三年間片思いしていた同級生に振られたら、年上の綺麗なお姉さんにロックオンされた話

羽瀬川ルフレ

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23話 謝罪

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 翌日、俺のところには二人からの謝罪メッセージが届いていた。

 彩華さんからは「自分が大人げなかったし、明らかに感情的になっていた。俺にも申し訳ないと思っているし、できれば花音にも謝っておいてほしい」という趣旨のメッセージがよくまとまった簡潔な文章で届いていた。

 花音からは彩華さんに対する失礼な言動だけではなく、今までの自分の行動に関しても謝りたいという内容の長い反省文のようなメッセージが届いてしまった。

 そして花音は彩華さんと直接会って話したことにより、今の花音には彩華さんに勝てる要素が一つもないことを痛感したと綴っていた。

 だからこれ以上、俺に好意をアピールしても意味がないことをよく理解できたし、逆にそれを続けることは俺に嫌われる結果にしかならないと思うから、俺に付きまとうのはもうやめると宣言してくれた。

 でも花音の最後の一文からは、花音には俺たちの関係をこのまま終わらせるつもりがないことがはっきりと伝わってきた。花音から届いた長文のメッセージの最後の一文は……

『彼女さんと一緒に過ごす日々が、颯太にとって幸せな時間になることを心から祈っています。でもこれだけは覚えていてね。私はいつまでも颯太のことを待っています。だから気が向いたらいつでも私のところに戻ってきてね。大好き』

 というものだったから。その一文を読んだ時、高校時代に初めて花音と出会った瞬間から今までの思い出が頭の中で勝手に再生されて、なんとも言えない切ない気持ちになった。

 おそらくその瞬間、俺は三年以上続いた花音との物語がこれで完全に終わったと実感したんだと思う。もちろん花音はそんな風には思っていないんだろうけど。


「でも本当、自分でもびっくりしちゃった。自分があんな風に感情的になっちゃうなんて」
 
 そう言いながら彩華さんは少し照れくさそうに笑った。

「いや、どちらかというとびっくりしたのは俺の方だよ……」
「……だよね、本当にごめんね」
「いやいや、こっちこそなんかごめん」

 その日もバイトまで少し時間があったので、俺はいつものように彩華さんの部屋に寄っていた。

 前の日にあんなことがあったので少し気まずくなるかなと心配したけど、そんなことはなくて一安心。

「私さ、自分が思ってたよりも颯太くんのことが好きなのかも。昨日は完全に自分の感情をコントロールできなくなってた」
「それは嬉しいな」
「いやいや、嬉しいことじゃないって。あまりにも大人げなかったよね、私。あんなに嫉妬しちゃって」
「いやどう考えても嬉しいでしょ。彩華さんに嫉妬してもらえるなんて夢のような話じゃん」
「夢小さすぎでしょ……。でも本当に大丈夫かな、私」
「何が?」
「颯太くんの『一時の気の迷い』が終わった後、立ち直れるのかなって話」
「だったら『期間限定のパートナー』なんかやめて彼女になってくれれば良いのに」
「それがそういう訳にもいかないのよ……。大人って面倒くさいね」
「自分で言っちゃうんだ……」
「まあでも、遠い将来のことを今考えてもしょうがないし、とりあえず今は颯太くんがもっともっと血迷ってくれるように頑張ります♪」
「自分では血迷ってるつもりは全くないんだけどな」
「そんなことないって。傍から見ると完全に迷える仔羊状態だから。もうね、迷いすぎて溺れかけてる感じ?」
「うっかり川に入っちゃったんだ!?」

 ……なんか最近の彩華さんとのやり取りが微妙に関西風になってきている気がするな。そういえば彩華さんは大学時代を関西で過ごしたって言ってたっけ?

「いや違う。川ではない。颯太くんは他のものに溺れかけてる」
「他のもの……?」
「颯太くんはね、私の体に溺れてるの」
「……いやそれは」
「違うの?」
「違わないかもしれないけど、でも少なくても体だけじゃない」
「……ふふ、『違わない』って正直に言っちゃうとこ、好き。ちゃんと『体だけじゃない』って言ってくれるところもね。だから……」

 そこまで言って、彩華さんは急に俺との距離をつめてきた。そして……

「今日も溺れてってね♡」

 耳元でそう囁く彩華さんの声は、この世のものとは思えないほど妖艶だった。
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