23 / 23
23 流れて行く
しおりを挟む
レイチャル目線
今日、農園にお客様をお迎えした。
最近の流れ、これは誰かがそう願っているとしか思えない速い流れだ。
歴史ある貴族が没落していく。彼らの受け皿は台頭して来た平民の家の上級の侍女。最近はメイドと呼ぶことが多いみたいだが。ただ、その侍女の仕事も既に枠が一杯で最近の没落貴族は溢れている。
そこでわたしは貴族のみを雇う農園を始めた。
何故、農園?単純で土に親しみ、陽の光を浴びるのは体にいいだろうし、精神を落ち着けると思ったからだ。
それにアミスト侯爵閣下が晴耕雨読とか言っていたのを思い出したせいもあるかな?
だから、農園は図書館も作った。
だから、ここは通過点で、多くの者は自分の道を見つけてここを出て行った。
次第にここは単なる働き口となり、平民も働くようになった。
ここの運営も彼らの意見を取り入れて変わって来た。
最初、大量に作っていたジャムも、なんとか公爵家のレシピ。村の両自慢のレシピ。とかで、種類が増えた。
価値がない貴族もまだまだ名前には価値があるみたい。
デニスは古文書の保管、研究に時間を割くようになり、あまり遠出をしなくなった。
お出かけしたいわたしはちょっと残念。でもその気持ちを察してくれて、年に二度の家族旅行に付き合ってくれる。
子供は女の子が二人。自分の経験からそれぞれの持ち物は、はっきり区別するようにしたが、二人はお互いに貸し借りをして楽しんでいる。
こういうやり方もあるのかとびっくりした。わたしと姉もこういう風だったら今でも行き来をしていたのかも知れない・・・
台頭してきた平民は王室とか王政の悪口を言っているが、権威は好きだ。
自動車と作る工場の落成式に、国王と宰相が揃って顔を出したが、その様子は写真というものに残し、絵画を入口に掲げた。
宰相はこの自動車は時代を変えると挨拶をして、さらに彼の最初の仕事の橋。(彼は一本を修復してそばにもう一本かけさせた) この事業に協力してくれた人々に感謝した。
この時の協力者の家門の半分は没落しているが・・・
宰相とはこの後、商談して王室御用達のジャムを作れるようになった。
デニス目線
この国は恐ろしい速さで変わっていく。
国の大きさもちょうど良かった。国全体が豊かだった。なにより食料があった。
宰相もほどよくずる賢かった。やがて変化はゆるやかになるだろう。
もう一度神の子として生まれたら、なにをやってみるかな。
でも神の子と生まれて良かったのはレイを手に入れられたことだ。
これも歴史になるのだろうか?誰かが読むかな?
◇◇◇◇
「おや、これは誰かの日記みたいだ」
「そうか、廃業した古本屋を丸ごと買い取ったのは正解だったな」
「正解だけど・・・だけど・・・どうすんだこれ?」
「廃棄するしかないだろ」
「そうだよな」
「この一冊を発見するための尊い犠牲だよ」
「そうだね」
「宰相が王弟だと言うことは王室の力が二倍になるから、もっと過激だと思ったけど案外だよねと奥様が旦那様に言っていた。それに対して旦那様は、だけど変化が速いよだって。二人は仲がいいからもっとこう・・・浮いた話をしているかと思ったけどなんだろう。面白いのかな。その後、別荘を買おうかとか、あっちこっち行きたいから別荘はいらないとか・・・別荘いいな。買わないのかな。買えばいいのに」
終わり
読んで下さりありがとうございました。迷い道なしでレイを追いかけた話にしました。
夕方に新作を投稿します。読んでみて下さい。
今日、農園にお客様をお迎えした。
最近の流れ、これは誰かがそう願っているとしか思えない速い流れだ。
歴史ある貴族が没落していく。彼らの受け皿は台頭して来た平民の家の上級の侍女。最近はメイドと呼ぶことが多いみたいだが。ただ、その侍女の仕事も既に枠が一杯で最近の没落貴族は溢れている。
そこでわたしは貴族のみを雇う農園を始めた。
何故、農園?単純で土に親しみ、陽の光を浴びるのは体にいいだろうし、精神を落ち着けると思ったからだ。
それにアミスト侯爵閣下が晴耕雨読とか言っていたのを思い出したせいもあるかな?
だから、農園は図書館も作った。
だから、ここは通過点で、多くの者は自分の道を見つけてここを出て行った。
次第にここは単なる働き口となり、平民も働くようになった。
ここの運営も彼らの意見を取り入れて変わって来た。
最初、大量に作っていたジャムも、なんとか公爵家のレシピ。村の両自慢のレシピ。とかで、種類が増えた。
価値がない貴族もまだまだ名前には価値があるみたい。
デニスは古文書の保管、研究に時間を割くようになり、あまり遠出をしなくなった。
お出かけしたいわたしはちょっと残念。でもその気持ちを察してくれて、年に二度の家族旅行に付き合ってくれる。
子供は女の子が二人。自分の経験からそれぞれの持ち物は、はっきり区別するようにしたが、二人はお互いに貸し借りをして楽しんでいる。
こういうやり方もあるのかとびっくりした。わたしと姉もこういう風だったら今でも行き来をしていたのかも知れない・・・
台頭してきた平民は王室とか王政の悪口を言っているが、権威は好きだ。
自動車と作る工場の落成式に、国王と宰相が揃って顔を出したが、その様子は写真というものに残し、絵画を入口に掲げた。
宰相はこの自動車は時代を変えると挨拶をして、さらに彼の最初の仕事の橋。(彼は一本を修復してそばにもう一本かけさせた) この事業に協力してくれた人々に感謝した。
この時の協力者の家門の半分は没落しているが・・・
宰相とはこの後、商談して王室御用達のジャムを作れるようになった。
デニス目線
この国は恐ろしい速さで変わっていく。
国の大きさもちょうど良かった。国全体が豊かだった。なにより食料があった。
宰相もほどよくずる賢かった。やがて変化はゆるやかになるだろう。
もう一度神の子として生まれたら、なにをやってみるかな。
でも神の子と生まれて良かったのはレイを手に入れられたことだ。
これも歴史になるのだろうか?誰かが読むかな?
◇◇◇◇
「おや、これは誰かの日記みたいだ」
「そうか、廃業した古本屋を丸ごと買い取ったのは正解だったな」
「正解だけど・・・だけど・・・どうすんだこれ?」
「廃棄するしかないだろ」
「そうだよな」
「この一冊を発見するための尊い犠牲だよ」
「そうだね」
「宰相が王弟だと言うことは王室の力が二倍になるから、もっと過激だと思ったけど案外だよねと奥様が旦那様に言っていた。それに対して旦那様は、だけど変化が速いよだって。二人は仲がいいからもっとこう・・・浮いた話をしているかと思ったけどなんだろう。面白いのかな。その後、別荘を買おうかとか、あっちこっち行きたいから別荘はいらないとか・・・別荘いいな。買わないのかな。買えばいいのに」
終わり
読んで下さりありがとうございました。迷い道なしでレイを追いかけた話にしました。
夕方に新作を投稿します。読んでみて下さい。
1,687
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(34件)
あなたにおすすめの小説
【コミカライズ・取り下げ予定】契約通りに脇役を演じていましたが
曽根原ツタ
恋愛
公爵令嬢ロゼは、優秀な妹の引き立て役だった。周囲は妹ばかりを優先し、ロゼは妹の命令に従わされて辛い日々を過ごしていた。
そんなとき、大公から縁談を持ちかけられる。妹の引き立て役から解放されたロゼは、幸せになっていく。一方の妹は、破滅の道をたどっていき……?
脇役だと思っていたら妹と立場が逆転する話。
これでもう、『恥ずかしくない』だろう?
