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第三章:堕ちた月、騎士たちの誓約
第25話・地下研究所
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ルナフィエラが攫われてからすでに半日が経過していた。
4人はルナフィエラの魔力の痕跡を頼りに 彼女の居場所を探し続け、ついに人目につかない山奥の地下施設 にたどり着いた。
「……この扉の向こうか」
シグが 大斧を担ぎ、目を細める。
「随分と厄介な場所に閉じ込めやがったな……」
「罠の可能性もあるな」
ユリウスが 冷静に周囲を見渡す。
「侵入者を防ぐための結界はあるが……時間をかければ破れる」
「いや、時間はない」
ヴィクトルの 瞳が紅く光る。
「——力ずくでこじ開ける」
ヴィクトルが扉を蹴破り研究所内に突入した瞬間、鋭い殺気が辺りを覆った。
「——遅かったな」
漆黒の鎧を纏った魔族の兵士が、 不敵に笑う。
彼の周囲には同族の戦士たちがひしめき、
その瞳は赤く爛々と輝いていた。
(……ルナ様の血を摂取したのか……)
ヴィクトルが奥歯を噛みしめる。
「……強化されているな」
シグが 大斧を担ぎながら前に出る。
「だが、それがどうした?」
「さすが戦闘狂だな、鬼の戦士よ」
魔族の兵士がシグに視線を向ける。
「貴様の力は知っている。だが、今の我々に通用するかな?」
「試してみるか?」
シグの 口元が吊り上がる。
「……ヴィクトル」
ユリウスが 冷静な声で言う。
「ここは俺たちに任せろ。お前はルナを助けに行け」
「……!」
ヴィクトルが 驚いたように3人を見る。
「お前が行け」
シグが 斧を肩に担ぎながら言った。
「俺らはここで時間を稼ぐ」
「ユリウス、シグ、フィン……」
フィンが 微笑みながら頷く。
「心配しないで。君が戻るまで、僕たちがここを守る」
「……わかった」
ヴィクトルは迷いなく頷いた。
「……頼む」
そう言い残し——
彼は戦場を駆け抜けた。
ルナフィエラの元へ、一秒でも早く。
——————
「さて……俺たちも始めるか」
シグが斧を構えた 瞬間——
——魔族たちが一斉に襲いかかる。
「チッ……!」
シグが 斧を振るい、魔族の一体を真っ二つに裂く。
「ユリウス!」
「……わかっている」
ユリウスが杖を掲げ、膨大な魔力を解放する。
「——エルヴン・ストーム!」
魔族たちの足元に 魔法陣が展開される。
—— ズガァッ!!!!
強烈な風の刃が魔族たちを切り裂く。
「フィン、援護!」
「うん!」
フィンが 光の魔法を放ち、
ユリウスとシグの防御を固める。
「——光よ、癒しの加護を」
輝く魔法陣が 味方の負傷を即座に回復していく。
「お前ら……! 強すぎる……!」
魔族たちが 焦りを見せ始める。
「当然だ」
ユリウスが 静かに笑う。
「俺たちは、ルナを救うためにここにいるのだからな」
——時間を稼ぐための死闘が始まった。
その間に、ヴィクトルはルナフィエラのいる最奥の部屋へと向かっていた——。
ヴィクトルは鋭い殺気を纏いながら研究室の扉を蹴破った。
——ガンッ!!
「……ルナ様……」
その場にあったのは、まさに悪夢のような光景だった。
ルナは 実験台の上に拘束されたまま、
手足を枷で固定され、口には猿轡、
首にはヴァンパイア専用の魔力封印具が嵌められている。
腕には何本もの注射器が刺さったまま、
途切れることなく血が抜かれていた。
ルナの肌は死人のように青白い。
意識はなく、かすかに胸が上下するだけだった。
「……ああ、ちょうど良いタイミングで来たな」
白衣を着た研究者の一人が薄ら笑いを浮かべながら言った。
「今ちょうど、次の採血に入るところだったんだが……」
「……貴様ら……」
ヴィクトルの瞳が紅く輝き、底知れぬ怒りを宿す。
——ズズズ……!
殺気が辺りを満たし、空気が張り詰めた。
「……ほう、騎士殿はずいぶんご立腹のようだな」
もう一人の研究者が 冷ややかに笑う。
「だがな、我々の実験には貴様の主が必要でね」
「純血ヴァンパイアの血は、魔族や人間の限界を超える可能性を秘めている……
これほどの素材を、ただ眠らせておくわけにはいかない」
「それに……」
研究者は ルナの頬を指で撫でる。
「こんなに綺麗な姫君が、ただの血袋として存在するだけなんて、勿体ないと思わないか?」
——バキッ!!!!
次の瞬間、ヴィクトルの剣が空を裂き、研究者の腕が床に転がった。
「が……ぎゃあああああああああ!!!」
研究者の叫び声が響く。
「貴様……! 何を……!」
「よくも……ルナ様に指一本でも触れたな」
ヴィクトルの声は静かだった。だが、その静寂の奥に燃える怒りは、底知れぬほど深い。
「……ルナ様にしたことの代償、必ず貴様らの命で支払わせる。」
——ゴゴゴゴゴ……!
ヴィクトルの周囲に血の魔力が渦を巻く。
「お前、やれ!」
魔族の護衛が大剣を構え、ヴィクトルに襲いかかる。
だが——
——ザンッ!!!!
次の瞬間、魔族の胴体が斬り裂かれ、血しぶきが舞った。
「なっ……!? 俺は強化されたはず……!」
魔族は 血を噴き出しながら膝をつく。
「……貴様らがどれだけルナ様の血を摂取しようが、所詮は模倣に過ぎない」
ヴィクトルが冷たい瞳で魔族を見下ろす。
「貴様らのような、“まがい物” に……」
「……この私が負けることは、絶対にない。」
——ザシュッ!!!!
魔族の首が地に落ち、絶命した。
残るは研究者たちのみ。
ヴィクトルはゆっくりとルナフィエラのもとへ歩み寄る。
「……ルナ様」
その声は、先ほどまでの殺意に満ちたものではなく、ただひたすらに優しく、切実だった。
彼はルナの頬に触れる。
冷たい。
恐ろしく命の気配が薄い。
「……ルナ様」
ヴィクトルは、 そっとルナフィエラの拘束を解き始めた。
だがその間にも、 ルナフィエラの血は滴り続けている。
(早く……早く助けなければ……!)
彼の胸には、焦燥と後悔が募っていく。
「大丈夫だ、今すぐに……!」
その時——
「——やらせるかよ!!」
——ゴッ!!!!
突然、背後から 研究者の一人がヴィクトルに向けて衝撃波を放った。
ヴィクトルの体が弾かれ、壁に激突する。
「……ッ……!」
「フン、隙だらけだな……!」
研究者が ナイフを抜き、ルナフィエラの胸元に向けて突き立てようとする。
「——させると思うか?」
次の瞬間——
ヴィクトルの剣が風を切り、研究者の胸を貫いた。
「……が、は……」
研究者の目が驚愕に見開かれる。
「……貴様らの研究など……」
「この世から、消し去ってやる。」
——ゴオォォォ!!!
ヴィクトルの魔力が爆発し、部屋全体を血の魔力が飲み込んだ。
研究者は消滅し、跡形もなく消え去った。
ヴィクトルはルナフィエラのもとへ駆け寄る。
「……ルナ様」
今度こそ、彼女の全ての拘束を解き、抱き上げた。
「……申し訳ありません」
彼は己の無力を悔いるように、ルナフィエラの髪を撫でる。
「……もう、貴女を……二度とこんな目には遭わせません」
彼の腕の中で、ルナフィエラの冷たい体が小さく震えていた。
——彼女を一刻も早く、仲間のもとへ。
ヴィクトルは 決意を固め、ルナをジャケットで包み、部屋を飛び出した。
4人はルナフィエラの魔力の痕跡を頼りに 彼女の居場所を探し続け、ついに人目につかない山奥の地下施設 にたどり着いた。
「……この扉の向こうか」
シグが 大斧を担ぎ、目を細める。
「随分と厄介な場所に閉じ込めやがったな……」
「罠の可能性もあるな」
ユリウスが 冷静に周囲を見渡す。
「侵入者を防ぐための結界はあるが……時間をかければ破れる」
「いや、時間はない」
ヴィクトルの 瞳が紅く光る。
「——力ずくでこじ開ける」
ヴィクトルが扉を蹴破り研究所内に突入した瞬間、鋭い殺気が辺りを覆った。
「——遅かったな」
漆黒の鎧を纏った魔族の兵士が、 不敵に笑う。
彼の周囲には同族の戦士たちがひしめき、
その瞳は赤く爛々と輝いていた。
(……ルナ様の血を摂取したのか……)
ヴィクトルが奥歯を噛みしめる。
「……強化されているな」
シグが 大斧を担ぎながら前に出る。
「だが、それがどうした?」
「さすが戦闘狂だな、鬼の戦士よ」
魔族の兵士がシグに視線を向ける。
「貴様の力は知っている。だが、今の我々に通用するかな?」
「試してみるか?」
シグの 口元が吊り上がる。
「……ヴィクトル」
ユリウスが 冷静な声で言う。
「ここは俺たちに任せろ。お前はルナを助けに行け」
「……!」
ヴィクトルが 驚いたように3人を見る。
「お前が行け」
シグが 斧を肩に担ぎながら言った。
「俺らはここで時間を稼ぐ」
「ユリウス、シグ、フィン……」
フィンが 微笑みながら頷く。
「心配しないで。君が戻るまで、僕たちがここを守る」
「……わかった」
ヴィクトルは迷いなく頷いた。
「……頼む」
そう言い残し——
彼は戦場を駆け抜けた。
ルナフィエラの元へ、一秒でも早く。
——————
「さて……俺たちも始めるか」
シグが斧を構えた 瞬間——
——魔族たちが一斉に襲いかかる。
「チッ……!」
シグが 斧を振るい、魔族の一体を真っ二つに裂く。
「ユリウス!」
「……わかっている」
ユリウスが杖を掲げ、膨大な魔力を解放する。
「——エルヴン・ストーム!」
魔族たちの足元に 魔法陣が展開される。
—— ズガァッ!!!!
強烈な風の刃が魔族たちを切り裂く。
「フィン、援護!」
「うん!」
フィンが 光の魔法を放ち、
ユリウスとシグの防御を固める。
「——光よ、癒しの加護を」
輝く魔法陣が 味方の負傷を即座に回復していく。
「お前ら……! 強すぎる……!」
魔族たちが 焦りを見せ始める。
「当然だ」
ユリウスが 静かに笑う。
「俺たちは、ルナを救うためにここにいるのだからな」
——時間を稼ぐための死闘が始まった。
その間に、ヴィクトルはルナフィエラのいる最奥の部屋へと向かっていた——。
ヴィクトルは鋭い殺気を纏いながら研究室の扉を蹴破った。
——ガンッ!!
「……ルナ様……」
その場にあったのは、まさに悪夢のような光景だった。
ルナは 実験台の上に拘束されたまま、
手足を枷で固定され、口には猿轡、
首にはヴァンパイア専用の魔力封印具が嵌められている。
腕には何本もの注射器が刺さったまま、
途切れることなく血が抜かれていた。
ルナの肌は死人のように青白い。
意識はなく、かすかに胸が上下するだけだった。
「……ああ、ちょうど良いタイミングで来たな」
白衣を着た研究者の一人が薄ら笑いを浮かべながら言った。
「今ちょうど、次の採血に入るところだったんだが……」
「……貴様ら……」
ヴィクトルの瞳が紅く輝き、底知れぬ怒りを宿す。
——ズズズ……!
殺気が辺りを満たし、空気が張り詰めた。
「……ほう、騎士殿はずいぶんご立腹のようだな」
もう一人の研究者が 冷ややかに笑う。
「だがな、我々の実験には貴様の主が必要でね」
「純血ヴァンパイアの血は、魔族や人間の限界を超える可能性を秘めている……
これほどの素材を、ただ眠らせておくわけにはいかない」
「それに……」
研究者は ルナの頬を指で撫でる。
「こんなに綺麗な姫君が、ただの血袋として存在するだけなんて、勿体ないと思わないか?」
——バキッ!!!!
次の瞬間、ヴィクトルの剣が空を裂き、研究者の腕が床に転がった。
「が……ぎゃあああああああああ!!!」
研究者の叫び声が響く。
「貴様……! 何を……!」
「よくも……ルナ様に指一本でも触れたな」
ヴィクトルの声は静かだった。だが、その静寂の奥に燃える怒りは、底知れぬほど深い。
「……ルナ様にしたことの代償、必ず貴様らの命で支払わせる。」
——ゴゴゴゴゴ……!
ヴィクトルの周囲に血の魔力が渦を巻く。
「お前、やれ!」
魔族の護衛が大剣を構え、ヴィクトルに襲いかかる。
だが——
——ザンッ!!!!
次の瞬間、魔族の胴体が斬り裂かれ、血しぶきが舞った。
「なっ……!? 俺は強化されたはず……!」
魔族は 血を噴き出しながら膝をつく。
「……貴様らがどれだけルナ様の血を摂取しようが、所詮は模倣に過ぎない」
ヴィクトルが冷たい瞳で魔族を見下ろす。
「貴様らのような、“まがい物” に……」
「……この私が負けることは、絶対にない。」
——ザシュッ!!!!
魔族の首が地に落ち、絶命した。
残るは研究者たちのみ。
ヴィクトルはゆっくりとルナフィエラのもとへ歩み寄る。
「……ルナ様」
その声は、先ほどまでの殺意に満ちたものではなく、ただひたすらに優しく、切実だった。
彼はルナの頬に触れる。
冷たい。
恐ろしく命の気配が薄い。
「……ルナ様」
ヴィクトルは、 そっとルナフィエラの拘束を解き始めた。
だがその間にも、 ルナフィエラの血は滴り続けている。
(早く……早く助けなければ……!)
彼の胸には、焦燥と後悔が募っていく。
「大丈夫だ、今すぐに……!」
その時——
「——やらせるかよ!!」
——ゴッ!!!!
突然、背後から 研究者の一人がヴィクトルに向けて衝撃波を放った。
ヴィクトルの体が弾かれ、壁に激突する。
「……ッ……!」
「フン、隙だらけだな……!」
研究者が ナイフを抜き、ルナフィエラの胸元に向けて突き立てようとする。
「——させると思うか?」
次の瞬間——
ヴィクトルの剣が風を切り、研究者の胸を貫いた。
「……が、は……」
研究者の目が驚愕に見開かれる。
「……貴様らの研究など……」
「この世から、消し去ってやる。」
——ゴオォォォ!!!
ヴィクトルの魔力が爆発し、部屋全体を血の魔力が飲み込んだ。
研究者は消滅し、跡形もなく消え去った。
ヴィクトルはルナフィエラのもとへ駆け寄る。
「……ルナ様」
今度こそ、彼女の全ての拘束を解き、抱き上げた。
「……申し訳ありません」
彼は己の無力を悔いるように、ルナフィエラの髪を撫でる。
「……もう、貴女を……二度とこんな目には遭わせません」
彼の腕の中で、ルナフィエラの冷たい体が小さく震えていた。
——彼女を一刻も早く、仲間のもとへ。
ヴィクトルは 決意を固め、ルナをジャケットで包み、部屋を飛び出した。
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