妹の身代りに生け贄にされたんだけどガチでマジ恋しちゃいました~世界にただ1人の男Ωは、邪神の激愛に絆される~

トモモト ヨシユキ

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9 月と2人の番たち

9ー1 時の狭間で

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 9ー1 時の狭間で

 僕は、白い世界にいた。
 背後から歩み寄ってく足音に振り向くとあの黒い男が立っていた。
 「なんでここに逃げ込んでくるかな?」
 「だって」
 僕は、ぷぅっと頬を膨らませる。
 「ここしか僕が逃げられる場所がなかったから」
 「てことは、記憶、戻ったのか?」
 時の神にきかれて僕は、首を傾げる。
 「どうかな?よくわからないな」
 「でも、ここにこれたってことは、そこそこには思い出せてるんだろう?」
 時の神がはぁ、っと吐息をついた。
 「おかげで光も闇も怒り狂っている。俺がお前に力を貸していると誤解されているんだぞ!どうしてくれるんだ?マクシア」
 「いや。だって、ほんとに力を貸してくれてたよね?」
 僕は、時の神の顔を下から覗き込んでにっこりと笑った。
 「ありがとうね」
 「ちっ!」
 時の神が僕から目をそらして舌打ちする。
 「とにかく!お前たちがごたごたしてるとややこしいんだよ!この世界のためにもならないしな!」
 時の神がその場に座り込んだ。
 「さっさとあの2人をろう絡しちまえよ!結局は、お前次第だろうが!」
 「そうなのかもしれないね」
 僕も時の神の隣に座り込む。
 ヴェルデも、ルーデニア兄上も僕にとっては愛しい番なのかもしれない。
 でも。
 僕には、すんなりとこれを飲み込むことはできなかった。
 だって。
 ルーデニア兄上に奪われたヴェルデと僕の子供のことを思うと簡単には、ルーデニア兄上を許すことなんてできそうにないし!
 まあ、あの子のことは、おいおいなんとかするとして。
 遠い昔の記憶に思いを馳せる。
 僕は、気がつくといつも1人で。
 他のみんなには番がいたのに、僕だけが1人ぼっちだった。
 だから、僕には、他者を愛することの意味がわからなかった。
 自分の分身である子供は、かわいかったけど、それは、あくまでも自分を愛することと変わりないこと。
 異界から時の神が迎えに来た時、僕は、胸の高鳴りを押さえることができなかった。
 もしかしたら。
 僕にも誰かを愛することができるのかもしれない、そう思ったんだ。
 そして、創造の主神と出会って。
 僕は、誰かを愛することを知った。
 彼が二つに別れても僕の気持ちは変わらなくて。
 ただ、愛おしさだけが溢れていたんだ。
 闇の神に撃たれた時、僕は、身籠っていて。
 自分の命と引き換えにしてでも新しい命を守ることしかできなかった。
 ようやくこの世界に戻れたのに。
 今度は、2人の番たちが争ってるなんて!
 争いをやめさせることは簡単かもしれないけどなんだか、それだけじゃ納得できそうにないし!
 どうしたらいいかな。
 僕は、ふぅ、っと嘆息した。
 
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