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俺
2 胃はブラックホールなのだ?
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朝早く起きて、近くの川に水を汲みに行く。ついでに顔を洗って……体も洗ってしまった。季節は暖かい。夏はもうすぐだろう。
戻ってくると、母さんが朝ごはんの支度をしていて、お湯を沸かしているのが見えた。
今日も豆が少し入ったスープだろう。それしかない。はっきりいって足りない。俺、今のリトは14歳。食べ盛りだ。
《りーとー!りーとー!》
声がする。炎がチラリと揺れて火蜥蜴の顔が見えた!あ!炎の精霊だ。
「リト、少し火を見ていて」
「分かったよ母さん」
ちょうど良く、母さんが離れたので、ぐつぐつと鍋を煮る炎に近づいた。
「リト!無事か!」
「うん、サラやん。そっちにリトはついた?」
俺が神様の家でガラスを溶かすのを手伝ってくれたいたサラマンダーのサラやんだ。
「ついとるよ。あの子ええ子やわ!俺達のお世話の才能あるんや。精霊使いやなぁ。もうちっとで開花する所やったんやけど、お前と運命が似とったんや。開花せずに若いうちに死んでもうた」
「そうか……凄い才能なんだね。……って俺、リトと入れ替わったけど、まずくないか?俺なんかそんな凄い才能ないぞ!」
「せやな……リトはガラス職人やもんな……」
上に上がったリトなら、きっと家族を幸せにできただろうけど、俺じゃきびしくねぇ?!ガラスじゃ魔獣は倒せないぞ!!
「ど、どうしよう!サラやん!俺、自分だけならまだしも家族いっぱいいるんだよ!」
「お、落ち着けぇや!リト。今な、神様達も何とか考えてくれとるで、悪いようにはならん……はずや」
神様はあまり地上の事には介入出来ない。介入すると地上が混乱するからね!
「ううう……どうして落ちちゃったんだ俺」
「でもな?リト。リトがリトの体に入らんかったら、リトはあのまま死んでたんや。長男のリトが居なくなったらこの一家は目も当てられん。上のリトは物凄く感謝しとる」
俺は目をパチパチさせた。え!そうだったの??
「ほいでな、上のリトが精霊使いの力を少しこっちのリトに渡すって。さ、俺と契約や。少しは役に立つで!俺らでリトの家族を幸せにするやで!」
「さ、サラやん!ありがとう!」
ぼふっ!と炎が膨らんで俺は一瞬炎に包まれた。
「きゃーーーー!リトーーー!?」
母さんの叫び声が聞こえたが、炎は俺に怪我をさせる事はなかった。
「母さん、大丈夫みたい!みてくれ」
俺の肩に赤いトカゲが乗っている。
「サラやんだ。火の精霊なんだって。色々お手伝いしてくれるんだって!」
「リト?え?貴方、精霊様と契約したの?!」
「え?うん??そうだよな?サラやん」
「きゅ」
母さんは驚いて目を見張った。
「せ、精霊様と契約なんて!リト貴方は魔法使いになれるのね?!」
「え?そうなの?」
ふと、リトの記憶を漁ってみる。精霊使いははっきりいって、超レア職業だ。すぐに城で登用されるレベル。魔法使いは程度によるが……かなり優秀レベルだ。
俺、サラやんがいればなんとかなりそうだよ!やったね!
母さんは俺が才能に目覚めたことを物すごく喜んでくれた。優しい母さんで嬉しい。
しかし、俺達の日常はすぐに変わるわけでもない。日々の食糧をなんとかしなくてはならない。
「ごめん、サラやん。なんとか肉、食べれないかな?腹がぐーぐーなり続けるんだ」
14歳の男子の胃袋はブラックホールだ。入れれば入れるだけ食い物が吸い込まれて消えて行く。どこに行くんだろうな??
「よっしゃ!まずは川や」
サラやんは苦手なはずの川に行こうと提案した。
「ええか、リト。ちょびっとだけ才能があるお前は、無理は出来ひん。多分火矢と火槍くらいしか使えん、分かったな?」
「うん」
「こう、手を前に。手から矢が発射されるイメージで。ウサギがおったら足を狙うんや。丸焼きお肉が転がるイメージやで」
「はかどる……」
腹がなるわ!
「ええか、川に魚がおる。焼き魚やで」
更に腹が鳴った。
「火矢」
ぼっ!火矢は川の中に飛んでゆき、消える前に一匹の魚を仕留めた。プカリと浮き上がって来た魚を流される前に慌てて拾う。
「少し煮えてる!」
「食えるから問題ない!」
俺は食欲に任せて、火矢を練習して20匹ほど魚を捕まえた!大量!大漁!
「1人3匹!ふふふふ!腹が鳴るぜ!」
勿論家族は大喜びだった。
俺とサラやんの魔法と
「ウィリペディア!」
腕につけたままのインベントリの腕輪がそのまま使えたので食べられるものを探したりして、食事情は少し改善した。季節もちょうど良かったしね。
「母さん、燻製作ってよ!」
「クンセイって何かしら?」
母さんは知らなかったけど、俺達の住む森なら簡単に燻製の材料が手に入る。冬になる前に母さんには薫製名人になってもらいたい!
ウィリペディアで知った知識でなんとか試作品を作ってみんなで食べたらめちゃくちゃ美味しかった!!やったー!
「薫製小屋、作るしかないな!」
「俺もねー薫製の匂い好きだぜ!」
サラやんもワクワクしてくれた。俺は知らないけど、リトの体は知っている。冬は大変だから、今の内から準備しないとね!
「今年の冬は薫製の魚と肉でうまうまするぞー!」
「リトの原動力は大体食欲だな!」
悪いか?!
戻ってくると、母さんが朝ごはんの支度をしていて、お湯を沸かしているのが見えた。
今日も豆が少し入ったスープだろう。それしかない。はっきりいって足りない。俺、今のリトは14歳。食べ盛りだ。
《りーとー!りーとー!》
声がする。炎がチラリと揺れて火蜥蜴の顔が見えた!あ!炎の精霊だ。
「リト、少し火を見ていて」
「分かったよ母さん」
ちょうど良く、母さんが離れたので、ぐつぐつと鍋を煮る炎に近づいた。
「リト!無事か!」
「うん、サラやん。そっちにリトはついた?」
俺が神様の家でガラスを溶かすのを手伝ってくれたいたサラマンダーのサラやんだ。
「ついとるよ。あの子ええ子やわ!俺達のお世話の才能あるんや。精霊使いやなぁ。もうちっとで開花する所やったんやけど、お前と運命が似とったんや。開花せずに若いうちに死んでもうた」
「そうか……凄い才能なんだね。……って俺、リトと入れ替わったけど、まずくないか?俺なんかそんな凄い才能ないぞ!」
「せやな……リトはガラス職人やもんな……」
上に上がったリトなら、きっと家族を幸せにできただろうけど、俺じゃきびしくねぇ?!ガラスじゃ魔獣は倒せないぞ!!
「ど、どうしよう!サラやん!俺、自分だけならまだしも家族いっぱいいるんだよ!」
「お、落ち着けぇや!リト。今な、神様達も何とか考えてくれとるで、悪いようにはならん……はずや」
神様はあまり地上の事には介入出来ない。介入すると地上が混乱するからね!
「ううう……どうして落ちちゃったんだ俺」
「でもな?リト。リトがリトの体に入らんかったら、リトはあのまま死んでたんや。長男のリトが居なくなったらこの一家は目も当てられん。上のリトは物凄く感謝しとる」
俺は目をパチパチさせた。え!そうだったの??
「ほいでな、上のリトが精霊使いの力を少しこっちのリトに渡すって。さ、俺と契約や。少しは役に立つで!俺らでリトの家族を幸せにするやで!」
「さ、サラやん!ありがとう!」
ぼふっ!と炎が膨らんで俺は一瞬炎に包まれた。
「きゃーーーー!リトーーー!?」
母さんの叫び声が聞こえたが、炎は俺に怪我をさせる事はなかった。
「母さん、大丈夫みたい!みてくれ」
俺の肩に赤いトカゲが乗っている。
「サラやんだ。火の精霊なんだって。色々お手伝いしてくれるんだって!」
「リト?え?貴方、精霊様と契約したの?!」
「え?うん??そうだよな?サラやん」
「きゅ」
母さんは驚いて目を見張った。
「せ、精霊様と契約なんて!リト貴方は魔法使いになれるのね?!」
「え?そうなの?」
ふと、リトの記憶を漁ってみる。精霊使いははっきりいって、超レア職業だ。すぐに城で登用されるレベル。魔法使いは程度によるが……かなり優秀レベルだ。
俺、サラやんがいればなんとかなりそうだよ!やったね!
母さんは俺が才能に目覚めたことを物すごく喜んでくれた。優しい母さんで嬉しい。
しかし、俺達の日常はすぐに変わるわけでもない。日々の食糧をなんとかしなくてはならない。
「ごめん、サラやん。なんとか肉、食べれないかな?腹がぐーぐーなり続けるんだ」
14歳の男子の胃袋はブラックホールだ。入れれば入れるだけ食い物が吸い込まれて消えて行く。どこに行くんだろうな??
「よっしゃ!まずは川や」
サラやんは苦手なはずの川に行こうと提案した。
「ええか、リト。ちょびっとだけ才能があるお前は、無理は出来ひん。多分火矢と火槍くらいしか使えん、分かったな?」
「うん」
「こう、手を前に。手から矢が発射されるイメージで。ウサギがおったら足を狙うんや。丸焼きお肉が転がるイメージやで」
「はかどる……」
腹がなるわ!
「ええか、川に魚がおる。焼き魚やで」
更に腹が鳴った。
「火矢」
ぼっ!火矢は川の中に飛んでゆき、消える前に一匹の魚を仕留めた。プカリと浮き上がって来た魚を流される前に慌てて拾う。
「少し煮えてる!」
「食えるから問題ない!」
俺は食欲に任せて、火矢を練習して20匹ほど魚を捕まえた!大量!大漁!
「1人3匹!ふふふふ!腹が鳴るぜ!」
勿論家族は大喜びだった。
俺とサラやんの魔法と
「ウィリペディア!」
腕につけたままのインベントリの腕輪がそのまま使えたので食べられるものを探したりして、食事情は少し改善した。季節もちょうど良かったしね。
「母さん、燻製作ってよ!」
「クンセイって何かしら?」
母さんは知らなかったけど、俺達の住む森なら簡単に燻製の材料が手に入る。冬になる前に母さんには薫製名人になってもらいたい!
ウィリペディアで知った知識でなんとか試作品を作ってみんなで食べたらめちゃくちゃ美味しかった!!やったー!
「薫製小屋、作るしかないな!」
「俺もねー薫製の匂い好きだぜ!」
サラやんもワクワクしてくれた。俺は知らないけど、リトの体は知っている。冬は大変だから、今の内から準備しないとね!
「今年の冬は薫製の魚と肉でうまうまするぞー!」
「リトの原動力は大体食欲だな!」
悪いか?!
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