婚約者を借りパクされました

朝山みどり

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23 流れて行く

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レイチャル目線
今日、農園にお客様をお迎えした。
最近の流れ、これは誰かがそう願っているとしか思えない速い流れだ。
歴史ある貴族が没落していく。彼らの受け皿は台頭して来た平民の家の上級の侍女。最近はメイドと呼ぶことが多いみたいだが。ただ、その侍女の仕事も既に枠が一杯で最近の没落貴族は溢れている。
そこでわたしは貴族のみを雇う農園を始めた。
何故、農園?単純で土に親しみ、陽の光を浴びるのは体にいいだろうし、精神を落ち着けると思ったからだ。
それにアミスト侯爵閣下が晴耕雨読とか言っていたのを思い出したせいもあるかな?
だから、農園は図書館も作った。
だから、ここは通過点で、多くの者は自分の道を見つけてここを出て行った。

次第にここは単なる働き口となり、平民も働くようになった。

ここの運営も彼らの意見を取り入れて変わって来た。
最初、大量に作っていたジャムも、なんとか公爵家のレシピ。村の両自慢のレシピ。とかで、種類が増えた。
価値がない貴族もまだまだ名前には価値があるみたい。

デニスは古文書の保管、研究に時間を割くようになり、あまり遠出をしなくなった。
お出かけしたいわたしはちょっと残念。でもその気持ちを察してくれて、年に二度の家族旅行に付き合ってくれる。

子供は女の子が二人。自分の経験からそれぞれの持ち物は、はっきり区別するようにしたが、二人はお互いに貸し借りをして楽しんでいる。
こういうやり方もあるのかとびっくりした。わたしと姉もこういう風だったら今でも行き来をしていたのかも知れない・・・

台頭してきた平民は王室とか王政の悪口を言っているが、権威は好きだ。

自動車と作る工場の落成式に、国王と宰相が揃って顔を出したが、その様子は写真というものに残し、絵画を入口に掲げた。

宰相はこの自動車は時代を変えると挨拶をして、さらに彼の最初の仕事の橋。(彼は一本を修復してそばにもう一本かけさせた) この事業に協力してくれた人々に感謝した。
この時の協力者の家門の半分は没落しているが・・・

宰相とはこの後、商談して王室御用達のジャムを作れるようになった。


デニス目線
この国は恐ろしい速さで変わっていく。
国の大きさもちょうど良かった。国全体が豊かだった。なにより食料があった。

宰相もほどよくずる賢かった。やがて変化はゆるやかになるだろう。

もう一度神の子として生まれたら、なにをやってみるかな。

でも神の子と生まれて良かったのはレイを手に入れられたことだ。

これも歴史になるのだろうか?誰かが読むかな?

◇◇◇◇
「おや、これは誰かの日記みたいだ」
「そうか、廃業した古本屋を丸ごと買い取ったのは正解だったな」
「正解だけど・・・だけど・・・どうすんだこれ?」
「廃棄するしかないだろ」
「そうだよな」
「この一冊を発見するための尊い犠牲だよ」
「そうだね」


「宰相が王弟だと言うことは王室の力が二倍になるから、もっと過激だと思ったけど案外だよねと奥様が旦那様に言っていた。それに対して旦那様は、だけど変化が速いよだって。二人は仲がいいからもっとこう・・・浮いた話をしているかと思ったけどなんだろう。面白いのかな。その後、別荘を買おうかとか、あっちこっち行きたいから別荘はいらないとか・・・別荘いいな。買わないのかな。買えばいいのに」

終わり


読んで下さりありがとうございました。迷い道なしでレイを追いかけた話にしました。

夕方に新作を投稿します。読んでみて下さい。
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感想 34

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みんなの感想(34件)

あんかけ
2025.07.16 あんかけ

何だかよくわからないうちにレイチャルの結婚も終わっていた…?せめて2人の心情など文にして欲しかったですね。。途中脱落。無念。

2025.07.16 朝山みどり

そうですね。力尽きてしまった面があります。課題ですね。m(_ _)m

解除
ぷりん
2025.04.23 ぷりん

スモモのブリザード
プリザーブ(あるいはプレザーブ)では?

解除
ひろパパ
2025.04.21 ひろパパ

20話…謝る対象のマリアって誰でしたっけ?

2025.04.21 朝山みどり

ひろパパ様、公爵家にいた侍女長です。名前を出してなかったですね。該当の所は訂正しました。
ありがとうございます。

解除

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