34 / 110
4 邪神の神子
4ー1 隙がない!
4ー1 隙がない!
特別婚姻許可証
それは、訳アリで婚姻を急ぐカップルが教会に発行してもらうというものだった。
たいていは、両親に反対されて駆け落ちした人たちか、それか結婚する前に妊娠してしまった人たちが申請するものだ。
この許可を得て婚姻すれば、たとえ訳アリでも情熱的とか、愛ゆえにとかいって許されてしまうことが多い。
というか、夢見る少女たちが夢想するようなものだった。
いつか王子さまみたいな人と特別婚姻許可証をもらって結婚する。
そんな独身女性の憧れ的なシチュエーションなの?
ちなみに僕がそんなことを夢想したことは一度だってなかったし!
だから、僕は、メイソン辺境伯が特別婚姻許可証とか言い出したとき、ぎょっとしていた。
僕を妻にする、ですと?
なんで、いつの間にそういう話になっちゃったの?
僕は、別に結婚に夢なんてみてない。
だって、この前まであの王女の婚約者だったんだからな。
だけど、どこかで漠然と結婚は、お嫁さんをもらうものだと思っていた。
それが、僕がお嫁さんになることに?
ちょっと待ってください!
僕があわあわしているとメイソン辺境伯が手を伸ばして僕の頭をポンと撫でた。
「大丈夫だよ、ラムダ。お前のことは私が守る。お前は、安心して出産に備えてくれ」
はいぃっ?
僕、子供産まなくちゃいけないんですね?
僕は、黙って下腹に手をあてると考え込んでしまった。
僕には、もう選択権はないんですか?
青ざめている僕の肩をそっと抱いてメイソン辺境伯が心配そうに覗き込んだ。
「大丈夫か?ラムダ」
いけない!
僕は、はっとして顔をあげた。
「大丈夫です、辺境伯」
僕は、訊ねた。
「ああなたの方こそ無理をしなくてもいいんですよ、メイソン辺境伯」
「ロイダール、だ」
メイソン辺境伯が僕に囁いた。
「親しい者からは、ロイと呼ばれている」
「ロ、ロイ」
僕は、焦っていた。
だって、メイソン辺境伯の距離感が!
近い!
しかも、すごい美形だし。
きっと、この人ならどんな美女とでも結婚できるにちがいないのに、なんで僕なんかと?
たぶん、僕に同情してだと思うけど、それは、ロイが気の毒だ。
いくら僕がアルビノで美形だとしても、男だし。
しかも、別の男の子供を孕んでるんだよ?
やっぱり、ダメだ!
僕は、隙をみてここから逃げる気持ちは変えていない。
だけど。
隙がないというか。
なぜか、ロイが僕から離れない。
しかも、密着がすごいし!
特別婚姻許可証
それは、訳アリで婚姻を急ぐカップルが教会に発行してもらうというものだった。
たいていは、両親に反対されて駆け落ちした人たちか、それか結婚する前に妊娠してしまった人たちが申請するものだ。
この許可を得て婚姻すれば、たとえ訳アリでも情熱的とか、愛ゆえにとかいって許されてしまうことが多い。
というか、夢見る少女たちが夢想するようなものだった。
いつか王子さまみたいな人と特別婚姻許可証をもらって結婚する。
そんな独身女性の憧れ的なシチュエーションなの?
ちなみに僕がそんなことを夢想したことは一度だってなかったし!
だから、僕は、メイソン辺境伯が特別婚姻許可証とか言い出したとき、ぎょっとしていた。
僕を妻にする、ですと?
なんで、いつの間にそういう話になっちゃったの?
僕は、別に結婚に夢なんてみてない。
だって、この前まであの王女の婚約者だったんだからな。
だけど、どこかで漠然と結婚は、お嫁さんをもらうものだと思っていた。
それが、僕がお嫁さんになることに?
ちょっと待ってください!
僕があわあわしているとメイソン辺境伯が手を伸ばして僕の頭をポンと撫でた。
「大丈夫だよ、ラムダ。お前のことは私が守る。お前は、安心して出産に備えてくれ」
はいぃっ?
僕、子供産まなくちゃいけないんですね?
僕は、黙って下腹に手をあてると考え込んでしまった。
僕には、もう選択権はないんですか?
青ざめている僕の肩をそっと抱いてメイソン辺境伯が心配そうに覗き込んだ。
「大丈夫か?ラムダ」
いけない!
僕は、はっとして顔をあげた。
「大丈夫です、辺境伯」
僕は、訊ねた。
「ああなたの方こそ無理をしなくてもいいんですよ、メイソン辺境伯」
「ロイダール、だ」
メイソン辺境伯が僕に囁いた。
「親しい者からは、ロイと呼ばれている」
「ロ、ロイ」
僕は、焦っていた。
だって、メイソン辺境伯の距離感が!
近い!
しかも、すごい美形だし。
きっと、この人ならどんな美女とでも結婚できるにちがいないのに、なんで僕なんかと?
たぶん、僕に同情してだと思うけど、それは、ロイが気の毒だ。
いくら僕がアルビノで美形だとしても、男だし。
しかも、別の男の子供を孕んでるんだよ?
やっぱり、ダメだ!
僕は、隙をみてここから逃げる気持ちは変えていない。
だけど。
隙がないというか。
なぜか、ロイが僕から離れない。
しかも、密着がすごいし!
あなたにおすすめの小説
当て馬的ライバル役がメインヒーローに喰われる話
屑籠
BL
サルヴァラ王国の公爵家に生まれたギルバート・ロードウィーグ。
彼は、物語のそう、悪役というか、小悪党のような性格をしている。
そんな彼と、彼を溺愛する、物語のヒーローみたいにキラキラ輝いている平民、アルベルト・グラーツのお話。
さらっと読めるようなそんな感じの短編です。
王様お許しください
nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。
気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。
性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。
恋人に捨てられた僕を拾ってくれたのは、憧れの騎士様でした
水瀬かずか
BL
仕事をクビになった。住んでいるところも追い出された。そしたら恋人に捨てられた。最後のお給料も全部奪われた。「役立たず」と蹴られて。
好きって言ってくれたのに。かわいいって言ってくれたのに。やっぱり、僕は駄目な子なんだ。
行き場をなくした僕を見つけてくれたのは、優しい騎士様だった。
強面騎士×不憫美青年
魔王に転生したら、イケメンたちから溺愛されてます
トモモト ヨシユキ
BL
気がつくと、なぜか、魔王になっていた俺。
魔王の手下たちと、俺の本体に入っている魔王を取り戻すべく旅立つが・・
なんで、俺の体に入った魔王様が、俺の幼馴染みの勇者とできちゃってるの⁉️
エブリスタにも、掲載しています。
お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。
挿絵をchat gptに作成してもらいました(*'▽'*)
愛していた王に捨てられて愛人になった少年は騎士に娶られる
彩月野生
BL
湖に落ちた十六歳の少年文斗は異世界にやって来てしまった。
国王と愛し合うようになった筈なのに、王は突然妃を迎え、文斗は愛人として扱われるようになり、さらには騎士と結婚して子供を産めと強要されてしまう。
王を愛する気持ちを捨てられないまま、文斗は騎士との結婚生活を送るのだが、騎士への感情の変化に戸惑うようになる。
(誤字脱字報告は不要)
【完結】健康な身体に成り代わったので異世界を満喫します。
白(しろ)
BL
神様曰く、これはお節介らしい。
僕の身体は運が悪くとても脆く出来ていた。心臓の部分が。だからそろそろダメかもな、なんて思っていたある日の夢で僕は健康な身体を手に入れていた。
けれどそれは僕の身体じゃなくて、まるで天使のように綺麗な顔をした人の身体だった。
どうせ夢だ、すぐに覚めると思っていたのに夢は覚めない。それどころか感じる全てがリアルで、もしかしてこれは現実なのかもしれないと有り得ない考えに及んだとき、頭に鈴の音が響いた。
「お節介を焼くことにした。なに心配することはない。ただ、成り代わるだけさ。お前が欲しくて堪らなかった身体に」
神様らしき人の差配で、僕は僕じゃない人物として生きることになった。
これは健康な身体を手に入れた僕が、好きなように生きていくお話。
本編は三人称です。
R−18に該当するページには※を付けます。
毎日20時更新
登場人物
ラファエル・ローデン
金髪青眼の美青年。無邪気であどけなくもあるが無鉄砲で好奇心旺盛。
ある日人が変わったように活発になったことで親しい人たちを戸惑わせた。今では受け入れられている。
首筋で脈を取るのがクセ。
アルフレッド
茶髪に赤目の迫力ある男前苦労人。ラファエルの友人であり相棒。
剣の腕が立ち騎士団への入団を強く望まれていたが縛り付けられるのを嫌う性格な為断った。
神様
ガラが悪い大男。