83 / 86
9 月と2人の番たち
9ー3 ヒート
しおりを挟む
9ー3 ヒート
ヴェルデとルーデニア兄上は、時の狭間で僕を挟んで向き合っていた。
ヴェルデは、牙をむいて唸り声をあげているし、ルーデニア兄上も見たこともないような怖い顔をして睨み付けているし!
「2人とももっと仲良くできないの?もとは、同じ人でしょ?」
「いや、人ではないから」
ルーデニア兄上が細かいことを言うので僕は、じっと上目使いで見つめる。
「今は人だし」
「まあ、そうなんだが」
ルーデニア兄上がヴェルデを指差す。
「この獣と一緒にしないで欲しい」
「ヴェルデは、獣じゃないよ」
僕は、冷ややかに兄上を見た。
「どっちかというと兄上の方が酷いよね?」
「そ、それは・・」
ルーデニア兄上が青ざめる。
「全ては、お前を愛するが故だ!まあ、ちょっとやりすぎたかもしれないが・・」
「ちょっとじゃないよね?」
僕は、ルーデニア兄上をじとっと見つめた。
「僕たちの子供を殺そうとするとか。あり得ないし!」
「それ、は・・」
ルーデニア兄上が真っ青になってうつ向いてもごもごと言うのを僕は、鼻息も荒く見つめていた。
「・・すまなかった、マクシア」
「ヴェルデには?」
僕が促すとルーデニア兄上がそっぽを向いてイヤそうに頭を下げる。
「すまない」
「やっぱ、こいつ、殺そう」
ヴェルデが言うのを宥めてから2人のことを交互に見る。
うん。
光の神と闇の神である2人がこうして顔を会せるのは、たぶん、彼らが分かたれてから初めてのことだと思う。
僕は、ふっと唇に笑みを浮かべる。
「この時の狭間には、ほんとは2人ともこれるわけがないんだ。それが来ているってことは、2人で力をあわせて時を越えたんだね」
「マクシアのため」
「お前を取り戻すため、仕方なかったんだ」
2人は、お互いに視線をあわせようとはしないが、少しは近づいてるのかな?
僕は、それが嬉しかった。
「いい?2人とも」
僕は、ヴェルデとルーデニア兄上に言って聞かせるように話した。
「僕の番は、ここにいるヴェルデ、そして、ルーデニア兄上。2人ともが僕の大切な人なんだ。どちらも失いたくない愛しい番、だ」
「「マクシア!」」
2人がきらっきらの瞳で僕を見つめている。
ほんとにかわいいな!
もう、押し倒したいぐらいに!
僕は、もう、堪えきれない。
だって、愛しい番たちにようやく会えたのだから。
ヴェルデとルーデニア兄上の匂い。
2人のフェロモンが混ざりあってる!
僕は、呼吸が乱れて全身が火照ってくるのをどうにか我慢していた。
これは、間違いなくヒートだ!
体の奥から溢れてくる熱に僕は、座り込んだまま自分自身を抱き締めて堪えていた。
「どうしたんだ?マクシア」
「苦しい?マクシア」
ヴェルデとルーデニア兄上が僕に起きている異変に気付いてそれぞれ手を伸ばしてくる。
僕は、片手でヴェルデの手を握り、反対の手でルーデニア兄上の手を握る。
「僕の愛しい番たち・・きて・・」
ヴェルデとルーデニア兄上は、時の狭間で僕を挟んで向き合っていた。
ヴェルデは、牙をむいて唸り声をあげているし、ルーデニア兄上も見たこともないような怖い顔をして睨み付けているし!
「2人とももっと仲良くできないの?もとは、同じ人でしょ?」
「いや、人ではないから」
ルーデニア兄上が細かいことを言うので僕は、じっと上目使いで見つめる。
「今は人だし」
「まあ、そうなんだが」
ルーデニア兄上がヴェルデを指差す。
「この獣と一緒にしないで欲しい」
「ヴェルデは、獣じゃないよ」
僕は、冷ややかに兄上を見た。
「どっちかというと兄上の方が酷いよね?」
「そ、それは・・」
ルーデニア兄上が青ざめる。
「全ては、お前を愛するが故だ!まあ、ちょっとやりすぎたかもしれないが・・」
「ちょっとじゃないよね?」
僕は、ルーデニア兄上をじとっと見つめた。
「僕たちの子供を殺そうとするとか。あり得ないし!」
「それ、は・・」
ルーデニア兄上が真っ青になってうつ向いてもごもごと言うのを僕は、鼻息も荒く見つめていた。
「・・すまなかった、マクシア」
「ヴェルデには?」
僕が促すとルーデニア兄上がそっぽを向いてイヤそうに頭を下げる。
「すまない」
「やっぱ、こいつ、殺そう」
ヴェルデが言うのを宥めてから2人のことを交互に見る。
うん。
光の神と闇の神である2人がこうして顔を会せるのは、たぶん、彼らが分かたれてから初めてのことだと思う。
僕は、ふっと唇に笑みを浮かべる。
「この時の狭間には、ほんとは2人ともこれるわけがないんだ。それが来ているってことは、2人で力をあわせて時を越えたんだね」
「マクシアのため」
「お前を取り戻すため、仕方なかったんだ」
2人は、お互いに視線をあわせようとはしないが、少しは近づいてるのかな?
