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5章 猫の恩返し
65話 咲耶の手料理、披露します
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フェスタ2日目、私は主催者テントへ行き、テンタクルズオクトパスに関わるスケジュールを領主様から聞いたのだけど、急遽この大型テントで実施することになったのに、この時点で2日目の調理者は私を含めて13人もいるため、順番はくじ引きで決められることになった。そして、一番手はなんと私になってしまい、しかも今から調理室へ直行し、料理を作ることになってしまった。一応、周囲は壁で覆われているけど、テントなので、声や音も筒抜けだし、私の後方には3人の監視員がいる。今後も騒動が起こることを考慮しての措置みたい。マジックバッグがあれば、店や家で事前に作ることもできるけど、それだと毒物が混入される恐れがある。だから、この場できちんと調理しているか、また毒物などを混入させないための監視だね。
「咲耶、くじ運が良いのか悪いのか不明ですが、あの料理を作り、皆の反応を聞いてみましょう」
「そうだね。味見をする人々も入れて、合計10人分作らないといけないから、少し大変だけど頑張ろう」
フリードは私の護衛だけど、舌舐めずりしているからつまみ食いする気が満々みたい。私の作る2品は、大阪などで有名な[イカ焼き]と、[タコのアヒージョ]だ。食べてわかったけど、あの魔物の味は、イカとタコの両面を併せ持っているから、どちらを作っても飽きのこないものに仕上がった。全員に行き渡るよう、量も調整しているし、フリードも手伝ってくれるから、そこまで重労働じゃない。出来上がり次第、冷めないようベイツさんのバッグに入れていこう。次の参加者以降、私がその役目を担っているから、かなり忙しくなるわね。
「ほほほ、手早くやっていきますよ」
「うん」
食材を全て切り分けていき、調味料を準備していく。あとは、鉄板上で炒めるだけでいい。それぞれ10人分あるから、フリードには[アヒージョ]の調理を任せている。彼の場合、大型の調理器具を使わずに、法術で手早くやっているから羨ましい。監視員もフリードの手腕を見て、呆然と立ち尽くしている。調理者に関しては特に規定もないから、お手伝いがいても問題ないと言われているけど、まさか猫又が手伝うとは思ってなかったのね。
フリードは法術で早々にアヒージョを完成させると、それをテーブルに置かれている10枚の少し深さのある小皿へ均等に具材を入れていく。監視員が『猫又、料理上手すぎ』『私より上手くない?』『法術で調理なんて聞いたことないよ』とぶつぶつ呟いているわ。
「はい、これで終了です。あとは咲耶の担当するイカ焼きですね。試食してわかりましたが、これは病みつきになるお味ですね。程よく甘く濃いソースが卵に絶妙に絡み合い、それらが肉の味を引き立たせています。これは飽きませんよ。どちらかと言えば、私はこちらの方が好みです」
フリード用に作っておいたイカ焼きをつまみ食いしながら、彼は完成品を次々とバッグに入れていく。そして、全てが完成し、私が3人の審査員方とテーブルに置かれている大きめのプレートにお皿にイカ焼きとアヒージョを置いていく。7名の味見人の方々も既に席に座っているため、いつでも食べられる状態だ。
全ての配膳が終了すると、審査員長でもあるオルバイン辺境伯(領主)様が質問してきた。
「1品はありふれたものを使っているが、もう1品はこれまでにないものだ。咲耶、これらのコンセプトを教えてもらえないかな?」
視線を上げると、周囲が大勢の見学客で溢れていることに気づく。味見人の中に、アレスとザフィルドさんもいるけど、もしかして私の料理を味見するために志願したのかな?
まずは、しっかりと質問に答えていきましょう。
「一品目は、[露店]をコンセプトに開発しています。料理名はイカ焼き、平民でも安く美味しいをモットーに調理しており、中の具材もテンタクルズオクトパスの味に近い安価で入手可能な海の魔物を使えば、150ゴルド前後で販売可能です」
一目見れば、誰にでも調理できそうな料理だけど、案外奥深いもので、露店の店で行列になっているレベルのものと、一般家庭で作るものとでは、全然味が違う。光希たちはそれを理解してなのか、ネットに掲載されている有名店のイカ焼きレシピ(一部)を参考に、自分たちでアレンジして、店レベルに近づけたと掲示板に書かれていたわ。150ゴルドと言ったせいか、周囲も少しざわついている。
審査員や味見人たちが、料理を口に入れていく。アレスもイカ焼きを一口食べると驚いているのがわかるけど、味か値段、どちらで驚いているのかな?
「ふ~む、ほの甘く洗練された味わいだ。卵と具材が絶妙にマッチしている。海に面した国であれば、テンタクルズオクトパスは何処にでも出現する。年1体出るかどうかだが、過去討伐された全てが宝物庫に保管されている以上、それらを完全に淘汰せねばならん。年数も考慮して、具材の原価に関してはゼロと考えればいい。そうなると、この値段設定で、平民に振る舞うことも可能だ。一人分で使用する肉の量は少ないが、これならば大勢の者が食せる」
領主様の評価が、思った以上に高い。アレスの目的を達成させるために開発したものだけど、元々彼はデザートを露店に出店したいと言っていたから、この料理を見ても惹きつけられないかもしれない。彼の方を見ると、イカ焼きを食べながら何か考え込んでいる。
「もう一品の名は、[アヒージョ]です。植物性オイルに浸し、そこに一般的に知られる調味料を加え、肉を炒めました。そちらの固めのパンに関しては、オイルに浸して食してください。こちらは貴族用に開発したもので、熱い料理のため、露店には不向きですが、お店で提供可能です」
ここで重要なのは、植物性オイルの品質だ。これを妥協しちゃうと、味の落差がかなり激しくなる。私も日本で食べて、しっかりと実感したもの。このアヒージョを食べた審査員方は、どんな反応をするかな?
「これは…実に上品な味わいだ。上質なオイルと調味料、ネタの鮮度、全てが揃わないと、この味を出せんよ。かなり熱いが、これが肉の旨みを最大限に引き出している。一品の量としては少なく思えるが、最後にパンを味わうことで、お腹をやや満たしてくれる。メインは無理でも、その繋ぎに十分使えるレベルだ」
やった‼︎
領主様の評価は上々だ。
他2人の審査員も互いに話し合い、皆笑顔で領主様の言葉に頷いているわ。
審査員の出した点数は、2品とも24点(満点30)だ。
一番手の場合、それが今後の指標になることもあって、点数は大抵控えめに出るものだ。味見してくれた人々も、2品を食べて顔を顰めるものは誰1人いない。これなら口コミで、街中に広がってくれるわ。定食屋[ガブリ]の新規料理に連なってくれれば満足だ。アレスも満足そうに見えるけど、デザートでない以上、これらが彼の求めるものであるかは怪しい。フェスタ期間中に課題に映える物がない場合、私・リット・ユウキで開発したアレを試食してもらおう。
「咲耶、くじ運が良いのか悪いのか不明ですが、あの料理を作り、皆の反応を聞いてみましょう」
「そうだね。味見をする人々も入れて、合計10人分作らないといけないから、少し大変だけど頑張ろう」
フリードは私の護衛だけど、舌舐めずりしているからつまみ食いする気が満々みたい。私の作る2品は、大阪などで有名な[イカ焼き]と、[タコのアヒージョ]だ。食べてわかったけど、あの魔物の味は、イカとタコの両面を併せ持っているから、どちらを作っても飽きのこないものに仕上がった。全員に行き渡るよう、量も調整しているし、フリードも手伝ってくれるから、そこまで重労働じゃない。出来上がり次第、冷めないようベイツさんのバッグに入れていこう。次の参加者以降、私がその役目を担っているから、かなり忙しくなるわね。
「ほほほ、手早くやっていきますよ」
「うん」
食材を全て切り分けていき、調味料を準備していく。あとは、鉄板上で炒めるだけでいい。それぞれ10人分あるから、フリードには[アヒージョ]の調理を任せている。彼の場合、大型の調理器具を使わずに、法術で手早くやっているから羨ましい。監視員もフリードの手腕を見て、呆然と立ち尽くしている。調理者に関しては特に規定もないから、お手伝いがいても問題ないと言われているけど、まさか猫又が手伝うとは思ってなかったのね。
フリードは法術で早々にアヒージョを完成させると、それをテーブルに置かれている10枚の少し深さのある小皿へ均等に具材を入れていく。監視員が『猫又、料理上手すぎ』『私より上手くない?』『法術で調理なんて聞いたことないよ』とぶつぶつ呟いているわ。
「はい、これで終了です。あとは咲耶の担当するイカ焼きですね。試食してわかりましたが、これは病みつきになるお味ですね。程よく甘く濃いソースが卵に絶妙に絡み合い、それらが肉の味を引き立たせています。これは飽きませんよ。どちらかと言えば、私はこちらの方が好みです」
フリード用に作っておいたイカ焼きをつまみ食いしながら、彼は完成品を次々とバッグに入れていく。そして、全てが完成し、私が3人の審査員方とテーブルに置かれている大きめのプレートにお皿にイカ焼きとアヒージョを置いていく。7名の味見人の方々も既に席に座っているため、いつでも食べられる状態だ。
全ての配膳が終了すると、審査員長でもあるオルバイン辺境伯(領主)様が質問してきた。
「1品はありふれたものを使っているが、もう1品はこれまでにないものだ。咲耶、これらのコンセプトを教えてもらえないかな?」
視線を上げると、周囲が大勢の見学客で溢れていることに気づく。味見人の中に、アレスとザフィルドさんもいるけど、もしかして私の料理を味見するために志願したのかな?
まずは、しっかりと質問に答えていきましょう。
「一品目は、[露店]をコンセプトに開発しています。料理名はイカ焼き、平民でも安く美味しいをモットーに調理しており、中の具材もテンタクルズオクトパスの味に近い安価で入手可能な海の魔物を使えば、150ゴルド前後で販売可能です」
一目見れば、誰にでも調理できそうな料理だけど、案外奥深いもので、露店の店で行列になっているレベルのものと、一般家庭で作るものとでは、全然味が違う。光希たちはそれを理解してなのか、ネットに掲載されている有名店のイカ焼きレシピ(一部)を参考に、自分たちでアレンジして、店レベルに近づけたと掲示板に書かれていたわ。150ゴルドと言ったせいか、周囲も少しざわついている。
審査員や味見人たちが、料理を口に入れていく。アレスもイカ焼きを一口食べると驚いているのがわかるけど、味か値段、どちらで驚いているのかな?
「ふ~む、ほの甘く洗練された味わいだ。卵と具材が絶妙にマッチしている。海に面した国であれば、テンタクルズオクトパスは何処にでも出現する。年1体出るかどうかだが、過去討伐された全てが宝物庫に保管されている以上、それらを完全に淘汰せねばならん。年数も考慮して、具材の原価に関してはゼロと考えればいい。そうなると、この値段設定で、平民に振る舞うことも可能だ。一人分で使用する肉の量は少ないが、これならば大勢の者が食せる」
領主様の評価が、思った以上に高い。アレスの目的を達成させるために開発したものだけど、元々彼はデザートを露店に出店したいと言っていたから、この料理を見ても惹きつけられないかもしれない。彼の方を見ると、イカ焼きを食べながら何か考え込んでいる。
「もう一品の名は、[アヒージョ]です。植物性オイルに浸し、そこに一般的に知られる調味料を加え、肉を炒めました。そちらの固めのパンに関しては、オイルに浸して食してください。こちらは貴族用に開発したもので、熱い料理のため、露店には不向きですが、お店で提供可能です」
ここで重要なのは、植物性オイルの品質だ。これを妥協しちゃうと、味の落差がかなり激しくなる。私も日本で食べて、しっかりと実感したもの。このアヒージョを食べた審査員方は、どんな反応をするかな?
「これは…実に上品な味わいだ。上質なオイルと調味料、ネタの鮮度、全てが揃わないと、この味を出せんよ。かなり熱いが、これが肉の旨みを最大限に引き出している。一品の量としては少なく思えるが、最後にパンを味わうことで、お腹をやや満たしてくれる。メインは無理でも、その繋ぎに十分使えるレベルだ」
やった‼︎
領主様の評価は上々だ。
他2人の審査員も互いに話し合い、皆笑顔で領主様の言葉に頷いているわ。
審査員の出した点数は、2品とも24点(満点30)だ。
一番手の場合、それが今後の指標になることもあって、点数は大抵控えめに出るものだ。味見してくれた人々も、2品を食べて顔を顰めるものは誰1人いない。これなら口コミで、街中に広がってくれるわ。定食屋[ガブリ]の新規料理に連なってくれれば満足だ。アレスも満足そうに見えるけど、デザートでない以上、これらが彼の求めるものであるかは怪しい。フェスタ期間中に課題に映える物がない場合、私・リット・ユウキで開発したアレを試食してもらおう。
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