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江戸屋敷
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夕方のご飯の時に呼ばれて、膝にお土産にと買ったお菓子と本を載せていく。
障子から車椅子を降りてお膳の前に座るが、足がまだ少ししか曲げられないので、それを謝って座る。
「長男の京弥と嫁の幸じゃ」
「初めまして。お世話になります」
「会えて嬉しいよ。この前は本をありがとう」
「いえ、あの。これお菓子なんですけど。後、前の本の続きと、面白そうなのがあったので持ってきました」と横にいる使用人に渡すと持って行ってくれた。
使用人も好きに使えと言われたが、どうすればいいのか分からない。
「ありがとう。貰ってもいいのかな?」
「はい。何度読んでも面白いと思うので良かったら……」
「コレクションが増えたよ。父に頼んでも違うものが届くからね。幸も挨拶して」
「幸です。なんでも言ってくださいね、わからないことも聞いてください」
「はい、よろしくお願いします」
「よし、じゃあ食べよう!」パンパンと手を叩くと、お膳に次々と料理が運ばれ、こんなに食べられないと言いながら楽しく食事をする。
食後は京弥に書庫に連れていってもらって、棚においてあるものの説明を聞く。
「なにか知りたいことはあるかな?」
「お狐様の世界のこととか……僕何も知らないから」
「だったら、これはどう?」と数冊の本を出してくれる。
「文字はわかる?」
「来る時に役所って書いてあったのは読めて、後は……」とパラパラと捲るとほとんど変わらない文字だったので、読めそうですと返事をする。
「分からなかったら、その辺にいる使用人に聞くといい。うちの使用人はみんな字が読めるから」
「本当に江戸に来たみたい……」
「町並みはこれでも変わったんだよ。かなり前だけどね。本にも書いてあるから読んだらわかると思うよ?」
「はい。あと、車椅子の充電なんですけど……」
「役場で聞いた話では、人間界のようには電気は出ないみたいだけど、充電とやらはできると言っていた。どのくらい持つの?」
「乗らなかったら三日って説明書にあって、予備もあるから……使うと予備も入れてもやっぱり三日かな?」
「明日は休みをとったから、一緒に行こうか。これでも役所勤めだから色々と役には立てると思うよ?」
「ありがとうございます」
街の見学もできると聞いて、部屋に戻って本を読んでいると、祖母と幸が入ってきた。
「雪翔や、薬の時間は?」
「あ!」
「お水置いておくから飲みなさい。それと荷物もそのままじゃないの」開けるわよと言われ、出すのを手伝ってもらう。
「お、お義母様。こんなハイカラな召し物は見たことがありません」
「今の人間界ではもう着物を着る人はほとんどいないそうよ?街にも売ってたわよ?今人気なんですって」
Tシャツ1枚で珍しいと言われるのには不思議な感じもしたが、着物の生地と比べるとかなり薄いので、暑くなくていいですねと言われる。
浴衣はあまり着ないと聞いて、それほど暑さを感じないんだったと思い出しながらも、熱中症とかならないのかと聞く。
「なる者もいますけど、暑い時は頭に手ぬぐいを巻くとか、涼しい場所にいるようにしてますよ?全く暑くないわけでもないので」
「そうよ?個体差もあるわねぇ。生まれた地域も関係あるかしら」
「そうなんだ」
「そうそう、雪翔につける使用人なんだけどねぇ、うちで一番長い周太郎さんにしてもらおうと思うんだけどいいかしら?女性のがいいかとも思ったんだけど」
「でもみんな仕事あるから」
「 薪割りしてた人覚えてる?あの人なの。力もあるから、車椅子が無理な時に手伝ってくれるし」
「迷惑かけないようにします」
障子から車椅子を降りてお膳の前に座るが、足がまだ少ししか曲げられないので、それを謝って座る。
「長男の京弥と嫁の幸じゃ」
「初めまして。お世話になります」
「会えて嬉しいよ。この前は本をありがとう」
「いえ、あの。これお菓子なんですけど。後、前の本の続きと、面白そうなのがあったので持ってきました」と横にいる使用人に渡すと持って行ってくれた。
使用人も好きに使えと言われたが、どうすればいいのか分からない。
「ありがとう。貰ってもいいのかな?」
「はい。何度読んでも面白いと思うので良かったら……」
「コレクションが増えたよ。父に頼んでも違うものが届くからね。幸も挨拶して」
「幸です。なんでも言ってくださいね、わからないことも聞いてください」
「はい、よろしくお願いします」
「よし、じゃあ食べよう!」パンパンと手を叩くと、お膳に次々と料理が運ばれ、こんなに食べられないと言いながら楽しく食事をする。
食後は京弥に書庫に連れていってもらって、棚においてあるものの説明を聞く。
「なにか知りたいことはあるかな?」
「お狐様の世界のこととか……僕何も知らないから」
「だったら、これはどう?」と数冊の本を出してくれる。
「文字はわかる?」
「来る時に役所って書いてあったのは読めて、後は……」とパラパラと捲るとほとんど変わらない文字だったので、読めそうですと返事をする。
「分からなかったら、その辺にいる使用人に聞くといい。うちの使用人はみんな字が読めるから」
「本当に江戸に来たみたい……」
「町並みはこれでも変わったんだよ。かなり前だけどね。本にも書いてあるから読んだらわかると思うよ?」
「はい。あと、車椅子の充電なんですけど……」
「役場で聞いた話では、人間界のようには電気は出ないみたいだけど、充電とやらはできると言っていた。どのくらい持つの?」
「乗らなかったら三日って説明書にあって、予備もあるから……使うと予備も入れてもやっぱり三日かな?」
「明日は休みをとったから、一緒に行こうか。これでも役所勤めだから色々と役には立てると思うよ?」
「ありがとうございます」
街の見学もできると聞いて、部屋に戻って本を読んでいると、祖母と幸が入ってきた。
「雪翔や、薬の時間は?」
「あ!」
「お水置いておくから飲みなさい。それと荷物もそのままじゃないの」開けるわよと言われ、出すのを手伝ってもらう。
「お、お義母様。こんなハイカラな召し物は見たことがありません」
「今の人間界ではもう着物を着る人はほとんどいないそうよ?街にも売ってたわよ?今人気なんですって」
Tシャツ1枚で珍しいと言われるのには不思議な感じもしたが、着物の生地と比べるとかなり薄いので、暑くなくていいですねと言われる。
浴衣はあまり着ないと聞いて、それほど暑さを感じないんだったと思い出しながらも、熱中症とかならないのかと聞く。
「なる者もいますけど、暑い時は頭に手ぬぐいを巻くとか、涼しい場所にいるようにしてますよ?全く暑くないわけでもないので」
「そうよ?個体差もあるわねぇ。生まれた地域も関係あるかしら」
「そうなんだ」
「そうそう、雪翔につける使用人なんだけどねぇ、うちで一番長い周太郎さんにしてもらおうと思うんだけどいいかしら?女性のがいいかとも思ったんだけど」
「でもみんな仕事あるから」
「 薪割りしてた人覚えてる?あの人なの。力もあるから、車椅子が無理な時に手伝ってくれるし」
「迷惑かけないようにします」
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