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退院
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話を聞いてから何度か外泊を繰り返し、まだ完全に治っている訳では無いのでと、リハビリは関節部分からほぐしていくことから始まった。
「今から膝を曲げるので、痛くても我慢してくださいね」
ゆっくりと曲げられた左膝はなんとか我慢できたが、右膝だけはどうしても我慢出来ず、少しずつ曲げていくことになり、朝のリハビリが終わると昼過ぎまでぐっすりと眠ってしまう。
「ねー!ゆっきー!」ポンポンと叩かれ、眠いから後でと言ってもポンポン叩いてくる。
「どうしたの?」
「外に誰か居るー!人だよ?」
「誰かな?居るだけなの?」
「そー!立ってる」
あまりにも言うので、歩行器に掴まって扉まで行き開ける。
パタンと扉を閉じ、シーッと口に手を当てる。
ベッドに行き、「あ、あれは人だけど生きてる人じゃないよ?最近よく見るけど、何もしてこないなら平気じゃない?」
「だめー!」
「なんで?」
「沢山持ってくる!」
「しーちゃん?意味わかんないんだけど」
「紫狐が見るのと、この子達が見るのと違うようです。影の中でも追い払わないとと言ってるので」
「まだ、誰も来ないし。来たら聞いてみるよ。僕じゃどうにもできないもん」
二匹の名前を単純だが『金と銀』と付け、いいつけを守った時には病室内で遊ばせている。
この二匹が来てから、たまに不思議なものが見えたりするが、まだ全く慣れていない。
「ちょっと待ってね」
携帯を取り出して、那智に連絡をすると用事もあるのですぐに行くと返事が来た。
「那智さん来てくれるって」
「なっちー怖いもん」
「銀は怖がりだなぁ、なっちーはおやつくれるからいい人だよ」
「おやつくれるからって、悪いことしたらげんこつだよ?それに、なっちーって何?」
「紫狐はもう怖くて仕方が無いですー。この子達あの怖さがわからないんでしょうか」
「僕は外にいるもののが怖いよ……」
那智が来たので、外のもののことを話、祓ってもらってから、そろそろ自分で出来るだろうと言われる。
「無理、怖いから……」
「金と銀がいるだろう?」
「うん、でも教えてくれるだけだし。本はたくさん読んだし、那智さんに借りた古い書物も読んだけど、いまいちピンとこないし」
「まぁ、追々慣れていくしかないが。それより、記憶の方はどうだ?」
「夢によく見るけど、現実なのか夢なのか……暴行……はまだ思い出せないけど、勉強してたことは思い出してきて、参考書見た時覚えてるのがあったから、やっぱり学校いってたんだなって位」
「徐々に思い出していくだろう。今日は、一度妖街に祖父母には帰ってもらった。すぐにまた来るが、しばらくあちらで生活するか?」
「いい……僕、ここにいないといけない気がするんだ」
「そうか。雪翔、退院の日が決まったぞ」
「本当?用事ってそれだったの?」
「ああ。今後の話もしてきた。薬とリハビリは続くが、明後日帰れる」
「しーちゃん、帰れるよ!」
「但し、学校は休学しろ。それが条件だ」
「なんで?まだ忘れてることが多いから?歩けないから?」
「それもあるが、戻ったら記憶が一度に戻って混乱する場合があると言われた」
「今から膝を曲げるので、痛くても我慢してくださいね」
ゆっくりと曲げられた左膝はなんとか我慢できたが、右膝だけはどうしても我慢出来ず、少しずつ曲げていくことになり、朝のリハビリが終わると昼過ぎまでぐっすりと眠ってしまう。
「ねー!ゆっきー!」ポンポンと叩かれ、眠いから後でと言ってもポンポン叩いてくる。
「どうしたの?」
「外に誰か居るー!人だよ?」
「誰かな?居るだけなの?」
「そー!立ってる」
あまりにも言うので、歩行器に掴まって扉まで行き開ける。
パタンと扉を閉じ、シーッと口に手を当てる。
ベッドに行き、「あ、あれは人だけど生きてる人じゃないよ?最近よく見るけど、何もしてこないなら平気じゃない?」
「だめー!」
「なんで?」
「沢山持ってくる!」
「しーちゃん?意味わかんないんだけど」
「紫狐が見るのと、この子達が見るのと違うようです。影の中でも追い払わないとと言ってるので」
「まだ、誰も来ないし。来たら聞いてみるよ。僕じゃどうにもできないもん」
二匹の名前を単純だが『金と銀』と付け、いいつけを守った時には病室内で遊ばせている。
この二匹が来てから、たまに不思議なものが見えたりするが、まだ全く慣れていない。
「ちょっと待ってね」
携帯を取り出して、那智に連絡をすると用事もあるのですぐに行くと返事が来た。
「那智さん来てくれるって」
「なっちー怖いもん」
「銀は怖がりだなぁ、なっちーはおやつくれるからいい人だよ」
「おやつくれるからって、悪いことしたらげんこつだよ?それに、なっちーって何?」
「紫狐はもう怖くて仕方が無いですー。この子達あの怖さがわからないんでしょうか」
「僕は外にいるもののが怖いよ……」
那智が来たので、外のもののことを話、祓ってもらってから、そろそろ自分で出来るだろうと言われる。
「無理、怖いから……」
「金と銀がいるだろう?」
「うん、でも教えてくれるだけだし。本はたくさん読んだし、那智さんに借りた古い書物も読んだけど、いまいちピンとこないし」
「まぁ、追々慣れていくしかないが。それより、記憶の方はどうだ?」
「夢によく見るけど、現実なのか夢なのか……暴行……はまだ思い出せないけど、勉強してたことは思い出してきて、参考書見た時覚えてるのがあったから、やっぱり学校いってたんだなって位」
「徐々に思い出していくだろう。今日は、一度妖街に祖父母には帰ってもらった。すぐにまた来るが、しばらくあちらで生活するか?」
「いい……僕、ここにいないといけない気がするんだ」
「そうか。雪翔、退院の日が決まったぞ」
「本当?用事ってそれだったの?」
「ああ。今後の話もしてきた。薬とリハビリは続くが、明後日帰れる」
「しーちゃん、帰れるよ!」
「但し、学校は休学しろ。それが条件だ」
「なんで?まだ忘れてることが多いから?歩けないから?」
「それもあるが、戻ったら記憶が一度に戻って混乱する場合があると言われた」
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