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第四章 東への旅
4ー10 事後措置
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プラトゥ・ヴァイパーを退治して冒険者見習いを助けたのは良いけれど、後には面倒ごとがついて回ります。
そうしてプラトゥ・ヴァイパーの大物をこのまま放置するわけにも行きません。
放置すれば血の匂いで他の危険生物や魔物を呼び寄せることにもなりかねません。
ですから、傍にいる子供たちに言って穴を掘らせます。
彼らだけに任せると遅くなりますから、その大半をマルコがしなければならないのですけれど、彼らに手伝わせたということが重要なのです。
一人で掘ったのではなくって、みんなで掘ったということにしてしまうのです。
多少の闇魔法での暗示も止むを得ませんよね。
残念ながらプラトゥ・ヴァイパーの出現や退治の場面までは記憶を弄られません。
それをしてしまうと精神に少なからぬダメージを負わせる可能性もあるからです。
四半時ほどで後始末を終え、早々に草原を引き上げるマルコと助けられた子供達でした。
そのまま五人でギルドに行き、プラトゥ・ヴァイパーの出現とその退治の報告をしました。
ナンシーさんがとても驚いていましたが、実はここでも少し話をごまかしています。
プラトゥ・ヴァイパーの大きさを単に大きいものとしてだけ申告し、特大のものであったことは敢えて言っていないのです。
冒険者ギルドが遺骸を確認しに行くなら仕方がありませんけれど、マルコは敢えて大きさを伝えていません。
ほかの子供たちは、てんでばらばらに違った大きさを言っていますけれど、子供の言うことですから大げさに言っているものと決めつけて大人は余り信用しないものなのです。
結局はプラトゥ・ヴァイパーが出現したけれど、幸いにも誰も怪我をすることなく退治できたということで終結しました。
但し、冒険者ギルドは、南門側の草原にプラトゥ・ヴァイパーが出現したので、一応正規の冒険者による調査を行うこととし、そのために冒険者見習いの薬草採取については調査終了時まで見合わせることにしたようです。
夕刻にはその旨の掲示がなされました。
従って、翌日からしばらくは薬草採取ができなくなりました。
因みにギルドカードには、薬草採取の功績とプラトゥ・ヴァイパーの退治という貢献が記録されました。
冒険者見習いとしての貢献度は、これで下水道掃除の功績と合わせて9点になりました。
冒険者見習いの貢献度が十分と見做されるには、累積で100点以上になることが必要なので、このアルビラにいる間に充足することは少し難しいかもしれませんね。
薬草採取で言えば薬草を千束ですし、下水道掃除ならば5ブーツごとに1点なので500ブーツほども掃除をしなければなりません。
マルコの能力を発揮すればすぐにもできますけれど、やってしまうと問題が起きますのでそれは控えます。
明日は雨が降らなければ下水道の清掃に行く予定でいます。
◇◇◇◇
俺はデニス。
アルビラの衛士の三男坊で、家には特段の稼業というものは無いから、なんにでもなれる。
まぁ、それでも普通ならばアルビラは商港都市だから、商人や船乗りになるというケースが多い。
でも俺は冒険者を選んだ。
親父の衛士という職は、腕っぷしが強くないといけないし、武術として剣術か槍術を扱えなければならないんだ。
弓術は衛士というよりも騎士になるのなら必要かもしれないな。
魔法は、ウン・・・。
平民には無理だとされている。
衛士が必ずしも実入りの良い職業だとは思わないけれど、腕に覚えがあればなれる職業だし、何よりアルビラの治安を守っている親父の姿が俺には誇らしく、眩しかった。
だから、冒険者になって腕を磨いてから衛士になろうと思っているんだ。
親父も冒険者からこの町の衛士になったと聞いている。
見習いになって知り合った仲間が、ヘンクとエルマにマノンの三人だ。
エルマとマノンは、女なんだが冒険者を目指しているらしい。
別に女だからできないという訳じゃないんだが、女は男に比べるとひ弱だから、俺とヘンクで守ってやるつもりでいる。
因みにエルマは俺の幼馴染で、マノンはヘンクの幼馴染だ。
エルマは俺より一個下の11歳、ヘンクは俺と同い年でマノンは二個下の10歳だ。
冒険者見習いになって俺とエルマの二人で薬草採取に出かけ、そこでヘンクとマノンとも知り合った。
エルマは小さな食料品店の娘、ヘンクは大工の三男坊、マノンは宿屋の三女だ。
いずれも平民だから意気投合して四人でパーティを編成して薬草採取をメインに冒険者見習いをやっているんだ。
今日も、南門を出ていつもの採取場に向かった。
HPポーション用の薬草である「ブンガチェ」が良く生えている場所を見つけたから、そこを絶やさないよう採取をしているんだ。
他にも三か所ほどの群生地を見つけているので、順番に回りながら採取をしている。
その日も四人で40本を採取できたから、そろそろ引き上げようかという頃、見かけない子供が俺たちの縄張りに現れた。
別に俺たちの専用の縄張りという訳じゃないんだが、どちらかというと先取りの特権があるので、エルマがその子に向かって言った。
「あんた、誰?
ここは私達の採取場所だからね。」
男の子は文句を言われても無視してあらぬ方角を見つめている。
ウン、何かあるのか?
そう思った途端、その方向に思いもかけないものが現れた。
赤黒い大きな蛇だ。
本物を見たのは初めてだが俺は親父から聞いて知っている。
こいつはプラトゥ・ヴァイパー、口から毒を吐いて獲物を痺れさせ、丸ごと飲み込む危険な蛇だ。
大きなものは大人でも丸のみにするらしい。
そいつが藪の中から鎌首をもたげて俺の身長以上の高さに姿を現した途端、俺は恐怖で動けなくなった。
それでも叫び声だけは上げた。
俺が何と叫んだかはよく覚えていない。
そのプラトゥ・ヴァイパーが一瞬小さくなったと見えたが、蛇が跳んだ瞬間だったようだ。
何も声は聞こえなかったが、瞬時にプラトゥ・ヴァイパーの鎌首が撥ねられていた。
一番近くに居たのは突然現れた見知らぬ子だったが、その子が何かをしたのかもしれない。
でもその子は剣のような武器は持っていない。
ン、もしかして魔法か?
でも魔法なら詠唱するんじゃなかったか?
アルビラの市民伝習所ではそう習っている。
俺たち平民は魔法を習うのは無理だけれど、中には魔法を使える素質がある奴が稀に居るので、そいつらを見出すために本当の初歩的な魔法のおおよそを教える授業があったんだ。
その中では、魔法というものは魔力を動かすためにきちんと詠唱をしなければならず、詠唱を間違えると魔法そのものが発動しないと教わった。
逆に言えば詠唱が聞こえれば魔法が発動されるから注意しなければならないということだから、俺はそのことだけはしっかりと覚えている。
なのに、詠唱は無かった。
なら、魔法じゃない?
いったいどうしてあの太いプラトゥ・ヴァイパーの首が撥ねられたんだ?
俺たち四人じゃないのなら、目の前にいる見知らぬ子がやったか、あるいはかまいたちか?
時折、風がそういういたずらをするとは聞いたことがあるけれど、普通はかすり傷だって聞いたぞ。
それに親父曰く、往々にして草や木の葉で傷つくことがあると教えられた。
そんなに固くない木の葉や草の葉でも皮膚に切り傷をつけることがあり、稀に思わぬ深い傷をこしらえることもあるんだそうだ。
だが、今のは絶対に草じゃねぇだろう。
間違いなくこの名も知らぬ子どもがやったんだ。
年の頃は同じぐらいだな。
妙にきれいな服を着ているから、ええとこの坊ちゃんかもしれんな。
それであれば、もしかすると魔法が使えるのかもしれないが・・・。
詠唱なしで魔法が使えるのか?
色々な疑問がたくさんあったが、その子に指示されて、俺たちは一生懸命に穴掘りをしてプラトゥ・ヴァイパーを地面に埋めたぜ。
確かに、その妙な子が言うように放置すれば血の匂いで他の危険な獣や魔物を呼び寄せることにもなりかねない。
この周辺は冒険者見習いが結構入り込んでいるから、できるだけそういった危険は避けなければいけないんだ。
穴掘り用にいつも小さなシャベルを持っていたからそれで仕事が早かった。
それが終わると冒険者ギルドに報告だな。
俺が言うより早く、その子に次々と指示をされてしまう。
何となく癪に障るがまともなことしか言っていないから反対もできん。
そうして帰り道にそいつの名を聞いた。
商人の息子でマルコというらしい。
俺たちも名乗ったぜ。
マルコは俺よりも二個下の十歳、マノンと一緒だな。
冒険者ギルドに行って、5人で南の草原での異変についてナンシーさんに報告した。
みんながワイワイいうんでまとまりのない話になったんだが、ナンシーさんは危険なプラトゥ・ヴァイパーが出たことを重視してすぐに調査をすることを決めたようだ。
その上で俺たちにも言った。
「調査が棲むまで薬草採取はお休みしなさい。」
ウーン、俺たちにとっては薬草採取が一番実入りの良いクエストなんだぜ。
街中でのクエストってのは、安い上に結構きついんだ。
中でも下水道清掃なんかは絶対にやるもんじゃない。
ほんのちょっと手掛けただけで匂いが身体中に浸み込んでしまったぜ。
試しにやってみたんだが二度とする気にはなれなかったな。
因みにこの下水道清掃のクエストは不成功だった。
で、俺たち四人、よくわからないんだがプラトゥ・ヴァイパーの首が撥ねられたことは報告したけれど、どうやってその首が撥ねられたのか曖昧なまま報告していた。
そのことをおぼろげに思い出したのはそれから一月も経った後だった。
報告の時、プラトゥ・ヴァイパーの大きささえ正確に言っていなかった。
撥ねられた首はともかく、胴体部分は五人で持ち上げてもかなり重かったからな。
プラトゥ・ヴァイパーとしては絶対に特大の大きさだった筈なんだけれど、報告したときは大きさについては曖昧なまま報告していたな。
そのことを思い出した時が遅すぎたんで、改めてギルドに報告する気にはなれなかった。
結局、この件はそれ以上の報告はしなかったな。
マルコとは、薬草採取が解禁になってから南門の草原で見かけたが、マルコはソロでやってるみたいだな。
そうしていつの間にかいなくなっていたんでナンシーさんに聞いたら、5日前にアルビラからリーベンに向かって旅立ったそうだ。
商人でも旅商人の息子だったようだな。
国を跨いでの商売ってのはどんなものなんだろうね。
正規の冒険者になれば、国を跨いでの護衛活動もあるらしいから、あるいは将来何処かでマルコに会えるかもしれない。
そうしてプラトゥ・ヴァイパーの大物をこのまま放置するわけにも行きません。
放置すれば血の匂いで他の危険生物や魔物を呼び寄せることにもなりかねません。
ですから、傍にいる子供たちに言って穴を掘らせます。
彼らだけに任せると遅くなりますから、その大半をマルコがしなければならないのですけれど、彼らに手伝わせたということが重要なのです。
一人で掘ったのではなくって、みんなで掘ったということにしてしまうのです。
多少の闇魔法での暗示も止むを得ませんよね。
残念ながらプラトゥ・ヴァイパーの出現や退治の場面までは記憶を弄られません。
それをしてしまうと精神に少なからぬダメージを負わせる可能性もあるからです。
四半時ほどで後始末を終え、早々に草原を引き上げるマルコと助けられた子供達でした。
そのまま五人でギルドに行き、プラトゥ・ヴァイパーの出現とその退治の報告をしました。
ナンシーさんがとても驚いていましたが、実はここでも少し話をごまかしています。
プラトゥ・ヴァイパーの大きさを単に大きいものとしてだけ申告し、特大のものであったことは敢えて言っていないのです。
冒険者ギルドが遺骸を確認しに行くなら仕方がありませんけれど、マルコは敢えて大きさを伝えていません。
ほかの子供たちは、てんでばらばらに違った大きさを言っていますけれど、子供の言うことですから大げさに言っているものと決めつけて大人は余り信用しないものなのです。
結局はプラトゥ・ヴァイパーが出現したけれど、幸いにも誰も怪我をすることなく退治できたということで終結しました。
但し、冒険者ギルドは、南門側の草原にプラトゥ・ヴァイパーが出現したので、一応正規の冒険者による調査を行うこととし、そのために冒険者見習いの薬草採取については調査終了時まで見合わせることにしたようです。
夕刻にはその旨の掲示がなされました。
従って、翌日からしばらくは薬草採取ができなくなりました。
因みにギルドカードには、薬草採取の功績とプラトゥ・ヴァイパーの退治という貢献が記録されました。
冒険者見習いとしての貢献度は、これで下水道掃除の功績と合わせて9点になりました。
冒険者見習いの貢献度が十分と見做されるには、累積で100点以上になることが必要なので、このアルビラにいる間に充足することは少し難しいかもしれませんね。
薬草採取で言えば薬草を千束ですし、下水道掃除ならば5ブーツごとに1点なので500ブーツほども掃除をしなければなりません。
マルコの能力を発揮すればすぐにもできますけれど、やってしまうと問題が起きますのでそれは控えます。
明日は雨が降らなければ下水道の清掃に行く予定でいます。
◇◇◇◇
俺はデニス。
アルビラの衛士の三男坊で、家には特段の稼業というものは無いから、なんにでもなれる。
まぁ、それでも普通ならばアルビラは商港都市だから、商人や船乗りになるというケースが多い。
でも俺は冒険者を選んだ。
親父の衛士という職は、腕っぷしが強くないといけないし、武術として剣術か槍術を扱えなければならないんだ。
弓術は衛士というよりも騎士になるのなら必要かもしれないな。
魔法は、ウン・・・。
平民には無理だとされている。
衛士が必ずしも実入りの良い職業だとは思わないけれど、腕に覚えがあればなれる職業だし、何よりアルビラの治安を守っている親父の姿が俺には誇らしく、眩しかった。
だから、冒険者になって腕を磨いてから衛士になろうと思っているんだ。
親父も冒険者からこの町の衛士になったと聞いている。
見習いになって知り合った仲間が、ヘンクとエルマにマノンの三人だ。
エルマとマノンは、女なんだが冒険者を目指しているらしい。
別に女だからできないという訳じゃないんだが、女は男に比べるとひ弱だから、俺とヘンクで守ってやるつもりでいる。
因みにエルマは俺の幼馴染で、マノンはヘンクの幼馴染だ。
エルマは俺より一個下の11歳、ヘンクは俺と同い年でマノンは二個下の10歳だ。
冒険者見習いになって俺とエルマの二人で薬草採取に出かけ、そこでヘンクとマノンとも知り合った。
エルマは小さな食料品店の娘、ヘンクは大工の三男坊、マノンは宿屋の三女だ。
いずれも平民だから意気投合して四人でパーティを編成して薬草採取をメインに冒険者見習いをやっているんだ。
今日も、南門を出ていつもの採取場に向かった。
HPポーション用の薬草である「ブンガチェ」が良く生えている場所を見つけたから、そこを絶やさないよう採取をしているんだ。
他にも三か所ほどの群生地を見つけているので、順番に回りながら採取をしている。
その日も四人で40本を採取できたから、そろそろ引き上げようかという頃、見かけない子供が俺たちの縄張りに現れた。
別に俺たちの専用の縄張りという訳じゃないんだが、どちらかというと先取りの特権があるので、エルマがその子に向かって言った。
「あんた、誰?
ここは私達の採取場所だからね。」
男の子は文句を言われても無視してあらぬ方角を見つめている。
ウン、何かあるのか?
そう思った途端、その方向に思いもかけないものが現れた。
赤黒い大きな蛇だ。
本物を見たのは初めてだが俺は親父から聞いて知っている。
こいつはプラトゥ・ヴァイパー、口から毒を吐いて獲物を痺れさせ、丸ごと飲み込む危険な蛇だ。
大きなものは大人でも丸のみにするらしい。
そいつが藪の中から鎌首をもたげて俺の身長以上の高さに姿を現した途端、俺は恐怖で動けなくなった。
それでも叫び声だけは上げた。
俺が何と叫んだかはよく覚えていない。
そのプラトゥ・ヴァイパーが一瞬小さくなったと見えたが、蛇が跳んだ瞬間だったようだ。
何も声は聞こえなかったが、瞬時にプラトゥ・ヴァイパーの鎌首が撥ねられていた。
一番近くに居たのは突然現れた見知らぬ子だったが、その子が何かをしたのかもしれない。
でもその子は剣のような武器は持っていない。
ン、もしかして魔法か?
でも魔法なら詠唱するんじゃなかったか?
アルビラの市民伝習所ではそう習っている。
俺たち平民は魔法を習うのは無理だけれど、中には魔法を使える素質がある奴が稀に居るので、そいつらを見出すために本当の初歩的な魔法のおおよそを教える授業があったんだ。
その中では、魔法というものは魔力を動かすためにきちんと詠唱をしなければならず、詠唱を間違えると魔法そのものが発動しないと教わった。
逆に言えば詠唱が聞こえれば魔法が発動されるから注意しなければならないということだから、俺はそのことだけはしっかりと覚えている。
なのに、詠唱は無かった。
なら、魔法じゃない?
いったいどうしてあの太いプラトゥ・ヴァイパーの首が撥ねられたんだ?
俺たち四人じゃないのなら、目の前にいる見知らぬ子がやったか、あるいはかまいたちか?
時折、風がそういういたずらをするとは聞いたことがあるけれど、普通はかすり傷だって聞いたぞ。
それに親父曰く、往々にして草や木の葉で傷つくことがあると教えられた。
そんなに固くない木の葉や草の葉でも皮膚に切り傷をつけることがあり、稀に思わぬ深い傷をこしらえることもあるんだそうだ。
だが、今のは絶対に草じゃねぇだろう。
間違いなくこの名も知らぬ子どもがやったんだ。
年の頃は同じぐらいだな。
妙にきれいな服を着ているから、ええとこの坊ちゃんかもしれんな。
それであれば、もしかすると魔法が使えるのかもしれないが・・・。
詠唱なしで魔法が使えるのか?
色々な疑問がたくさんあったが、その子に指示されて、俺たちは一生懸命に穴掘りをしてプラトゥ・ヴァイパーを地面に埋めたぜ。
確かに、その妙な子が言うように放置すれば血の匂いで他の危険な獣や魔物を呼び寄せることにもなりかねない。
この周辺は冒険者見習いが結構入り込んでいるから、できるだけそういった危険は避けなければいけないんだ。
穴掘り用にいつも小さなシャベルを持っていたからそれで仕事が早かった。
それが終わると冒険者ギルドに報告だな。
俺が言うより早く、その子に次々と指示をされてしまう。
何となく癪に障るがまともなことしか言っていないから反対もできん。
そうして帰り道にそいつの名を聞いた。
商人の息子でマルコというらしい。
俺たちも名乗ったぜ。
マルコは俺よりも二個下の十歳、マノンと一緒だな。
冒険者ギルドに行って、5人で南の草原での異変についてナンシーさんに報告した。
みんながワイワイいうんでまとまりのない話になったんだが、ナンシーさんは危険なプラトゥ・ヴァイパーが出たことを重視してすぐに調査をすることを決めたようだ。
その上で俺たちにも言った。
「調査が棲むまで薬草採取はお休みしなさい。」
ウーン、俺たちにとっては薬草採取が一番実入りの良いクエストなんだぜ。
街中でのクエストってのは、安い上に結構きついんだ。
中でも下水道清掃なんかは絶対にやるもんじゃない。
ほんのちょっと手掛けただけで匂いが身体中に浸み込んでしまったぜ。
試しにやってみたんだが二度とする気にはなれなかったな。
因みにこの下水道清掃のクエストは不成功だった。
で、俺たち四人、よくわからないんだがプラトゥ・ヴァイパーの首が撥ねられたことは報告したけれど、どうやってその首が撥ねられたのか曖昧なまま報告していた。
そのことをおぼろげに思い出したのはそれから一月も経った後だった。
報告の時、プラトゥ・ヴァイパーの大きささえ正確に言っていなかった。
撥ねられた首はともかく、胴体部分は五人で持ち上げてもかなり重かったからな。
プラトゥ・ヴァイパーとしては絶対に特大の大きさだった筈なんだけれど、報告したときは大きさについては曖昧なまま報告していたな。
そのことを思い出した時が遅すぎたんで、改めてギルドに報告する気にはなれなかった。
結局、この件はそれ以上の報告はしなかったな。
マルコとは、薬草採取が解禁になってから南門の草原で見かけたが、マルコはソロでやってるみたいだな。
そうしていつの間にかいなくなっていたんでナンシーさんに聞いたら、5日前にアルビラからリーベンに向かって旅立ったそうだ。
商人でも旅商人の息子だったようだな。
国を跨いでの商売ってのはどんなものなんだろうね。
正規の冒険者になれば、国を跨いでの護衛活動もあるらしいから、あるいは将来何処かでマルコに会えるかもしれない。
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