下宿屋 東風荘 2

浅井 ことは

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学校

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「お勉強はダメですー!」

「いや、しーちゃんこれ見て?」と封筒の中から色紙を出す。

「寄せ書き……」

早く治してゲーセン行こうぜ!
今度、おすすめの本教えてね♪
夏のキャンプまでに治るといいね。

いろんなことが書いてあり、今まで何故関わろうとしなかったんだろうと、後悔で涙が出てしまう。

「ぼ、僕。嫌われてなかったのかな?」

「ゆっきーはもっと自信を持っていいと紫狐は思います!」

「うん……ごめんね?なんか……嬉しくて」

横にあるテレビのところに色紙を飾り、コピーしてくれたノートを見ると、やはり進学校だからか丁寧に纏められている。
そのコピーの下の方に、小さく名前とメッセージが添えてあり、余計に嬉しかった。

休みだからと隆弘と賢司が来てくれたので見せると、二人とも喜んでくれて、夏のキャンプ参加できたらいいなと言って頭をクシャクシャと撫でてくれた。

「それにしても、担任も言うの遅かったな」

「体裁ってやつか、校長の判断だろ?」

「先生達が黙ってたってこと?だよね?」

「前話したろ?学校の評判にも響くから、穏便に済ませたいんだよ」

「えっと、告訴ってやつ取り下げたらいいの?」

「それは下宿でも話したんだけどな、駄目だ!」と隆弘が言うのに、ウンウンと言っている賢司。

「携帯で調べたんだけど、有罪とかになったら少年院とか言うところ行くんでしょ?」

「良くて保護観察だろうけど、退学にはなるだろうな」

「そうならないようにあっちの親が毎日押しかけてくるんじゃないか!」

「え?」

「馬鹿!黙ってろって言っただろ?」

「何?その話。栞さん何も……」

あーあ。と賢司が諦めたように言い、隆弘に促す。

「栞さん一人の時にあの母親が来るらしくて、俺達もバイトや授業がない時はなるべくいるようにして追い返してるんだけどさ、誰だっけ?玲さん?体の大きな人。栞さんの知り合いって人と小さい弟の秋彪君?が毎日来てくれてるよ」

「はい?」

「変な声出すなって!あの二人が来てくれて俺達も助かってるんだ」

「そうそう。海都も落ち込んでてさ、同じ学校だったのにって。でもあの二人が楽しませてくれてるからなんとか元気になってきたよ。次の休みに来るって言ってたぞ」

「海都君のせいじゃないのに……」

「弟ができたみたいって喜んでたからな。気にするな!」

「那智さん……知ってる?」

「俺もこの間会ったよ。凄くカッコイイ!あれは居酒屋には来ないな」

「男のあこがれが居酒屋でしんみり飲んでたら似合わないだろ?」

「それもそうだ!那智さんがどうかしたのか?」

「え?何でもないよ。最近は忙しいのかなって思って」

二日ほど見ていないだけなのに、寂しく感じるのは親離れで来ていない子供みたいだと思いながらも、紫狐をまた影に入れてもらわないといけないというのもあって気になってはいる。

「ホストだろ?寝てるんじゃないか?」

「ホストじゃないよ?おきつ……会社してる人なんだ!」

「だったら余計忙しいのかもな」
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