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共通ルート
24話 サプライズ
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あれから数か月、彩華さんとの関係は順調に続いている。
大学の夏休みはほぼ毎日のように彩華さんと一緒に過ごしたし、彩華さんの夏季休暇を利用して二人で箱根旅行もしてきた。
どうやら彩華さん、温泉が大好きみたいで俺と一緒に全国の温泉巡りがしたいって言ってくれたんだよね。その第一弾が距離的に一番お手頃だった箱根で、次は草津温泉あたりに行こうかという話になっている。
ちなみに夏休みを利用して無事に運転免許も取得できたので、次の草津温泉の旅行の時は俺も運転を分担できるはずである。
という感じで、第三者から見るともはや普通のカップルにしか見えないはずの俺たちなんだけど、残念ながら未だに『期間限定のパートナー』という関係から脱却できていなかった。
箱根旅行の時は良いチャンスだと思って改めて彩華さんに交際を迫ってみたんだけど、彩華さんの答えはまたしてもノー。
いつだって俺に激甘で、俺が望むことは何でもしてくれる彩華さんだけど、どうしても「彼女になる」ということだけは首を縦に振ってくれない。
そして彩華さんに対する好意や愛情が深くなればなるほど、そのことを辛く感じてしまう俺がいた。
「ふーん、高校時代からの友達ねぇ…」
車を運転する彩華さんは先ほどから不機嫌さを一切隠そうとしなかった。そしてその原因は完全に俺が作っていた。つら。
「えっと……もしかしてちょっと、怒ってる?」
「別に」
つ、冷たい声……。
「……ごめんね」
「どうして謝るの? 何か謝らなきゃいけないことでもした訳? ただの同級生なんでしょ? だったら別に謝ることないじゃん」
「もう……。怒らないで?」
ちょっと苦笑いをして、こっちを見ようともしない彩華さんの頭を軽く撫でてみる。
「ちょっと、運転中なんだからやめてよ。危ないでしょ?」
「信号待ちしてんだからいいじゃん」
「それはまあ……、そうだけど」
「せっかく来てくれたのに不快な思いをさせて本当にごめんね。もうしないから」
その日、彩華さんはサプライズで俺の大学まで迎えにきてくれていた。俺がその日はバイトを入れていないことを知っていて、自分も半休を取れそうな状況だったから俺の大学が終わってからドライブデートをしようとしてくれたらしい。
うちの大学の正門から最寄り駅までの道は車道に沿って並列駐車ができる駐車スペースがずっと続いていて、彼女はそこに車をとめて俺を待っていてくれた訳なんだけど……。
その日の最後の講義はよしけんと、よしけんの彼女のゆっちゃんと、その親友の里菜ちゃんといういつものメンバーがみんな一緒に受けている講義で、よしけんとゆっちゃんは講義が終わってからさっさとデートに向ってしまったので、たまたま帰りが俺と里菜ちゃんの二人になってしまっていた。
で、大学の近くで俺を待ってくれていた彩華さんが偶然にも俺と里菜ちゃんが二人で駅に向っている姿を目撃し、現在に至る。
「別にいいよ。今ので不機嫌になる権利は私にはないから」
それはあれだよね。俺の彼女じゃないからそんな権利はないって言ってるんだよね。
「いやあるよ。というか逆の立場だったら俺のめっちゃ不機嫌になったと思うし。本当ごめんね」
「……こっちこそ。拗ねちゃってごめん」
やっと彩華さんの表情が少し柔らかくなってきた。
「ううん、今のは完全に俺が悪かったよ。これから本当に気をつけるね」
「……ありがとう。でもなんか、颯太くんの対応が大人すぎて自分が恥ずかしくなっちゃう。相変わらず大人げないな、私」
「そういうところも大好きだよ」
「……もう」
次の瞬間、また車が信号につかまったので、俺はここぞとばかりに身を乗り出してやや強引に、でも軽く彩華さんにキスをした。
「んん!?」
