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109. 「ルカの外交断固拒否宣言(でも泣かれると弱い)」
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園の応接室。
そこに並んだ椅子は、どれも高級な赤絨毯の上に等間隔に配置されていた。
だが、雰囲気は──まるで結婚相談所。
「それでは、まず我がノヴァリス王国第一王子、リュカ・フェルシュタイン殿下より──」
「待ってください! 私ども東国スイレンの宰相が先のはずでは──!」
「横入りは外交問題に発展しますぞッ!」
──すでに外交ではなく、合コン前の席順争いになっていた。
ルカは、ミミルをぎゅっと胸に抱いたまま、真ん中の椅子にちょこんと座っていた。
(……怖い)
(全員……ガチだった……)
「ルカ様!」
まず飛び出したのは、リュカ王子。
膝をついて宝石箱を差し出し、
中には、眩い金細工の指輪。
「これは私の国の“婚約証”……どうか、お受け取りください!」
(えっ、いきなり!?)
「リュカ王子……ありがとうございます。でも、ボク……」
「あなたを、愛しています。
私にとって国は手段であり、目的はあなたです」
(わぁ……目が本気……)
「ごめんなさい……ボク、誰とも……結婚はしません」
そう告げた瞬間、リュカの目に、涙がにじんだ。
「……それでも、あなたを愛します。
あなたの自由を、誰よりも願っています」
(えええええええええええ!?)
そのあとに続いたのは、宰相、騎士団長、諸侯、使節団──
皆それぞれ、贈り物と“真剣な目”を携えて現れた。
そして皆、口々に言った。
「愛しています」
「あなたを国の中心に」
「婚姻ではなくとも、隣にいたい」
「一言だけでいい。国が動きます」
そのたびに、ルカは泣きそうになりながら断った。
(断るのって、なんでこんなに、心が痛いんだろう……)
(ボクのせいで、誰かが泣くなんて──望んでないのに……)
それでも、園児たちがずっと後ろにいてくれた。
ユリウス、カイン、レオン、ノア、アス──
それぞれが無言で、背中を守ってくれている。
「……ルカ」
ユリウスが、そっと言った。
「もし、全部断るのがしんどくなったら……オレたちが代わりに怒るから」
「……ありがとう」
最後に立ち上がったルカは、深く、深く頭を下げた。
「みなさん……本当に、ありがとうございます」
「ボクは、誰とも結婚しません。誰かのものにもなりません」
「でも、誰よりも、みなさんの気持ちを嬉しく思います」
「だから──この気持ちは、ちゃんと受け取りました」
「……ありがとうございました」
その瞬間、応接室は静まり返った。
そして──まばらに、拍手が起こった。
「……なんという神子だ」
「……選ばぬという慈悲を、ここまで尊く語るとは」
「……逆に好きになった」
「……むしろ信仰を捧げたい」
──結局、全員、さらに沼に落ちて帰っていった。
***
その夜、園の屋上で。
「ルカ、疲れたろ」
ユリウスが、星を見上げながら言った。
「……うん。すごく、疲れた」
「でも、後悔はしてない?」
ルカは小さく笑った。
「うん。みんなの想いが、ちゃんと“優しさ”だったって思えたから」
「それに、後ろにみんながいてくれたから──ボク、泣かずにいられたよ」
ユリウスはそれを聞いて、ほんの少しだけ頬を赤く染めた。
「……オレらの方こそ、惚れ直したよ」
(やっぱり、ルカは……誰にも渡せない)
そこに並んだ椅子は、どれも高級な赤絨毯の上に等間隔に配置されていた。
だが、雰囲気は──まるで結婚相談所。
「それでは、まず我がノヴァリス王国第一王子、リュカ・フェルシュタイン殿下より──」
「待ってください! 私ども東国スイレンの宰相が先のはずでは──!」
「横入りは外交問題に発展しますぞッ!」
──すでに外交ではなく、合コン前の席順争いになっていた。
ルカは、ミミルをぎゅっと胸に抱いたまま、真ん中の椅子にちょこんと座っていた。
(……怖い)
(全員……ガチだった……)
「ルカ様!」
まず飛び出したのは、リュカ王子。
膝をついて宝石箱を差し出し、
中には、眩い金細工の指輪。
「これは私の国の“婚約証”……どうか、お受け取りください!」
(えっ、いきなり!?)
「リュカ王子……ありがとうございます。でも、ボク……」
「あなたを、愛しています。
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(わぁ……目が本気……)
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そう告げた瞬間、リュカの目に、涙がにじんだ。
「……それでも、あなたを愛します。
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そのあとに続いたのは、宰相、騎士団長、諸侯、使節団──
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そして皆、口々に言った。
「愛しています」
「あなたを国の中心に」
「婚姻ではなくとも、隣にいたい」
「一言だけでいい。国が動きます」
そのたびに、ルカは泣きそうになりながら断った。
(断るのって、なんでこんなに、心が痛いんだろう……)
(ボクのせいで、誰かが泣くなんて──望んでないのに……)
それでも、園児たちがずっと後ろにいてくれた。
ユリウス、カイン、レオン、ノア、アス──
それぞれが無言で、背中を守ってくれている。
「……ルカ」
ユリウスが、そっと言った。
「もし、全部断るのがしんどくなったら……オレたちが代わりに怒るから」
「……ありがとう」
最後に立ち上がったルカは、深く、深く頭を下げた。
「みなさん……本当に、ありがとうございます」
「ボクは、誰とも結婚しません。誰かのものにもなりません」
「でも、誰よりも、みなさんの気持ちを嬉しく思います」
「だから──この気持ちは、ちゃんと受け取りました」
「……ありがとうございました」
その瞬間、応接室は静まり返った。
そして──まばらに、拍手が起こった。
「……なんという神子だ」
「……選ばぬという慈悲を、ここまで尊く語るとは」
「……逆に好きになった」
「……むしろ信仰を捧げたい」
──結局、全員、さらに沼に落ちて帰っていった。
***
その夜、園の屋上で。
「ルカ、疲れたろ」
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「……うん。すごく、疲れた」
「でも、後悔はしてない?」
ルカは小さく笑った。
「うん。みんなの想いが、ちゃんと“優しさ”だったって思えたから」
「それに、後ろにみんながいてくれたから──ボク、泣かずにいられたよ」
ユリウスはそれを聞いて、ほんの少しだけ頬を赤く染めた。
「……オレらの方こそ、惚れ直したよ」
(やっぱり、ルカは……誰にも渡せない)
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