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22 クリスティーン目線
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両親はわたしを一番可愛がってくれた。なによりもわたしを優先してくれた。
婚約者も最初にわたしが選んで残ったほうを妹に渡した。
だが、これはちょっと失敗だった。妹の婚約者のほうがおもしろくて注目されたのだ。
いつも人に囲まれて、盛り上がっている。その隣りにいるのが妹だった。
わたしの婚約者はお金持ちで、頭がよく、飛び切り美しい顔をしていた。だから、妹へ来たその話をわたしが貰った。両親もそれがいいと言ってくれた。
それなのに婚約者は全然面白くないのだ。
その婚約者が外国へ留学した。婚約者は家族にわたしのことを頼んだ。
わたしはそれを利用して、マイケルをそばに置いた。彼もまんざらじゃなさそうだった。いや、私と一緒なのを喜んだ。だって最初に婚約しようとしたのはわたしだったし。
それから、面白おかしく愉快な日が続いた。クレープ屋に行ったり、花園に行ったりどこに行っても注目の的だった。
これがほんとうのわたしの生活だと思った。
一番楽しいのが騎士団の懇親会だった。ダグラス侯爵には妹が体調を崩したから代わりに来たと挨拶した。すると信用されて妹へのお見舞いを伝えられた。
この懇親会には代わりに選んであげた妹の園遊会用の衣裳を着て行った。
はしゃぎ過ぎて、ジュースのシミをつけてしまったが、そんなに気になるものじゃなかった。それなのに、妹はわたしを非難した。
「近寄るなと言うお父様の命令だから、もうどうでもいいけど。わたしは近寄らない。あなたも近寄らないでね」
きつく言われて泣きそうになった。一回しか着てないのにわざと汚したわけでもないのに・・・
そして園遊会の日。マイケルはわたしと結婚出来るのに嬉しそうじゃなかった。
わたしもマイケルとの結婚は嬉しくなかった。
だって、妹の相手はすごくかっこいい。衣裳も豪華だった。
わたしより下が当たり前のくせに・・・
だけど伯爵家を継ぐことになったのは嬉しかった。お父様もお母様もわたしを手元に置けるのを喜んでくれた。
だけど、マイケルが騙されてすべて失った。そして平民が、バージルがわたしのものを奪い取った。
わたしとマイケルは働き出したが、身分にふさわしくない仕事をさせられた。
そして、マイケルとも別れて今は、農園で働いている。
昨日からさくらんぼのジャム作りが始まった。
一日甘いジャムの匂いを嗅いでいると食欲がなくなる。
「食べられない?匂いがだめかしら?」と話しかけられた。
無言で相手の顔を見た。
「ふふふ。あなた貴族ね。ここは大抵の人が貴族よ。あなただけじゃないわ」
「そうなの?でもこうなってはなんの価値もないわね」
「そうよね。こんなはずじゃなかった」と彼女は言った。わたしが思っていることを彼女が言った。
「そのうちわかるけど、教えるね。ここは行き場のなくなった貴族の受け皿なのよ」
「え?」
「だってね、平民に混ざって仕事っていやでしょ。貴族の経験を活かして平民の家で侍女もいいけど・・・平民に仕えたくないでしょ。ここで働いている間に自分の道が見つかるといいわね」
彼女はそう言うと離れて行った。
さくらんぼジャムの季節が終わったら、スモモのブリザードとジャム。
壁の予定表を見ると、次はマーマレード。りんご。
わたしが、こんなことをしているなんて未だに信じられない。
更衣室で鏡をみる度に、自分でもがっかりする。つやのない髪、くすんだ肌。
この前、視察とかで見学者がたくさん来た。
わたしたちは普段通り作業していて欲しいと言うことだったが、一行を案内していたのはレイだった。
見ていると質問にてきぱきと答え、時には笑いが起こっている。
わたしにふさわしい仕事だ。わたしがやるほうがもっと上手に出来るのに。
