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3 望まぬ妊娠
3ー11 特別婚姻許可証
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3ー11 特別婚姻許可証
僕は、お湯に浸かって熱い吐息を漏らした。
体が変だ。
なんでもないことでも感じてしまう。
ヤマトのせいだ。
僕は、ぎりっと歯軋りした。
あいつが僕の体を作り替えてしまった。
こんな淫乱な体にされて。
僕は、自分の体を見下ろした。
体についた傷やアザは、みんなキーンが癒してくれた。
だが、この体に刻まれたヤマトの記憶は消えてはいなかった。
僕は、目を閉じた。
ここには、もう、いられない。
ヤマトのことだ。
きっと、僕を助けたのが誰かすぐに気がつくだろう。
このままでは、メイソン辺境伯にまで被害がおよぶ。
僕は、できるだけ早くここを出ていくつもりだった。
僕が風呂から上がると部屋には、メイソン辺境伯と知らない髭のおじいさんがいた。
「この人は、私の主治医であるルイベール殿だ。信頼できる立派な人だから安心していい」
僕は、ルイベール医師に診察された。
じいちゃん先生は、僕の体にそっと触れると驚いたような顔をした。
「これは・・確かに子種が宿っておられますな」
老医師は、メイソン辺境伯に訊ねる。
「これは、どなたのお子でございますか?」
「私、だ」
メイソン辺境伯は、躊躇することなく答えた。
「彼の腹の子の父親は、私だ」
老医師は、ちらりとメイソン辺境伯を見つめてから頷いた。
「なるほど」
じいちゃん先生は、僕ににっこりと微笑みかけた。
「何にしてもこの子供は、産むしかありませんな。下手に堕胎しようとすれば母体を傷つけかねません。そうなれば取り返しのつかないことになるかもしれませんからな」
「そうなのか?」
メイソン辺境伯は、すぐに側に控えていたソドルに命じた。
「今夜のうちにここから一番近い教会で特別婚姻許可証を手に入れるように」
「かしこまりました、ロイダール様」
ソドルがすっと部屋からでていく。
特別婚姻許可証?
僕は、意味がわからずに頭を傾げた。
そんなもの、いったいどうするんだ?
「特別婚姻許可証ですか?若君」
じいちゃん先生が低く喉を鳴らして笑った。
「あのお小さかった若君がそんなおいたをするようになられるとは」
「からかうのはやめてくれ、ルイベール殿」
少し頬を赤らめているメイソン辺境伯が小声で説明した。
「どうせ、奴らはここをすぐにつきとめるだろう。それまでにラムダを私の妻としてしまえばいくら聖者でもおいそれとは手が出せまい」
僕は、お湯に浸かって熱い吐息を漏らした。
体が変だ。
なんでもないことでも感じてしまう。
ヤマトのせいだ。
僕は、ぎりっと歯軋りした。
あいつが僕の体を作り替えてしまった。
こんな淫乱な体にされて。
僕は、自分の体を見下ろした。
体についた傷やアザは、みんなキーンが癒してくれた。
だが、この体に刻まれたヤマトの記憶は消えてはいなかった。
僕は、目を閉じた。
ここには、もう、いられない。
ヤマトのことだ。
きっと、僕を助けたのが誰かすぐに気がつくだろう。
このままでは、メイソン辺境伯にまで被害がおよぶ。
僕は、できるだけ早くここを出ていくつもりだった。
僕が風呂から上がると部屋には、メイソン辺境伯と知らない髭のおじいさんがいた。
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「これは、どなたのお子でございますか?」
「私、だ」
メイソン辺境伯は、躊躇することなく答えた。
「彼の腹の子の父親は、私だ」
老医師は、ちらりとメイソン辺境伯を見つめてから頷いた。
「なるほど」
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「何にしてもこの子供は、産むしかありませんな。下手に堕胎しようとすれば母体を傷つけかねません。そうなれば取り返しのつかないことになるかもしれませんからな」
「そうなのか?」
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「今夜のうちにここから一番近い教会で特別婚姻許可証を手に入れるように」
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「どうせ、奴らはここをすぐにつきとめるだろう。それまでにラムダを私の妻としてしまえばいくら聖者でもおいそれとは手が出せまい」
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