42 / 76
4章 ベイツの過去
39話 これって愚痴では?
しおりを挟む
『お前ら~~昔と違って、我のことを全然敬ってないだろ~~~。技術革新が起きてからの100年、ここに来る連中全員が[観光]や[デートスポット]で訪れるだけで、誰1人御礼を言う者がいないじゃないか~~~。1200年間街を見守っている樹に対して失礼だろうが~~』
みんなには、「ギギギギギギ~~」と不気味に聞こえるけど、私には普通に理解できるせいで、拍子抜けしてしまう。
『貴様らは我を敬わないくせに、勝手に願い事を言うだけ言って、叶った連中全員が誰1人お礼参りに来ない‼︎ 叶わなかったら叶わなかったで、鬱憤ばらしでわざわざ来て、俺を殴るな~~。不満を漏らすな~~~~。俺はただの樹だぞ~~~~。貴様らの願いなんて叶えられるわけないだろうが~~~。我に出来るのは、周辺地域の天候を制御できるくらいなんだぞ~~~~』
現在、大樹は木の言語で、日頃抱えていた鬱憤を吐きまくっています。その鬱憤が根っこに集約されているのか、さっきから無数の根っこで地面を叩きまくっているせいで、地面が結構揺れている。間近にいる私とユウキも巻き込まれると思ったけど、フリードが法術で障壁を張ってくれているので、私たちの周囲2メートルの空間だけが根からの攻撃を受けていない。
「ユウキ、スキル[同調]を使って。そうすれば、威圧から解放されるから」
木の言語を理解できれば、大樹に同情して、威圧の効果も薄まるはずだ。
「この雄叫びが…続く…以上…使う余裕が…ない。なんで…咲耶だけ効果ないんだ?」
だって、あの鬱憤を100%完璧に理解できるから、威圧されても全然怖くないんだよ。あれって、ただの愚痴だもん。
『ここの責任者を出せ~~~。この際だから、冒険者ギルドのギルドマスターでも構わん。確か、今の名前はガロードだったはずだ~~~~。街の住民全員に、言いたことがある~~~』
「あの大樹、相当な鬱憤を抱えているようですね」
フリードが大樹の方を見て、ぼそっと呟いたわ。
「フリード、鳥の言語だけでなく、木の言語も理解できるの?」
ルウリとフリードは友人同士だから、互いの言語で話し合えるのも理解できるけど、木と話し合う機会って、早々ないよ?
「生まれてから350年、世界中を渡り歩いていますから、様々な言語を習得しています。その中に、木の言語も含まれているのですよ」
ルウリは高位精霊だから、あらゆる言語を理解できると聞いているけど、魔物のフリードは独学で多言語を話せるようになった努力家さんなんだ。フリードと協力して、大樹様と話し合えることはできないだろうか?
「フリード、分身体に連絡してくれない?」
これだけ大暴れしている以上、ガロードさんに来てもらうのが得策だけど、いつまでも暴れ続けていたら、嵐であっても、住民たちもいずれ気づいてしまい、大騒動へと発展してしまう。
私とフリードが大樹と話し合い、少しでも時間稼ぎをしておきたい。
「咲耶、何か考えがあるようですね」
「このまま放置させると、被害が駅にまで広がってしまうわ。ガロードさんが来るまで、私が大樹様と話し合う」
フリードは大樹を見て、溜息を吐く。
「仕方ありませんね。今、分身体に伝えましたから、ガロードが来るまでの時間稼ぎをあなたにお願いしましょう。というか、この場で大樹に立ち向かえるのは私たちしかいないようですし」
大樹は街全土を見ているのか、真下にいる私たちに気づいていない。
「ねえフリード、動物や植物、どんな生物であれ、瘴気に長期間晒されてしまうと、魔物化してしまうんだよね? 魔物化したばかりの者は、瘴気の影響で理性を失っていて、狂気に支配されやすいとベイツさんから教わったわ。でも、あれってただの愚痴を大声で怒鳴っているだけであって、理性はあるよね?」
もし、自分自身を見失っていないのなら、私のスキルで話し合えるから、なんとか話し合いで解決したい。
「この世界の木々は、樹齢1000年を超えると精霊に進化します。1200年という時を生きているからこそ、知能も高く、自制心も強い。瘴気の影響で魔物化こそしていますが、正反対の力を持つ精霊の力が、魔物化の影響を最小限に抑えているのでしょう。ずっと観察していましたが、咲耶の言う通り、あの大樹は愚痴を周囲に当たり散らしているだけですね」
ということは、あの大樹の抱えるストレスを解消させ、魔物化した要因となる物体を取り除けば、元の姿に戻れるかもしれない。
「わかった、それなら話し合いは可能だね。大樹様~~~~~」
大樹様に気づいてもらうため、私は大声で叫んだのだけど、頭に血が上っているせいか、全然気づいてもらえない。
「大音響のせいで気づかないようですね。咲耶、どうします?」
この位置って、大樹様から死角になるよね。
それなら、こうするだけだよ!!
私は大樹の幹に触れ、心で語りかける。
『大樹様、大樹様、私の声が聞こえますか?』
私の心の声が届いたのか、暴れ狂う根っこがピタッと動きを止める。
『うん、この声は?』
『私たちは、あなたの真下にいます。今から動きますので、どうか根っこを動かさないでください』
『よかろう、お前に私の話を聞いてもらおう。そこから我の見える位置に動くがいい。それと、嵐が煩い。止めるから、ちょっと待て』
やっぱり、大樹様は理性を強く保っているわ。
これなら話し合いができる。
しばらくすると、嵐が収まり、雲の切れめから青空が見え、光が差し込んできた。さっきまでの大音量が嘘みたいに静まっている。本当に、この地域一帯の天候を操作できるんだ。
「大樹様、私は咲耶と言います!!」
大樹様の見える位置に移動して喋ったけど、聞こえているかな? 目覚めた当初よりも落ち着いているけど、まだ周囲の空気が重い。スキル[威圧]が解かれていないんだ。その証拠に、ユウキがまだ震えているもの。
まずは、大樹様に落ち着きを取り戻してもらおう。
『元気な女の子だな。そこの震えている子供と違い、其方は我の言葉を理解しているようだ。ならば、話は早い。領主か冒険者ギルドのギルドマスターを呼んでこい。ここで生まれてから、街の情報は周囲の木々を通じて、全て知っているぞ。領主とギルドマスターのガロードであれば、我の不平不満を理解してくれるはずだ』
私はどちらにも会ったことないけど、ベイツさんから人柄だけは聞いている。領主のアルバス・オルバイン様は、物腰柔らかな50歳くらい白髪混じりの男性らしく、曲がったことは許さない性格で、不正があった場合は、どんな相手であろうとも、容赦なく断罪する。《辺境伯》という爵位を持っているから、大抵の貴族は、その身分を聞いただけで怖気付くみたい。
冒険者ギルドのギルドマスターさんは五十歳くらいだけど、その地位に相応しいほどの強さとカリスマ性を持っており、やや粗野な一面もあるけど、人間味に溢れた優しい人物らしい。
そんな人物であれば、大樹の不平不満を聞いてくれると思うけど、それ以前に互いの言語が異なるから、コミニュケーションそのものが成立しない。私は、必死に2人の人間性とコミニュケーシンの欠如を説明し、互いに会話できるための橋渡し役として、自分自身を志願した。
『コミニュケーションが出来ぬ以上、橋渡しが必要か。よかろう、咲耶にその役目を担ってもらおう』
そこから、私は少しだけ大樹様とお話しした。怒りが静まってから時間も経過していないこともあり、かなり早口で語られたけど、何とか聞き取れた。
街一帯に生えている木々たちとは、スキル[念話]で互いに話し合えていた。この力で他の種族にコミニュケーションを図ろうとしたこともあるようだけど、交信する際の言語が【木】となってしまうので、相手は薄気味悪がって、すぐに通信を断絶してしまう。私のように、木とお話しできる人は、非常に少ないみたい。
「ガロードさんも、もうすぐここに駆けつけてくれるので、その間はここで私とここにいる猫又のフリードと話し合いをしましょう」
『話し合い……そうだな、よかろ……うん? うん?』
突然、どうしたのだろう?
大樹様は首を傾げているかのように、木全体を横に少し揺らす。
『今更だが、私は人間族の咲耶と話し合っているよな?』
「はい、そうですね」
『コミニュケーションも成立しているよな?』
「はい、成立していますね」
10分程度だけど、きちんと話し合っていたよ?
今更、何を言っているのだろう?
『私は……今……人と会話をしているのか。ついさっきまで、怒りで我を忘れかけていたが……人と話し合えるのは……そうだ、85年ぶりだ』
85年ぶり!?
『そうだ…85年ぶりの人との会話だ。私は、ずっと木以外の者たちとの会話を求めていた。冷静になれたことで、自分の危うい状況を深く理解した。木の言語を理解する人間と魔物は久しぶりだから、ゆっくり話し合おう』
あ、挙動不審さが消えたし、周囲の空気も軽くなった。
スキル[威圧]が解除されたんだ。
これなら、ユウキも話し合いに参加できる。
大樹様が、冷静になってくれて良かった……と安心したのがいけなかったのか、そこから大樹様のマシンガン愚痴トークが始まった。
みんなには、「ギギギギギギ~~」と不気味に聞こえるけど、私には普通に理解できるせいで、拍子抜けしてしまう。
『貴様らは我を敬わないくせに、勝手に願い事を言うだけ言って、叶った連中全員が誰1人お礼参りに来ない‼︎ 叶わなかったら叶わなかったで、鬱憤ばらしでわざわざ来て、俺を殴るな~~。不満を漏らすな~~~~。俺はただの樹だぞ~~~~。貴様らの願いなんて叶えられるわけないだろうが~~~。我に出来るのは、周辺地域の天候を制御できるくらいなんだぞ~~~~』
現在、大樹は木の言語で、日頃抱えていた鬱憤を吐きまくっています。その鬱憤が根っこに集約されているのか、さっきから無数の根っこで地面を叩きまくっているせいで、地面が結構揺れている。間近にいる私とユウキも巻き込まれると思ったけど、フリードが法術で障壁を張ってくれているので、私たちの周囲2メートルの空間だけが根からの攻撃を受けていない。
「ユウキ、スキル[同調]を使って。そうすれば、威圧から解放されるから」
木の言語を理解できれば、大樹に同情して、威圧の効果も薄まるはずだ。
「この雄叫びが…続く…以上…使う余裕が…ない。なんで…咲耶だけ効果ないんだ?」
だって、あの鬱憤を100%完璧に理解できるから、威圧されても全然怖くないんだよ。あれって、ただの愚痴だもん。
『ここの責任者を出せ~~~。この際だから、冒険者ギルドのギルドマスターでも構わん。確か、今の名前はガロードだったはずだ~~~~。街の住民全員に、言いたことがある~~~』
「あの大樹、相当な鬱憤を抱えているようですね」
フリードが大樹の方を見て、ぼそっと呟いたわ。
「フリード、鳥の言語だけでなく、木の言語も理解できるの?」
ルウリとフリードは友人同士だから、互いの言語で話し合えるのも理解できるけど、木と話し合う機会って、早々ないよ?
「生まれてから350年、世界中を渡り歩いていますから、様々な言語を習得しています。その中に、木の言語も含まれているのですよ」
ルウリは高位精霊だから、あらゆる言語を理解できると聞いているけど、魔物のフリードは独学で多言語を話せるようになった努力家さんなんだ。フリードと協力して、大樹様と話し合えることはできないだろうか?
「フリード、分身体に連絡してくれない?」
これだけ大暴れしている以上、ガロードさんに来てもらうのが得策だけど、いつまでも暴れ続けていたら、嵐であっても、住民たちもいずれ気づいてしまい、大騒動へと発展してしまう。
私とフリードが大樹と話し合い、少しでも時間稼ぎをしておきたい。
「咲耶、何か考えがあるようですね」
「このまま放置させると、被害が駅にまで広がってしまうわ。ガロードさんが来るまで、私が大樹様と話し合う」
フリードは大樹を見て、溜息を吐く。
「仕方ありませんね。今、分身体に伝えましたから、ガロードが来るまでの時間稼ぎをあなたにお願いしましょう。というか、この場で大樹に立ち向かえるのは私たちしかいないようですし」
大樹は街全土を見ているのか、真下にいる私たちに気づいていない。
「ねえフリード、動物や植物、どんな生物であれ、瘴気に長期間晒されてしまうと、魔物化してしまうんだよね? 魔物化したばかりの者は、瘴気の影響で理性を失っていて、狂気に支配されやすいとベイツさんから教わったわ。でも、あれってただの愚痴を大声で怒鳴っているだけであって、理性はあるよね?」
もし、自分自身を見失っていないのなら、私のスキルで話し合えるから、なんとか話し合いで解決したい。
「この世界の木々は、樹齢1000年を超えると精霊に進化します。1200年という時を生きているからこそ、知能も高く、自制心も強い。瘴気の影響で魔物化こそしていますが、正反対の力を持つ精霊の力が、魔物化の影響を最小限に抑えているのでしょう。ずっと観察していましたが、咲耶の言う通り、あの大樹は愚痴を周囲に当たり散らしているだけですね」
ということは、あの大樹の抱えるストレスを解消させ、魔物化した要因となる物体を取り除けば、元の姿に戻れるかもしれない。
「わかった、それなら話し合いは可能だね。大樹様~~~~~」
大樹様に気づいてもらうため、私は大声で叫んだのだけど、頭に血が上っているせいか、全然気づいてもらえない。
「大音響のせいで気づかないようですね。咲耶、どうします?」
この位置って、大樹様から死角になるよね。
それなら、こうするだけだよ!!
私は大樹の幹に触れ、心で語りかける。
『大樹様、大樹様、私の声が聞こえますか?』
私の心の声が届いたのか、暴れ狂う根っこがピタッと動きを止める。
『うん、この声は?』
『私たちは、あなたの真下にいます。今から動きますので、どうか根っこを動かさないでください』
『よかろう、お前に私の話を聞いてもらおう。そこから我の見える位置に動くがいい。それと、嵐が煩い。止めるから、ちょっと待て』
やっぱり、大樹様は理性を強く保っているわ。
これなら話し合いができる。
しばらくすると、嵐が収まり、雲の切れめから青空が見え、光が差し込んできた。さっきまでの大音量が嘘みたいに静まっている。本当に、この地域一帯の天候を操作できるんだ。
「大樹様、私は咲耶と言います!!」
大樹様の見える位置に移動して喋ったけど、聞こえているかな? 目覚めた当初よりも落ち着いているけど、まだ周囲の空気が重い。スキル[威圧]が解かれていないんだ。その証拠に、ユウキがまだ震えているもの。
まずは、大樹様に落ち着きを取り戻してもらおう。
『元気な女の子だな。そこの震えている子供と違い、其方は我の言葉を理解しているようだ。ならば、話は早い。領主か冒険者ギルドのギルドマスターを呼んでこい。ここで生まれてから、街の情報は周囲の木々を通じて、全て知っているぞ。領主とギルドマスターのガロードであれば、我の不平不満を理解してくれるはずだ』
私はどちらにも会ったことないけど、ベイツさんから人柄だけは聞いている。領主のアルバス・オルバイン様は、物腰柔らかな50歳くらい白髪混じりの男性らしく、曲がったことは許さない性格で、不正があった場合は、どんな相手であろうとも、容赦なく断罪する。《辺境伯》という爵位を持っているから、大抵の貴族は、その身分を聞いただけで怖気付くみたい。
冒険者ギルドのギルドマスターさんは五十歳くらいだけど、その地位に相応しいほどの強さとカリスマ性を持っており、やや粗野な一面もあるけど、人間味に溢れた優しい人物らしい。
そんな人物であれば、大樹の不平不満を聞いてくれると思うけど、それ以前に互いの言語が異なるから、コミニュケーションそのものが成立しない。私は、必死に2人の人間性とコミニュケーシンの欠如を説明し、互いに会話できるための橋渡し役として、自分自身を志願した。
『コミニュケーションが出来ぬ以上、橋渡しが必要か。よかろう、咲耶にその役目を担ってもらおう』
そこから、私は少しだけ大樹様とお話しした。怒りが静まってから時間も経過していないこともあり、かなり早口で語られたけど、何とか聞き取れた。
街一帯に生えている木々たちとは、スキル[念話]で互いに話し合えていた。この力で他の種族にコミニュケーションを図ろうとしたこともあるようだけど、交信する際の言語が【木】となってしまうので、相手は薄気味悪がって、すぐに通信を断絶してしまう。私のように、木とお話しできる人は、非常に少ないみたい。
「ガロードさんも、もうすぐここに駆けつけてくれるので、その間はここで私とここにいる猫又のフリードと話し合いをしましょう」
『話し合い……そうだな、よかろ……うん? うん?』
突然、どうしたのだろう?
大樹様は首を傾げているかのように、木全体を横に少し揺らす。
『今更だが、私は人間族の咲耶と話し合っているよな?』
「はい、そうですね」
『コミニュケーションも成立しているよな?』
「はい、成立していますね」
10分程度だけど、きちんと話し合っていたよ?
今更、何を言っているのだろう?
『私は……今……人と会話をしているのか。ついさっきまで、怒りで我を忘れかけていたが……人と話し合えるのは……そうだ、85年ぶりだ』
85年ぶり!?
『そうだ…85年ぶりの人との会話だ。私は、ずっと木以外の者たちとの会話を求めていた。冷静になれたことで、自分の危うい状況を深く理解した。木の言語を理解する人間と魔物は久しぶりだから、ゆっくり話し合おう』
あ、挙動不審さが消えたし、周囲の空気も軽くなった。
スキル[威圧]が解除されたんだ。
これなら、ユウキも話し合いに参加できる。
大樹様が、冷静になってくれて良かった……と安心したのがいけなかったのか、そこから大樹様のマシンガン愚痴トークが始まった。
176
あなたにおすすめの小説
滅びる異世界に転生したけど、幼女は楽しく旅をする!
白夢
ファンタジー
何もしないでいいから、世界の終わりを見届けてほしい。
そう言われて、異世界に転生することになった。
でも、どうせ転生したなら、この異世界が滅びる前に観光しよう。
どうせ滅びる世界なら、思いっきり楽しもう。
だからわたしは旅に出た。
これは一人の幼女と小さな幻獣の、
世界なんて救わないつもりの放浪記。
〜〜〜
ご訪問ありがとうございます。
可愛い女の子が頼れる相棒と美しい世界で旅をする、幸せなファンタジーを目指しました。
ファンタジー小説大賞エントリー作品です。気に入っていただけましたら、ぜひご投票をお願いします。
お気に入り、ご感想、応援などいただければ、とても喜びます。よろしくお願いします!
23/01/08 表紙画像を変更しました
私の薬華異堂薬局は異世界につくるのだ
柚木 潤
ファンタジー
薬剤師の舞は、亡くなった祖父から託された鍵で秘密の扉を開けると、不思議な薬が書いてある古びた書物を見つけた。
そしてその扉の中に届いた異世界からの手紙に導かれその世界に転移すると、そこは人間だけでなく魔人、精霊、翼人などが存在する世界であった。
舞はその世界の魔人の王に見合う女性になる為に、異世界で勉強する事を決断する。
舞は薬師大学校に聴講生として入るのだが、のんびりと学生をしている状況にはならなかった。
以前も現れた黒い影の集合体や、舞を監視する存在が見え隠れし始めたのだ・・・
「薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ」の続編になります。
主人公「舞」は異世界に拠点を移し、薬師大学校での学生生活が始まります。
前作で起きた話の説明も間に挟みながら書いていく予定なので、前作を読んでいなくてもわかるようにしていこうと思います。
また、意外なその異世界の秘密や、新たな敵というべき存在も現れる予定なので、前作と合わせて読んでいただけると嬉しいです。
以前の登場人物についてもプロローグのに軽く記載しましたので、よかったら参考にしてください。
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
婚約破棄されたので森の奥でカフェを開いてスローライフ
あげは
ファンタジー
「私は、ユミエラとの婚約を破棄する!」
学院卒業記念パーティーで、婚約者である王太子アルフリードに突然婚約破棄された、ユミエラ・フォン・アマリリス公爵令嬢。
家族にも愛されていなかったユミエラは、王太子に婚約破棄されたことで利用価値がなくなったとされ家を勘当されてしまう。
しかし、ユミエラに特に気にした様子はなく、むしろ喜んでいた。
これまでの生活に嫌気が差していたユミエラは、元孤児で転生者の侍女ミシェルだけを連れ、その日のうちに家を出て人のいない森の奥に向かい、森の中でカフェを開くらしい。
「さあ、ミシェル! 念願のスローライフよ! 張り切っていきましょう!」
王都を出るとなぜか国を守護している神獣が待ち構えていた。
どうやら国を捨てユミエラについてくるらしい。
こうしてユミエラは、転生者と神獣という何とも不思議なお供を連れ、優雅なスローライフを楽しむのであった。
一方、ユミエラを追放し、神獣にも見捨てられた王国は、愚かな王太子のせいで混乱に陥るのだった――。
なろう・カクヨムにも投稿
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
僕だけレベル1~レベルが上がらず無能扱いされた僕はパーティーを追放された。実は神様の不手際だったらしく、お詫びに最強スキルをもらいました~
いとうヒンジ
ファンタジー
ある日、イチカ・シリルはパーティーを追放された。
理由は、彼のレベルがいつまでたっても「1」のままだったから。
パーティーメンバーで幼馴染でもあるキリスとエレナは、ここぞとばかりにイチカを罵倒し、邪魔者扱いする。
友人だと思っていた幼馴染たちに無能扱いされたイチカは、失意のまま家路についた。
その夜、彼は「カミサマ」を名乗る少女と出会い、自分のレベルが上がらないのはカミサマの所為だったと知る。
カミサマは、自身の不手際のお詫びとしてイチカに最強のスキルを与え、これからは好きに生きるようにと助言した。
キリスたちは力を得たイチカに仲間に戻ってほしいと懇願する。だが、自分の気持ちに従うと決めたイチカは彼らを見捨てて歩き出した。
最強のスキルを手に入れたイチカ・シリルの新しい冒険者人生が、今幕を開ける。
ギルドの小さな看板娘さん~実はモンスターを完全回避できちゃいます。夢はたくさんのもふもふ幻獣と暮らすことです~
うみ
ファンタジー
「魔法のリンゴあります! いかがですか!」
探索者ギルドで満面の笑みを浮かべ、元気よく魔法のリンゴを売る幼い少女チハル。
探索者たちから可愛がられ、魔法のリンゴは毎日完売御礼!
単に彼女が愛らしいから売り切れているわけではなく、魔法のリンゴはなかなかのものなのだ。
そんな彼女には「夜」の仕事もあった。それは、迷宮で迷子になった探索者をこっそり助け出すこと。
小さな彼女には秘密があった。
彼女の奏でる「魔曲」を聞いたモンスターは借りてきた猫のように大人しくなる。
魔曲の力で彼女は安全に探索者を救い出すことができるのだ。
そんな彼女の夢は「魔晶石」を集め、幻獣を喚び一緒に暮らすこと。
たくさんのもふもふ幻獣と暮らすことを夢見て今日もチハルは「魔法のリンゴ」を売りに行く。
実は彼女は人間ではなく――その正体は。
チハルを中心としたほのぼの、柔らかなおはなしをどうぞお楽しみください。
土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~
にゃーにゃ
ファンタジー
「土属性だから追放だ!」理不尽な理由で追放されるも「はいはい。おっけー」主人公は特にパーティーに恨みも、未練もなく、世界が危機的な状況、というわけでもなかったので、ササッと王都を去り、辺境の地にたどり着く。
「助けなきゃ!」そんな感じで、世界樹の少女を襲っていた四天王の一人を瞬殺。 少女にほれられて、即座に結婚する。「ここを開拓してスローライフでもしてみようか」 主人公は土属性パワーで一瞬で辺境を開拓。ついでに魔王を超える存在を土属性で作ったゴーレムの物量で圧殺。
主人公は、世界樹の少女が生成したタネを、育てたり、のんびりしながら辺境で平和にすごす。そんな主人公のもとに、ドワーフ、魚人、雪女、魔王四天王、魔王、といった亜人のなかでも一際キワモノの種族が次から次へと集まり、彼らがもたらす特産品によってドンドン村は発展し豊かに、にぎやかになっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる