黄泉津役所

祭り

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「ちっさ！誰？」

「少彦名命すくなびこなじゃよ」

「どうですか？闇之助は」

段々みんな闇龗神とか、闇様と言わずに闇之助と呼ぶし、ちっさい人はどこまでが名前なんだろう？

「座敷童子よ、もう泣かずとも良いぞ。闇之助は元気になる」

「ほんとう？お祭りいける？」

「しばらく寝ていたら行ける。だから、毎日いい子いい子をしてやってくれ」

「もも、がんばるー」

「それで、闇之助……」

「お前が丈史か」

だからどーした！とっとと説明せんか！ちびっ！

「私はみんなから彦さと呼ばれている。スクナと呼ばれると違う宿儺と間違えられるからな」

名前はどうでもいい！

「外傷より内傷。怪我は派手に見えて、損傷は中だ。自力で何とかしようとしたのだろうが、気が乱れすぎてて上手く出来なかったんだろ。家に帰りついただけでもマシと思った方がいい」

「車もあったんですけど」

「持ってきたんだろ？自分だけなら何とかなったものを……」

「会えますか？」

「童だけだ」

「は？ケチ？」

「癒しの力。小さくて優しい力は童だろう？」

「諦めなさい。力が大きいほどダメな時もあるのよ」

でも、チビに言われっぱなしもムカつく！

脇の下に手を入れ、月読さんに渡して、桃ちゃんと中に入る。

「お兄ちゃん寝てる」

「着替えはここに置いておこうかな。桃ちゃんはこの椅子に座って、疲れたら係の人にちゃんと言うんだよ？無理したらみんなにメッてしてもらうからね？いい？」

「ちゃんとできるよ」

机に飲み物を置いて、ストローを差しておいたので桃ちゃんも飲めるだろう。

部屋から出ると「馬鹿者ー！」と飛びつかれるが、片手でぺしっ！

「着替えは中に置きました。彦さん、運べないでしょ？小さいから！」

「なんだとぉぉぉ」

「そこまで！あとは任せましょう。私は警察隊に連絡してきます。八上さんは丈史くんを……お爺さんが待ってるみたいですね」

「爺ちゃん心配だったんだ」

「今日は帰ってください。連絡はしますから。八上さん、警護隊の方を各方面へ」

「了解しました」

何も出来ないなと「一度帰ります。必要なものがあったら持ってきます」と頭を下げて裏口からでて助手席に乗る。