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番外編 ウィルヘルムの結婚
探索魔道具頑張る
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やっと出来上がった探索の魔道具にサイオトリス王国の令嬢のデータを入れる。データはセレスが暗部の部下達を使って調べてくれた。
我が国の暗部の手の者がサイオトリス王国にたくさん潜入しているとは全く知らなかった。
さすが腹黒鬼畜陛下、いろんな国にスパイを潜入させているのだな。
令嬢の名前はエルフリーデ・ロンメル。年は18歳。私より3歳下だわ。ウィル様とは8歳離れているか。まぁ、貴族の結婚は年はあまり関係ない。大丈夫大丈夫。
ロンメル公爵家の長女。弟が一人いる。
エルフリーデ嬢が国外追放されたあと、公爵家はお取り潰しになり、両親も弟も主要な使用人達も皆行方不明になったそうだ。
入手した絵姿は長身でスレンダーな美女。ちょっとつり気味の猫ちゃんみたいな黒い瞳と燃える炎のような髪が印象に残る。真っ赤な髪はサイオトリス王国特有の色らしい。カッコいいなぁ。
なんでこんな素敵な令嬢を断罪したのだろう? あっそうか。馬鹿だからだわね。
「探索さん、エルフリーデとその家族を探して」
私は魔道具に向かって声をかける。スイッチをオンにすると、魔道具はカタカタと音を立てだした。
「どう? 令嬢見つかりそう?」
ジェフリー様がうしろから覗き込む。
「どうかしらね。なんせ初めてだし。見つかるといいけど……」
ピロンピロンピロン 『対象が見つかりました』
魔道具から音と音声が聞こえてきた。
「お~、見つかったのね! 凄いわ」
セレスの声だ。いつのまに来たんだ? もううちで出産する気じゃないのかと思ってしまう。まぁ、別にいいけど……。
私は改めて探索魔道具の画面を覗きこんだ。
あら、これ? これってサイオトリス王国じゃないのかしら? 不安なのでジェフリー様に確認してみよう。
「ジェフリー様、この位置ってサイオトリス王国ですよね? 国外追放になったのならサイオトリス国内にいるはずないし。魔道具失敗だったかしら」
残念な気持ちが込み上げてくる。
「いや、そうでもないぞ」
ジェフリー様はニヤリと口角を上げている。
「風の噂で聞いたことがあるんだ。サイオトリス王国の虐げられた民達が地下に潜り国家転覆の機会を伺っていると。もし、それが本当で、秘密裏に令嬢や公爵達がそこにいるとしたら……」
「クーデターか?」
「キャッ」
突然、後ろから聞こえてきた声に心臓が口から出るかと思った。
「陛下? なぜここに」
「お前達が何かやっているのは知ってたから、そろそろかと思って来てみたんだよ」
まさかウィル様が我が家に現れるなんて。結界張っときゃよかったわ。
ウィル様は相変わらず偉そうだ。王命で私とジェフリー様を離縁させて、私と結婚し、お飾りの王妃にしようとしていたとジェフリー様から聞いた時は開いた口が塞がらなかった。思わず、どんな報復をしてやろうかと思ったわ。
「で、サイオトリス王国の弱味は握れたのか?」
「はい。じゃあ、サイオトリス王国を取りに行くかね」
ウィル様は黒い笑いを浮かべている。
「セレス、暗部を地下組織と接触させろ。それと、令嬢と公爵家の皆さんは我がファンベルグ王国の王宮にお連れしろ。丁寧にな」
丁寧って……。
ウィル様はセレスをじっと見て固まっている。
「セレス、お前太ったな』
セレスはウィル様の言葉に目がテンになっている。
「妊婦よ!」
「妊婦? 誰の子だ?」
「ヒューイ様の子に決まってるでしょ!」
「そうか。まぁ、なんでもいい。とにかくさっさと動け。俺は王宮で待ってるからな」
ウィル様は手をひらひらと降りながら瞬間移動魔法で消えた。
「殺す。絶対殺してやる」
セレスはブチ切れながら、瞬間移動で辺境の地に戻って行った。
「さぁ、私も王宮に戻るよ。もう少し細か居場所がわかったらセレスに知らせて欲しい」
「わかったわ」
さて、なんだか動きだしたかしらね。エルフリーデ嬢はどんな人なのかしら? 会うのが楽しみだわ。
我が国の暗部の手の者がサイオトリス王国にたくさん潜入しているとは全く知らなかった。
さすが腹黒鬼畜陛下、いろんな国にスパイを潜入させているのだな。
令嬢の名前はエルフリーデ・ロンメル。年は18歳。私より3歳下だわ。ウィル様とは8歳離れているか。まぁ、貴族の結婚は年はあまり関係ない。大丈夫大丈夫。
ロンメル公爵家の長女。弟が一人いる。
エルフリーデ嬢が国外追放されたあと、公爵家はお取り潰しになり、両親も弟も主要な使用人達も皆行方不明になったそうだ。
入手した絵姿は長身でスレンダーな美女。ちょっとつり気味の猫ちゃんみたいな黒い瞳と燃える炎のような髪が印象に残る。真っ赤な髪はサイオトリス王国特有の色らしい。カッコいいなぁ。
なんでこんな素敵な令嬢を断罪したのだろう? あっそうか。馬鹿だからだわね。
「探索さん、エルフリーデとその家族を探して」
私は魔道具に向かって声をかける。スイッチをオンにすると、魔道具はカタカタと音を立てだした。
「どう? 令嬢見つかりそう?」
ジェフリー様がうしろから覗き込む。
「どうかしらね。なんせ初めてだし。見つかるといいけど……」
ピロンピロンピロン 『対象が見つかりました』
魔道具から音と音声が聞こえてきた。
「お~、見つかったのね! 凄いわ」
セレスの声だ。いつのまに来たんだ? もううちで出産する気じゃないのかと思ってしまう。まぁ、別にいいけど……。
私は改めて探索魔道具の画面を覗きこんだ。
あら、これ? これってサイオトリス王国じゃないのかしら? 不安なのでジェフリー様に確認してみよう。
「ジェフリー様、この位置ってサイオトリス王国ですよね? 国外追放になったのならサイオトリス国内にいるはずないし。魔道具失敗だったかしら」
残念な気持ちが込み上げてくる。
「いや、そうでもないぞ」
ジェフリー様はニヤリと口角を上げている。
「風の噂で聞いたことがあるんだ。サイオトリス王国の虐げられた民達が地下に潜り国家転覆の機会を伺っていると。もし、それが本当で、秘密裏に令嬢や公爵達がそこにいるとしたら……」
「クーデターか?」
「キャッ」
突然、後ろから聞こえてきた声に心臓が口から出るかと思った。
「陛下? なぜここに」
「お前達が何かやっているのは知ってたから、そろそろかと思って来てみたんだよ」
まさかウィル様が我が家に現れるなんて。結界張っときゃよかったわ。
ウィル様は相変わらず偉そうだ。王命で私とジェフリー様を離縁させて、私と結婚し、お飾りの王妃にしようとしていたとジェフリー様から聞いた時は開いた口が塞がらなかった。思わず、どんな報復をしてやろうかと思ったわ。
「で、サイオトリス王国の弱味は握れたのか?」
「はい。じゃあ、サイオトリス王国を取りに行くかね」
ウィル様は黒い笑いを浮かべている。
「セレス、暗部を地下組織と接触させろ。それと、令嬢と公爵家の皆さんは我がファンベルグ王国の王宮にお連れしろ。丁寧にな」
丁寧って……。
ウィル様はセレスをじっと見て固まっている。
「セレス、お前太ったな』
セレスはウィル様の言葉に目がテンになっている。
「妊婦よ!」
「妊婦? 誰の子だ?」
「ヒューイ様の子に決まってるでしょ!」
「そうか。まぁ、なんでもいい。とにかくさっさと動け。俺は王宮で待ってるからな」
ウィル様は手をひらひらと降りながら瞬間移動魔法で消えた。
「殺す。絶対殺してやる」
セレスはブチ切れながら、瞬間移動で辺境の地に戻って行った。
「さぁ、私も王宮に戻るよ。もう少し細か居場所がわかったらセレスに知らせて欲しい」
「わかったわ」
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