僕は、それが嬉しかった。
「いい?2人とも」
僕は、ヴェルデとルーデニア兄上に言って聞かせるように話した。
「僕の番は、ここにいるヴェルデ、そして、ルーデニア兄上。2人ともが僕の大切な人なんだ。どちらも失いたくない愛しい番、だ」
「「マクシア!」」
2人がきらっきらの瞳で僕を見つめている。
ほんとにかわいいな!
もう、押し倒したいぐらいに!
僕は、もう、堪えきれない。
だって、愛しい番たちにようやく会えたのだから。
ヴェルデとルーデニア兄上の匂い。
2人のフェロモンが混ざりあってる!
僕は、呼吸が乱れて全身が火照ってくるのをどうにか我慢していた。
これは、間違いなくヒートだ!
体の奥から溢れてくる熱に僕は、座り込んだまま自分自身を抱き締めて堪えていた。
「どうしたんだ?マクシア」
「苦しい?マクシア」
ヴェルデとルーデニア兄上が僕に起きている異変に気付いてそれぞれ手を伸ばしてくる。
僕は、片手でヴェルデの手を握り、反対の手でルーデニア兄上の手を握る。
「僕の愛しい番たち・・きて・・」
12
あなたにおすすめの小説
学内一のイケメンアルファとグループワークで一緒になったら溺愛されて嫁認定されました
こたま
BL
大学生の大野夏樹(なつき)は無自覚可愛い系オメガである。最近流行りのアクティブラーニング型講義でランダムに組まされたグループワーク。学内一のイケメンで優良物件と有名なアルファの金沢颯介(そうすけ)と一緒のグループになったら…。アルファ×オメガの溺愛BLです。
モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。
【完結】冷酷騎士団長を助けたら口移しでしか薬を飲まなくなりました
ざっしゅ
BL
異世界に転移してから一年、透(トオル)は、ゲームの知識を活かし、薬師としてのんびり暮らしていた。ある日、突然現れた洞窟を覗いてみると、そこにいたのは冷酷と噂される騎士団長・グレイド。毒に侵された彼を透は助けたが、その毒は、キスをしたり体を重ねないと完全に解毒できないらしい。
タイトルに※印がついている話はR描写が含まれています。
魔力ゼロの無能オメガのはずが嫁ぎ先の氷狼騎士団長に執着溺愛されて逃げられません!
松原硝子
BL
これは魔法とバース性のある異世界でのおはなし――。
15歳の魔力&バース判定で、神官から「魔力のほとんどないオメガ」と言い渡されたエリス・ラムズデール。
その途端、それまで可愛がってくれた両親や兄弟から「無能」「家の恥」と罵られて使用人のように扱われ、虐げられる生活を送ることに。
そんな中、エリスが21歳を迎える年に隣国の軍事大国ベリンガム帝国のヴァンダービルト公爵家の令息とアイルズベリー王国のラムズデール家の婚姻の話が持ち上がる。
だがヴァンダービルト公爵家の令息レヴィはベリンガム帝国の軍事のトップにしてその冷酷さと恐ろしいほどの頭脳から常勝の氷の狼と恐れられる騎士団長。しかもレヴィは戦場や公的な場でも常に顔をマスクで覆っているため、「傷で顔が崩れている」「二目と見ることができないほど醜い」という恐ろしい噂の持ち主だった。
そんな恐ろしい相手に子どもを嫁がせるわけにはいかない。ラムズデール公爵夫妻は無能のオメガであるエリスを差し出すことに決める。
「自分の使い道があるなら嬉しい」と考え、婚姻を大人しく受け入れたエリスだが、ベリンガム帝国へ嫁ぐ1週間前に階段から転げ落ち、前世――23年前に大陸の大戦で命を落とした帝国の第五王子、アラン・ベリンガムとしての記憶――を取り戻す。
前世では戦いに明け暮れ、今世では虐げられて生きてきたエリスは前世の祖国で平和でのんびりした幸せな人生を手に入れることを目標にする。
だが結婚相手のレヴィには驚きの秘密があった――!?
「きみとの結婚は数年で解消する。俺には心に決めた人がいるから」
初めて顔を合わせた日にレヴィにそう言い渡されたエリスは彼の「心に決めた人」を知り、自分の正体を知られてはいけないと誓うのだが……!?
銀髪×碧眼(33歳)の超絶美形の執着騎士団長に気が強いけど鈍感なピンク髪×蜂蜜色の目(20歳)が執着されて溺愛されるお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる