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11 1番大切なものは、なんですか?
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イグドールと俺が同盟を結んでから1ヶ月が過ぎた。
グランの街と『魔王の杜』ダンジョンは、訪れる人で連日、賑わっていた。
予想に反して、今のところ、イグドール以外の魔王が俺のもとに来ることはなかった。
「たぶん、様子を見ているのだろう」
スライムの表面に映し出されたイグドールが俺に言った。
「私のところにも、まだ、誰も来てはいない。他の連中のダンジョンは、この大陸の反対側に多くあるからな。まず、そっちで潰しあっているのかもしれんな」
「そうなんだ。こちら側にあるダンジョンは、我々の他には、何ヵ所ぐらいあるんですか?」
俺は、スライムに向かって話した。すると、イグドールが答えた。
「俺たちの他には、二つだ」
「その魔王たちとも同盟を結べないかな」
俺の言葉に、イグドールは、少し考え込んでから返答した。
「わからんな。一応、連絡をとってみるか。では、また、連絡する」
スライムの表面からイグドールの姿が消え、つるんとした透明なゼリー状の球へと変化した。
俺がふぅっと溜め息をつくとヴィスコンティがお茶の入ったカップを差し出してきた。
「ありがとう、ヴィスコンティ」
俺は、受けとると一口飲んだ。すごくいい香りのするお茶だ。たぶん、ダンジョンの裏の畑で作られた新しい品種のお茶だ。
ヴィスコンティは、俺のことを見つめて言った。
「このスライムの通信機は、なかなか便利でいいですね、ハジメ」
そう、これは、『知恵の実』を食べて進化したスライムの一匹が分裂したものだった。
遠く離れていても、思念で情報を共有しあっているのに気づいたのは、ルファスだった。奴から報告を受けた俺は、このスライムを通信機として使うことを思い付いた。そうしてスライムのテレビ電話が誕生した訳だった。
俺は、これをさらに改良して、何ヵ所かに中継基地を作って、国中を網羅するネットワークを形成したいと思っている。
そうすれば、インターネット的なものが作れて通販なんかもできるのではないか、と思っているのだ。
実は、今、試しにこの近辺の街だけで、通販のようなことを開始している。
そのために、俺は、10台の荷物の運搬用の魔導車を創造した。
それは、『魔王の杜』ダンジョン運送部として、主に、この街から他の街への配達を行っているが、近いうちには、他の街からの配達もできるようにしたいと思っている。
この部門は、イオルグに任せている。
俺の創造した魔導車は、地上から少し浮かんで走行するので道が悪くても問題ない。
ちなみに、このグランの街と他の街を繋ぐ乗り合い魔導車は、路線がだいぶ増えてきて使いやすいと評判がいい。
俺は、お茶を飲み干すと、カップをヴィスコンティに返した。
「このスライムを量産して、各街が簡単に素早く連絡をとれるようにしようと思っているんだ。そのためには、もっと安定した能力を持ったスライムを増やさないといけない。これは、ルファスにがんばってもらわないとな」
「ルファス様も、最近は、生き生きとされていて喜ばしいことです」
ヴィスコンティは、目を細めている。
俺は、なんだか、むしょうにイラついていた。
やはり、いまだにヴィスコンティの1番は、ルファスなのだ。
「あの、王都の方からは、何か連絡があった?」
俺は、わざと素っ気なくきいた。ヴィスコンティは、何か言いかけて、口を閉ざした。
なんだろう。
俺は、気になったけど、ヴィスコンティに直接きくことは、できなかった。
「ヴィスコンティが騎士団と繋がりがあったおかげで、王都の動きもわかるんだよね。助かるよ」
俺がヴィスコンティに言うと、彼は、微笑みを浮かべた。
「ハジメのお役にたてて何よりです」
「ヴィスコンティがなんで、私に使えているかって?」
白衣を着て、スライムの世話をしているルファスのもとを、俺は、訪れていた。
ルファスは、もうかなり遅い時間だというのにまだ、研究室でスライムのデータをとっていた。
俺の質問にルファスは、以外な答えを返した。
「それは、彼が私の弟だから、かな」
「弟?」
俺は、驚いていた。
「ヴィスコンティも邪神の子なのか?」
「違う。ヴィスコンティは、人間だ。父親が違うんだ。あいつの親父は、王国の宰相だとか言ってたな。あいつが騎士団の一員として新しくできたダンジョンの調査に来たときに、私と初めて会って、その後すぐに、私のところに押し掛けてきたんだ」
マジで?
俺は、すぐにヴィスコンティがルファスのことを好きになって、ここに来たんだとわかった。
だって、ルファスは、外見だけは、とびきり美しいから。
イグドールだって、誰だって、きっとルファス好きになる。
誰からも愛されるルファス。
俺は、ルファスが羨ましかった。
俺は。
ずっと、ルファスになりたかったんだ。
でも。
俺は、ルファスじゃない。
誰からも愛されない。
俺は、一人だ。
「おい、ハジメ!」
俺の名を呼ぶルファスの声に、俺は、はっと気づくと、ルファスを見た。
今は、俺の姿をしているルファスを。
「きいてるのか?」
「あ・・ごめん、何?」
「もう。ちゃんと話をきけ!」
ルファスは、ぶつぶつ言いながらも、俺にきいた。
「侑真にプロポーズしようと思っているんだ。もちろん、この戦いの刻が無事に終わったら、だけどな。で、お前は、どう思うかな、と思って」
「なんで俺に聞くんだよ?」
「いや、もともと侑真が好きだったのは、お前なわけだし、一応、確認しとかないとな」
侑真。
俺は、侑真のことを思い浮かべていた。
子供の頃から、ずっと俺のことを守ってくれていた侑真。
だけど。
侑真は、本当は、勇者でありながら、ルファスを愛して闇堕ちしてここに来た。
彼も、ルファスを愛している。
すべてを投げ出しても得たいと思ったから、侑真は、ここに来たのだ。
俺は、なんだか寂しい気持ちになっていた。
「好きにしたらいいだろ」
俺は、ルファスに言うと、奴の研究室のあるダンジョンの2層目から最深部へと降りていった。
そして、俺の執務室兼研究室である部屋へと入ると、俺は、目を通さないといけない書類の山に向かった。
だけど、集中できなかった。
誰も、みんな、俺のことを愛さない。
いつも、そうだ。
俺は、いつも一人、だ。
「愛してほしいの?ハジメは」
不意に声がきこえて、俺は、振り向いた。部屋の隅の暗がりが膨らんで巨大化し、だんだんと人の形をとっていった。
それは、月の光が結晶したかのような、美しさだった。
肩までの銀の髪に薄いブルーの瞳。すっと鼻筋の通った美形だった。
彼の瞳を見たとき。
俺は、自分の体が自分の意思で動かせなくなっていることに気づいた。
影から現れたその美しい男は、動けない俺の方へと歩み寄ってくると、その指先で俺の唇に触れた。
「美しいルファスになっても、ハジメを愛するものはいないんだ」
その男の言葉は、俺の中へと浸透していく。
「なら、僕がハジメを愛してあげるよ」
「俺・・を?」
「ああ」
男は、頷いた。
「僕は、ハジメだけを愛する」
男は、俺の体を抱いて俺に口づけした。
「約束、するよ、ハジメ」
俺は、だんだんと眠りに堕ちていった。深い闇へと堕ちて行く中で、その男の声をきいていた。
「君に僕を全てあげよう。その代わり・・」
「・・メ・・ハジメ」
「ん・・」
「起きてください、ハジメ」
俺は、揺り起こされて突っ伏していた机から顔をあげた。
うん?
俺は、ぼんやりとしている頭で考えていた。
俺、いつの間にか眠っていたのか。
でも、なんか、忘れているような気がする。
俺は、延びをしながら思っていた。
なんだったのか、思い出せない。
でも。
なにか、大切なことだったような気がする。
なんだったのかな。
「大丈夫ですか?ハジメ。眠いなら、ベッドで休んでくださいね」
ヴィスコンティは、そういうと眠そうにしている俺のことを抱き上げた。
「わゎっ!いいから、歩けるから」
「じっとしててください。あなたは、少し、働き過ぎなんです。ちょっとぐらい、甘えてください」
ヴィスコンティは、俺を抱いたまま俺の部屋のベッドへと連れていくと、俺を寝かせた。
「おやすみなさい、ハジメ」
「ヴィス・・」
俺は、ヴィスコンティを呼び止めた。彼は、振り向いてきいた。
「なんです?ハジメ」
「いや・・なんでも、ない」
俺は去っていくヴィスコンティの背中を見送ると目を閉じた。
眠りに落ちていく俺の記憶の中で悪魔が囁いた。
『君に僕をあげよう。そのかわり、君の1番大切なものを僕に頂戴』
俺の1番大切なもの?
俺は、夢の中で何かを懸命に探していた。
でも、それが何なのかがわからない。
なんだっけ?
俺が探しているものは、何?
俺は、それでも探し続けていた。
俺の1番大切なものって、何?
探し続けていた俺の前に銀色のウサギが現れて、時計を見ながら言った。
「もう、時間切れだよ。君の大切なものは、僕がもらっていくよ、ハジメ」
ええっ?
俺は、叫んだ。
ダメだ!
俺は、手を伸ばしてウサギを捕まえようとした。だけど、ウサギは、するっと俺の腕の中から逃れていく。
ウサギは、笑いながら言った。
「約束、だよ、ハジメ」
君の1番大切なものは、もう、僕のもの。
歌うように言いながら消えていくウサギに向かって、俺は、手を伸ばして叫んだ。
待って!
だけど。
俺の1番大切なものって、何?
グランの街と『魔王の杜』ダンジョンは、訪れる人で連日、賑わっていた。
予想に反して、今のところ、イグドール以外の魔王が俺のもとに来ることはなかった。
「たぶん、様子を見ているのだろう」
スライムの表面に映し出されたイグドールが俺に言った。
「私のところにも、まだ、誰も来てはいない。他の連中のダンジョンは、この大陸の反対側に多くあるからな。まず、そっちで潰しあっているのかもしれんな」
「そうなんだ。こちら側にあるダンジョンは、我々の他には、何ヵ所ぐらいあるんですか?」
俺は、スライムに向かって話した。すると、イグドールが答えた。
「俺たちの他には、二つだ」
「その魔王たちとも同盟を結べないかな」
俺の言葉に、イグドールは、少し考え込んでから返答した。
「わからんな。一応、連絡をとってみるか。では、また、連絡する」
スライムの表面からイグドールの姿が消え、つるんとした透明なゼリー状の球へと変化した。
俺がふぅっと溜め息をつくとヴィスコンティがお茶の入ったカップを差し出してきた。
「ありがとう、ヴィスコンティ」
俺は、受けとると一口飲んだ。すごくいい香りのするお茶だ。たぶん、ダンジョンの裏の畑で作られた新しい品種のお茶だ。
ヴィスコンティは、俺のことを見つめて言った。
「このスライムの通信機は、なかなか便利でいいですね、ハジメ」
そう、これは、『知恵の実』を食べて進化したスライムの一匹が分裂したものだった。
遠く離れていても、思念で情報を共有しあっているのに気づいたのは、ルファスだった。奴から報告を受けた俺は、このスライムを通信機として使うことを思い付いた。そうしてスライムのテレビ電話が誕生した訳だった。
俺は、これをさらに改良して、何ヵ所かに中継基地を作って、国中を網羅するネットワークを形成したいと思っている。
そうすれば、インターネット的なものが作れて通販なんかもできるのではないか、と思っているのだ。
実は、今、試しにこの近辺の街だけで、通販のようなことを開始している。
そのために、俺は、10台の荷物の運搬用の魔導車を創造した。
それは、『魔王の杜』ダンジョン運送部として、主に、この街から他の街への配達を行っているが、近いうちには、他の街からの配達もできるようにしたいと思っている。
この部門は、イオルグに任せている。
俺の創造した魔導車は、地上から少し浮かんで走行するので道が悪くても問題ない。
ちなみに、このグランの街と他の街を繋ぐ乗り合い魔導車は、路線がだいぶ増えてきて使いやすいと評判がいい。
俺は、お茶を飲み干すと、カップをヴィスコンティに返した。
「このスライムを量産して、各街が簡単に素早く連絡をとれるようにしようと思っているんだ。そのためには、もっと安定した能力を持ったスライムを増やさないといけない。これは、ルファスにがんばってもらわないとな」
「ルファス様も、最近は、生き生きとされていて喜ばしいことです」
ヴィスコンティは、目を細めている。
俺は、なんだか、むしょうにイラついていた。
やはり、いまだにヴィスコンティの1番は、ルファスなのだ。
「あの、王都の方からは、何か連絡があった?」
俺は、わざと素っ気なくきいた。ヴィスコンティは、何か言いかけて、口を閉ざした。
なんだろう。
俺は、気になったけど、ヴィスコンティに直接きくことは、できなかった。
「ヴィスコンティが騎士団と繋がりがあったおかげで、王都の動きもわかるんだよね。助かるよ」
俺がヴィスコンティに言うと、彼は、微笑みを浮かべた。
「ハジメのお役にたてて何よりです」
「ヴィスコンティがなんで、私に使えているかって?」
白衣を着て、スライムの世話をしているルファスのもとを、俺は、訪れていた。
ルファスは、もうかなり遅い時間だというのにまだ、研究室でスライムのデータをとっていた。
俺の質問にルファスは、以外な答えを返した。
「それは、彼が私の弟だから、かな」
「弟?」
俺は、驚いていた。
「ヴィスコンティも邪神の子なのか?」
「違う。ヴィスコンティは、人間だ。父親が違うんだ。あいつの親父は、王国の宰相だとか言ってたな。あいつが騎士団の一員として新しくできたダンジョンの調査に来たときに、私と初めて会って、その後すぐに、私のところに押し掛けてきたんだ」
マジで?
俺は、すぐにヴィスコンティがルファスのことを好きになって、ここに来たんだとわかった。
だって、ルファスは、外見だけは、とびきり美しいから。
イグドールだって、誰だって、きっとルファス好きになる。
誰からも愛されるルファス。
俺は、ルファスが羨ましかった。
俺は。
ずっと、ルファスになりたかったんだ。
でも。
俺は、ルファスじゃない。
誰からも愛されない。
俺は、一人だ。
「おい、ハジメ!」
俺の名を呼ぶルファスの声に、俺は、はっと気づくと、ルファスを見た。
今は、俺の姿をしているルファスを。
「きいてるのか?」
「あ・・ごめん、何?」
「もう。ちゃんと話をきけ!」
ルファスは、ぶつぶつ言いながらも、俺にきいた。
「侑真にプロポーズしようと思っているんだ。もちろん、この戦いの刻が無事に終わったら、だけどな。で、お前は、どう思うかな、と思って」
「なんで俺に聞くんだよ?」
「いや、もともと侑真が好きだったのは、お前なわけだし、一応、確認しとかないとな」
侑真。
俺は、侑真のことを思い浮かべていた。
子供の頃から、ずっと俺のことを守ってくれていた侑真。
だけど。
侑真は、本当は、勇者でありながら、ルファスを愛して闇堕ちしてここに来た。
彼も、ルファスを愛している。
すべてを投げ出しても得たいと思ったから、侑真は、ここに来たのだ。
俺は、なんだか寂しい気持ちになっていた。
「好きにしたらいいだろ」
俺は、ルファスに言うと、奴の研究室のあるダンジョンの2層目から最深部へと降りていった。
そして、俺の執務室兼研究室である部屋へと入ると、俺は、目を通さないといけない書類の山に向かった。
だけど、集中できなかった。
誰も、みんな、俺のことを愛さない。
いつも、そうだ。
俺は、いつも一人、だ。
「愛してほしいの?ハジメは」
不意に声がきこえて、俺は、振り向いた。部屋の隅の暗がりが膨らんで巨大化し、だんだんと人の形をとっていった。
それは、月の光が結晶したかのような、美しさだった。
肩までの銀の髪に薄いブルーの瞳。すっと鼻筋の通った美形だった。
彼の瞳を見たとき。
俺は、自分の体が自分の意思で動かせなくなっていることに気づいた。
影から現れたその美しい男は、動けない俺の方へと歩み寄ってくると、その指先で俺の唇に触れた。
「美しいルファスになっても、ハジメを愛するものはいないんだ」
その男の言葉は、俺の中へと浸透していく。
「なら、僕がハジメを愛してあげるよ」
「俺・・を?」
「ああ」
男は、頷いた。
「僕は、ハジメだけを愛する」
男は、俺の体を抱いて俺に口づけした。
「約束、するよ、ハジメ」
俺は、だんだんと眠りに堕ちていった。深い闇へと堕ちて行く中で、その男の声をきいていた。
「君に僕を全てあげよう。その代わり・・」
「・・メ・・ハジメ」
「ん・・」
「起きてください、ハジメ」
俺は、揺り起こされて突っ伏していた机から顔をあげた。
うん?
俺は、ぼんやりとしている頭で考えていた。
俺、いつの間にか眠っていたのか。
でも、なんか、忘れているような気がする。
俺は、延びをしながら思っていた。
なんだったのか、思い出せない。
でも。
なにか、大切なことだったような気がする。
なんだったのかな。
「大丈夫ですか?ハジメ。眠いなら、ベッドで休んでくださいね」
ヴィスコンティは、そういうと眠そうにしている俺のことを抱き上げた。
「わゎっ!いいから、歩けるから」
「じっとしててください。あなたは、少し、働き過ぎなんです。ちょっとぐらい、甘えてください」
ヴィスコンティは、俺を抱いたまま俺の部屋のベッドへと連れていくと、俺を寝かせた。
「おやすみなさい、ハジメ」
「ヴィス・・」
俺は、ヴィスコンティを呼び止めた。彼は、振り向いてきいた。
「なんです?ハジメ」
「いや・・なんでも、ない」
俺は去っていくヴィスコンティの背中を見送ると目を閉じた。
眠りに落ちていく俺の記憶の中で悪魔が囁いた。
『君に僕をあげよう。そのかわり、君の1番大切なものを僕に頂戴』
俺の1番大切なもの?
俺は、夢の中で何かを懸命に探していた。
でも、それが何なのかがわからない。
なんだっけ?
俺が探しているものは、何?
俺は、それでも探し続けていた。
俺の1番大切なものって、何?
探し続けていた俺の前に銀色のウサギが現れて、時計を見ながら言った。
「もう、時間切れだよ。君の大切なものは、僕がもらっていくよ、ハジメ」
ええっ?
俺は、叫んだ。
ダメだ!
俺は、手を伸ばしてウサギを捕まえようとした。だけど、ウサギは、するっと俺の腕の中から逃れていく。
ウサギは、笑いながら言った。
「約束、だよ、ハジメ」
君の1番大切なものは、もう、僕のもの。
歌うように言いながら消えていくウサギに向かって、俺は、手を伸ばして叫んだ。
待って!
だけど。
俺の1番大切なものって、何?
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