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11 始まった
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会場に着いた時は、もう賑やかだった。
「今日、面白いことが起きる。レイの気持ちを確認する前だけど、僕は引かないから」とバラの小道を歩きながらデニスが言った。
「引かないって?」ときくと
「うん、自分に正直ってことかな?クリスティーン嬢とかマイケルとかのように」
「レイ」と名前を呼ばれた。メアリーだ。
「メアリー」と返事をしたが、彼女の目は隣りに向いていた。わからないのね
「メアリー。デニスよ」と言うと
「デニス?え?デニス!」とメアリーが言っている所へ婚約者が飲み物を持って戻って来た。
そこで改めてお互いの連れを紹介しあって、しばし話をするとまた、二人ずつとなって、別れた。
「ちょっと隅に隠れていようか」とデニスは言うと隅にある木陰のベンチに向かった。
こうやって大人の貴族のなかにいるとわたしは目立たなくなった。学院にいる時は目立つマイケルの婚約者だから顔は知られていたし、最近の姉とマイケルのことでヒソヒソされていたけど、こうしていると大勢の中の一人だ。
わたしは彼らがなにをしても気にならないし、彼らもわたしを気にしない。
すごくいい。バラもいい香りだし。
そうしていると、なにやら人がある方向に動き出した。王族がいらしたのかしら?
この園遊会は正式な挨拶はしなくても良い。バラを楽しむことを優先させるのだ。
だが、王族がいるなら、拝見したいのが人情。人がそちらに移動する。
「始まったかな」とデニスは呟くと
「見に行こう」とわたしに手を差し出した。
デニスも王族を見たいのかしらと微笑ましく思いながらわたしはバラに目を止めながらゆっくりと歩いた。
騒ぎと言う程大きな声で話していないが、組み合わせで騒ぎだとわかった。
いや、周りが騒ぎを期待しているのがわかった。
宰相であるアミスト侯爵が、お姉様と話していた。
お姉様は話を切り上げたそうだが、アミスト侯爵はそうさせないようだ。
そしてちらっと見上げたデニスの表情から判断すると、デニスは騒ぎに混じる気充分だとわかった。
わたしはどう、したい?
マイケルはどうしたらいいのか戸惑っているようだ。間抜け面を晒している。
うん?こんな風にマイケルを表するって自分が思ってるより気持ちが離れているんだ。
そうよ。諦めることも、抑えることもしなくていいのよ。怒りの頂点越えを経験したわたしだもの。
そこに次の役者が登場した。間抜けなのか?無垢なのか?主役を張れるか?
騎士団長のダグラス侯爵様だ。
「アミスト閣下。いい日和ですね」と挨拶しながらマイケルとお姉様を見て、違和感を感じたようだが、その正体に気付かなかったようだ。そして
「マイケル、レイチャル嬢はどこだ?」と聞いた。
「ダグラス閣下、レイチャル嬢はマイケル殿の婚約者で間違いないか?」とアミスト閣下が聞いた。
「はい、もちろんです。そしてこちらのクリスティーン嬢は御子息の婚約者ですね」とダグラス閣下は答えたが、居心地が悪そうだ。
そこにわたしの両親、ブラウン伯爵夫妻がやって来た。ふふふ、バージルもいるわ。
「おや、お揃いで」と父が声をかけた。
「おや、いい所に伯爵。説明を聞きたかった」とアミスト閣下が言った。
ここから見ていても、ぞくっとした。
「なにやら、見物人が多いな。天幕を使わせて貰うかな」とアミスト侯爵は言って
「お二人もすまないが来て貰えるかな?」とマイケルに向かって言った。
マイケルは頷いただけのようだった。
「では、ダグラス侯爵、ブラウン伯爵。参りましょう」と歩き出した。
しばらくすると、ダグラス侯爵夫人が天幕に入って行った。
その後、アレクサンダー様が入って行った。帰国なさったのか。
「今日、面白いことが起きる。レイの気持ちを確認する前だけど、僕は引かないから」とバラの小道を歩きながらデニスが言った。
「引かないって?」ときくと
「うん、自分に正直ってことかな?クリスティーン嬢とかマイケルとかのように」
「レイ」と名前を呼ばれた。メアリーだ。
「メアリー」と返事をしたが、彼女の目は隣りに向いていた。わからないのね
「メアリー。デニスよ」と言うと
「デニス?え?デニス!」とメアリーが言っている所へ婚約者が飲み物を持って戻って来た。
そこで改めてお互いの連れを紹介しあって、しばし話をするとまた、二人ずつとなって、別れた。
「ちょっと隅に隠れていようか」とデニスは言うと隅にある木陰のベンチに向かった。
こうやって大人の貴族のなかにいるとわたしは目立たなくなった。学院にいる時は目立つマイケルの婚約者だから顔は知られていたし、最近の姉とマイケルのことでヒソヒソされていたけど、こうしていると大勢の中の一人だ。
わたしは彼らがなにをしても気にならないし、彼らもわたしを気にしない。
すごくいい。バラもいい香りだし。
そうしていると、なにやら人がある方向に動き出した。王族がいらしたのかしら?
この園遊会は正式な挨拶はしなくても良い。バラを楽しむことを優先させるのだ。
だが、王族がいるなら、拝見したいのが人情。人がそちらに移動する。
「始まったかな」とデニスは呟くと
「見に行こう」とわたしに手を差し出した。
デニスも王族を見たいのかしらと微笑ましく思いながらわたしはバラに目を止めながらゆっくりと歩いた。
騒ぎと言う程大きな声で話していないが、組み合わせで騒ぎだとわかった。
いや、周りが騒ぎを期待しているのがわかった。
宰相であるアミスト侯爵が、お姉様と話していた。
お姉様は話を切り上げたそうだが、アミスト侯爵はそうさせないようだ。
そしてちらっと見上げたデニスの表情から判断すると、デニスは騒ぎに混じる気充分だとわかった。
わたしはどう、したい?
マイケルはどうしたらいいのか戸惑っているようだ。間抜け面を晒している。
うん?こんな風にマイケルを表するって自分が思ってるより気持ちが離れているんだ。
そうよ。諦めることも、抑えることもしなくていいのよ。怒りの頂点越えを経験したわたしだもの。
そこに次の役者が登場した。間抜けなのか?無垢なのか?主役を張れるか?
騎士団長のダグラス侯爵様だ。
「アミスト閣下。いい日和ですね」と挨拶しながらマイケルとお姉様を見て、違和感を感じたようだが、その正体に気付かなかったようだ。そして
「マイケル、レイチャル嬢はどこだ?」と聞いた。
「ダグラス閣下、レイチャル嬢はマイケル殿の婚約者で間違いないか?」とアミスト閣下が聞いた。
「はい、もちろんです。そしてこちらのクリスティーン嬢は御子息の婚約者ですね」とダグラス閣下は答えたが、居心地が悪そうだ。
そこにわたしの両親、ブラウン伯爵夫妻がやって来た。ふふふ、バージルもいるわ。
「おや、お揃いで」と父が声をかけた。
「おや、いい所に伯爵。説明を聞きたかった」とアミスト閣下が言った。
ここから見ていても、ぞくっとした。
「なにやら、見物人が多いな。天幕を使わせて貰うかな」とアミスト侯爵は言って
「お二人もすまないが来て貰えるかな?」とマイケルに向かって言った。
マイケルは頷いただけのようだった。
「では、ダグラス侯爵、ブラウン伯爵。参りましょう」と歩き出した。
しばらくすると、ダグラス侯爵夫人が天幕に入って行った。
その後、アレクサンダー様が入って行った。帰国なさったのか。
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