転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護

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本編

76話 気になる依頼、見〜つけた 

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冒険者の集まる依頼掲示板まで来たけど、タウセントの街の人たちと同様、掲示板を見つめるみんなの目は真剣そのもの。

ランク別依頼、共通依頼、指名依頼を見ているけど、何故かすぐに剥ぎ取ろうとしない。タウセントだと、報酬が高く、依頼内容も達成しやすいものに関しては、奪い合いになる時もあるのに。

この真剣さは、何処からくるのだろう?

「トーイ、みんなが真剣なのはわかるけど、タウセントで見かける奪い合いがないのは何故?」

特に、ランクの低い人たちは、《達成しやすい依頼》《高い報酬》がセットなものへと群がる傾向があるのに、ここではそれがない。

「良い観察力だね。タウセントと違い、ここは王都だからさ」

意味不明なんですけど?

「タウセントを守る街長は、不浄を見逃さない。相手が商人や貴族であっても、必ず隠蔽している罪を暴き出す。そのおかげで、冒険者ギルドへ集まる依頼の99%以上が真っ当なもの。ここは王都、規模はタウセントの数倍、この地を支配する王族も、全ての犯罪を見通せるわけではない」

つまり、タウセントの規模は王都よりも小さいので、街長のマーカス様も街に住む貴族の犯罪を掴みやすい。でも、王都には、多くの平民や貴族が住んでいる分、闇も深いので、全ての犯罪を見通せないってこと?

「まさか、こういった依頼にも、犯罪が紛れ込んでいるの?」
「ご名答。実は禁止薬物の運搬依頼で、それを知らない冒険者が他国で捕縛されてしまい、懲役10年なんてケースもある」

怖いよ!

「村からの魔物討伐依頼だと、その魔物が実は遠く離れた街の貴族のペットで、貴族は行方を掴んでも、既に討伐されていたことに怒り狂い、依頼人は貴族の逆鱗を恐れて、全ての責任を冒険者に押し付け、冒険者は貴族の手によって闇に葬られる…なんてこともある」

酷過ぎない!? 

村と街の連携が取れてないせいで、冒険者が殺されるのっておかしくない?

そんな依頼が、この中に隠れているかもしれないの? 
みんなが真剣に話し合い、依頼を吟味しているのも納得だよ。

「冒険者で高位を目指すのなら、そういったことも考慮して、依頼を引き受けないといけないんだね」

「そういうこと。冒険者の場合、ランクが低くなるごとに、死亡率が高くなる原因は経験不足もあるだろうけど、そう言った犯罪に巻き込まれやすいから」

はあ~~~、冒険者も大変だ。

相談も終わり、みんなが依頼の紙を剥ぎ取っていくと、あるエリアの依頼だけポツンと残されているのが一目でわかる。

そこへ行き、依頼内容を確認すると……。

「あ、街中の討伐依頼!? それも、ゴースト系ばかりだ」
「どうやら、そればかりが残っているようだね」

なんで、街中のゴースト討伐依頼だけ残っているの?
私としては、都合がいいけどさ。

「ユミルも遭遇しているから知っていると思うけど、こいつらに通常の物理攻撃は効かない。魔法での撃退方法は2つ、光と聖魔法だね」

それならカーバンクルたちの授業で習ったし、私も経験している。

人は未練を残して死ぬと、幽霊になる。でも、その未練が怨恨などの負の感情であった場合、幽霊からゴーストへと魔物化して、そこから更にレイスやリッチなどへと進化する。

ゴースト系を討伐するには、魔法以外だと、光または聖が付与された武器、もしくは聖水などのアイテムとかなり限定されるんだよね。

「もしかして、誰も依頼を引き受けないのは、光か聖魔法を扱える人や武器に属性付与できる付与師がいないから?」

「正解。聖水などのアイテム類も高いから、報酬が高くても、ゴーストの数次第では、採算が合わないケースもあるのさ」

納得だよ。冒険者にも生活がある以上、採算の合わない依頼はダメってことか。

「あと、こういったゴースト系の依頼は、教会が専門なんだ。聖女や神父、シスター、もしくはその見習いたちが討伐しているのさ。業務が忙しくて手を回せない場合、こういった依頼が冒険者ギルドへ回されるのさ」

なるほど、依頼の仕組みを少し理解できたよ。今、貼られているのは、つい最近になって貼られたもの。

1枚の依頼書を読んでみると…。

貴族エリアの解体予定の屋敷に、人族らしきゴーストが屯しているので、それを討伐してほしいと言う内容。

報酬は金貨10枚。
依頼者主は、プラティス侯爵家。

結構高い報酬額なのに、誰もやらないってことは、ゴーストを討伐可能な人材がいないか、この家を信頼できないってことかな。

掲示板に貼られている依頼数は、全部で6つ。


これらの中から、ディオグランデ公爵家やカーバンクルに関わるゴーストを見つけ出さないといけない。

「トーイ、とりあえず全部メモるね」

「多分だけど、初めに見た依頼だけが怪しいと思う」

「それって、プラティス侯爵家が依頼主の?」

「そこは現ディオグランデ家当主アシュトンの兄、ロベルトが当主なんだ。ちなみに、ロベルトは長男の方ね」

なるほど、一番怪しい。
ただ、これらは教会から回されたもの。

教会側が貴族の依頼を、冒険者ギルドへ回したってことになるけど…。

「私たちの求めるものかな?」

「君の不安もわかるけど、今はこれだけしか手掛かりがないし、とりあえずメモして現地へ行ってみよう」

「うん、そうだね」

いくつか気になる点もあるけど、今はゴーストたちの棲みつく場所へ行ってみよう。


○○○


依頼内容によると、解体予定の邸に棲みついたゴースト共はかなり強く、侯爵家の騎士たちが自前の聖水や付与武器などで討伐を試みるも、全員が返り討ちにあう。

教会に討伐を請うも、神父や聖女見習いたちも忙しく、すぐに対応出来ないこともあり、冒険者ギルドに依頼が回ってきたわけだ。

「貴族の土地だから、敷地も広いね。ゴーストの気配が邸内と地中から感じる」

依頼に記載されている場所に到着したけど、ゴーストが屯しているのが周囲に伝わっているせいか、すっごく静かだ。邸内の街灯も灯らないだろうから、夜になると、かなり怖いと思う。

「正解。かなりの数がいるね」
「早速、話し合いといきましょう」

私には反射があるから、反射のシールドを周囲に張っておけば、やられる心配もない。

「あ~、問題はそこなんだよね~」

トーイが困り顔を浮かべている。

「どうかしたの?」

「話し合いができる状態なら、とっくに解決している。多分、全てのゴーストが怨恨に囚われていると思うんだ」

そういえば、私は読経を唱えるので必死になって聞いていなかったけど、先代長のもとに集まってきた奴らも、恨みで怒り狂い、自我を失っていたらしい。

「普通に話し合うためには、ゴーストの恨みを晴らすしかないってこと?」 

「多分…ね」

話し合いもできないのに、私たちがゴーストの恨みを晴らせるわけないじゃん。どうやって、ゴーストたちに自我を取り戻させるかが問題ってことか。

といっても、私にはスキル[反射]と伝統魔法しかない。

この2つの組み合わせで、ゴーストたちと話し合いに持っていけるよう組み立てていくしかない。
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