RAID CORE

コヨタ

文字の大きさ
54 / 133
第13話 来てくれて、良かった

第13話・1 薊野さん、復活

しおりを挟む
 朝の活気に溢れる龍調査機関。

 廊下には書類の束を持った職員たちが行き交い、モニターが並ぶフロアからは通信チェックの声が飛び交っていた。

 そんな中──。

「おはようございます!!」

 職員たちの一際大きな挨拶の声。

 エントランスから姿を現したのは、少しだけ眠たげな目をした男──薊野セセラだった。

 その姿を見た瞬間、ロビーにいた数名の職員たちが思わず顔を上げる。

「……あっ、薊野さん! おはようございます!」

「ああ……! 来た! よかった……!!」

 次々と声が飛ぶ。
 業務上、セセラが休むこと自体が異常事態だったからこそ、その姿に自然と笑顔が広がっていく。

「うぉい、なんでそんな驚かれんだよ……出勤くらいで」

 そう苦笑するセセラの声は、まだ少し掠れていたが、確かに日常の声だった。

 そのやり取りを少し離れた場所で見ていたレイラも、胸を撫で下ろすように小さく呟く。

「……よかった」

 それだけで、肩から力が抜けたようだった。

「……!」

 セセラはその視線に気がつくと、職員の声を背に静かに歩き、レイラの前に立つ。

「……ぁ、お、おはよう薊野さん」

「……よう、心配かけたな」

「あ……ううん、大丈夫……!」

「……菓子、美味かったぜ」

「えっ……!?」

 レイラの目がぱちぱちと瞬いた。

「ありがとな」

 照れも、冗談も無く、それはただまっすぐなお礼。
 その顔──よく見ると、セセラの目元には、うっすらと泣き腫らしたような痕が残っている。

 でも、もう目は濁っていない。
 確かに、前を見ていた。

「……よかった……」

 今度は、もう一度、心の底から。
 レイラは微笑んだ。


 ◇


 足音が静かに響く、朝の廊下。

 セセラはひとり、ゆるやかな足取りで歩いている。

 目の端に、休憩ラウンジの扉が見えた。

 ちらりと視線を送る。
 一昨日、自分が荒れ散らかしたあの場所。

 しかし、今そこにあるのは──まるで何事も無かったかのような、綺麗な室内だった。

 ソファは整えられ、テーブルには観葉植物がひとつ置かれている。

(……あの日は……情けねぇとこ、見せちまったな)

 思い出すのは、リルの驚いた顔、心配そうな声。

(……直接……謝んねえとな)

 そんなことを考えながら、歩みを進めたそのときだった。

「……あ、薊野さん!」

 柔らかく、どこか華やかな声が響く。

 振り向いた先にいたのは、陽の光を受けて金のロングヘアが煌めく美しい女性──ラルトだった。

 ラルトが少し早足で駆け寄ってくる。

「よかったあ。今日は来られたんだね」

 その表情には、心からの安堵が滲んでいた。

「心配だったの。体調悪かったって聞いて……お休みされてたから、珍しいなって……」

「……マジで申し訳なかった。もう急には休まねえよ……罪悪感がすごかった」

 視線を少し伏せながらセセラが言うと、ラルトはふふっと安心したように微笑む。

「……昨日、リルくんもすごく心配してたみたいでね。詳しくは聞いてこなかったけど……いろんな人に『薊野さんは? 薊野さんは?』って、あちこちで聞いて回ってたみたいだよ」

「……リル……」

 その名を聞いた瞬間、胸の奥がトンと跳ねた。

 けれど、今のセセラには、それが怖さや不快感には繋がらなかった。

 ただただ、早くリルの顔を見たいと思った。

(……あいつ、今、どうしてる……)

 ラルトはそっと言葉を添える。

「ふふ……今日はリルくんお休みの日らしいから、あとで会いに行ってあげて?」

 その声音は、まるで春風のように優しかった。

 セセラはふっと口角を上げて、どこか意地悪そうに返す。

「何だ? 俺のこと大好きちゃんかよ」

 しかしその言葉の裏には、ほんの少し──“会いたかった”という切なさが滲んでいた。

 ラルトは何も言わず、にっこり。

 その場を後にするセセラの背中は、少しだけ、軽くなっていた。


 ◇


 昼下がりの風が、建物の影に涼しさを運んでいた。

 裏庭の一角に設置されたベンチには、黒のラフなジャージ姿のリルが腰を下ろしている。

 その隣に、缶コーヒーを2本手にしたセセラが歩み寄ってきた。

「……よ。お疲れ。今日休みだったんだって?」

「あれ……っ……、薊野さん……」

 一瞬だけ、リルが目を見開くが、すぐに表情を戻す。

「……ああ。……ヒマだなってボケーッとしてたらここに流れ着いた」

「ああ……わかるわそのムーブ」

 セセラはリルの隣に腰を下ろし、手にしていた缶をひとつ差し出す。

「……ほれ」

「サンキュ」

 カシュッと心地よい音がして、ふたりは数秒、何も言わずに缶を傾けた。

「…………」

 ふと、セセラが目線を落とす。

「……あー、リル……」

「ん?」

「……この前は……悪かったな。醜態晒した」

 リルは少しだけ目を細めたが、表情は変わらない。

「……べつに、どうってことねえよ……。もう大丈夫なん?」

「……おかげさまで。ずっと寝てたら、善くなったわ。……ところで」

「ん?」

 セセラはどこか気まずそうに缶をくるくると回しながら──。

「……あの日の俺のことは……その、誰にも言わないでくれな。頼むから」

「…………」

 リルは一瞬だけ、ふっと鼻で笑う。

「……ふ……っ、言わねえよ……あんたも大変だねえって思っただけだ」

 それは、思いのほか優しい声音。

「……あー、じゃあさ、その代わり……」

「?」

「……メシ、奢ってくれよ。それでチャラでいいぜ」

「……こいつ……!」

 セセラは笑った。
 あの時は見られなかった、素直な笑顔。

 リルは続ける。

「……あんたと一緒に、メシ行きてえ気分なんだ……何でだか」

「……!」

 その言葉にセセラは少し目を丸くしたあと、深くため息をついてから頬を掻く。

「……な、お前……、……はあ……いいよ、奢るわ」

 ふたりの間に、柔らかな沈黙が流れる。

 ベンチの背後を風が通り過ぎる度に、木々の葉がさらさらと揺れた。

「奢るけどさ、今日はどれくらい食いそうなんだよ」

「……んー……、ふつうに」

「だからその普通がどんくらいなんだよって聞いてんの。お前時々めっちゃ食うんだから……」

 互いに多くは語らずとも、その場に流れる空気は確かに“あの日”とは違っていた。


 ◇


 静かな紙のめくれる音。
 機関の地下にある資料室では、ラルトが黙々とファイルを整理していた。

 壁際に積まれたダンボールの中には、過去の観察記録、データ集、分類前の映像資料、など。

 忙しくはある。
 けれど──。

「…………ふふっ」

 棚に資料を戻す手を止めて、ふと、ラルトはひとり笑みを零した。

「…………よかったねえ、薊野さん」

 呟く声は小さく、それでもどこか、あたたかくて嬉しそうに。

 ラルトは先程こっそりと見ていたふたりの姿を思い出していた。
 再会し、少しだけ笑っていたセセラ。
 そして、あの不器用だけどわかりやすいリルの表情。

「……これで、きっと前に進めるね」

 金色の髪がふわりと揺れる。

「やっぱり……龍のことも、人のことも、どっちも好きになっちゃうなぁ、私は」

 誰に聞かせるでもない独り言を零しながら、ラルトはまた資料の山に戻っていった。


 ◇


「リル……ここでいいのか?」

「いいよ。前に何回か来てみて、けっこう当たりだったんだよ」

 時刻は夕方。

 ここは路地裏にある、地元密着の食堂。
 チェーン店でもなく、高級でもない。
 だけど味で選ぶなら、ここが一番……そんな場所。

 セセラとリルは向かい合わせに席につき、既に食事を注文していた。

 水をひとくち飲んで、リルがちらりと視線を向ける。

「……なんか、薊野さん思ったより元気そうだな」

「……お前に会ったら、逆にホッとしたわ」

「は?」

「いや、何だよその顔。安心したっつってんだよ」

「へぇ……?」

 少しだけ頬を緩めるリル。
 その表情を見て、セセラもふっと笑った。

 店内には、調理場から聞こえる油の音と、どこか懐かしい歌謡曲のBGM。

 それが、なぜか心地よかった。

(……今は、これでいい)

(こんなふうに、リルと話して、メシ食って、笑ってられるなら……)

 やがて、湯気を立てて料理が運ばれてきた。

 テーブルに置かれたそれはまさに、“男の子が大喜び”する唐揚げの大皿。
 そしてそれぞれふたりの前に炊きたてのご飯と味噌汁も用意され、その湯気と香りに食欲をそそられる。

「あー来た来た、これこれ……! 薊野さんマジここの唐揚げ最高だから」

「おい……デカくね……!? 胃ィもたれねえかな」

「うるせーな、食ってみろよ」

 ふたりの箸が伸びる。

「……んま~!」

「だろ? オレも初めて食ったとき感動した」

「やべえ……! 胃もたれ確定だわ、美味すぎる」

 何気ない夕飯。
 けれど、その味は──どんな高級料理より、胸に染みた。


 ◇


 翌日。
 龍調査機関・会議室。

 朝の光がまだ柔らかく射し込む時間帯。
 機関の上階層にある、一際静かな会議室に数人の姿があった。

 そこにはシエリ、セセラ、そしてラルトの姿もある。

 長い机に資料が広げられ、プロジェクターには『西城家特例運用案』と書かれたタイトルが表示されていた。

 職員たち複数人が話し合う中、結論を促すような声が響く。

「さて……レイラの件だけれど」

 そう話を切り出したのは、所長・シエリ。
 端の椅子に腰掛け、足をぶらりと揺らしながらピンクの瞳を穏やかに動かす。

「これまで西城家が戦闘に同行する場合は、という方針で動いていたが……最近のレイラの実戦記録と、戦術支援部門の評価から見ても……そろそろ、正式な同行許可を考慮すべきだと思う」

