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コヨタ

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第13話 来てくれて、良かった

第13話・2 これからも一緒に頑張ろう

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 私がもっと自由に動いていい──と。
 嬉しさと、緊張と、そして……少しの不安。

「……レイラちゃん」

 隣から、小さな声。

 ラショウが、柔らかく手を添えるようにして声をかける。

「おめでとう。……ね?」

「……ラショウ……」

 その声音には、祝福と、ちょっとだけ寂しさも混じっていた。

「…………」

 アシュラはレイラを見つめながら、しばらく言葉を探すように沈黙していたが──。

「……危険な任務に、加わる覚悟はあるのか」

 と、静かに問う。

 それは、妹のように大切にしてきた少女に対する、試す言葉ではなかった。

 “本当に、俺にこの子を守れるのか”──そう、自分にも問うような声だった。

「…………」

 レイラは一度だけ大きく息を吸い、顔を上げる。

「……ある。今までも怖い思いはしてきた。でも、逃げずに来た。仲間の隣に立つって、決めたから」

「……!」

 その言葉に、アシュラの眉が僅かに動いた。

(……強いな)

「……なら、俺は反対しない……一緒に行くなら、全力でサポートするよ」

「うん……!」

 レイラの声は、少しだけ震えていたけれど、それでもしっかりと響いていた。

 セセラが静かに言葉を添える。

「正式な処理は明日進める。落ち着いたら……すぐに、お前ら“西城家”と“レイラ”での任務が入るはずだ」

 それを聞いたラショウが、小さく「……ふふ」と笑った。

「レイラちゃんと一緒の任務……きっと兄様も、私も、心強いね」

 レイラは照れくさそうに笑い返す。

「こちらこそ、よ、よろしくお願いします」

 誰かの背中を追っていた少女が、今、自分の足で“戦場に立つ覚悟”を口にした。

 誰もが、それをはっきりと感じ取っていた。


 ◇


 その日から翌々日。
 朝の光が柔らかく施設を照らす時間。

 廊下を歩いていたリルの耳に、ふと耳慣れない言葉が飛び込んできた。

「──レイラさんの任務に西城家のご兄妹が同行? 正式に?」

 足を止める。
 自分の名前ではない。だが、それは確かに“自分に近い人たち”の名だった。

(……ふぅん)

 リルは目を伏せ、静かに小さく、息をつく。

(……まあ、いずれはそうなるだろうとは思ってたよ)

レイラあいつだって、ずっと本気だったし──)

 そのとき。

「リルくん!」

 職員のひとりが、やや駆け足で近づいてきた。

 リルより1歳上くらいの若い男性職員。いつも仕事好きで真面目な彼は今日もどこか楽しそう。

「レイラさんと西城ご兄妹の任務が始まりますね! もしよければ、モニター室まで来られますか?」

「……え?」

 リルの表情が一瞬だけキョトンとする。
 まさか、自分に「見に来ませんか」と言われるとは思っていなかった。

(いや……そうか。今のオレは、戦場じゃないんだ)

 すぐに小さく目を細め、頬を指で擦りながら答える。

「……わかった」

「見てやろうじゃねえか、あいつらの初舞台」

 その言葉の中に、ほんの少しだけ誇らしさが混ざっていた。


 ◇


「通信機、異常無し。補助デバイス、作動良好。レイラさんの支援スコープ、応答確認」

「ありがとうございます」

 丈の長いパーカーのような服に袖を通し、フードの位置を調整するレイラ。

 普段のラフな軽装から一転、任務時用の黒を基調とした服装に身を包んでいる。

 いつもより背筋が伸びていた。

「アシュ、ラショウ、準備は……」

「問題無い」

「うん。兄様の装備も、私が全部確認したので!」

 アシュラは静かに頷き、ラショウはレイラに微笑みかける。

「……レイラちゃん、今日の顔、すっごくかっこいいよ」

「えっ……か、かっこ……!? い、いや、えと……っ」

「ふふ、落ち着け。戦闘中に取り乱すなよ」

「うぅ……アシュが真顔で言うと……」

 緊張と冗談が交差する中、レイラの心の中ではただひとつの思いが灯っていた。

(見せたい)

(誰かに──自分が、ここまで来たんだってことを)

 そのの名前を、口に出すことはなかったけれど。


 ◇


 時刻は昼過ぎ。任務フィールドと化したこの荒れた土地に、乾いた風が吹く。

 瓦礫に覆われた無人区域。

 このエリアの深部に、危険指定個体の龍が潜伏しているという情報が入った。

「……目標、前方300。地形は緩い丘。高低差あり」

 レイラの瞳がスコープ越しに景色を捉える。

「アシュ、私、先行するよ」

「ん、任せた」

 アシュラは鞘に収まった刀の柄を指先で押し上げる。

 ラショウのスカートが風にふわりと揺れ、短剣の柄にそっと手が添えられた。

 そのとき──。

「──ギャオォオ゙オオッ……!!!」

 龍が姿を現した。

 土を割るような咆哮。
 灰色の鱗に覆われた巨体が地を這いながら迫る。

「……行くぞッ……!!」

 レイラが風を裂いた。

 疾走。
 水色の髪が後ろへなびき、足場を踏みつけて加速する。

 その動きに呼応するように──。

「はッ──!!」

 アシュラの一閃。

 刀が鞘から抜けると同時に、龍の前足をなぞるように風が走った。

 鋭い切断。
 咆哮が一段階、濁る。

「レイラちゃん、右へ!」

 舞うように跳ねるラショウの声が響いた。

 旋回しながらの斬撃。
 ラショウの一撃が、龍の側面に鋭く突き刺さる。

 見事な連携だった。
 迷いの無い、完成された三者の動き。

「今だ……ッ!」

 レイラのブレードの一撃が、龍の首元を貫く。

「ギャア゙ァア゙アアァアッ……!!!」

 風が止まり、大地が静かになった。
 何の苦戦も無い、完全なる勝利──。

 その頃、モニター室では「……お、おお……っ……!」と、職員たちの歓声が思わず漏れる。

「信じられない……この連携、初回とは思えない精度です……!」

「アシュラさんの刀の振り切り、レイラさんの侵入タイミング、ラショウさんのカバー……これ、ほぼ理想解ですよ!」

 中継で様子を見ていたセセラも、椅子の背にもたれながら小さく鼻を鳴らして笑った。

「……やりやがる」

 モニター越しに見える3人の姿。
 その中でも、とくに駆けていたレイラの横顔が、どこまでもまっすぐだった。

(これが、あのガキンチョ3人での初任務かよ)

(……文句なしだな)

 そして──リル。

「…………」

 ただ黙って画面を見つめていた。

 レイラが駆け。
 アシュラが斬り。
 ラショウが舞い。

 そして3人が、笑っている。

(……なんか……)

(ずりーじゃん、あいつら)

 リルの口元にはほんの少しだけ──悔しさ。
 しかし、朝職員に見せたような誇らしさが混じった笑みも、再び浮かんでいた。


 ◇


 エントランスの自動扉が静かに開いた。
 夕暮れの光に包まれながら、3人の姿が施設へと戻ってくる。

 レイラ、アシュラ、ラショウ。
 装備には少し砂埃が付いているものの、3人とも目立った傷はない。

 そして、何よりも。
 その顔には、確かな達成感が滲んでいた。

「……よくやったな」

 アシュラが低く、しかしどこか満足げに言う。

「ふふっ……うまくいってよかった……!」

 ラショウは息を整えながら笑顔を浮かべていた。

 レイラは口元を引き結び、少しだけ後ろを振り返る。

「……なんか、信じられないや……あんな動きが、私たちにできるなんて……」

 その言葉に、アシュラが静かに返した。

「できたんだ。お前が、あの場にいたからな」

「レイラちゃんが先陣を切ってくれたから、私たちも動きやすかったんだよ」

「……うん」

 そうして歩いていく先、廊下の突き当たり。

「……あ」

 そこに立っていたのは、手をポケットに突っ込んだリルと、腕を組んだセセラだった。

「おかえり……お疲れ」

 セセラが静かに声をかける。

「ただいま薊野さん……。あと、リルも」

「おう。……どうだった? 初陣の気分はよ」

 リルは気怠げに聞くが、その目はレイラの姿をしっかりと見つめていた。

 レイラは一瞬だけ驚いたように目を見開き、すぐに頬を緩めて返す。

「……見てたの?」

「……ま、な」

「そっか、……私たち、どうだった?」

 質問に質問で返された声には、どこか照れと期待が混ざっていた。

 リルはほんの一拍置いて、少し口元を歪めながら──。

「……上出来。文句無しだよ、

「……ぅ」

 レイラの頬がほんのり赤く染まる。

「ちょ、隊長とか、やめてよもう……!」

「隊長~、敬礼してもらっていいっすか~?」

 悪ノリを始めるセセラ。

「やめてってば!」

 ラショウがくすくす笑い、アシュラはいつものように微笑んで呟く。

「……俺たちって、元気だな」

 その空気が、心地よかった。

 少し前までは、顔も知らなくて、バラバラで、不確かな立ち位置。

 それが今、“ひとつのチーム”として、確かに歩み始めている。


 ◇


 ──任務報告も終わり、ようやくひと息。時間帯もすっかり夜。
 西城兄妹とレイラの3人は、施設内の小さな休憩スペースに集まっていた。

 テーブルの上には温かいココアと数枚のクッキー。ラショウが手際よく淹れてくれていた。

「……レイラちゃん、はい。ちょっと甘いけど疲れた体にはちょうどいいよ」

「わ、ありがとうラショウ。……ん、あまっ……でも、ほっとする……」

 アシュラはその隣で、無言で湯気の立つカップを手にしていた。
 一見いつも通りだが、どこかリラックスした表情。

「アシュ、今日の任務……どうだった?」

 レイラが小さく問いかけると、アシュラは少しだけを置いて、優しく返した。

「……お前の判断は、俺の予想より速かった。日頃の成果なんだろうな」

「へへ……アシュにそう言ってもらえると嬉しい」

「ふふっ、照れてる照れてる~」

「照れてない!」

 笑い合うふたりの間に、ラショウがそっと顔を覗きこませる。

「ねえ……兄様、レイラちゃん。またこの3人の任務がきたとしても、きっと上手くいけるよね」

「うん。私も、そう思う」

「ふふ……俺も」

 そのとき──。

「おーい、西城組、くつろいでんのかー?」

 のんびりした声とともに、セセラがラウンジに顔を出した。
 その後ろから、スナック菓子をつまみながらリルも姿を現す。

「ちょっと、俺らもお祝いに混ざらせてくれよ」

「お祝い……?」

「初任務、無事完了だろ。今日ぐらいはいいだろ~?」

「……ふふ、じゃあ薊野さんもリルくんも、どうぞ」

 ラショウが新しいカップを用意し始め、テーブルに自然と椅子が追加される。

「今オレは甘いより塩を求めてんだけど、しょっぱいやつないの?」

「ないよ。甘いの食べなよ。ほら、リルには糖分必要でしょ?」

 とピシャリと言うレイラ。

「……んだそれ、もっと太れってか? 生憎オレは食っても食っても太らねえんだ」

「くっ……羨ましい……」

 笑いが零れる。
 言葉にしない安心感が、その場をあたたかく包み込む。

 “仲間”としての距離が、確かに縮まっていた。


 ◇


 テーブルには空になったマグカップと、まだ数枚残ったクッキー。
 皆が少し落ち着いてきた頃だった。

「……ねえアシュ」

 ふと、レイラは隣のアシュラに声をかける。

「ん」

「今日、私……足引っ張らなかったかな」

 問いかけはさりげないけれど、どこか“勇気”が滲んでいた。

 アシュラは静かに、レイラの横顔を見る。

「……お前は、自分が思ってるよりも強いよ」

「えっ……」

「でも……無理に張らずに、迷った時は俺たちを頼りな」

 その言葉に、レイラは目を見開いたあと──。
 恥ずかしそうに顔を逸らして小さく呟く。

「……うん。ありがとう」

 アシュラはそれ以上、何も言わず。
 けれどその横顔は、とても優しく見えた。

 ──その頃、少し離れたソファ席。

 リルとラショウが並んで座っていた。

「……リルくん、ちょっと目、赤いね」

 ラショウがふと顔を覗き込むと、リルは「ん?」と眉をひそめた。

「オレの目の色? 充血してるって話? 寝てねーだけだよ」

「ふふ、じゃあ……寝かしつけてあげようか? 添い寝もしてあげよっかな」

「いいよべつに……お前寝相ヤバイし」

「うっ……そ、それはぁ……」

 そのやり取りの端々には、どこか兄妹のような安心感があった。

「……で、でも本当に……リルくんが見てくれてて、レイラちゃん嬉しかったと思うな」

「……そっかよ」

「私も……リルくんのこと、見てるからね?」

「……ん?」

「ふふ、何でもないよ」

 リルは顔を逸らしてため息をついたが、その耳元がうっすら赤くなっていたのをラショウは見逃さなかった。

 テーブルの端。
 セセラは、アイスコーヒーのストローを口に咥えながら、そんな“若い連中”を眺めている。

(……ガキども、いい顔してんなあ)

 少しだけ、目を細める。

 それぞれの疲れも、抱えている悩みも、きっと完全には消えない。

 けれど今だけは──。
 この時間だけは、守ってやりたいと思った。


 ◇


 数日後。
 龍調査機関・観測フロア──午前10時。

「……これ、冗談じゃないぞ……!?」

 観測フロアの一角、大型スクリーンに浮かび上がった龍のシルエットを前に、観測班の主任が額に汗を滲ませた。

「生体反応、再確認しました! ポイントG-14、未登録個体です!」

「推定サイズ、クラスB超級……いや、それ以上の可能性があります! 出力値が……通常個体の3倍近く跳ね上がってます!」

 立て続けに響く報告。
 スクリーンに表示された龍の熱反応は、脈動するように不気味な動きを見せていた。

「これは……“異常個体”の疑いがある。既存の分類から外れる可能性も……!」

 周囲の職員たちの表情が強ばっていく。

 そしてすぐさま、シエリの指示が下された。

「この案件、最優先に切り替え。現時点で関わっている調査、解析、対応班は全て作業を中断して構わない」

「全力で、この“個体”に関する情報収集にあたりなさい」

 その言葉が伝わるや否や、通信班・データ班・作戦班・解析班──皆が慌ただしく動き出す。

 フロア全体が、明らかに平時とは違う空気に染まっていく。


 ◇


 午後の作戦会議室。

 セセラは資料を机に並べながら、深いため息をついた。

「……どこまで厄介でヤバいもん、次から次に湧いてくるんだかよ」

「戦闘反応の予測パターンも、これまでのどれとも一致しません。どうやら、既知の龍とは動きが違うみたいで……」

「つまり、厄介でヤバいってことだな」

「そうなります」

 同席していたラルトが小さく頷きながら、普段の柔和な表情を真剣に締め補足を入れる。

「この龍が起こしたと思われる土壌変質も、広範囲に渡っている……。拠点としての機能を持っている可能性すらありそうだね」

 シエリはモニターを見つめたまま、ぽつりと呟いた。

「……これは、確実に迎撃部隊が必要になる」

「……誰を行かせますか?」

 その問いには誰よりも早くセセラが答える。

「……レイラ、リル、アシュラ、ラショウ。間違いなく、現時点で最も連携のとれる4人だ。このクラスの龍に対抗できるのは……今はあいつらしかいねえ」

「…………」

 沈黙。

 そして、シエリがゆっくりと頷いた。

「……同意する。……4人での任務か」

 誰もが、その意味を理解していた。

 ──それは、ただのチームではない。

 かつては並び立つことすらなかった4人が、再び肩を並べてひとつの敵へ向かうということ。

 新たな戦いの、幕が上がろうとしていた。



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