【本編,番外編完結】私、殺されちゃったの? 婚約者に懸想した王女に殺された侯爵令嬢は巻き戻った世界で殺されないように策を練る

金峯蓮華

文字の大きさ
27 / 34
番外編 ウィルヘルムの結婚

魔道具作りは神様からのギフト

しおりを挟む
 魔道具がより詳細な位置を出してくれた。

 魔道具によると、エルフリーデ嬢は家族や使用人と共にサイオトリス王国の地中深いところに作られた基地のようなところにいるようだ。

 ジェフリー様が魔道具を見ながら難しい顔をしている。

「ベル、この探索魔道具にその場の様子を映し出せるようなものをつけられないかな。地下組織のアジトがどんな感じなのか知りたいんだ」

 その場の様子か~。水晶板みたいなものが映し出す感じかな? あちらにも小型の水晶板を取り付けるイメージであちらの状態をそれを通してこちらに映す感じかな。頭でイメージしてみるといけるわね。

「そうね。やってみるわ」

 神様お願い。イメージどおりの魔道具出して。

 私は画面にリアルタイムで動きが見られる魔道具をイメージして、それをとりつけろと魔道具に命令してみる。

 しばらくすると、取り付けた水晶に映像が浮き上がった。

 よかった。うまくいったわ。神様ありがとう。

「ジェフリー様、成功したみたい。映像が見えるわ」

「本当だ。かなり鮮明だな。しかし、地下深くこれだけの施設を作るなんて凄いな。しかし、サイオトリス王国はこれだけの魔法が使える国なんだな。もし、戦争となったら……魔法対策が必要だな」

 戦争? そんなことになったら大変だ。魔法対策か。

 サイオトリス王国がどんな国かなんてジェフリー様が持っていた資料でしか知らない。でも地下深くにあんな部屋を作るのは魔法でしか無理だろう。そんな国と戦争なんて。いや、戦争はだめだ。戦争なんてしてはいけない。

 ジェフリー様が魔法でヒューイ様と話をしている……と思ったらヒューイ様が現れた。ヒューイ様もセレスも瞬間魔法使い過ぎだよ。

 ヒューイ様は魔道具に映るサイオトリス王国の地下深く作られた施設の映像を見て感激しているようだ。魔法大国の母国にもこんな魔道具はないと言う。

 神様ありがとう。

 ヒューイ様は私の手を取って歓喜の声をあげる。

「おー、本当に鮮明だな。ベルは凄い。天才だ!」

 いやいや、持ち上げられてもね。これはただの神様の罪滅ぼしなのよね。私が天才ではなくて神様が天才なだけよ。

 私達は黙ったままで映像を見つめていた。きっとあれがエルフリーデ嬢だ。絵姿どおりの綺麗だし、猫っぽい目が可愛い人だ。背も高いしかっこいいなぁ。

 あんな綺麗な人を捨てるなんてサイオトリス王国の王太子の目は節穴なんだろう。

 そんなことを思いながらぼんやり見ていたら……

「あっ!」

「えっ?」

「まさか」

 水晶板に映し出されていたその人は……

「「「陛下!!」」」

 三人でシンクロしてしまった。

 私は水晶板の向こうにいるウィル様の姿に腰が抜けそうになった。

 あの腹黒鬼畜たぬきなんでいるのよ!

 何故ウィル様がサイオトリスの地下にいるのかさっぱりわからない。連れてこいと言っていたはずなのに。自分が連れに行ったのか? 全くあの人の頭の中は読めないわ。

「お前らが遅いから俺が動いた。屋敷で魔道具なんか見ながらびっくりしてんじゃねーよ」

 突然ウィル様が向こう側から私達に話しかけてきた。

「すぐに戻る。準備しとけよ」

 私達三人は顔を見合わせ、げんなりした。




しおりを挟む
感想 91

あなたにおすすめの小説

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。 その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。 そこで待っていたのは、最悪の出来事―― けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。 夫は愛人と共に好きに生きればいい。 今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。 でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。 妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。 過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――

殺された伯爵夫人の六年と七時間のやりなおし

さき
恋愛
愛のない結婚と冷遇生活の末、六年目の結婚記念日に夫に殺されたプリシラ。 だが目を覚ました彼女は結婚した日の夜に戻っていた。 魔女が行った『六年間の時戻し』、それに巻き込まれたプリシラは、同じ人生は歩まないと決めて再び六年間に挑む。 変わらず横暴な夫、今度の人生では慕ってくれる継子。前回の人生では得られなかった味方。 二度目の人生を少しずつ変えていく中、プリシラは前回の人生では現れなかった青年オリバーと出会い……。

【完結】ジュリアはバツイチ人生を謳歌する

ariya
恋愛
エレン王国の名門貴族・アグリア伯爵家に嫁いだジュリア・アグリア(旧姓ベルティー)。 夫のアベル・アグリア伯爵は、騎士として王妃の護衛任務に没頭し、結婚翌日からほぼ別居状態。 社交界のパーティーでは妻のエスコートを代理人に任せ、父の葬儀にも顔を出さず、事務的な会話と手紙のやり取りだけの日々が続く。 ジュリアは8年間の冷遇に耐え抜いたが、ある朝の食事中、静かに切り出す。 「私たち、離婚しましょう」 アベルは絶句するが、ジュリアは淡々と不満を告げる。 どれも自分のしでかしたことにアベルは頭を抱える。 彼女はすでに離婚届と慰謝料の用意を済ませ、夫の仕事に理解を示さなかった「有責妻」として後腐れなく別れるつもりだった。 アベルは内心で反発しつつも、ジュリアの決意の固さに渋々サイン。 こうしてジュリア・アグリアは、伯爵夫人としての全てを置き去りにし、バツイチ人生を開始する。

十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!

翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。 「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。 そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。 死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。 どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。 その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない! そして死なない!! そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、 何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?! 「殿下!私、死にたくありません!」 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ ※他サイトより転載した作品です。

本日、私の妹のことが好きな婚約者と結婚いたしました

音芽 心
恋愛
私は今日、幼い頃から大好きだった人と結婚式を挙げる。 ____私の妹のことが昔から好きな婚約者と、だ。 だから私は決めている。 この白い結婚を一年で終わらせて、彼を解放してあげることを。 彼の気持ちを直接聞いたことはないけれど……きっとその方が、彼も喜ぶだろうから。 ……これは、恋を諦めていた令嬢が、本当の幸せを掴むまでの物語。

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。

ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。 ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。 対面した婚約者は、 「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」 ……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。 「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」 今の私はあなたを愛していません。 気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。 ☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。 ☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)

王子様への置き手紙

あおき華
恋愛
フィオナは王太子ジェラルドの婚約者。王宮で暮らしながら王太子妃教育を受けていた。そんなある日、ジェラルドと侯爵家令嬢のマデリーンがキスをする所を目撃してしまう。ショックを受けたフィオナは自ら修道院に行くことを決意し、護衛騎士のエルマーとともに王宮を逃げ出した。置き手紙を読んだ皇太子が追いかけてくるとは思いもせずに⋯⋯ 小説家になろうにも掲載しています。

【完結】優しいあなたに、さようなら。二人目の婚約者は、私を殺そうとしている冷血公爵様でした

ゆきのひ
恋愛
伯爵令嬢であるディアの婚約者は、整った容姿と優しい性格で評判だった。だが、いつからか彼は、婚約者であるディアを差し置き、最近知り合った男爵令嬢を優先するようになっていく。 彼と男爵令嬢の一線を越えた振る舞いに耐え切れなくなったディアは、婚約破棄を申し出る。 そして婚約破棄が成った後、新たな婚約者として紹介されたのは、魔物を残酷に狩ることで知られる冷血公爵。その名に恐れをなして何人もの令嬢が婚約を断ったと聞いたディアだが、ある理由からその婚約を承諾する。 しかし、公爵にもディアにも秘密があった。 その秘密のせいで、ディアは命の危機を感じることになったのだ……。 ※本作は「小説家になろう」さん、カクヨムさんにも投稿しています ※表紙画像はAIで作成したものです

処理中です...