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第五章 サザンポール亜大陸にて
5ー4 同行者の災難 その一
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マルコ達一行は、マルディで足掛け四日間の逗留をした後、四日目の朝食後にはマルディを発ちました。
宿屋の娘イレーヌが半泣きの笑顔でマルコの出立を見送ってくれました。
逗留の間に数度話をしただけなのですけれど、この宿が高級旅館であるためか、イレーヌと同年代の子供が訪れることは滅多にないらしく、仮に居てもお貴族様の子であるとか話しかけるのも躊躇われるような身分だったようで、マルコの様に平民の子が長逗留するのは極めて珍しいことだったらしい。
フロント近くのベランダでベンチに座っているとイレーヌの方からおずおずと話しかけて来て、それから仲良くなっただけの間柄である。
三日の間に精々数時間程度の短い触れ合いだったけれど、おそらくは人と人のつながりを感じさせてくれる淡い恋情のようなものだったと思います。
スタンピードを殲滅したことで、そのイレーヌの笑顔を守ることができて良かったとマルコは思っていました。
マルコ達が出発するまでの間には、スタンピードがあったという知らせは、未だマルディまでは届いていないのです。
マルディから一刻(2時間)ほどで、マルコ達一行はローワンを通過するはずでしたが、ローワンの町はざわついていました。
何せ数千体もの人型魔物が最寄りダンジョンから溢れ出し、少なくとも入り口を守っていた老爺一人と前日からダンジョンに潜っていたであろう数組の冒険者パーティも行方不明になっていますが、いずれも絶望視されています。
また、ダンジョンの防護柵が破壊され、ダンジョンからローワンに至る道筋にはそれこそ無数とも思える魔物の死体が広範囲に散乱しているのです。
163年ぶりにこのダンジョンでスタンピードが発生したことがわかっていますが、そのスタンピードがどのようにして殲滅されたのかが今もって全くわからないのです。
ダンジョンに近いローワンには、それなりの冒険者が滞在していますが、それらの冒険者で前夜ローワンから出撃してこのスタンピードに立ち向かった者は誰一人としていないことが分かっています。
それゆえに冒険者ギルドも警備隊も慎重に事を運んでいます。
おそらくはダンジョンから漏れ出した魔物は殲滅されているだろうけれど、万が一にでも周囲に撃ち漏らした魔物の集団が存在すれば大変な脅威になるからです。
このために、ローワンからブレムさらにその奥のサグレシュに至る街道は現在封鎖中なのです。
マルコ達一行の予定では、今日はブレムまで進出して宿泊予定でしたけれど、ローワンに足止めされることになりました。
マルコは多分そうなるのじゃないかなという予感はありましたけれど、義父様や義母様にはスタンピードの件は知らせずにいたのです。
でも、カラガンダ老が気づいたらしく、マルコにボソッと耳打ちしました。
「マルコのことじゃから、余り心配はし取らんが、くれぐれも無理はせぬようにな。
其方が怪我でもしたならステラが悲しむでのう。」
「はい、十分に注意をしております。
今日は、多分このままローワンに留め置きになるかと思います。
それと、街道を止められたために宿が不足しそうです。
今宵は、馬車の中で泊った方が宜しいかもしれません。
ブレム方面につながる門の周辺に空き地がありますので、そこを借りて馬車を止めるのはどうかと思いますが、如何しましょう?」
「フム、それでよいでしょう。
ここは冒険者目当ての宿は多いが、観光客などの宿場町ではないでのぉ。
なれば、馬車の中の居間でくつろいだ方が良かろうて。
仮に広場に馬車を停めるのも許されぬようであれば、マルディに戻るという手もあるな。」
「温泉が宜しければそのようにしますけれど?」
「いやいや、温泉は十分に楽しんだ。
また別の機会で良い。
確か、山地に入る前に大きな温泉郷があったはずじゃろう?」
「はい、ベランドル温泉郷がございます。
事前に仕入れた情報では、マルディの十倍近い大きな温泉郷で、周辺に行楽地も多いそうです。」
「そうじゃな。
確か、泉質の異なる三か所の温泉巡りを予定していたじゃろう?
温泉三昧はその時まで取っておこう。」
そんなことで、マルコ達一行は、ブレム方面につながる門付近の広場で街道封鎖が解けるまで待機することにした。
警備隊に許可を得ることでその日の逗留場所が決まり、中程度の天幕二張を張って泊るように見せかけています。
護衛6名は、天幕を使いながら交代で不寝番に当たることになりました。
マルコ達も天幕の一つに泊まったように見せて、実は馬車の中の拡張空間に転移しているのです。
マルコが居て、なおかつ、特製馬車の中にいる限り、ドラゴンが出現しても安全であることは間違いありません。
然しながら、ローワン逗留は二泊に及びました。
ダンジョンとその周辺調査のため、街道の封鎖解除が翌々日になったためである。
マルコ達の馬車は封鎖が解除になってすぐにローワンを出たけれど、ブレムで一泊してからサグレシュに向かったのでした。
サグレシュではさらに三日ほど逗留し、適当な隊商を待つことになりました。
後をついて行くことになった隊商は、中規模の隊商一つと小規模の隊商三つの寄せ集めです。
規模が小さいために盗賊に襲われやすいように思われますけれど、相応に優秀な護衛がついているので大丈夫とカラガンダ老とマルコが判断しました。
このような場合、先頭に立つのは大きな隊商で順次大きな隊商の順でついて行くようになります。
従って、マルコ達の馬車は1台なので最後尾になります。
サグレシュを発ってから5日間、野宿もありましたけれど特段の支障もなく東への旅が続いています。
これまでのところ隊商の増減は、途中の宿場町で小規模の隊商二つが減って、同じく二つの小規模隊商が増えたぐらいです。
マルコ達の順番に変更はありません。
六つ目の宿場町で隊列に変化がありました。
お貴族様の馬車が二台隊商の列に加わったのです。
お昼の休息時に情報を収集すると、この地域の領主であるバウマン子爵の馬車になるそうで、三つ先の領都ヴェルコフまで隊商と同行することになりそうです。
こうした場合にも、馬車の台数の規模に合わせて順番について行くことが慣例になっており、子爵の馬車はマルコ達の馬車の前に連なりました。
当然のように子爵の馬車には20騎ほどの騎士が警護についていますから、一大戦力にはなりますね。
馬車に乗っているのは、老女が一人、若い女性と幼女が一人、それに侍従やら侍女やらが馬車に乗っているようです。
そのために、一台の馬車は豪奢にできています。
もう一台も乗合馬車に比べるとはるかに豪奢ですけれど、少し立派な馬車という雰囲気でしょう。
おそらくはお付きの者達が乗り込んでいる馬車になると思います。
そうしてヴェルコフの手前ヴェルディシュまで残り一刻ばかりのところ、小川に架かる橋で異変が生じました。
子爵の馬車の前を走っていた小規模隊商の馬車が、橋の中央付近で止まってしまったのです。
原因は車輪の軸受けが壊れて、車体が傾き、その力の不均衡から車軸そのものが折損してしまったのです。
問題は、橋の道板幅が狭いために、故障した馬車の脇を後続の馬車が通過できないということにありました。
従って、先行する中規模隊商と小規模隊商二つはそのまま進んで行きましたけれど、問題の小規模隊商と子爵の馬車二台それにマルコ達の馬車は橋で足止めになってしまったのです。
止むを得ず橋のたもとで修理待ちをすることになりました。
旅慣れた隊商は予備の車輪等を用意している場合が多いので修理は可能なのですけれど、荷を満載した馬車を修理するには一旦荷物を相当量降ろしてからでないと修理も難しいのです。
小規模隊商の商人は、子爵の馬車を停めたことになるので平身低頭して謝罪していました。
子爵の馬車の警護騎士が厳しい𠮟責はしていたものの、老女(現若しくは前子爵夫人?)のとりなしで、最悪の事態は避けられそうです。
絶対君主制の領域では、平民と貴族の間には越えられない大きな溝がありますからね。
理不尽な理由で無礼討ちされても文句の言えない様な地域もあるのです。
ステラ義母様の発案で、可能であれば子爵の身内と思われる貴人の無聊を慰めるために、路上ではありますけれど、橋のたもとのやや広がった場所で、折り畳みの椅子とテーブルを用意し、お茶の用意をしました。
ステラ義母様が騎士にお伺いし、ティータイムへ貴人を招待したのです。
老女様とステラ義母様は多分同じ年頃の方なのでしょうね。
老女様が心安く受けられて馬車を降り、若い女性と幼女を連れて、席についてくれました。
むろんお付きの侍従や侍女もついておりますし、周囲には警護の騎士が取り巻いています、
また、そのさらに遠方にマルコのゴーレム6体が警護配置についています。
これで陣幕でもあれば、野戦の陣地みたいな様相ですね。
お茶やお菓子の準備はセバスとエマに任せています。
この際なのでとっておきのガトーショコラを、お菓子に出すように指示しています。
カカオは、マイジロン大陸南部を旅行した際にみつけたもので、マイジロン大陸でも未だ利用されていないものなので、サザンポール亜大陸でも珍しいもののはずなのです。
ステラ義母様とカラガンダ義父様も、この旅の間に一度食べたことのあるお菓子です。
お茶は、ニオルカンから持ってきたハッサード紅茶で、ニオルカンでは最上品とされていたものです。
カラガンダ義父様と僕も自己紹介の場が与えられました。
老女様は、前子爵夫人のアメリア・バウマン様、若いご婦人は現子爵夫人のフェリシア・バウマン様、幼女はバウマン子爵の長女ハンナ様と分かりました。
お三方は、フェリシア様のご実家である隣の領地であるブルーネル男爵領に行かれた帰路らしく、これから領都ヴェルコフに戻る予定なのだそうです。
マイジロン大陸では中秋の季節ですけれど、サザンポール亜大陸ではマイジロン大陸よりも暖かく、初夏若しくは晩夏の気温です。
日差しは柔らかく、風も穏やかで高貴な女性たちも過ごしやすそうです。
少なくとも馬車の中に閉じこもっているよりは車外の陽光と風を浴びていた方が清々しい筈ですよね。
歓談しながら過ごした一時は、マルコ達からすれば緊張の連続する時間でしたが、お子様も含めて和やかにお話ができた時間です。
懸命に馬車の修理に勤しんだ所為か比較的早くに修理が終わり、やがて小規模隊商が動けるようになり、子爵の馬車とマルコ達の馬車が動き始めました。
事故で遅れてしまったために今日中にヴェルコフに向かうのは無理なようで、ヴェルディッシュ泊まりになりそうです。
宿屋の娘イレーヌが半泣きの笑顔でマルコの出立を見送ってくれました。
逗留の間に数度話をしただけなのですけれど、この宿が高級旅館であるためか、イレーヌと同年代の子供が訪れることは滅多にないらしく、仮に居てもお貴族様の子であるとか話しかけるのも躊躇われるような身分だったようで、マルコの様に平民の子が長逗留するのは極めて珍しいことだったらしい。
フロント近くのベランダでベンチに座っているとイレーヌの方からおずおずと話しかけて来て、それから仲良くなっただけの間柄である。
三日の間に精々数時間程度の短い触れ合いだったけれど、おそらくは人と人のつながりを感じさせてくれる淡い恋情のようなものだったと思います。
スタンピードを殲滅したことで、そのイレーヌの笑顔を守ることができて良かったとマルコは思っていました。
マルコ達が出発するまでの間には、スタンピードがあったという知らせは、未だマルディまでは届いていないのです。
マルディから一刻(2時間)ほどで、マルコ達一行はローワンを通過するはずでしたが、ローワンの町はざわついていました。
何せ数千体もの人型魔物が最寄りダンジョンから溢れ出し、少なくとも入り口を守っていた老爺一人と前日からダンジョンに潜っていたであろう数組の冒険者パーティも行方不明になっていますが、いずれも絶望視されています。
また、ダンジョンの防護柵が破壊され、ダンジョンからローワンに至る道筋にはそれこそ無数とも思える魔物の死体が広範囲に散乱しているのです。
163年ぶりにこのダンジョンでスタンピードが発生したことがわかっていますが、そのスタンピードがどのようにして殲滅されたのかが今もって全くわからないのです。
ダンジョンに近いローワンには、それなりの冒険者が滞在していますが、それらの冒険者で前夜ローワンから出撃してこのスタンピードに立ち向かった者は誰一人としていないことが分かっています。
それゆえに冒険者ギルドも警備隊も慎重に事を運んでいます。