「……現場側としても、異論はねぇっす」

 セセラが答えた。
 やや胃が苦しめな目をしてはいたが、声ははっきりしている。

「正直、もう何度かの同行はしてるし、現場の判断で実質的にレイラを戦力として扱ってたところもある。今後、本人と西城家の許可を得て運用できるなら、俺もそれがベストだと思う」

 そして、同席していたラルトが頷きながら続けるように口を開いた。

「彼女自身の精神の安定性や、龍因子との共存能力も、かなり良好です。薊野さんの戦闘記録でも、的確な判断力が複数回確認されています」

「アシュラたちとの連携も問題無いようだしね」

 と、シエリ。

 セセラは腕を組んだまま、ふと少し遠くを見るような目をした。

(……戦わせたくない、って気持ちが全く無いわけじゃねえけどな……)

 けれど、同時に。

(仲間と並んで前に出たいってやつの意志は、止められねえのもわかってる)

「……なら、明日以降、正式な文書で手続きを回す。ただし、現時点では“補助的同行”扱い。戦闘指揮系統への直接の組み込みはもう少し様子を見てからにしたい」

「賛成」

「異論無し」

 会議室に、小さな合意の空気が流れた。

 ──そして、誰もが思っていた。

 この決定が、やがて“大きな変化”を連れてくることになると。


 ◇


 そしてその会議から数時間後の午後。

 いつもの訓練室でも、診察室でもない、少しだけ“かしこまった雰囲気”のある会議室の一角。

 白い壁、長いテーブル、整然と並んだ椅子。

 その中央に、ひとりぽつんと座っているのはレイラだった。

(……何だろ、今日は。薊野さんもいないし……)

 落ち着いた表情のまま、テーブルの上に置かれた資料ファイルを何気なく捲っていると──。

 扉が、コン、と小さくノックされる。

「失礼します」

 その声とともに入ってきたのは、白髪はくはつに青い瞳を湛えた、整った顔立ちの青年。
 そしてその後ろには、同じく白いツインテールの少女の姿が。

「……アシュ? ……ラショウ?」

 西城家のふたりだった。

「あれ……? レイラちゃん?」

 ラショウは少し首を傾げて、目をぱちくりさせる。

「お前も呼ばれたのか」

 やや警戒した声で訊ねるアシュラ。

「え……う、うん。ちょっと『話がある』って」

「……こっちもだよ」

「わ、私たちも何も聞かされてないの。なんだか急で……」

 なんとなく妙な空気に、3人の間に一瞬だけ沈黙が落ちた。

 そのとき。

「やあ、集まってるね。よかった」

 にこやかな声とともに扉の向こうから姿を見せたのは、シエリ。
 セセラとラルトもその後ろに続く。

 施設の大人3人が室内に入ると、どこか会議というより、発表のような空気に変わる。

「ま、驚くだろうが、今日は“お知らせ”がひとつある」

 セセラがそう切り出すと、アシュラが微かに眉をひそめ、レイラは無意識に背筋を伸ばした。

「西城家、およびレイラに関する“運用方針”の見直しについてだ」

「……運用……?」

 レイラが小さく呟いた瞬間、セセラがほんの少しだけ照れを含んだような笑みを浮かべる。

「まあ、難しい話はさておいて……お前ら、もうちょっと自由に動いていいって話だよ」

「…………え?」

「つまり、今後は西城家の任務同行に関して、リルだけじゃなくレイラもとして認める方向で進める。もちろん、条件付きでな」

「……!」

 アシュラの瞳が少しだけ見開かれた。
 ラショウも手を口元に当てて「……まあ……」と小さく声を漏らす。

「ってわけで、おめでとう。レイラ」

「……!」

 セセラの声に、レイラの目が大きく丸くなった。

 驚きと、少しの戸惑いと──そして、こみ上げるような、嬉しさ。

 しかしまだ、言葉にならなかった。

 その中で、シエリが軽く肩をすくめて続けていく。

「フフ……正式な処理はこれからだけど……気を引き締めていこうな」

「よかったねえレイラちゃん♪」

 シエリとラルトの柔らかい声が、ふわりと室内に落ち着きをもたらす。

 静まり返った空気の中で、レイラはまだ何も言えずにいた。

(私が……認められた……?)

 言葉としては理解できる。
 でも、胸の奥がざわざわしていて、うまく飲み込めない。

(これまで、なんとなく任務に同行してただけだったのに……)

(今度は、“ちゃんと前に立っていい”って……)

 目を伏せたレイラの指先が、そっと膝の上で握られていた。



しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

​『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』

月神世一
SF
​【あらすじ】 ​「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」 ​ 坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。  かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。  背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。 ​ 目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。  鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。 ​ しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。  部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。 ​ (……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?) ​ 現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。  すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。  精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。 ​ これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。

花鳥見聞録

木野もくば
ファンタジー
花の妖精のルイは、メジロのモクの背中に乗って旅をしています。ルイは記憶喪失でした。自分が花の妖精だったことしか思い出せません。失くした記憶を探すため、さまざまな世界を冒険します。

処理中です...