加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ

犬社護

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39話 戸惑うマクレミーサ *リノア視点

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今のところ、上空から降りてくる人や動物などのタルパの数は13だけど、嫌な予感が消えない。あの雲の中に大量のタルパがいると思うけど、そこから更に高い位置に、何かがいる。タルパとは似て非なるような奇妙な気配だ。

それがなんなのかわからないけど、今はタルパを掃討させることに専念しよう。あの13体以外にももっといるはずだから。

あの神官やマクレミーサと離れた事で、ルティナとの打ち合わせも済んでる。ルティナは私と違った形で、リョウトさんからアドバイスを貰い、自信を持てたと言ってたけど大丈夫かな?

「ルティナ、いけそう?」
「うん、いける!! 昨日の爆発事故の時と違って視認できるし、魔力消費もそこまで大きくないと思う」

あとは、私か。
大丈夫、絶対上手くいく。
自信を持つんだ。

「ルティナ、やろう!!」
「うん!!」

私は闇魔術[暴食]を、ルティナは光魔法を発動させるため、意識を集中させる。彼女はリョウトさんに、『詠唱は無駄が多すぎるから必要ない。イメージと制御さえしっかりしていれば、魔法を100%以上の力で放てる』と言われ、ひたすらイメージの強化を訓練させられてきた。私はそれをしっかりと聞き、見よう見まねで暴食を発動できたのだから、ルティナだってきっと思い描いた魔法が放てるはずよ。13体のタルパが、かなり近い距離まで降りてきてる。

「いっけ~~~~【エリアヒール】」

聖属性魔法は強力な分、威力も大きいし、消費魔力も多い。特に、単体ではなく、広範囲で強力なものほど、消費量が多くなる。ルティナも単体魔法を一つ、広範囲魔法を一つ習得しているけど、今の時点だと制御が未熟なせいで、命中率も低くて使えない。

光魔法の中でも、単体回復魔法[ヒール]を攻撃として使用する場合、消費魔力は少ないけど、必ず相手に接触しないといけない。広範囲魔法[エリアヒール]、普通の魔物だと体力を回復させるけど、タルパのようなアンデッド系魔物には弱点となる。でも、指定した範囲から外に移動しちゃうと、攻撃対象から外れてしまう。

昨日の事件のおかげで、彼女は光魔法[エリアヒール]の対象指定に関して、リョウトさんからアドバイスをもらった。そして今日、身体に聖属性を纏うだけで、身体の回復力が向上することを教わった。

それらの知識を利用して、彼女は聖属性を纏った状態で、光魔法[エリアヒール]を放った。ここでの魔法対象は視認したタルパ13体のみ、ある工夫を施したことで、100%の命中率となり、魔力消費もかなり抑えられる。

「やった、成功!! 指定範囲を視界内にして、個体から感じる魔力や気配だけを対象にしたら、100%で命中したよ」

やっぱり、この子は天才だ。
思いついても、普通1発で成功しない。

「ここからは、私の出番だね」

聖属性を纏った光魔法のせいか、威力がかなり上がってる。
魔法で討伐されないうちに、私も動く。

「暴食発動」

私は身体に暴食の力を纏い、私自身を一種の鳥に変化させる。
タルパは思念体、生前の強い思いで姿を形成させる。

それなら、私のイメージ次第で、この形態を自由に変化させることもできるはず。私は目を閉じて、頭の中にある動物を強くイメージしていく。

信じよう、スキルと魔法の可能性を。

そして、目を開くと、私は不死鳥フェニックスのような鳥へと形態変化していた。鳥に変身し、飛翔性と敏捷性を向上させ、暴食の力を槍の穂先のように変化させることで、貫通力を向上させる。

「いく!!」

私は、全力で弱った13体のタルパの頭に向けて飛翔し、次々と貫通させていく。タルパが私の魔力よりも低くなったのを見計らい、嘴を蛇の口のように変化させ、次々と捕食していく。

「あ…濃密で美味しい。それに、全員が異なる恨みを持っているから、異なる味がする」

リョウトさんは、こんな感じでタルパを食べていたんだ。人や動物の思念体、人であって人でないものだから、人型や動物型のクッキーを食べたと思えばいいのかな。全員食べ終わり、元の姿に戻って、ステータスを確認すると…

「やった、魔力が642に上がった!!」

弱体化させて捕食したから、あまり大きな増加じゃないけど、これで暴食の効果を証明できた。

「おお、いいね~~~」
「「いえ~~~~い」」

私は、ルティナとハイタッチを交わす。

「なんなのよ、さっきの魔法は!! あんなの私の知るエリアヒールじゃないわ!!」

マクレミーサが私たちを見て、悔しがってる。
いい気味。
あ、尋常じゃないタルパの大群が上空から一気に降りてきてる。
いい気分に浸っている時間もないのね。

ルティナも気づいたいのか、悪巧みを思いついたかのようにニヤッと笑い、マクレミーサの方を見る。

「お~い、マクレミーサ様~~前言撤回しま~~~す。数が多すぎて捌ききれないから、余った分をあなたたちにあげる~~~。そっちは、そっちで頑張ってね~~~」

「ルティナ、あんた!?」

「撤回するって言ったも~~~ん。それに、次襲ってくるタルパの数って、軽くさっきの倍はいるよ~~。普通に考えて、私たちだけで戦えるわけないじゃん。常識を知ろうよ。あなたたちが何もしなくても、そっちにも大勢のタルパが押し寄せるよ~~。多分、誰も手出ししなかったら、結界を張ってもすぐに破られるよ~。あなたは私なんかより、習得した魔法の数も多いんだから、なんとかするよね~~~」

ルティナ……さっきの発言を簡単に覆してる。そう言う時って、普通悔しがるものじゃないの? どうして、そんなに面白そうな顔で言えるのだろう?

「く、しゃべってる余裕もないか。皆さん、今から聖の結界を張ります。戦いに疲れたら、そこに入って身体を休ませてください」

マクレミーサが、戦闘で邪魔にならないよう西側の壁近くへと移動する。

「神官たち~~~、私たちみたいに見捨てられないようにね~~~」

「あなたね!! ち、いきます。[サンクチュアリ(聖域結界)]!!」

聖魔法の中でも上位に位置する結界魔法、指定した範囲に強固な結界を作り上げ、魔物の侵入を阻みつつ、大地の力で体力と魔力を回復させる効果がある。次代聖女候補ナンバーワンと言われるだけのことはあるけど、その魔法が一瞬だけ発動して、円形のシールドが発生したけど、すぐに粉々に砕け散る。

……やっと、その時が来たんだ。

私は、ついニヤッと笑ってしまう。
精霊様、ルティナに魔法を見させるために一瞬だけ発動させたんだ。

「割れた? え、どうして? [サンクチュアリ][サンクチュアリ]!!」

割れて以降、魔法が発動しなくなった。

「光精霊様、このタイミングで罰を与えたんだ」
「やっとだ」

状況は、あの時と似ている。

目の前に近づきつつあるタルパの大群、何らかの理由で誘引されているはずなのに、どうして王都中に散らばらず、ここへ集中するのかは謎だけど、今はこれを全滅させることだけに集中しよう。

「リノア、いくよ!!」
「ええ、いつでもいいわ」

タルパたちが、マクレミーサにお仕置きしてくれればいい。
私たちは、自分たちのことだけに集中だ。
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