷く。
「昨日、市場へ買い物に行った際に、大きな王立図書館を見つけたんだ。古城の書庫よりも、ずっと多くの本が収められているだろう」
「ルナ様なら、きっとお気に召すと思いまして」
ヴィクトルも優しく付け加える。
ルナフィエラの紅い瞳がぱっと輝きを増した。
「ほんとに……? そんなにたくさん本が……! 行ってみたい!」
昨夜はまだ体が重かった彼女だが、本の話を耳にした途端、表情はすっかり明るさを取り戻していた。
「決まりだな。読書なら体に負担も少ねぇし、丁度いいだろ」
シグが短く言えば、フィンもすぐに「ルナ、一緒に本探そうね!」と元気いっぱいに賛同する。
こうして予定はすぐに決まり、一行は簡単に身支度を整えると、王都シルヴェールの中心にそびえる王立図書館へ向かった。
街路を進むにつれ、視界の奥に現れたのは壮麗な建物だった。
白亜の壁に高く伸びる尖塔、そして朝の光を透かす大きなステンドグラス。
入口には既に人の列ができており、この街でどれほど知識が大切にされているかが一目でわかる。
ルナフィエラは思わず息を呑み、胸の前で小さな手を握りしめた。
「……すごい……本当に、こんなに大きな図書館があるなんて……!」
彼女の感嘆に、4人は目を細める。
愛しい主の無邪気な笑顔が、何よりのご褒美だった。
王立図書館の荘厳な扉をくぐると、まず待っていたのは受付だった。
入場には身分証の提示が求められるらしい。
「身分証をお持ちですか?」
差し出された木札を見て、ルナフィエラは小さく首を振った。
「……そんなの、持ってない……」
隣でシグやヴィクトル、フィンも同じく困った顔を浮かべる。
この国に正式な籍を持たない彼らに、そんなものがあるはずもない。
一行の間に小さな沈黙が落ちたその時――。
「仕方ないな」
ユリウスが懐に手を入れ、金細工のペンダントトップを取り出した。
淡い光を宿すそれを見た瞬間、受付の人の顔が凍りつく。
「ひ、ヒィイ……っ! そ、それは……!」
声が裏返り、周囲の空気が一気に張り詰めた。
それは――エルフ王族の証。
選ばれし血筋の者だけが持つ、唯一無二の象徴だった。
ユリウスはあくまで穏やかな微笑を浮かべたまま、受付の人に問う。
「これで入っても、構わないだろう?」
「も、もちろんでございます。あなた様ご自身は……ですが……」
受付の人の視線がちらりとルナフィエラたちへ流れる。
――身分証もない彼らは怪しい。
そんな疑念が表情から滲んでいた。
ユリウスはやれやれとでも言うように小さく息を吐くと、ルナフィエラの肩を抱き寄せる。
「この子は僕の婚約者だ」
突然の言葉に、彼女の瞳がぱちぱちと瞬きを繰り返す。
頬が熱を帯び、胸がどきりと跳ねた。
続けてユリウスはシグを指差す。
「彼は護衛」
そしてヴィクトルとフィンを示し、
「この二人は侍従だ」
それからわずかに首を傾け、受付の人を射抜くように見据える。
「王族が一人で出歩くわけがないだろう。護衛や侍従を伴うのは当然だ」
穏やかな微笑は変わらないのに、その声音には逃げ場のない圧が宿っている。
「――それでも、何か言いたいことがあるかい?」
受付の人は顔を真っ青にし、冷や汗を垂らした。
「い、いえっ! とんでもございません! どうぞ、ご入館くださいませ……!」
こうして5人は、周囲のざわめきを背に堂々と図書館へ足を踏み入れた。
まだ柔らかな朝日が差し込む部屋で、ユリウスがふとルナフィエラに提案を持ちかけた。
「ルナ、今日は図書館に行かないか?」
「……図書館?」
小首を傾げる彼女に、ユリウスは穏やかに頷く。
「昨日、市場へ買い物に行った際に、大きな王立図書館を見つけたんだ。古城の書庫よりも、ずっと多くの本が収められているだろう」
「ルナ様なら、きっとお気に召すと思いまして」
ヴィクトルも優しく付け加える。
ルナフィエラの紅い瞳がぱっと輝きを増した。
「ほんとに……? そんなにたくさん本が……! 行ってみたい!」
昨夜はまだ体が重かった彼女だが、本の話を耳にした途端、表情はすっかり明るさを取り戻していた。
「決まりだな。読書なら体に負担も少ねぇし、丁度いいだろ」
シグが短く言えば、フィンもすぐに「ルナ、一緒に本探そうね!」と元気いっぱいに賛同する。
こうして予定はすぐに決まり、一行は簡単に身支度を整えると、王都シルヴェールの中心にそびえる王立図書館へ向かった。
街路を進むにつれ、視界の奥に現れたのは壮麗な建物だった。
白亜の壁に高く伸びる尖塔、そして朝の光を透かす大きなステンドグラス。
入口には既に人の列ができており、この街でどれほど知識が大切にされているかが一目でわかる。
ルナフィエラは思わず息を呑み、胸の前で小さな手を握りしめた。
「……すごい……本当に、こんなに大きな図書館があるなんて……!」
彼女の感嘆に、4人は目を細める。
愛しい主の無邪気な笑顔が、何よりのご褒美だった。
王立図書館の荘厳な扉をくぐると、まず待っていたのは受付だった。
入場には身分証の提示が求められるらしい。
「身分証をお持ちですか?」
差し出された木札を見て、ルナフィエラは小さく首を振った。
「……そんなの、持ってない……」
隣でシグやヴィクトル、フィンも同じく困った顔を浮かべる。
この国に正式な籍を持たない彼らに、そんなものがあるはずもない。
一行の間に小さな沈黙が落ちたその時――。
「仕方ないな」
ユリウスが懐に手を入れ、金細工のペンダントトップを取り出した。
淡い光を宿すそれを見た瞬間、受付の人の顔が凍りつく。
「ひ、ヒィイ……っ! そ、それは……!」
声が裏返り、周囲の空気が一気に張り詰めた。
それは――エルフ王族の証。
選ばれし血筋の者だけが持つ、唯一無二の象徴だった。
ユリウスはあくまで穏やかな微笑を浮かべたまま、受付の人に問う。
「これで入っても、構わないだろう?」
「も、もちろんでございます。あなた様ご自身は……ですが……」
受付の人の視線がちらりとルナフィエラたちへ流れる。
――身分証もない彼らは怪しい。
そんな疑念が表情から滲んでいた。
ユリウスはやれやれとでも言うように小さく息を吐くと、ルナフィエラの肩を抱き寄せる。
「この子は僕の婚約者だ」
突然の言葉に、彼女の瞳がぱちぱちと瞬きを繰り返す。
頬が熱を帯び、胸がどきりと跳ねた。
続けてユリウスはシグを指差す。
「彼は護衛」
そしてヴィクトルとフィンを示し、
「この二人は侍従だ」
それからわずかに首を傾け、受付の人を射抜くように見据える。
「王族が一人で出歩くわけがないだろう。護衛や侍従を伴うのは当然だ」
穏やかな微笑は変わらないのに、その声音には逃げ場のない圧が宿っている。
「――それでも、何か言いたいことがあるかい?」
受付の人は顔を真っ青にし、冷や汗を垂らした。
「い、いえっ! とんでもございません! どうぞ、ご入館くださいませ……!」
こうして5人は、周囲のざわめきを背に堂々と図書館へ足を踏み入れた。
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