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第二章
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暗い場所に私はいた。
痛みが全身を襲っているが、それでも、膜が張っているように直接ではなく、少しぼやけているような気がした。
私は目を凝らし、そして、よく見れば、ひとりの女性が倒れているのが見えた。
「大丈夫っ!」
痛みを堪えて、駆け寄ると、そこには銀色の髪の女性が固く目を閉じ、苦悶の顔をして倒れていた。
「私?」
見覚えのある顔だった。
私はまさかと、思い、周りを見渡せば、まるで、ここは牢獄だった。
「ミナ?」
「……。」
私の言葉が聞こえたのか、彼女はゆっくりと瞼を震わせ、私を見る。
「イザベラ…さ…ま…。」
「ミナっ!」
「……………きて…は…なり…ませ……ん。」
一言、一言、言葉を発するのでも苦しいのか、彼女は脂汗を掻きながら、まっすぐに私を見ていた。
「まって、すぐに、診るから。」
私はミナに触れようとするが、体に触れる事が出来なかった。
よくよく見れば、私の体が、透けていた。
実体がここにはないのだ。
当然だろう、私はミナの側に居るはずがないのだ、ここはきっと夢なのだろう。
「……イザ…ベラ…さま…。」
「何?」
「どうか……、わたし…を………ください…。」
「ミナ?」
「これ…いじょう……し…は…じ…を…て…ん。」
「ごめんなさい、聞き取れないの、もう一度言って?」
ミナは綺麗な笑みを浮かべる。
「………。」
ミナは言葉を発しなかった、もしかしたら、もう発せる力すら残っていないのかもしれない。
だけど、彼女ははっきりと口を動かした。
――わたしをころしてください
そう彼女は言った。
「ミナ…何を言っているの?」
ミナは一筋の涙を零す。
私はようやく、ミナの見のうちに起きている事態を知る。
彼女の核が侵されていた。
彼女は必死で自我を保とうとしている、だけど、それも、いつまで持つか分からなかった。
今消えるのか。
一日で消えるのか。
一か月で消えるのか。
彼女の頑張り次第だった。
今、この体ではどこまで彼女が侵されているのか判断が出来なかった。
「……。」
このままだと、彼女は自我を消され、どうなるのか分からない。
私は無意識にペンダントに触れていた。
その感触は確かにあり、私は賭けに出た。
ペンダントを外し、ミナの手のひらに落とす。
「ミナ、どうか、私たちが来るまで耐えて。
苦しいと思う、辛いと思う、だけど、頑張って、何とかして見せるから。
救って見せるから。」
ミナはそう言う私に微笑んだ。
頑張ってくれる。
そう分かった。
だから、私はペンダントに力を注ぐ。
どうか、ミナの助けになるようにと。
そして、日が昇り始める。
視界がかすみだす。
「ミナ、迎えに来るから、絶対に来るから。」
そう言い残す私は、ミナの最後の言葉を知る事はなかった。
彼女は私が消えた後、こう言っていた。
――イザベラ様、どうか、来ないで下さい。
わたしを捨て置いてください。
このままだとわたしは貴女様を傷つけてしまいます。
だから、どうか、この場所に来ないで下さい。
目覚めた私は彼女がそう言っていたなど、気づきもしなかった。
ただ、彼女を助けようと心に決めるばかりで。
何も気づこうとはしなかった。
痛みが全身を襲っているが、それでも、膜が張っているように直接ではなく、少しぼやけているような気がした。
私は目を凝らし、そして、よく見れば、ひとりの女性が倒れているのが見えた。
「大丈夫っ!」
痛みを堪えて、駆け寄ると、そこには銀色の髪の女性が固く目を閉じ、苦悶の顔をして倒れていた。
「私?」
見覚えのある顔だった。
私はまさかと、思い、周りを見渡せば、まるで、ここは牢獄だった。
「ミナ?」
「……。」
私の言葉が聞こえたのか、彼女はゆっくりと瞼を震わせ、私を見る。
「イザベラ…さ…ま…。」
「ミナっ!」
「……………きて…は…なり…ませ……ん。」
一言、一言、言葉を発するのでも苦しいのか、彼女は脂汗を掻きながら、まっすぐに私を見ていた。
「まって、すぐに、診るから。」
私はミナに触れようとするが、体に触れる事が出来なかった。
よくよく見れば、私の体が、透けていた。
実体がここにはないのだ。
当然だろう、私はミナの側に居るはずがないのだ、ここはきっと夢なのだろう。
「……イザ…ベラ…さま…。」
「何?」
「どうか……、わたし…を………ください…。」
「ミナ?」
「これ…いじょう……し…は…じ…を…て…ん。」
「ごめんなさい、聞き取れないの、もう一度言って?」
ミナは綺麗な笑みを浮かべる。
「………。」
ミナは言葉を発しなかった、もしかしたら、もう発せる力すら残っていないのかもしれない。
だけど、彼女ははっきりと口を動かした。
――わたしをころしてください
そう彼女は言った。
「ミナ…何を言っているの?」
ミナは一筋の涙を零す。
私はようやく、ミナの見のうちに起きている事態を知る。
彼女の核が侵されていた。
彼女は必死で自我を保とうとしている、だけど、それも、いつまで持つか分からなかった。
今消えるのか。
一日で消えるのか。
一か月で消えるのか。
彼女の頑張り次第だった。
今、この体ではどこまで彼女が侵されているのか判断が出来なかった。
「……。」
このままだと、彼女は自我を消され、どうなるのか分からない。
私は無意識にペンダントに触れていた。
その感触は確かにあり、私は賭けに出た。
ペンダントを外し、ミナの手のひらに落とす。
「ミナ、どうか、私たちが来るまで耐えて。
苦しいと思う、辛いと思う、だけど、頑張って、何とかして見せるから。
救って見せるから。」
ミナはそう言う私に微笑んだ。
頑張ってくれる。
そう分かった。
だから、私はペンダントに力を注ぐ。
どうか、ミナの助けになるようにと。
そして、日が昇り始める。
視界がかすみだす。
「ミナ、迎えに来るから、絶対に来るから。」
そう言い残す私は、ミナの最後の言葉を知る事はなかった。
彼女は私が消えた後、こう言っていた。
――イザベラ様、どうか、来ないで下さい。
わたしを捨て置いてください。
このままだとわたしは貴女様を傷つけてしまいます。
だから、どうか、この場所に来ないで下さい。
目覚めた私は彼女がそう言っていたなど、気づきもしなかった。
ただ、彼女を助けようと心に決めるばかりで。
何も気づこうとはしなかった。
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