一瞬驚いて体を硬直させた彩華さんは、すぐにとろけそうな表情になって俺のキスに応えてくれた。
大学の夏休みはほぼ毎日のように彩華さんと一緒に過ごしたし、彩華さんの夏季休暇を利用して二人で箱根旅行もしてきた。
どうやら彩華さん、温泉が大好きみたいで俺と一緒に全国の温泉巡りがしたいって言ってくれたんだよね。その第一弾が距離的に一番お手頃だった箱根で、次は草津温泉あたりに行こうかという話になっている。
ちなみに夏休みを利用して無事に運転免許も取得できたので、次の草津温泉の旅行の時は俺も運転を分担できるはずである。
という感じで、第三者から見るともはや普通のカップルにしか見えないはずの俺たちなんだけど、残念ながら未だに『期間限定のパートナー』という関係から脱却できていなかった。
箱根旅行の時は良いチャンスだと思って改めて彩華さんに交際を迫ってみたんだけど、彩華さんの答えはまたしてもノー。
いつだって俺に激甘で、俺が望むことは何でもしてくれる彩華さんだけど、どうしても「彼女になる」ということだけは首を縦に振ってくれない。
そして彩華さんに対する好意や愛情が深くなればなるほど、そのことを辛く感じてしまう俺がいた。
「ふーん、高校時代からの友達ねぇ…」
車を運転する彩華さんは先ほどから不機嫌さを一切隠そうとしなかった。そしてその原因は完全に俺が作っていた。つら。
「えっと……もしかしてちょっと、怒ってる?」
「別に」
つ、冷たい声……。
「……ごめんね」
「どうして謝るの? 何か謝らなきゃいけないことでもした訳? ただの同級生なんでしょ? だったら別に謝ることないじゃん」
「もう……。怒らないで?」
ちょっと苦笑いをして、こっちを見ようともしない彩華さんの頭を軽く撫でてみる。
「ちょっと、運転中なんだからやめてよ。危ないでしょ?」
「信号待ちしてんだからいいじゃん」
「それはまあ……、そうだけど」
「せっかく来てくれたのに不快な思いをさせて本当にごめんね。もうしないから」
その日、彩華さんはサプライズで俺の大学まで迎えにきてくれていた。俺がその日はバイトを入れていないことを知っていて、自分も半休を取れそうな状況だったから俺の大学が終わってからドライブデートをしようとしてくれたらしい。
うちの大学の正門から最寄り駅までの道は車道に沿って並列駐車ができる駐車スペースがずっと続いていて、彼女はそこに車をとめて俺を待っていてくれた訳なんだけど……。
その日の最後の講義はよしけんと、よしけんの彼女のゆっちゃんと、その親友の里菜ちゃんといういつものメンバーがみんな一緒に受けている講義で、よしけんとゆっちゃんは講義が終わってからさっさとデートに向ってしまったので、たまたま帰りが俺と里菜ちゃんの二人になってしまっていた。
で、大学の近くで俺を待ってくれていた彩華さんが偶然にも俺と里菜ちゃんが二人で駅に向っている姿を目撃し、現在に至る。
「別にいいよ。今ので不機嫌になる権利は私にはないから」
それはあれだよね。俺の彼女じゃないからそんな権利はないって言ってるんだよね。
「いやあるよ。というか逆の立場だったら俺のめっちゃ不機嫌になったと思うし。本当ごめんね」
「……こっちこそ。拗ねちゃってごめん」
やっと彩華さんの表情が少し柔らかくなってきた。
「ううん、今のは完全に俺が悪かったよ。これから本当に気をつけるね」
「……ありがとう。でもなんか、颯太くんの対応が大人すぎて自分が恥ずかしくなっちゃう。相変わらず大人げないな、私」
「そういうところも大好きだよ」
「……もう」
次の瞬間、また車が信号につかまったので、俺はここぞとばかりに身を乗り出してやや強引に、でも軽く彩華さんにキスをした。
「んん!?」
一瞬驚いて体を硬直させた彩華さんは、すぐにとろけそうな表情になって俺のキスに応えてくれた。
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