20 / 22
20.シーラ様の戦い
しおりを挟む私はフェロー様からいただいたダガーズ様の予定表を元に、ランチには量をたくさん、主食も多く持って行く事にしました。
「俺は不思議だったんだけど、コリーナはいつもこんなにたくさんお弁当を持って来てるのか?」
「いいえ?ダガーズ様にお会いするときだけですよ?」
「あ!もしや!兄上‼」
「はい。ダガーズ様のご予定を教えていただきました。その上でお弁当の量を調節しております」
なんだか恥ずかしくなって赤面してしまったけど、ダガーズ様もなんだか赤面してらっしゃるのでオアイコです。
「キョウノオベントウハイカガデスカ?」
「コリーナガツクルベントウハオイシイヨ」
なんだか片言のようになってしまいました。
「あ、そう言えば!シーラ様のご懐妊の話はお聞きになっていますか?」
「もちろん。騎士としては、厳重に警備に当たらせてもらうよ。可愛い甥か姪だし」
ダガーズ様が叔父さんですか……なんだか似合わない。まだお兄さんですよ。フェロー様と年が離れてるからかなぁ?
そんなんで、私とダガーズ様がいつもランチをご一緒しているという事が公認となり、カップル扱いとなりました。
月日が巡るのは早いもので、シーラ様現在お産中です。
フェロー様はウロウロしてます。
ダガーズ様、その他の騎士様がガッチリと部屋をガードしているという話です。
警備の都合上ダミーの部屋もいくつかあると聞きました。
そうですね、御子を討ち取ればリーク帝国の御代が途絶えますから。
「オギャアー‼‼」
これまた大きな声で産声を響かせてくれました。
私とフェロー様とダガーズ様(任務中でしたので特別)は、産まれたばかりの御子に会う事が出来ました。
「おお、この元気な子が私とシーラの子か!」
「陛下、とても元気な男の子です」
「そうかそうか。見てみろダガーズ。お前の甥だ。剣術指南を頼んだぞ!」
「畏れ多くも承りました。コリーナ、俺には猿にしか見えないのだが?」
「ふふふ、それは言わないでおきましょう?」
ダガーズ様とはこっそりと会話をした。
フェロー様は「このアングルが男前だな、いや、このアングルの方が…」などと格闘していましたが、シーラ様に呆れられ、その行動はおやめになりました。
「さあさあ、授乳です。皆様お部屋から一時退散してくださいな」
との産婆さんからのお言葉に一番名残惜しそうだったのはフェロー様。
ダガーズ様は「甥かぁ」と言っていた。
私はお産の経験がないのでわかりませんが、シーラ様はお疲れなんでしょう?さっきのように押し掛け続けるのもなんなので、私はしばらくお会いするのを控えていました。
その代わりといってはなのですが、手紙を書きました。
フェロー様は精力的に公務を片付け、シーラ様と御子様のところへ通っていらっしゃると聞きました。
フェロー様の周りの文官さんたちが大助かりのようです。
163
あなたにおすすめの小説
「醜い」と婚約破棄された令嬢、実は変身の魔法で美貌を隠していただけでした。今さら後悔しても遅いですわ!
ゆっこ
恋愛
王都の大広間には、華やかな音楽と人々のざわめきが溢れていた。
社交界の中心ともいえる舞踏会。煌びやかなシャンデリアの下、若き令息や令嬢たちが談笑し、舞い踊り、誰もが夢のようなひとときを楽しんでいる。
けれど――その場の視線は、一人の令嬢へと集まっていた。
「リリアーナ・フォン・エルバート。お前との婚約を破棄する!」
鋭く響いたのは、婚約者である第一王子アルベルト殿下の声だった。
人々はざわめき、音楽が止まる。
「え……」
「平民とでも結婚すれば?」と捨てられた令嬢、隣国の王太子に溺愛されてますが?
ゆっこ
恋愛
「……君との婚約は、ここで破棄させてもらう」
その言葉を、私は静かに受け止めた。
今から一時間前。私、セレナ・エヴァレットは、婚約者である王国第一王子リカルド・アルヴェイン殿下に、唐突に婚約破棄を言い渡された。
「急すぎますわね。何か私が問題を起こしましたか?」
「いや、そういうわけではない。ただ、君のような冷たい女性ではなく、もっと人の心を思いやれる優しい女性と生涯を共にしたいと考えただけだ」
そう言って、彼は隣に立つ金髪碧眼の令嬢に視線をやった。
婚約破棄された令嬢、隣国の暴君王に“即”溺愛されていますが?
ゆっこ
恋愛
王都の中心から少し離れた城の塔は、風がよく通る。
その夜わたし――エリスは、豪奢すぎるほどの寝室のバルコニーに出て、夜風を胸いっぱいに吸い込んだ。
「……本当に、ここはわたしの部屋でいいのかしら」
つい昨日まで、わたしは婚約者であったアルノルト殿下からの侮蔑に耐え、社交界で嘲笑され、家族にさえ冷たくされていたのに。
まさか隣国ファルゼンの“暴君王”と呼ばれるレオンハルト陛下に見初められ、護衛兼客人として迎えられるとは、夢にも思っていなかった。
……いや、正確には“客人”などという生易しい扱いではない。
公爵令嬢ですが、実は神の加護を持つ最強チート持ちです。婚約破棄? ご勝手に
ゆっこ
恋愛
王都アルヴェリアの中心にある王城。その豪奢な大広間で、今宵は王太子主催の舞踏会が開かれていた。貴族の子弟たちが華やかなドレスと礼装に身を包み、音楽と笑い声が響く中、私——リシェル・フォン・アーデンフェルトは、端の席で静かに紅茶を飲んでいた。
私は公爵家の長女であり、かつては王太子殿下の婚約者だった。……そう、「かつては」と言わねばならないのだろう。今、まさにこの瞬間をもって。
「リシェル・フォン・アーデンフェルト。君との婚約を、ここに正式に破棄する!」
唐突な宣言。静まり返る大広間。注がれる無数の視線。それらすべてを、私はただ一口紅茶を啜りながら見返した。
婚約破棄の相手、王太子レオンハルト・ヴァルツァーは、金髪碧眼のいかにも“主役”然とした青年である。彼の隣には、勝ち誇ったような笑みを浮かべる少女が寄り添っていた。
「そして私は、新たにこのセシリア・ルミエール嬢を伴侶に選ぶ。彼女こそが、真に民を導くにふさわしい『聖女』だ!」
ああ、なるほど。これが今日の筋書きだったのね。
冷徹王子が、婚約破棄した私を今さら溺愛してきます
ゆっこ
恋愛
「――リリアーナ・エルフォード。お前との婚約を破棄する」
その言葉が放たれた瞬間、会場の空気が凍りついた。
煌びやかな舞踏会場の中央で、冷徹と称される王太子――レオンハルト殿下が、感情の一片も見せずに告げる。
私は微笑んで一礼した。
ずっとこの瞬間が来ることは、予感していたから。
「……承知いたしました。殿下のご意志に逆らうことはいたしませんわ」
「役立たず」と婚約破棄されたけれど、私の価値に気づいたのは国中であなた一人だけでしたね?
ゆっこ
恋愛
「――リリアーヌ、お前との婚約は今日限りで破棄する」
王城の謁見の間。高い天井に声が響いた。
そう告げたのは、私の婚約者である第二王子アレクシス殿下だった。
周囲の貴族たちがくすくすと笑うのが聞こえる。彼らは、殿下の隣に寄り添う美しい茶髪の令嬢――伯爵令嬢ミリアが勝ち誇ったように微笑んでいるのを見て、もうすべてを察していた。
「理由は……何でしょうか?」
私は静かに問う。
冷徹王子に捨てられた令嬢、今ではその兄王に溺愛されています
ゆっこ
恋愛
――「お前のような女に、俺の隣は似合わない」
その言葉を最後に、婚約者であった第二王子レオンハルト殿下は私を冷たく突き放した。
私、クラリス・エルデンは侯爵家の令嬢として、幼い頃から王子の婚約者として育てられた。
しかし、ある日突然彼は平民出の侍女に恋をしたと言い出し、私を「冷酷で打算的な女」だと罵ったのだ。
涙も出なかった。
あまりに理不尽で、あまりに一方的で、怒りも悲しみも通り越して、ただ虚しさだけが残った。
「誰もお前なんか愛さない」と笑われたけど、隣国の王が即プロポーズしてきました
ゆっこ
恋愛
「アンナ・リヴィエール、貴様との婚約は、今日をもって破棄する!」
王城の大広間に響いた声を、私は冷静に見つめていた。
誰よりも愛していた婚約者、レオンハルト王太子が、冷たい笑みを浮かべて私を断罪する。
「お前は地味で、つまらなくて、礼儀ばかりの女だ。華もない。……誰もお前なんか愛さないさ」
笑い声が響く。
取り巻きの令嬢たちが、まるで待っていたかのように口元を隠して嘲笑した。
胸が痛んだ。
けれど涙は出なかった。もう、心が乾いていたからだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる