妹の身代りに生け贄にされたんだけどガチでマジ恋しちゃいました~世界にただ1人の男Ωは、邪神の激愛に絆される~

トモモト ヨシユキ

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1 不憫王子、贄になる。

1ー3 逃げる!

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 1ー3 逃げる!

 その瞬間。
 「あぅ、んっ!」
 僕は、達してしまった。
 うつ向いて息を乱している僕の顎に手をかけるとクーリアスが信じられないというように僕を覗き込んだ。
 「お前、俺のを飲んでイったのか?」
 「そ、んなこと!」
 僕は、口許を隠して立ち上がるとクーリアスに背を向けて湯殿へと向かおうとした。
 だが、クーリアスに腕を掴まれて壁に押し付けられる。
 「顔を見せろ!」
 「い、やだっ!」
 僕は、なんとかクーリアスから逃れようと暴れた。
 けど、押さえ込まれてしまう。
 驚くほどに力が入らない。
 どうして?
 涙に潤んだ僕の瞳を見つめてクーリアスがにやっと笑った。
 「お前、いい匂いがするぞ?まるでオメガのような」
 クーリアスが舌なめずりする。
 「男を誘う匂い、だ」
 「オメガ?」
 僕は、頭を振った。
 男にオメガはいない。
 僕は、アルファでもベータでもないが、オメガではない。
 クーリアスが僕の唇にキスをした。
 「あ・・うっ・・」
 クーリアスの舌が僕の唇を割って入り込んできて、僕の口中を激しく貪る。
 拒まなくてはいけない!
 僕は、なんとかクーリアスを押し出そうとした。
 でも、僕の体は、クーリアスを求めていた。
 嫌だ!
 僕は、涙が溢れるのを感じていた。
 クーリアスは、噛みつくように僕を味わうとようやく唇を離す。
 「お前・・どうなってんだ?」
 「そんな、の・・わからない・・」
 僕がその場に座り込むのを見てクーリアスは、獰猛な笑みを浮かべた。
 「お前は、俺のもの、だ」
 逃げなくては!
 僕は、じりじりとクーリアスから距離をとる。
 「無駄だ!」
 クーリアスが僕を捕らえようとした時、更衣室のドアが開いて何人かの騎士たちがざわざわと話ながら入ってきた。
 一瞬、クーリアスがそっちに気をとられた隙に僕は、立ち上がり駆け出した。
 「ま、待て!」
 僕は、止まることなく部屋を出るとそのまま走り続けた。
 騎士団の練兵場から飛び出す。
 騎士団の練兵場は、王宮の中にある。
 僕は、止まることなく走った。
 王宮の森の奥に小さなみすぼらしい離宮があって、そこが僕の暮らす場所だ。
 僕は、そこに逃げ込むと自分の部屋へと向かう。
 カーテンを閉め、ベッドに腰を下ろしてホッと一息つく。
 「どうされたんですか?マクシア様」
 「ロナ!」
 僕は、ドアから覗いている栗色の髪に青い目をしたメイド姿の少女を見つめて言葉を詰まらせる。
 「僕・・なんか、変、だ・・」
 部屋の中に一歩踏み込んだロナがはっと息を飲むのがわかった。
 「もしかして・・マクシア様、発情・・してます?」
 僕は、頭を振った。
 そんなわけがない!
 だって、僕は、オメガじゃないし!
 
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