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10 マルムト物産展
10ー2 お客様
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10ー2 お客様
ライオさんが店の扉を開くとどっと客がなだれ込んできた。
人の進んでくる勢いが怖いとか思ったのは初めてだ!
俺は、びびりながらもやってきたお客さんたちを笑顔で迎える。
「いらっしゃいませ!」
「ここが、その、『物産展』とやらの会場なのかしら?」
貴族らしい令嬢が訊ねてくるので俺は、丁寧に応える。
「そうです。今日は、ごゆっくり見ていってくださいね」
「あれは、何?」
令嬢は、『足湯』の方を指差しているので、俺は、説明する。
「あれは、マルムトの名湯を用いた『足湯』です。足だけ浸ける温泉です」
「まあ、足だけの?」
令嬢がちょっと興味を持ちながらも少し怯んだ。
無理もない。
貴族のご令嬢にとっては、足を人前でさらすなんてはしたないことだしな!
俺も無理にとはすすめないし。
「ぜひ、試したいわ!」
はいっ?
思いきったご令嬢を俺は、『足湯』のところまでエスコートする。
椅子に腰かけて足を湯に浸けるのだが俺は、令嬢の足に触れるわけにはいかないのでそこは、クレアに任せる。
靴下を脱がせた足をそっとお湯に浸けると令嬢がびくっとする。
「けっこう熱いのね」
まあ、ほんとの温泉に比べると少しぬるめにはしているのだが、室温が冷送風機で下げられているのでそう感じるのかもしれない。
しばらく足をつけていると体がぽかぽかしてくるだろうし、俺は、アイスクリームをすすめてみる。
ただでは差し上げられないのだが、最初だしちょっと値段は低めに設定してある。
アイスクリーム1杯が銅貨5枚。
これなら子供の小遣いでも食べられるお値段だ。
「いただくわ!」
俺の説明でさらに興味を持ったご令嬢にすばやくルカが用意したアイスクリームを差し出す。
令嬢は、まじまじとアイスクリームをみていたが、思いきって一口食べる。
「何、これ!おいしいっ!」
令嬢が感激した様子でぱくぱくとアイスクリームを食べているのを遠巻きにして見ていた客たちが次々と押し寄せてくるので俺たちは、番号札を配っていく。
「順番にお声掛けさせていただきますので、それまではごゆっくりと商品をご覧ください!」
足湯は、一度に5人ずつしか使えないのでかなりの順番待ちができてしまったが、客たちは、待ち時間は、店内の他の商品を見たりして大人しく待ってくれていた。
さすがにディアグラートス王国でも有数の商会。
客筋がいいのだろう。
ライオさんが店の扉を開くとどっと客がなだれ込んできた。
人の進んでくる勢いが怖いとか思ったのは初めてだ!
俺は、びびりながらもやってきたお客さんたちを笑顔で迎える。
「いらっしゃいませ!」
「ここが、その、『物産展』とやらの会場なのかしら?」
貴族らしい令嬢が訊ねてくるので俺は、丁寧に応える。
「そうです。今日は、ごゆっくり見ていってくださいね」
「あれは、何?」
令嬢は、『足湯』の方を指差しているので、俺は、説明する。
「あれは、マルムトの名湯を用いた『足湯』です。足だけ浸ける温泉です」
「まあ、足だけの?」
令嬢がちょっと興味を持ちながらも少し怯んだ。
無理もない。
貴族のご令嬢にとっては、足を人前でさらすなんてはしたないことだしな!
俺も無理にとはすすめないし。
「ぜひ、試したいわ!」
はいっ?
思いきったご令嬢を俺は、『足湯』のところまでエスコートする。
椅子に腰かけて足を湯に浸けるのだが俺は、令嬢の足に触れるわけにはいかないのでそこは、クレアに任せる。
靴下を脱がせた足をそっとお湯に浸けると令嬢がびくっとする。
「けっこう熱いのね」
まあ、ほんとの温泉に比べると少しぬるめにはしているのだが、室温が冷送風機で下げられているのでそう感じるのかもしれない。
しばらく足をつけていると体がぽかぽかしてくるだろうし、俺は、アイスクリームをすすめてみる。
ただでは差し上げられないのだが、最初だしちょっと値段は低めに設定してある。
アイスクリーム1杯が銅貨5枚。
これなら子供の小遣いでも食べられるお値段だ。
「いただくわ!」
俺の説明でさらに興味を持ったご令嬢にすばやくルカが用意したアイスクリームを差し出す。
令嬢は、まじまじとアイスクリームをみていたが、思いきって一口食べる。
「何、これ!おいしいっ!」
令嬢が感激した様子でぱくぱくとアイスクリームを食べているのを遠巻きにして見ていた客たちが次々と押し寄せてくるので俺たちは、番号札を配っていく。
「順番にお声掛けさせていただきますので、それまではごゆっくりと商品をご覧ください!」
足湯は、一度に5人ずつしか使えないのでかなりの順番待ちができてしまったが、客たちは、待ち時間は、店内の他の商品を見たりして大人しく待ってくれていた。
さすがにディアグラートス王国でも有数の商会。
客筋がいいのだろう。
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