3 / 4
3
しおりを挟む
「ベルローズ?どうしたの?こんなに早く帰ってくるなんて」
「アマリエ!お前が付いていながらどういうことだ!」
両親はさっそくお姉様を詰っているわ。馬鹿かしら。
「黙って!そう言うのは後でいいから!お姉様、少し私の部屋に来てもらえませんか」
「べ、ベルちゃん!?」
私が両親に強い口調で言うもので、お母様なんて顔を青くした。私ってば逆らわないイイコだったからね。
やっぱり少し強引にお姉様の手を引いて自室へ連れて行く。酷い部屋、お姉様から奪ったものが乱雑に散らかっている。お姉様が持っていた時は何もかも煌めいて見えたのに、自分の物になると途端に興味を失うんだから、馬鹿ローズはほんと病気だわ。
「お姉様……今まで本当にすみませんでした。どれがお姉様の物か分からないくらいお姉様から色々取り上げてしまいました。お願いです、お姉様の物をお持ちいただけませんか……恥ずかしながら私ではもう、どれがどれだか……」
「ベルローズ、あなた本当にどうしたの……あなたらしくない……」
「中の人間が変わったと言えば納得してもらえますか?私、もうお姉様を苦しめたくない。そして幸せになって欲しいんです。勿論私も幸せになりたいんです!」
お姉様はまだ疑わし気な目をしていますが、ひとまず自分の物は回収してくださるようでした。
「……全部持っていくと、貴方の部屋はがらんどうになってしまうかもしれませんよ?」
「構いません!……でもがらんどうにはならないと思いますよ、あの両親は私に色々買い与えてくださりましたから……」
「そうね……」
お姉様は遠慮がちに私の部屋を物色し始めました。ああ、まどろっこしい!!
「これも、これも!これもですわ!ああ、誰か手を貸して!お姉様の部屋に運んで欲しいの!」
数人のメイドがやってくる。両親はハラハラしながら廊下から様子を見ているだけだ。
「これも、これもよ!これも私のではないわ」
「べ、ベルローズ、そんなにいっぱい要らないわ……」
「いえ!10年以上もお姉様から奪い続けていたのです!それくらいになるのは当然ですわ!ご遠慮などなさらずに!」
ぽいぽいと積み上げると本当にいっぱいあって、もう自分の罪深さに愕然とする。穴でも掘って埋まりたいわ。
「べ、ベル、ベルローズ!本当に、本当にもういいから!クロゼットにそんなにドレスは入りませんから!」
「ではお預かりしておきます!空いたら取りに来てくださいませね!」
「わ、わかりました……」
ふう……少しほっとしたわ。壊してしまったものや捨ててしまったものも多く、土下座してわびたい。いや、土下座しよう……そう思った時、メイドの一人が来客を告げる。
「ジョルジュ・トワイト公爵令息がお見えです」
「お通しして!」
あ、お父様でもお姉様でもないのに、答えてしまったわ。
「アマリエ!お前が付いていながらどういうことだ!」
両親はさっそくお姉様を詰っているわ。馬鹿かしら。
「黙って!そう言うのは後でいいから!お姉様、少し私の部屋に来てもらえませんか」
「べ、ベルちゃん!?」
私が両親に強い口調で言うもので、お母様なんて顔を青くした。私ってば逆らわないイイコだったからね。
やっぱり少し強引にお姉様の手を引いて自室へ連れて行く。酷い部屋、お姉様から奪ったものが乱雑に散らかっている。お姉様が持っていた時は何もかも煌めいて見えたのに、自分の物になると途端に興味を失うんだから、馬鹿ローズはほんと病気だわ。
「お姉様……今まで本当にすみませんでした。どれがお姉様の物か分からないくらいお姉様から色々取り上げてしまいました。お願いです、お姉様の物をお持ちいただけませんか……恥ずかしながら私ではもう、どれがどれだか……」
「ベルローズ、あなた本当にどうしたの……あなたらしくない……」
「中の人間が変わったと言えば納得してもらえますか?私、もうお姉様を苦しめたくない。そして幸せになって欲しいんです。勿論私も幸せになりたいんです!」
お姉様はまだ疑わし気な目をしていますが、ひとまず自分の物は回収してくださるようでした。
「……全部持っていくと、貴方の部屋はがらんどうになってしまうかもしれませんよ?」
「構いません!……でもがらんどうにはならないと思いますよ、あの両親は私に色々買い与えてくださりましたから……」
「そうね……」
お姉様は遠慮がちに私の部屋を物色し始めました。ああ、まどろっこしい!!
「これも、これも!これもですわ!ああ、誰か手を貸して!お姉様の部屋に運んで欲しいの!」
数人のメイドがやってくる。両親はハラハラしながら廊下から様子を見ているだけだ。
「これも、これもよ!これも私のではないわ」
「べ、ベルローズ、そんなにいっぱい要らないわ……」
「いえ!10年以上もお姉様から奪い続けていたのです!それくらいになるのは当然ですわ!ご遠慮などなさらずに!」
ぽいぽいと積み上げると本当にいっぱいあって、もう自分の罪深さに愕然とする。穴でも掘って埋まりたいわ。
「べ、ベル、ベルローズ!本当に、本当にもういいから!クロゼットにそんなにドレスは入りませんから!」
「ではお預かりしておきます!空いたら取りに来てくださいませね!」
「わ、わかりました……」
ふう……少しほっとしたわ。壊してしまったものや捨ててしまったものも多く、土下座してわびたい。いや、土下座しよう……そう思った時、メイドの一人が来客を告げる。
「ジョルジュ・トワイト公爵令息がお見えです」
「お通しして!」
あ、お父様でもお姉様でもないのに、答えてしまったわ。
52
あなたにおすすめの小説
天使のように愛らしい妹に婚約者を奪われましたが…彼女の悪行を、神様は見ていました。
coco
恋愛
我儘だけど、皆に愛される天使の様に愛らしい妹。
そんな彼女に、ついに婚約者まで奪われてしまった私は、神に祈りを捧げた─。
そんな事も分からないから婚約破棄になるんです。仕方無いですよね?
ノ木瀬 優
恋愛
事あるごとに人前で私を追及するリチャード殿下。
「私は何もしておりません! 信じてください!」
婚約者を信じられなかった者の末路は……
あなたに何されたって驚かない
こもろう
恋愛
相手の方が爵位が下で、幼馴染で、気心が知れている。
そりゃあ、愛のない結婚相手には申し分ないわよね。
そんな訳で、私ことサラ・リーンシー男爵令嬢はブレンダン・カモローノ伯爵子息の婚約者になった。
婚約破棄されたと思ったら結婚を申し込まれました
を
恋愛
「リッカ・ウィンターベル!貴様との婚約を破棄する!」
「あ、はい」
リッカがあっさりと承諾すると、思っていた反応とは違ったので殿下は困惑した。
だが、さらに困惑する展開が待ち受けているのだった。
〖完結〗妹は私の物が大好きなようです。
藍川みいな
恋愛
カサブランカ侯爵家に双子として生まれた、姉のブレアと妹のマリベル。
妹は姉の物を全て欲しがり、全て譲ってきたブレア。
ある日、ダリアル公爵家長男のエルヴィンとの縁談が来た。
ダリアル公爵は姉のブレアを名指しし、ブレアとエルヴィンは婚約をした。
だが、マリベルはブレアの婚約者エルヴィンを欲しがり、ブレアを地下に閉じこめ、ブレアになりすまし結婚した...。
主人公ブレアがあまり出てきません。
本編6話+番外編1話で完結です。
毎日0時更新。
甘やかされすぎた妹には興味ないそうです
もるだ
恋愛
義理の妹スザンネは甘やかされて育ったせいで自分の思い通りにするためなら手段を選ばない。スザンネの婚約者を招いた食事会で、アーリアが大事にしている形見のネックレスをつけているスザンネを見つけた。我慢ならなくて問い詰めるもスザンネは知らない振りをするだけ。だが、婚約者は何か知っているようで──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる