笑顔で冷遇する婚約者に疲れてしまいました

ユユ

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お詫びの品

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今頃シャルル様も朝食を召し上がっているのかしら。

パーティの翌日は日曜日だった。午後には化粧品の店に顔を出すつもり。
オレンジ色の新商品の売れ行きを直に確認したかったから。

「お嬢様、先触れが届きました」

「見せて……お断りしてちょうだい」

「よろしいのですか?」

「その方がいいの。会いたくないし」

「かしこまりました」

相手はヒューゴ・ジオ公爵令息だった。
きっと昨夜の続きでネチネチと俺に近付くなとか文句を言われるのだろう。そんなことに付き合うほど私は暇じゃないの。


午後に店に行くと、店内は普通だった。
混んでいると思ったのに。

「オレンジ色はあまり人気が出なかったのね」

「お嬢様、完売です」

「え?」

「午前中に完売して入荷待ちになりました」

「すごいわ!」

「お嬢様のおかげでございます」

「私は閃いたことを口にしてるだけで何もしていないわ。領地で必死に研究して製品化してくれたみんなと、お店で丁寧な接客をしてくれるみんなのおかげよ。ありがとう。このまま売れたらみんなに臨時ボーナスが出せそうね」

「励みになります」

「それもお嬢様のおかげです」

ボーナスを出すための目標販売数を明確にしている。
年間総売り上げの他に、新規商品の初期売り上げも目標値に達したら少しだけどボーナスを出している。
この仕組みを提案したのは私だ。
ボーナスに繋がれば新商品をちゃんと勉強して、お客様に勧めるようになるからね。

「カーラさんの包み、好評だと聞いたわ」

「ありがとうございます」

「また、思い付いたら教えてね」

「はいっ」

ラッピングも考案したら、良いものは採用して買い取っている。

少しのお金でもご褒美はあった方がいい。
特に女性はそれが自信にもつながるから。
単にお金を渡すだけではなく、賞状のようなカードを付ける。部屋に飾る従業員もいるほどだ。


屋敷に帰ると執事が駆け寄った。

「あの、贈り物がいくつか届きました」

「いくつか?」

「はい、お嬢様のお部屋にお運びしました。
一つはゼオロエン侯爵令嬢からで焼き菓子が、一つはモルゾン公爵夫人からでアクセサリーが、一つはモルゾン公爵令息からでお花が、最後の一つはジオ公爵令息からで、」

「ジオ公子からのものは送り返してちょうだい」

「ですが、」

「関わりたくないし、いただく理由もないし、きっかけを作りたくないの。私の名前で送り返して」

「かしこまりました」

執事がついて来て、部屋に入るとテーブルの上の箱とメッセージカードを持って退室した。

「お帰りなさいませ、お嬢様」

「ただいま」

お菓子に添えられたカードを手に取った。

“嫌な思いをさせてごめんなさい。ジネット”

“ヒューゴのこと、申し訳なかった。ゼイン”

“ドレスの弁償をさせるから、いくら掛かったのか教えてちょうだい。ヴィオラ”

「ふふっ」

この後、宛名と請求主を空欄にした請求書を書いて、高級シルクと高級レースと刺繍で作られた高額なハンカチを5枚添えてモルゾン公爵夫人に送った。
多分、あの令嬢が着ていたドレス50着分でも全く足りない請求額に驚いてくれるかしら。





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