月白ヤトヒコ
恋愛
俺には、婚約者がいた。
俺の家は傍系ではあるが、王族の流れを汲むもの。相手は、現王室の決めた家の娘だそうだ。一人娘だというのに、俺の家に嫁入りするという。
婚約者は一人娘なのに後継に選ばれない不出来な娘なのだと解釈した。そして、そんな不出来な娘を俺の婚約者にした王室に腹が立った。
顔を見る度に、なぜこんな女が俺の婚約者なんだ……と思いつつ、一応婚約者なのだからとそれなりの対応をしてやっていた。
学園に入学して、俺はそこで彼女と出逢った。つい最近、貴族に引き取られたばかりの元平民の令嬢。
婚約者とは全然違う無邪気な笑顔。気安い態度、優しい言葉。そんな彼女に好意を抱いたのは、俺だけではなかったようで……今は友人だが、いずれ俺の側近になる予定の二人も彼女に好意を抱いているらしい。そして、婚約者の義弟も。
ある日、婚約者が彼女に絡んで来たので少し言い合いになった。
「こんな女が、義理とは言え姉だなんて僕は恥ずかしいですよっ! いい加減にしてくださいっ!!」
婚約者の義弟の言葉に同意した。
「全くだ。こんな女が婚約者だなんて、わたしも恥ずかしい。できるものなら、今すぐに婚約破棄してやりたい程に忌々しい」
それが、こんなことになるとは思わなかったんだ。俺達が、周囲からどう思われていたか……
それを思い知らされたとき、絶望した。
【だって、『恥ずかしい』のでしょう?】と、
【なにを言う。『恥ずかしい』のだろう?】の続編。元婚約者視点の話。
一応前の話を読んでなくても大丈夫……に、したつもりです。
設定はふわっと。
愛されヒロインの姉と、眼中外の妹のわたし
香月文香
恋愛
わが国の騎士団の精鋭二人が、治癒士の少女マリアンテを中心とする三角関係を作っているというのは、王宮では当然の常識だった。
治癒士、マリアンテ・リリベルは十八歳。容貌可憐な心優しい少女で、いつもにこやかな笑顔で周囲を癒す人気者。
そんな彼女を巡る男はヨシュア・カレンデュラとハル・シオニア。
二人とも騎士団の「双璧」と呼ばれる優秀な騎士で、ヨシュアは堅物、ハルは軽薄と気質は真逆だったが、女の好みは同じだった。
これは見目麗しい男女の三角関係の物語――ではなく。
そのかたわらで、誰の眼中にも入らない妹のわたしの物語だ。
※他サイトにも投稿しています
妹が私の婚約者と結婚しちゃったもんだから、懲らしめたいの。いいでしょ?
百谷シカ
恋愛
「すまない、シビル。お前が目覚めるとは思わなかったんだ」
あのあと私は、一命を取り留めてから3週間寝ていたらしいのよ。
で、起きたらびっくり。妹のマーシアが私の婚約者と結婚してたの。
そんな話ある?
「我がフォレット家はもう結婚しかないんだ。わかってくれ、シビル」
たしかにうちは没落間近の田舎貴族よ。
あなたもウェイン伯爵令嬢だって打ち明けたら微妙な顔したわよね?
でも、だからって、国のために頑張った私を死んだ事にして結婚する?
「君の妹と、君の婚約者がね」
「そう。薄情でしょう?」
「ああ、由々しき事態だ。私になにをしてほしい?」
「ソーンダイク伯領を落として欲しいの」
イヴォン伯爵令息モーリス・ヨーク。
あのとき私が助けてあげたその命、ぜひ私のために燃やしてちょうだい。
====================
(他「エブリスタ」様に投稿)
そんなにその方が気になるなら、どうぞずっと一緒にいて下さい。私は二度とあなたとは関わりませんので……。
しげむろ ゆうき
恋愛
男爵令嬢と仲良くする婚約者に、何度注意しても聞いてくれない
そして、ある日、婚約者のある言葉を聞き、私はつい言ってしまうのだった
全五話
※ホラー無し
貴方のことなんて愛していませんよ?~ハーレム要員だと思われていた私は、ただのビジネスライクな婚約者でした~
キョウキョウ
恋愛
妹、幼馴染、同級生など数多くの令嬢たちと愛し合っているランベルト王子は、私の婚約者だった。
ある日、ランベルト王子から婚約者の立場をとある令嬢に譲ってくれとお願いされた。
その令嬢とは、新しく増えた愛人のことである。
婚約破棄の手続きを進めて、私はランベルト王子の婚約者ではなくなった。
婚約者じゃなくなったので、これからは他人として振る舞います。
だから今後も、私のことを愛人の1人として扱ったり、頼ったりするのは止めて下さい。
【完結】わたしの欲しい言葉
彩華(あやはな)
恋愛
わたしはいらない子。
双子の妹は聖女。生まれた時から、両親は妹を可愛がった。
はじめての旅行でわたしは置いて行かれた。
わたしは・・・。
数年後、王太子と結婚した聖女たちの前に現れた帝国の使者。彼女は一足の靴を彼らの前にさしだしたー。
*ドロッとしています。
念のためティッシュをご用意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
何だかよくわからないうちにレイチャルの結婚も終わっていた…?せめて2人の心情など文にして欲しかったですね。。途中脱落。無念。
そうですね。力尽きてしまった面があります。課題ですね。m(_ _)m
スモモのブリザード
プリザーブ(あるいはプレザーブ)では?
20話…謝る対象のマリアって誰でしたっけ?
ひろパパ様、公爵家にいた侍女長です。名前を出してなかったですね。該当の所は訂正しました。
ありがとうございます。