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8 異界との狭間
8ー10 別れ
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8ー10 別れ
「どういうことだ?なぜ、ここにお前がいる?」
ばん、と扉が開いて入ってきたルーデニア兄上が僕を抱いている黒い獣を睨み付けた。
「確かにお前は、封じた筈だが」
「時の神」
黒い獣がぐるる、と呻く。
「俺、逃げるの助けた」
時の神?
僕は、夢の中に出てきたあの黒ずくめの男のことを思い浮かべた。
あの人がヴェルデを助けてくれたの?
ルーデニア兄上がちっと舌打ちした。
「あいつめ!いったいどちらの見方なんだ?余計なことを!」
怖い顔をしていたルーデニア兄上が急に穏やかな表情に変わって僕に呼び掛けた。
「マクシア。そこは危険だ。こちらに来なさい」
「イヤだ!」
僕は、黒い獣の首もとに抱きついた。
「もう、ヴェルデから離れたくない!」
「しかし、それを封じなくては世界が」
「それは、嘘なんでしょ?」
僕は、ルーデニア兄上に問いかけた。
もしも、時の神が夢でなかったのなら。
彼がいったことが正しいならば、ヴェルデが封じられる必要なんてない!
ルーデニア兄上が顔を歪めて歯軋りをする。
「ほんとに余計なことをしてくれたな、時の神よ」
「行こう、ヴェルデ」
僕がヴェルデに抱きついたまま囁くとヴェルデが一声高く吠える。
ヴェルデの姿が闇に溶けていく。
僕は、離されまいといっそう強くヴェルデにしがみついた。
「待て!」
ルーデニア兄上が叫んだ。
「行くな!マクシア。もし、行けばあの村も、お前のメイドも滅ぼすぞ!」
思わず僕の体がびく、っと硬直するのに気付いてヴェルデが動きを止める。
「こいつ、やっぱり、殺す?」
ヴェルデが牙をむいているのを見て僕は、ヴェルデの体を撫でた。
「それは、ダメ」
おそらくはルーデニア兄上は、ヴェルデには殺せない。
それは、もちろんルーデニア兄上にも言えることだ。
ルーデニア兄上にヴェルデは、殺せない。
だから、なんかの理由をつけてヴェルデを封じようとしたんだろう。
僕は。
「下ろして、ヴェルデ」
「なぜ?」
ヴェルデが頭を振った。
「マクシア、離したくない!」
「大丈夫、僕は、ヴェルデからもう離れたりしないから」
僕がそっと顎下を撫でるとヴェルデが僕をそっと床に下ろした。
ヴェルデから離れたのを見てルーデニア兄上が僕に手を伸ばした。
「こっちへ!」
僕は、頭を振った。
僕は、まだ、ルーデニア兄上のもとには戻れない。
かといって、ヴェルデと共に行くこともできない。
だって。
ヴェルデもルーデニア兄上もどちらも僕の魂の番だったから。
僕は。
目を閉じる。
「僕は、ここにはいられない」
僕がいるせいで2人が争うなら僕は、この世界にいるべきじゃない。
僕は、目を開くとヴェルデとルーデニア兄上に微笑んだ。
「さようなら、僕の2人の番たち」
「どういうことだ?なぜ、ここにお前がいる?」
ばん、と扉が開いて入ってきたルーデニア兄上が僕を抱いている黒い獣を睨み付けた。
「確かにお前は、封じた筈だが」
「時の神」
黒い獣がぐるる、と呻く。
「俺、逃げるの助けた」
時の神?
僕は、夢の中に出てきたあの黒ずくめの男のことを思い浮かべた。
あの人がヴェルデを助けてくれたの?
ルーデニア兄上がちっと舌打ちした。
「あいつめ!いったいどちらの見方なんだ?余計なことを!」
怖い顔をしていたルーデニア兄上が急に穏やかな表情に変わって僕に呼び掛けた。
「マクシア。そこは危険だ。こちらに来なさい」
「イヤだ!」
僕は、黒い獣の首もとに抱きついた。
「もう、ヴェルデから離れたくない!」
「しかし、それを封じなくては世界が」
「それは、嘘なんでしょ?」
僕は、ルーデニア兄上に問いかけた。
もしも、時の神が夢でなかったのなら。
彼がいったことが正しいならば、ヴェルデが封じられる必要なんてない!
ルーデニア兄上が顔を歪めて歯軋りをする。
「ほんとに余計なことをしてくれたな、時の神よ」
「行こう、ヴェルデ」
僕がヴェルデに抱きついたまま囁くとヴェルデが一声高く吠える。
ヴェルデの姿が闇に溶けていく。
僕は、離されまいといっそう強くヴェルデにしがみついた。
「待て!」
ルーデニア兄上が叫んだ。
「行くな!マクシア。もし、行けばあの村も、お前のメイドも滅ぼすぞ!」
思わず僕の体がびく、っと硬直するのに気付いてヴェルデが動きを止める。
「こいつ、やっぱり、殺す?」
ヴェルデが牙をむいているのを見て僕は、ヴェルデの体を撫でた。
「それは、ダメ」
おそらくはルーデニア兄上は、ヴェルデには殺せない。
それは、もちろんルーデニア兄上にも言えることだ。
ルーデニア兄上にヴェルデは、殺せない。
だから、なんかの理由をつけてヴェルデを封じようとしたんだろう。
僕は。
「下ろして、ヴェルデ」
「なぜ?」
ヴェルデが頭を振った。
「マクシア、離したくない!」
「大丈夫、僕は、ヴェルデからもう離れたりしないから」
僕がそっと顎下を撫でるとヴェルデが僕をそっと床に下ろした。
ヴェルデから離れたのを見てルーデニア兄上が僕に手を伸ばした。
「こっちへ!」
僕は、頭を振った。
僕は、まだ、ルーデニア兄上のもとには戻れない。
かといって、ヴェルデと共に行くこともできない。
だって。
ヴェルデもルーデニア兄上もどちらも僕の魂の番だったから。
僕は。
目を閉じる。
「僕は、ここにはいられない」
僕がいるせいで2人が争うなら僕は、この世界にいるべきじゃない。
僕は、目を開くとヴェルデとルーデニア兄上に微笑んだ。
「さようなら、僕の2人の番たち」
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