わたしは、ずっとレイの上だったのに、今は下だ。
そして、これは変わらない・・・
婚約者も最初にわたしが選んで残ったほうを妹に渡した。
だが、これはちょっと失敗だった。妹の婚約者のほうがおもしろくて注目されたのだ。
いつも人に囲まれて、盛り上がっている。その隣りにいるのが妹だった。
わたしの婚約者はお金持ちで、頭がよく、飛び切り美しい顔をしていた。だから、妹へ来たその話をわたしが貰った。両親もそれがいいと言ってくれた。
それなのに婚約者は全然面白くないのだ。
その婚約者が外国へ留学した。婚約者は家族にわたしのことを頼んだ。
わたしはそれを利用して、マイケルをそばに置いた。彼もまんざらじゃなさそうだった。いや、私と一緒なのを喜んだ。だって最初に婚約しようとしたのはわたしだったし。
それから、面白おかしく愉快な日が続いた。クレープ屋に行ったり、花園に行ったりどこに行っても注目の的だった。
これがほんとうのわたしの生活だと思った。
一番楽しいのが騎士団の懇親会だった。ダグラス侯爵には妹が体調を崩したから代わりに来たと挨拶した。すると信用されて妹へのお見舞いを伝えられた。
この懇親会には代わりに選んであげた妹の園遊会用の衣裳を着て行った。
はしゃぎ過ぎて、ジュースのシミをつけてしまったが、そんなに気になるものじゃなかった。それなのに、妹はわたしを非難した。
「近寄るなと言うお父様の命令だから、もうどうでもいいけど。わたしは近寄らない。あなたも近寄らないでね」
きつく言われて泣きそうになった。一回しか着てないのにわざと汚したわけでもないのに・・・
そして園遊会の日。マイケルはわたしと結婚出来るのに嬉しそうじゃなかった。
わたしもマイケルとの結婚は嬉しくなかった。
だって、妹の相手はすごくかっこいい。衣裳も豪華だった。
わたしより下が当たり前のくせに・・・
だけど伯爵家を継ぐことになったのは嬉しかった。お父様もお母様もわたしを手元に置けるのを喜んでくれた。
だけど、マイケルが騙されてすべて失った。そして平民が、バージルがわたしのものを奪い取った。
わたしとマイケルは働き出したが、身分にふさわしくない仕事をさせられた。
そして、マイケルとも別れて今は、農園で働いている。
昨日からさくらんぼのジャム作りが始まった。
一日甘いジャムの匂いを嗅いでいると食欲がなくなる。
「食べられない?匂いがだめかしら?」と話しかけられた。
無言で相手の顔を見た。
「ふふふ。あなた貴族ね。ここは大抵の人が貴族よ。あなただけじゃないわ」
「そうなの?でもこうなってはなんの価値もないわね」
「そうよね。こんなはずじゃなかった」と彼女は言った。わたしが思っていることを彼女が言った。
「そのうちわかるけど、教えるね。ここは行き場のなくなった貴族の受け皿なのよ」
「え?」
「だってね、平民に混ざって仕事っていやでしょ。貴族の経験を活かして平民の家で侍女もいいけど・・・平民に仕えたくないでしょ。ここで働いている間に自分の道が見つかるといいわね」
彼女はそう言うと離れて行った。
さくらんぼジャムの季節が終わったら、スモモのブリザードとジャム。
壁の予定表を見ると、次はマーマレード。りんご。
わたしが、こんなことをしているなんて未だに信じられない。
更衣室で鏡をみる度に、自分でもがっかりする。つやのない髪、くすんだ肌。
この前、視察とかで見学者がたくさん来た。
わたしたちは普段通り作業していて欲しいと言うことだったが、一行を案内していたのはレイだった。
見ていると質問にてきぱきと答え、時には笑いが起こっている。
わたしにふさわしい仕事だ。わたしがやるほうがもっと上手に出来るのに。
わたしは、ずっとレイの上だったのに、今は下だ。
そして、これは変わらない・・・
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