おそらくはダンジョンから漏れ出した魔物は殲滅されているだろうけれど、万が一にでも周囲に撃ち漏らした魔物の集団が存在すれば大変な脅威になるからです。
このために、ローワンからブレムさらにその奥のサグレシュに至る街道は現在封鎖中なのです。
マルコ達一行の予定では、今日はブレムまで進出して宿泊予定でしたけれど、ローワンに足止めされることになりました。
マルコは多分そうなるのじゃないかなという予感はありましたけれど、義父様や義母様にはスタンピードの件は知らせずにいたのです。
でも、カラガンダ老が気づいたらしく、マルコにボソッと耳打ちしました。
「マルコのことじゃから、余り心配はし取らんが、くれぐれも無理はせぬようにな。
其方が怪我でもしたならステラが悲しむでのう。」
「はい、十分に注意をしております。
今日は、多分このままローワンに留め置きになるかと思います。
それと、街道を止められたために宿が不足しそうです。
今宵は、馬車の中で泊った方が宜しいかもしれません。
ブレム方面につながる門の周辺に空き地がありますので、そこを借りて馬車を止めるのはどうかと思いますが、如何しましょう?」
「フム、それでよいでしょう。
ここは冒険者目当ての宿は多いが、観光客などの宿場町ではないでのぉ。
なれば、馬車の中の居間でくつろいだ方が良かろうて。
仮に広場に馬車を停めるのも許されぬようであれば、マルディに戻るという手もあるな。」
「温泉が宜しければそのようにしますけれど?」
「いやいや、温泉は十分に楽しんだ。
また別の機会で良い。
確か、山地に入る前に大きな温泉郷があったはずじゃろう?」
「はい、ベランドル温泉郷がございます。
事前に仕入れた情報では、マルディの十倍近い大きな温泉郷で、周辺に行楽地も多いそうです。」
「そうじゃな。
確か、泉質の異なる三か所の温泉巡りを予定していたじゃろう?
温泉三昧はその時まで取っておこう。」
そんなことで、マルコ達一行は、ブレム方面につながる門付近の広場で街道封鎖が解けるまで待機することにした。
警備隊に許可を得ることでその日の逗留場所が決まり、中程度の天幕二張を張って泊るように見せかけています。
護衛6名は、天幕を使いながら交代で不寝番に当たることになりました。
マルコ達も天幕の一つに泊まったように見せて、実は馬車の中の拡張空間に転移しているのです。
マルコが居て、なおかつ、特製馬車の中にいる限り、ドラゴンが出現しても安全であることは間違いありません。
然しながら、ローワン逗留は二泊に及びました。
ダンジョンとその周辺調査のため、街道の封鎖解除が翌々日になったためである。
マルコ達の馬車は封鎖が解除になってすぐにローワンを出たけれど、ブレムで一泊してからサグレシュに向かったのでした。
サグレシュではさらに三日ほど逗留し、適当な隊商を待つことになりました。
後をついて行くことになった隊商は、中規模の隊商一つと小規模の隊商三つの寄せ集めです。
規模が小さいために盗賊に襲われやすいように思われますけれど、相応に優秀な護衛がついているので大丈夫とカラガンダ老とマルコが判断しました。
このような場合、先頭に立つのは大きな隊商で順次大きな隊商の順でついて行くようになります。
従って、マルコ達の馬車は1台なので最後尾になります。
サグレシュを発ってから5日間、野宿もありましたけれど特段の支障もなく東への旅が続いています。
これまでのところ隊商の増減は、途中の宿場町で小規模の隊商二つが減って、同じく二つの小規模隊商が増えたぐらいです。
マルコ達の順番に変更はありません。
六つ目の宿場町で隊列に変化がありました。
お貴族様の馬車が二台隊商の列に加わったのです。
お昼の休息時に情報を収集すると、この地域の領主であるバウマン子爵の馬車になるそうで、三つ先の領都ヴェルコフまで隊商と同行することになりそうです。
こうした場合にも、馬車の台数の規模に合わせて順番について行くことが慣例になっており、子爵の馬車はマルコ達の馬車の前に連なりました。
当然のように子爵の馬車には20騎ほどの騎士が警護についていますから、一大戦力にはなりますね。
馬車に乗っているのは、老女が一人、若い女性と幼女が一人、それに侍従やら侍女やらが馬車に乗っているようです。
そのために、一台の馬車は豪奢にできています。
もう一台も乗合馬車に比べるとはるかに豪奢ですけれど、少し立派な馬車という雰囲気でしょう。
おそらくはお付きの者達が乗り込んでいる馬車になると思います。
そうしてヴェルコフの手前ヴェルディシュまで残り一刻ばかりのところ、小川に架かる橋で異変が生じました。
子爵の馬車の前を走っていた小規模隊商の馬車が、橋の中央付近で止まってしまったのです。
原因は車輪の軸受けが壊れて、車体が傾き、その力の不均衡から車軸そのものが折損してしまったのです。
問題は、橋の道板幅が狭いために、故障した馬車の脇を後続の馬車が通過できないということにありました。
従って、先行する中規模隊商と小規模隊商二つはそのまま進んで行きましたけれど、問題の小規模隊商と子爵の馬車二台それにマルコ達の馬車は橋で足止めになってしまったのです。
止むを得ず橋のたもとで修理待ちをすることになりました。
旅慣れた隊商は予備の車輪等を用意している場合が多いので修理は可能なのですけれど、荷を満載した馬車を修理するには一旦荷物を相当量降ろしてからでないと修理も難しいのです。
小規模隊商の商人は、子爵の馬車を停めたことになるので平身低頭して謝罪していました。
子爵の馬車の警護騎士が厳しい𠮟責はしていたものの、老女(現若しくは前子爵夫人?)のとりなしで、最悪の事態は避けられそうです。
絶対君主制の領域では、平民と貴族の間には越えられない大きな溝がありますからね。
理不尽な理由で無礼討ちされても文句の言えない様な地域もあるのです。
ステラ義母様の発案で、可能であれば子爵の身内と思われる貴人の無聊を慰めるために、路上ではありますけれど、橋のたもとのやや広がった場所で、折り畳みの椅子とテーブルを用意し、お茶の用意をしました。
ステラ義母様が騎士にお伺いし、ティータイムへ貴人を招待したのです。
老女様とステラ義母様は多分同じ年頃の方なのでしょうね。
老女様が心安く受けられて馬車を降り、若い女性と幼女を連れて、席についてくれました。
むろんお付きの侍従や侍女もついておりますし、周囲には警護の騎士が取り巻いています、
また、そのさらに遠方にマルコのゴーレム6体が警護配置についています。
これで陣幕でもあれば、野戦の陣地みたいな様相ですね。
お茶やお菓子の準備はセバスとエマに任せています。
この際なのでとっておきのガトーショコラを、お菓子に出すように指示しています。
カカオは、マイジロン大陸南部を旅行した際にみつけたもので、マイジロン大陸でも未だ利用されていないものなので、サザンポール亜大陸でも珍しいもののはずなのです。
ステラ義母様とカラガンダ義父様も、この旅の間に一度食べたことのあるお菓子です。
お茶は、ニオルカンから持ってきたハッサード紅茶で、ニオルカンでは最上品とされていたものです。
カラガンダ義父様と僕も自己紹介の場が与えられました。
老女様は、前子爵夫人のアメリア・バウマン様、若いご婦人は現子爵夫人のフェリシア・バウマン様、幼女はバウマン子爵の長女ハンナ様と分かりました。
お三方は、フェリシア様のご実家である隣の領地であるブルーネル男爵領に行かれた帰路らしく、これから領都ヴェルコフに戻る予定なのだそうです。
マイジロン大陸では中秋の季節ですけれど、サザンポール亜大陸ではマイジロン大陸よりも暖かく、初夏若しくは晩夏の気温です。
日差しは柔らかく、風も穏やかで高貴な女性たちも過ごしやすそうです。
少なくとも馬車の中に閉じこもっているよりは車外の陽光と風を浴びていた方が清々しい筈ですよね。
歓談しながら過ごした一時は、マルコ達からすれば緊張の連続する時間でしたが、お子様も含めて和やかにお話ができた時間です。
懸命に馬車の修理に勤しんだ所為か比較的早くに修理が終わり、やがて小規模隊商が動けるようになり、子爵の馬車とマルコ達の馬車が動き始めました。
事故で遅れてしまったために今日中にヴェルコフに向かうのは無理なようで、ヴェルディッシュ泊まりになりそうです。
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