94 / 121
10 マルムト物産展
10ー2 お客様
しおりを挟む
10ー2 お客様
ライオさんが店の扉を開くとどっと客がなだれ込んできた。
人の進んでくる勢いが怖いとか思ったのは初めてだ!
俺は、びびりながらもやってきたお客さんたちを笑顔で迎える。
「いらっしゃいませ!」
「ここが、その、『物産展』とやらの会場なのかしら?」
貴族らしい令嬢が訊ねてくるので俺は、丁寧に応える。
「そうです。今日は、ごゆっくり見ていってくださいね」
「あれは、何?」
令嬢は、『足湯』の方を指差しているので、俺は、説明する。
「あれは、マルムトの名湯を用いた『足湯』です。足だけ浸ける温泉です」
「まあ、足だけの?」
令嬢がちょっと興味を持ちながらも少し怯んだ。
無理もない。
貴族のご令嬢にとっては、足を人前でさらすなんてはしたないことだしな!
俺も無理にとはすすめないし。
「ぜひ、試したいわ!」
はいっ?
思いきったご令嬢を俺は、『足湯』のところまでエスコートする。
椅子に腰かけて足を湯に浸けるのだが俺は、令嬢の足に触れるわけにはいかないのでそこは、クレアに任せる。
靴下を脱がせた足をそっとお湯に浸けると令嬢がびくっとする。
「けっこう熱いのね」
まあ、ほんとの温泉に比べると少しぬるめにはしているのだが、室温が冷送風機で下げられているのでそう感じるのかもしれない。
しばらく足をつけていると体がぽかぽかしてくるだろうし、俺は、アイスクリームをすすめてみる。
ただでは差し上げられないのだが、最初だしちょっと値段は低めに設定してある。
アイスクリーム1杯が銅貨5枚。
これなら子供の小遣いでも食べられるお値段だ。
「いただくわ!」
俺の説明でさらに興味を持ったご令嬢にすばやくルカが用意したアイスクリームを差し出す。
令嬢は、まじまじとアイスクリームをみていたが、思いきって一口食べる。
「何、これ!おいしいっ!」
令嬢が感激した様子でぱくぱくとアイスクリームを食べているのを遠巻きにして見ていた客たちが次々と押し寄せてくるので俺たちは、番号札を配っていく。
「順番にお声掛けさせていただきますので、それまではごゆっくりと商品をご覧ください!」
足湯は、一度に5人ずつしか使えないのでかなりの順番待ちができてしまったが、客たちは、待ち時間は、店内の他の商品を見たりして大人しく待ってくれていた。
さすがにディアグラートス王国でも有数の商会。
客筋がいいのだろう。
ライオさんが店の扉を開くとどっと客がなだれ込んできた。
人の進んでくる勢いが怖いとか思ったのは初めてだ!
俺は、びびりながらもやってきたお客さんたちを笑顔で迎える。
「いらっしゃいませ!」
「ここが、その、『物産展』とやらの会場なのかしら?」
貴族らしい令嬢が訊ねてくるので俺は、丁寧に応える。
「そうです。今日は、ごゆっくり見ていってくださいね」
「あれは、何?」
令嬢は、『足湯』の方を指差しているので、俺は、説明する。
「あれは、マルムトの名湯を用いた『足湯』です。足だけ浸ける温泉です」
「まあ、足だけの?」
令嬢がちょっと興味を持ちながらも少し怯んだ。
無理もない。
貴族のご令嬢にとっては、足を人前でさらすなんてはしたないことだしな!
俺も無理にとはすすめないし。
「ぜひ、試したいわ!」
はいっ?
思いきったご令嬢を俺は、『足湯』のところまでエスコートする。
椅子に腰かけて足を湯に浸けるのだが俺は、令嬢の足に触れるわけにはいかないのでそこは、クレアに任せる。
靴下を脱がせた足をそっとお湯に浸けると令嬢がびくっとする。
「けっこう熱いのね」
まあ、ほんとの温泉に比べると少しぬるめにはしているのだが、室温が冷送風機で下げられているのでそう感じるのかもしれない。
しばらく足をつけていると体がぽかぽかしてくるだろうし、俺は、アイスクリームをすすめてみる。
ただでは差し上げられないのだが、最初だしちょっと値段は低めに設定してある。
アイスクリーム1杯が銅貨5枚。
これなら子供の小遣いでも食べられるお値段だ。
「いただくわ!」
俺の説明でさらに興味を持ったご令嬢にすばやくルカが用意したアイスクリームを差し出す。
令嬢は、まじまじとアイスクリームをみていたが、思いきって一口食べる。
「何、これ!おいしいっ!」
令嬢が感激した様子でぱくぱくとアイスクリームを食べているのを遠巻きにして見ていた客たちが次々と押し寄せてくるので俺たちは、番号札を配っていく。
「順番にお声掛けさせていただきますので、それまではごゆっくりと商品をご覧ください!」
足湯は、一度に5人ずつしか使えないのでかなりの順番待ちができてしまったが、客たちは、待ち時間は、店内の他の商品を見たりして大人しく待ってくれていた。
さすがにディアグラートス王国でも有数の商会。
客筋がいいのだろう。
24
あなたにおすすめの小説
異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~
繭
ファンタジー
高梨洋子(25)は帰り道で車に撥ねられた瞬間、意識は一瞬で別の場所へ…。
見覚えの無い部屋で目が覚め「アレク?!気付いたのか!?」との声に
え?ちょっと待て…さっきまで日本に居たのに…。
確か「死んだ」筈・・・アレクって誰!?
ズキン・・・と頭に痛みが走ると現在と過去の記憶が一気に流れ込み・・・
気付けば異世界のイケメンに転生した彼女。
誰も知らない・・・いや彼の母しか知らない秘密が有った!?
女性の記憶に翻弄されながらも成り上がって行く男性の話
保険でR15
タイトル変更の可能性あり
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜
あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい!
ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット”
ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで?
異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。
チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。
「────さてと、今日は何を読もうかな」
これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。
◆小説家になろう様でも、公開中◆
◆恋愛要素は、ありません◆
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる
暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。
授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる