23 / 102
学校
.
しおりを挟む
そんなことがあったとは知らず、動けない自分ももどかしく、頼ってばかりだなと思っていたら、「お前はまだ子供なんだ。気にするな!」と二人に言われてしまう。
「うん」
「あ、栞さんも毎日じゃ大変だろうからって洗濯預かってきたんだよ。汚れ物は持っていくから……この袋?」
「うん。ありがとう」
「よし!じゃあ、なんかあったら言えよ!」
「分かった」
二人が帰って暫くしてから、人の気配がして目を開ける。
「え?どうして……」
「どうしてだ?警察が話聞きに来てよ、親が金払うって言ってんのに何してくれてんだよテメェ」
ガッ!と顔を殴られ、咄嗟に目の前にあったナースコールを押す。
「押してんじゃねぇよ!」
その後無理矢理ベッドから落とされ、点滴が抜けて管がクネクネと蛇のように動くのが見え、何にも掴まれないので立つことも出来ないが、大きな音がしたのですぐに看護師達がきてくれて、引き剥がそうとしてくれる。
しかしみんな女性なので、警察を!との声で更に切れたのか馬乗りにされて殴りつけられ、落ちていた点滴の電源コードで首を絞められ、成すすべもなく気絶してしまった。
気付くと個室に移され、下宿屋のみんなが揃っていた。
「雪翔君!」
「おい、誰か呼んでこい!じゃない。ナースコール押せ!」
みんながバタバタと動いている間に、医者も入ってきて目に明かりを当てられたり、お腹を抑えられたりする。
「痛い……」
「お腹痛い?ここは?」
「痛い……」
「名前は?言える?」
「……」
「歳は?」
「……」
「ここにいる人わかる?」
「わか、る……」
「検査の準備はまだできないのか?」
「今やってます!もう空くと思うんですが」
「何があったかわかる?」
「……殴られ……て……あ、あぁ……うわぁぁぁ!」
押さえ付けられ何か注射でも打たれたのだろう。そのまままた意識を手放す。
「うん」
「あ、栞さんも毎日じゃ大変だろうからって洗濯預かってきたんだよ。汚れ物は持っていくから……この袋?」
「うん。ありがとう」
「よし!じゃあ、なんかあったら言えよ!」
「分かった」
二人が帰って暫くしてから、人の気配がして目を開ける。
「え?どうして……」
「どうしてだ?警察が話聞きに来てよ、親が金払うって言ってんのに何してくれてんだよテメェ」
ガッ!と顔を殴られ、咄嗟に目の前にあったナースコールを押す。
「押してんじゃねぇよ!」
その後無理矢理ベッドから落とされ、点滴が抜けて管がクネクネと蛇のように動くのが見え、何にも掴まれないので立つことも出来ないが、大きな音がしたのですぐに看護師達がきてくれて、引き剥がそうとしてくれる。
しかしみんな女性なので、警察を!との声で更に切れたのか馬乗りにされて殴りつけられ、落ちていた点滴の電源コードで首を絞められ、成すすべもなく気絶してしまった。
気付くと個室に移され、下宿屋のみんなが揃っていた。
「雪翔君!」
「おい、誰か呼んでこい!じゃない。ナースコール押せ!」
みんながバタバタと動いている間に、医者も入ってきて目に明かりを当てられたり、お腹を抑えられたりする。
「痛い……」
「お腹痛い?ここは?」
「痛い……」
「名前は?言える?」
「……」
「歳は?」
「……」
「ここにいる人わかる?」
「わか、る……」
「検査の準備はまだできないのか?」
「今やってます!もう空くと思うんですが」
「何があったかわかる?」
「……殴られ……て……あ、あぁ……うわぁぁぁ!」
押さえ付けられ何か注射でも打たれたのだろう。そのまままた意識を手放す。
0
あなたにおすすめの小説
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
【完結】以上をもちまして、終了とさせていただきます
楽歩
恋愛
異世界から王宮に現れたという“女神の使徒”サラ。公爵令嬢のルシアーナの婚約者である王太子は、簡単に心奪われた。
伝承に語られる“女神の使徒”は時代ごとに現れ、国に奇跡をもたらす存在と言われている。婚約解消を告げる王、口々にルシアーナの処遇を言い合う重臣。
そんな混乱の中、ルシアーナは冷静に状況を見据えていた。
「王妃教育には、国の内部機密が含まれている。君がそれを知ったまま他家に嫁ぐことは……困難だ。女神アウレリア様を祀る神殿にて、王家の監視のもと、一生を女神に仕えて過ごすことになる」
神殿に閉じ込められて一生を過ごす? 冗談じゃないわ。
「お話はもうよろしいかしら?」
王族や重臣たち、誰もが自分の思惑通りに動くと考えている中で、ルシアーナは静かに、己の存在感を突きつける。
※39話、約9万字で完結予定です。最後までお付き合いいただけると嬉しいですm(__)m
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる